Black Myth: Wukong(Xbox)での表示問題を解決する完全ガイド

目次
- 表示問題の概要
- 修正手順(洗い出しと推奨設定)
- まずはすべてを更新する
- Dolby VisionではなくHDR10を使う
- XboxのHDR Game Calibrationを実行する
- 最適な映像出力設定を選ぶ
- テレビのピクチャーモードを調整する
- テレビのシャープネスを下げる
- ゲーム内で適切なモードを選ぶ
- AVレシーバーやキャプチャ機器を迂回する
- ゲームの予約領域を削除する(最終手段)
- なぜXboxで表示問題が起きるのか
- よくある誤解と失敗例
- トラブルシューティング用フローチャート
- 役割別チェックリスト(ゲーマー/配信者/AV設置者)
- テストケースと受け入れ基準
- 互換性と注意点(TV・HDMI・キャプチャ)
- まとめ
- FAQ
表示問題の概要
Black Myth: WukongをSeries X|Sでプレイすると、以下のような表示問題が報告されています:
- 色が薄く見える(洗い流されたような発色)
- コントラストが低く、黒がグレー寄りに見える
- シャープな輪郭が失われ、全体的にぼやけて見える
- 一部で画面の引き裂き(tearing)が発生する
このガイドでは、ユーザー報告や検証手順に基づき、段階的に原因を切り分け・対処する方法を示します。定義:HDR(ハイダイナミックレンジ)— 明暗の幅を広げて見た目を向上させる技術。
重要: まずは簡単な手順から試してください。設定変更→再起動→確認を1つずつ行うことで、原因が特定しやすくなります。
修正手順(洗い出しと推奨設定)
1. まずはすべてを更新する
- ゲーム本体を最新バージョンに更新する。
- Xbox本体を最新のシステムアップデートに更新する(設定 > システム > 更新)。
- TVのファームウェアと、使用しているAVレシーバーやキャプチャデバイスのファームウェアも確認する。
- 更新後、完全シャットダウン(電源長押し10秒)で電源を切り、再起動してから動作を確認する。
なぜ重要か: 多くの表示問題はファームウェアやドライバー側の修正で改善されることが多いためです。
2. Dolby VisionではなくHDR10を使う
手順(Xboxのメニュー例):
- 設定 > 全般 > テレビと表示オプション > ビデオモード
- 「Dolby Vision for Gaming」を無効にする
- HDR10を有効にする(既定)
注: TVやファームウェアによりメニュー名が異なる場合があります。Dolby Visionは一部のTVでゲーム向けのトーンマッピングが適切に動作せず、暗くまたは洗い流されたように見える報告が多いです。HDR10はXbox環境でより一貫性があることが多いです。
3. XboxのHDR Game Calibrationを実行する
手順:
- Xboxで「HDR Game Calibration」アプリを起動する
- 画面の指示に従い、黒(ブラックレベル)と白(最大輝度)を調整する
- 「黒を潰さない」「白を飽和させない」ことを意識して設定を進める
結果: 多くのユーザーが「もやっとした」・「灰色がかった黒」が改善されたと報告しています。
4. 最適な映像出力設定を選ぶ
- 解像度/リフレッシュレート: まずは4K/60で検証。4K/120はTVやHDMI帯域の取り扱いによりHDR処理が崩れることがあるため、問題の切り分け時には4K/60を試す。
- 可変リフレッシュレート(VRR): TVが対応している場合は有効にする。パフォーマンス/バランスモードでのティアリングを軽減できる。
- カラースペース: 「Standard(推奨)」または「Limited RGB」を基本にする。PC RGBは多くのテレビで黒つぶれや浮いた黒を引き起こす可能性がある。
- YCC 4:2:2許可: 10bit HDRを使う場合、HDMI帯域の関係でYCC 4:2:2を有効にすると色再現が改善するTVもある。オンオフを切り替えて比較検証を行う。
テスト手順(実践):
- 4K/60 + HDR10 + Standardカラースペースでスクリーンショットを確認
- 4K/120やPC RGB、YCC 4:2:2などを切り替え、違いを記録
- どの組み合わせが最も自然に見えるかを選ぶ
5. テレビのピクチャーモードを調整する
- ゲームモード、Filmmaker(フィルムメーカー)またはCinemaをベースにする。
- Dynamic Contrast、Black Enhancer、Live Colorのような「強調」機能はオフにする。これらはHDRのトーンマッピングを破壊し、画像をミルキー(霞んだ)または過剰に鮮やかにしてしまう。
- 色温度は「Neutral」や「Warm」が一般的に自然。TVの「エコモード」は避ける。
チェックリスト:
- Game Modeを有効にした
- 余計な画像補正(ダイナミックコントラスト等)をすべてオフにした
- 色温度を確認した
6. テレビのシャープネスを下げる
- シャープネスが高すぎると輪郭にハロー(縁のにじみ)が発生し、逆にぼやけて見えることがある。
- 多くのTVではシャープネスを0〜10%程度に下げ、テキストの視認性が損なわれない最低限に調整する。
7. ゲーム内で適切なモードを選ぶ
- Series X: Performance(高FPS)はグローバルイルミネーション(Lumen GI)を削ったり変化させる場合があり、ライティングの深みが減るため「フラット」に見えることがある。
- まずQualityモードを試して最も良い画質を確認する。
- BalancedはQualityとPerformanceの中間で、FPSと見た目のバランスが良い場合がある。
- Series S: Lumen GIが省かれているため、全体的にライティングがシンプルになる。Qualityモードが最もクリーンに見える。
選択のヒント: フレームレートより画質を優先したい場合はQuality、滑らかさを優先したい場合はBalancedやPerformanceを選ぶ。
8. AVレシーバーやキャプチャ機器を迂回する
- Xboxを一度TVに直接接続して、AVレシーバーやキャプチャ機材が原因でないか確認する。
- Xboxに付属のUltra High Speed HDMIケーブルを使用する。
- もし直接接続で改善するなら、デバイスを1台ずつ戻してどれが問題か特定する。
9. ゲームの予約領域を削除する(最終手段)
手順: マイゲームとアプリ > Black Myth: Wukong > 管理 > セーブデータ > 予約領域を削除
- 予約領域を消すことで一部の破損した一時データがクリアされることがある。
- 注意: ローカルのセーブデータを消すとクラウドから再同期されるが、念のため重要なデータはバックアップを推奨します。
なぜXboxで表示問題が起きるのか
- グラフィックスの実装差: Series XではモードによってLumen GIが使われない場合があり、シリーズやモードにより間接照明の表現が変わる。これが「深みが無い」「平坦に見える」原因。
- HDR/トーンマッピングの違い: Dolby Visionは動的メタデータを使うが、TV側のゲーム向け処理が最適化されていないと暗く見えたりトーンカーブがずれてしまう。HDR10は静的メタデータでXbox側との相性が良いことが多い。
- カラースペースと帯域: HDMIの帯域やカラーフォーマット(RGB vs YCC)により、10bit HDRの再現が変わる。帯域不足で色深度が落ちると古いような、のっぺりした見た目になる。
よくある誤解と失敗例
- 「Dolby Visionが常に良い」: 映像の種類による。映画向けの表示は良いがゲームではダイナミックメタデータ処理が逆効果になることがある。
- 「高シャープネス=くっきり」: 不要なシャープネスは輪郭アーティファクトを生む。
- 「高リフレッシュレートが最優先」: 4K/120は帯域やTVの内部処理でHDRに悪影響を与えることがある。まずは4K/60での確認を。
トラブルシューティング用フローチャート
次のフローに従って順番に試してください。
flowchart TD
A[問題を確認: 色が薄い/ぼやけ] --> B[Dolby Visionを無効にしてHDR10へ]
B --> C[改善したか?]
C -- はい --> Z[設定を保存]
C -- いいえ --> D[HDR Game Calibrationを実行]
D --> E[改善したか?]
E -- はい --> Z
E -- いいえ --> F[直接TVに接続してAV機器を迂回]
F --> G[改善したか?]
G -- はい --> Z
G -- いいえ --> H[映像出力(4K/60, 色空間, YCC)を順に切替]
H --> I[改善したか?]
I -- はい --> Z
I -- いいえ --> J[TVピクチャーモードとシャープネスを調整]
J --> K[改善したか?]
K -- はい --> Z
K -- いいえ --> L[ゲーム予約領域のクリア / 再インストール]
L --> Z
Z[終了]
役割別チェックリスト
ゲーマー(家庭用プレイ):
- ゲームと本体を更新した
- Dolby Visionをオフにした
- HDRキャリブレーションを実行した
- TVをGame/Filmmakerモードにした
- シャープネスを低くした
配信者/キャプチャ用途:
- キャプチャデバイスを迂回して直接TV接続で確認
- キャプチャソフトのカラー管理(色空間・色深度)を確認
- 収録は試験的に複数モード(Quality/Balanced/Performance)で録る
AV設置者/システム管理者:
- HDMIケーブル(Ultra High Speed)を使用
- TVの最新ファームウェアを適用
- 受信機のHDRパススルー設定を確認
- 必要ならHDMI/CEC設定の最適化を行う
テストケースと受け入れ基準
- 基本チェック: 4K/60、HDR10、Standardカラースペースでゲームを起動
- 受け入れ基準: 黒がグレー化しない、コントラストが自然
- VRR有効時のティアリング確認
- 受け入れ基準: 明らかなティアリングが減少
- Dolby Visionオン/オフ比較
- 受け入れ基準: HDR10のほうが全体的に安定して見える
- キャプチャ経由と直接接続の比較
- 受け入れ基準: 直接接続で最良の結果が得られる(もし差がある場合はキャプチャ経路に問題あり)
互換性と注意点(TV・HDMI・キャプチャ)
- HDMI規格: 4K/120と10bit HDRではHDMI 2.1の帯域を活用する機種が必要です。古い2.0ケーブルでは色やフレームに制約が出る可能性があります。
- TVメーカー固有の挙動: 一部のLG、Samsung、SonyなどのTVは各社独自のHDR処理を行うため、同一設定でも見え方が異なることがあります。メーカーのフォーラムやアップデート履歴を参照してください。
- キャプチャ機器: キャプチャ機器のHDR対応状態やパススルー処理で色やガンマが変わる場合があります。収録/配信時はキャプチャ経路の設定も検証しましょう。
まとめ
- まずはDolby Visionを無効にしてHDR10に切り替え、XboxのHDR Game Calibrationを実行してください。
- 次にTVのGame/Filmmakerモード、シャープネス、カラースペース(Standard)を確認します。
- それでも改善しない場合は、直接接続でAV機器を切り離し、解像度・リフレッシュレート・YCCの切替を試して、最も自然に見える組み合わせを選んでください。
- Series Sでは技術的にLumen GIが省かれているため、Series Xと比較して見た目が簡素に感じられる点を理解しておきましょう。
これらの手順で多くのプレイヤーは「色が薄い・ぼやける」といった表示問題を解消できています。順番に確実に実行することが鍵です。
FAQ
なぜPerformanceモードでWukongがぼやけるのですか?
Performanceはフレームレート優先のため、グローバルイルミネーション(Lumen GI)や一部のライティング処理を簡略化・削減することがあります。その結果、シーンの奥行きや反射が減り、平坦に見えることがあります。BalancedかQualityを試してください。
Black Myth: WukongではDolby VisionとHDR10のどちらを使うべきですか?
現状、多くのユーザー報告と検証から、XboxではHDR10の方が安定して見えるケースが多いです。Dolby Visionは一部TVで暗く/洗い流されたように見えることがあります。
最適なXboxのカラースペース設定は?
ほとんどのTVではStandard(Limited RGB)が推奨されます。PC RGBは多くのテレビで黒つぶれや影の階調損失を起こす可能性があります。
VRRはWukongのティアリングに効果がありますか?
はい。TVがVRRに対応していれば、PerformanceやBalancedモードで発生するティアリングを軽減できます。対応の有無を確認して有効にしてください。
Series SはSeries Xより画質が劣るのですか?
Series Sでは本作においてLumen GIが使われていないため、Series Xと比べると間接照明やライティング表現が簡素になります。Series SではQualityモードを選ぶと最もクリーンに見える傾向があります。
ソーシャル用要約(短文): Black Myth: WukongをXboxでプレイ中に色が薄い、ぼやけると感じたら、まずDolby VisionをオフにしてHDR10へ。次にHDRキャリブレーション、TVのGameモードとシャープネス調整を試してみてください。