Windows 8.1 プレビューから正式版へ安全にアップデートする方法

要点(この記事が扱うこと)
この記事は以下を扱います:
- プレビュー版から正式版へアップデートする方法(Windows ストア経由、ISO 起動時)
- 事前チェックリストと準備手順
- よくあるトラブルと対処方法
- ロールバックや回復の選択肢と手順
- 管理者や一般ユーザー向けチェックリストと短い用語集
重要: Windows 8.1 プレビューのライセンスは 2014 年 1 月に期限切れとなるため、それまでに正式版へ移行する必要があります。
いつこの手順を使うか
- あなたが現在 Windows 8.1 プレビュー(または Windows RT 8.1 プレビュー)を使っている
- プレビュー期限切れ前に正式版へ移行したい
- ストアに正式版が表示されない/インストールで問題が出た場合の対処法を知りたい
事前準備とチェックリスト
- 完全バックアップ: 個人ファイルのバックアップ(外付けドライブ、クラウド、システムイメージ)
- 回復メディアの作成: システム修復ディスクまたは回復 USB を作成
- 必要な更新プログラムを適用: 更新プログラム KB 2871389 が導入されていることを確認
- 空き容量: 少なくとも 20GB(推奨)以上の空き容量を確保
- 電源: ノート PC は AC 電源に接続、タブレットは十分に充電
- ネットワーク: 高速かつ安定したインターネット接続
- プロダクトキー/ライセンス情報: 元の Windows 8(購入版)のキーを手元に
- 重要ファイルの同期: ブラウザーのブックマークやメール設定はエクスポート
- サードパーティ製アンチウイルスの一時無効化を検討(インストール干渉を防ぐため)
注意: ストア経由でアップデートすると「個人ファイル」は保持されますが、デスクトップやストアアプリの再インストールが必要になります。ISO からのクリーンインストールは個人ファイルを消す可能性があります。
方法 1 — Windows ストアからアップデート(プレビューがストア経由でインストールされた場合)
- スタート画面で「Windows ストア」を開く
- ストアの注目エリアから「Windows 8.1」を選択してダウンロード
- ストアに表示されない場合はブラウザーのアドレスバーに次を入力してストアのアップグレードページを開く:
ms-windows-store:WindowsUpgrade
- インストールを開始。プロセス中は指示に従って再起動を行う
- インストール後、必要なアプリを再インストールし、システムを有効化する
ポイント:
- 個人ファイルは保持されますがアプリの再インストールが必要です。
- インストール後にプレビューへ戻す(アンインストール)は基本的にできません。
方法 2 — ISO からインストール(プレビューを ISO で導入した場合、あるいはクリーンインストールを行う場合)
- Windows 8.1 正式版の ISO を入手(マイクロソフトの正規チャネルか、正規購入したメディア)
- ブートメディア(DVD/USB)を作成
- BIOS/UEFI 設定で起動順序を変更し、作成したメディアから起動
- インストーラの指示に従い、ライセンスキーを入力してインストール(クリーンインストールの場合はパーティション選択に注意)
- インストール後、ドライバーと Windows Update を実行し、システムを最新にする
注意:
- ISO からのインストールは、プレビューからのアップグレードと違い、製品キーがないとアクティベーションできません。既に購入済みの Windows 8/8.1 のキーが必要です。
- クリーンインストールはすべてのアプリと設定が消えるため、バックアップを必ず行ってください。
よくある問題と対処法
問題: Windows ストアに正式版が表示されない
対処:
ms-windows-store:WindowsUpgrade
を実行して直接ストアのアップグレードページへ移動- Windows ストア キャッシュをリセット: 管理者として
wsreset.exe
を実行 - システムの地域と言語設定、日付時刻が正しいか確認
- Windows Update を実行して未適用の更新プログラムを適用
問題: インストールが途中で停止または失敗する
対処:
- ディスク容量を確認し不要ファイルを削除
- 外付けデバイスを取り外して再試行(USB デバイスが干渉する場合がある)
- セーフブートやクリーンブートで再試行
- ログを確認:
Event Viewer
(イベント ビューアー)でエラーを特定
問題: アクティベーションが通らない
対処:
- 正しいプロダクトキーを使用しているか確認
- 以前に購入した Windows 8 のプロダクトキーを使ってアクティベーション
- 電話によるアクティベーションを試す(地域サポートへ連絡)
ロールバックと回復の選択肢
- システムイメージから復元: 事前に作成したシステムイメージがあれば、それを使って元の状態に戻せます
- 回復ドライブを使う: USB 回復ドライブで PC を起動し、トラブルシューティング→回復を選択
- リフレッシュとリセット(Windows の回復オプション): アプリや設定の維持/削除を選んで修復
重要: ストア経由でアップデートした場合、プレビューをそのままアンインストールして戻すことは基本的にできません。必ずバックアップと回復手段を事前に用意してください。
管理者・一般ユーザー向けチェックリスト
管理者向け(IT 部門):
- エンタープライズ互換性テストを実施(主要アプリの動作確認)
- 映像・ドライバー互換性を検証
- 展開用イメージ/構成(WIM)を準備
- 更新手順を文書化してパイロット導入を行う
一般ユーザー向け:
- 個人ファイルをバックアップ
- 主要なログイン情報をメモ(メール・クラウドのパスワード)
- インストール前に重要アプリのインストール媒体やアカウント情報を準備
ミニ手順(実行順)
- バックアップ作成
- 必要な更新(KB 2871389)適用と再起動
- ストア/ISO のどちらで導入するか選択
- インストール実行
- 再起動・アプリ再構成・アクティベーション
- Windows Update とドライバー更新
1行用語集
- Windows ストア: Microsoft が提供するアプリ配布プラットフォーム
- ISO: ディスクイメージファイル(インストールメディアを作るために使用)
- アクティベーション: 正規ライセンスを確認して OS を有効化する手続き
- KB 2871389: Windows 8.1 アップデートに必要とされる更新の識別番号
代替アプローチ
- クリーンインストールを選ぶ利点: 不要なソフトやプレビューの残骸を一掃できる。欠点: 再構成の手間とデータ移行が必要。
- 企業環境ではイメージ展開(WDS/MDT/WSUS)を用いて一括更新する。
ロールバック実行手順(簡易ランブック)
- 回復ドライブを用意しておく
- PC を回復ドライブで起動
- トラブルシューティング → イメージの復元(システムイメージがある場合)
- イメージが無い場合、リフレッシュやリセットを試し、最終手段はクリーンインストール
よくある質問
Windows ストアに 8.1 が表示されません。どうしますか?
wsreset.exe
を実行してストアのキャッシュをクリアし、ms-windows-store:WindowsUpgrade
を試してください。地域設定と日付時刻の確認も行ってください。
プレビューから戻せますか?
ストア経由でアップデートした場合、簡単に元のプレビューへ戻す方法はありません。復元したい場合は事前に作成したシステムイメージや回復メディアを使います。
ISO からクリーンインストールしたいがライセンスはどうする?
既に正規の Windows 8/8.1 のライセンスを持っている場合、そのキーでアクティベーション可能です。未購入の場合は正規メディアを購入してください。
まとめ
- プレビューから正式版へ移行するには、インストール方法に応じて手順が変わります。
- 事前バックアップと KB 2871389 の適用、十分な空き容量・電源を用意することが成功の鍵です。
- ストア経由は簡便ですがアプリの再インストールが必要で、元に戻すのは難しいため注意してください。
この記事が終わったら、まずバックアップを取り、次に自分のインストール方法(ストア経由か ISO 起動か)を確認してから手順を進めてください。ご不明点があればコメントで状況(エラーメッセージや実行手順)を教えてください。一緒に解決策を検討します。
写真クレジット – WinSuperSite