CBS.log はWindowsのコンポーネントベースのサービス(Component-Based Servicing)が生成する診断ログです。場所は C:\Windows\Logs\CBS\CBS.log で、SFC/DISM 実行時に更新されます。この記事では開き方、重要エントリの抽出方法、ログの削除手順、トラブルシューティング用チェックリストと簡易フローチャートをまとめます。
目次
- CBS.log とは
- CBS.log は何を記録するか
- CBS.log の場所
- CBS.log を確認する方法(手順付き)
- 大きなログを抽出して読む方法
- CBS.log を削除またはクリアする方法
- CBS.log が役立つ場面
- 管理者向けチェックリスト
- 簡易フローチャートでの判断ガイド
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
CBS.log とは
CBS.log は Windows の更新、コンポーネントのインストール、システム修復処理に関するアクションを記録するテキストログです。Component-Based Servicing(コンポーネントベースのサービス)が生成し、システムファイルチェッカー(SFC)や展開イメージ管理(DISM)と連動して情報を書き込みます。
定義(1行): CBS.log = Windows の更新・修復処理の動作ログ。
CBS.log は何を記録するか
- 実行した操作(SFC、DISM、更新の適用など)
- スキャン対象のファイルとそのステータス(修復済み、スキップ、失敗など)
- エラーコードや失敗の原因手がかりとなるメッセージ
重要: sfc /scannow がエラーを報告した場合、詳細な原因は通常 CBS.log に記載されています。
CBS.log の場所
ログの既定のパスは次のとおりです。
C:\Windows\Logs\CBS\CBS.log
ファイルは SFC や DISM を実行するたびに追記されます。クラッシュや別の診断データのパスが必要な場合は、BSOD ログの場所を参照してください。
CBS.log を確認する方法
以下は GUI とコマンドの両方を使った代表的な手順です。簡潔に番号で示します。
ファイルエクスプローラーで直接移動するか、Run を使います。
「ファイル名を指定して実行」で次を入力して Enter: 2行目に案内
C:\Windows\Logs\CBS
エクスプローラーで
CBS.log
を右クリックし、[プログラムから開く] → [メモ帳] を選択します。メモ帳で開いた後、Ctrl+F でキーワード検索(例: [SR]、error、failed)を行います。
大きなログを効率的に抽出する(コマンド)
ログが非常に大きい場合、最近の SFC 関連の行だけをデスクトップに抽出して確認できます。管理者権限は不要ですが、ユーザー環境変数を利用します。
findstr /c:"[SR]" %windir%\Logs\CBS\CBS.log > "%userprofile%\Desktop\sfcdetails.txt"
このコマンドは CBS.log から “[SR]” を含む行を抽出してデスクトップに sfcdetails.txt を作成します。
CBS.log を削除またはクリアする方法
CBS.log はトラブルシューティングの後で安全に削除できます。Windows は必要に応じて新しいログを自動作成します。管理者権限での手順は次の通りです。
- 管理者としてコマンドプロンプトを起動します。
- Windows Modules Installer サービス(TrustedInstaller)を停止します:
net stop trustedinstaller
- CBS のログフォルダへ移動:
cd C:\Windows\Logs\CBS
- ログを削除:
del CBS.log
- PC を再起動します。必要に応じて Windows が新しい CBS.log を生成します。
注意: サービス停止やファイル削除は管理者権限が必要です。実行前に重要な診断情報が不要であることを確認してください。
CBS.log が役立つ場面
- Windows Update が失敗した場合の原因追跡
- SFC / scannow がエラーを返したときの詳細確認
- DISM がイメージ修復に失敗した際の補助的なエラー情報
メモ: CBS.log 単体では必ずしも根本原因がわからないことがあります。他のイベントログ(イベントビューア)や DISM の出力と組み合わせて解析してください。
管理者向けチェックリスト
ホームユーザー
- SFC を実行して
sfc /scannow
の結果を確認する - メモ帳で CBS.log を開き、[SR] を検索する
- 大きすぎる場合は抽出コマンドでサマリを作る
- SFC を実行して
IT サポート/テクニカル
- DISM のログと CBS.log を突合して矛盾を確認する
- TrustedInstaller を停止してバックアップを保存後にログをクリアする
- 再現手順を記録して、同一環境で再実行して比較する
システム管理者
- ログのローテーション/保管ポリシーを設定する
- 定期的に自動抽出スクリプトでエラー行を集約する
簡易フローチャート(トラブル判断ガイド)
flowchart TD
A[アップデートや SFC 実行後に問題発生] --> B[CBS.log を確認]
B --> C{[SR] や error があるか}
C -- はい --> D[該当エントリを抽出して原因特定]
C -- いいえ --> E[イベントビューア、DISM 出力を確認]
D --> F{修復可能か}
F -- はい --> G[DISM /修復手順を実行]
F -- いいえ --> H[システムの再インストールやロールバックを検討]
E --> H
よくある質問(FAQ)
CBS.log ファイルは何に使われますか?
Component-Based Servicing の処理(更新の適用や SFC 修復など)で行われたアクションと結果を記録します。問題解析に役立ちます。
CBS.log は削除してもいいですか?
はい。トラブルシューティングが終わっていれば安全に削除できます。Windows は必要に応じて自動的に再生成します。
CBS.log が大きくなるのはなぜですか?
頻繁なスキャンや多数の更新があると追記され続けるためです。容量が問題なら削除しても構いませんが、削除前に必要な情報を抽出してください。
CBS.log のエラーはどう読むのですか?
メモ帳で開いてキーワード([SR]、error、failed)で検索するか、findstr コマンドで関連行を抽出して読みます。
まとめ
CBS.log は Windows の更新や修復に関する貴重な診断情報を含むファイルです。場所(C:\Windows\Logs\CBS\CBS.log)を覚え、メモ帳や findstr コマンドで必要な行を抽出する方法を把握しておくと、SFC/DISM 関連の問題解決が速くなります。不要なログは管理者権限で削除できますが、削除前に必要な情報をバックアップしてください。
重要: CBS.log 単体で原因を断定できない場合は、イベントビューアや DISM の詳細出力と組み合わせて調査してください。
用語集(1行)
- SFC: System File Checker。システムファイルの整合性をチェックして修復するツール。
- DISM: Deployment Image Servicing and Management。Windows イメージの管理と修復を行うツール。