DNS_PROBE_FINISHED_BAD_CONFIG を修正する方法

多くのエラー表示と同様に、DNS_PROBE_FINISHED_BAD_CONFIG はインターネットに接続できないときに表示される DNS 関連のエラーです。要するに、DNS サーバーが期待どおりに応答していないか、ローカルの DNS 設定やキャッシュに問題があります。本稿では家庭ユーザーと技術者の両方が実行できる手順を順を追って説明します。
重要: 作業を始める前に現在のネットワーク設定(DNS、IP、プロキシ設定)が分かるスクリーンショットやメモを残しておくと、問題が発生したときに元に戻せます。
まず試すこと(クイックチェック)
- ルーター/モデムを30秒ほど電源オフにして再起動する。
- 別の端末(スマホなど)で同じネットワークに接続して問題が再現するか確認する。
- モバイルテザリングで接続ができれば、ISP 側やルーター側の問題である可能性が高い。
これらの簡単な手順で解決するケースは多いです。次に、Windows を想定した詳細な修正手順を示します。
手順 1: IP アドレスのリリースと DNS キャッシュのフラッシュ
OS は DNS 情報をキャッシュして高速化を行います。サイトの IP が変わっているのにキャッシュが古いとエラーになることがあります。以下は Windows での手順です。
- キーボードで
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開く。 cmd
と入力して Enter を押し、コマンド プロンプトを開く。- 以下のコマンドを順に実行する(Enter を押すごとに次に進む):
ipconfig /release
ipconfig /flushdns
ipconfig /renew
- ブラウザで接続が復旧しているか確認する。
多くの場合、これだけで解決します。解決しない場合は次に進んでください。
手順 2: DNS サーバーを手動で変更する
プロバイダの DNS サーバーに問題がある場合、パブリックな DNS サーバー(Google、Cloudflare、Quad9 など)に切り替えると改善します。以下は Windows(IPv4)での設定例です。
Win + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、control panel
(コントロールパネル)と入力して Enter。- 「ネットワークと共有センター」を開き、左側の「アダプターの設定の変更」を選択。
- 接続中のネットワーク(有線なら Ethernet、無線なら Wi-Fi)を右クリックして「プロパティ」を選ぶ。
- 「ネットワーク」タブで「Internet Protocol Version 4」を選択し、「プロパティ」をクリック。
- 「次の DNS サーバーのアドレスを使う」を選び、以下を入力します(例):
- 優先 DNS サーバー:
8.8.8.8
- 代替 DNS サーバー:
8.8.4.4
- 優先 DNS サーバー:
- OK を押して設定を保存し、接続を確認する。
代替 DNS の例(よく使われる候補):
- Google DNS: 8.8.8.8 / 8.8.4.4
- Cloudflare DNS: 1.1.1.1 / 1.0.0.1
- Quad9: 9.9.9.9
これで解決することが多いですが、以下の追加手順も試してください。
追加のトラブルシュート(よくあるチェック項目)
- ホストファイルを確認する:
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
に不正なエントリがないかチェック。ローカルに特定ホストの固定 IP があると問題を招くことがあります。 - VPN/プロキシの無効化: VPN クライアントやシステムのプロキシ設定が DNS を書き換えている場合があります。一時的に無効化して確認してください。
- ネットワークドライバーの更新/再インストール: デバイスマネージャーでネットワークアダプターのドライバーを最新版に更新、または一度アンインストールして再起動。
- IPv6 の確認: IPv6 を利用している環境では IPv6 の DNS 設定(Internet Protocol Version 6)もチェックする必要があります。
- ルーターの DNS 設定: 一部ルーターはルーター側で上流 DNS を指定しているため、ルーターの管理画面からも DNS を変更してみてください。
代替アプローチといつ効かないか(カウンター例)
- 代替アプローチ: ブラウザの DNS キャッシュ(Chrome の場合は
chrome://net-internals/#dns
)をクリアする、あるいはブラウザを完全に再起動して確認する。 - 効かないケース(カウンター例): ネットワーク機器の故障、ISP 側の大規模障害、あるいはローカルのファイアウォールやグループポリシーで DNS が制限されている場合。企業ネットワークでは管理者に問い合わせる必要があります。
セキュリティとプライバシーの観点
- パブリック DNS を使うときは、DNS の送信先を信頼できる事業者にすること。Google や Cloudflare、Quad9 は広く使われていますが、ログポリシーを確認してください。
- DNS over HTTPS(DoH)や DNS over TLS(DoT)をサポートするブラウザや OS を使うと、盗聴や改ざんを防げます。設定は上級者向けなので、導入時は運用ポリシーに従ってください。
トラブルシュートの意思決定フローチャート
flowchart TD
A[接続できない] --> B{別端末で確認}
B -- 再現する --> C{ルーター再起動}
C -- 解決 --> Z[完了]
C -- 未解決 --> D[DNS キャッシュをフラッシュ]
B -- 再現しない --> Y[端末固有の問題]
D --> E{DNS サーバーを変更}
E -- 解決 --> Z
E -- 未解決 --> F[ホストファイル / VPN / プロキシを確認]
F --> G[ドライバー更新 / ルーター設定確認]
G --> H{解決}
H -- はい --> Z
H -- いいえ --> I[ISP に連絡または管理者へ相談]
役割別チェックリスト
家庭ユーザー:
- ルーターを再起動する
- 別端末やモバイルで確認する
- ipconfig /flushdns を試す
- DNS を 1.1.1.1 や 8.8.8.8 に変更してみる
システム管理者 / IT 担当者:
- ルーター/フォワーダーの上流 DNS を確認
- DNS サーバーのログ(BIND, Unbound, Windows DNS)を確認
- グループポリシーや企業ファイアウォールの設定を確認
- 必要なら DNS 再起動やキャッシュクリアを実行
ミニ・メソドロジー(問題解決の順序)
- 再現性を確認する(別端末/別回線)。
- 簡単な対処から(ルーター再起動、ブラウザ再起動)。
- ローカル端末の対処(DNS フラッシュ、DNS 変更)。
- ネットワーク機器と上流のチェック(ルーター、ISP)。
- ログとトレース(nslookup, ping, tracert など)で根本原因を特定。
1行用語集
- DNS: ドメイン名を IP アドレスに変換する仕組み。
- キャッシュ: 一時保存された DNS 情報。古くなると問題を起こす。
- DoH / DoT: DNS を暗号化する仕組み(プライバシー改善)。
まとめ
DNS_PROBE_FINISHED_BAD_CONFIG は多くの場合、簡単な再起動や DNS キャッシュのクリア、DNS サーバーの変更で解決します。上記の順に手順を進め、家庭内で解決しない場合はルーター設定や ISP 側の障害を疑ってください。企業環境では管理者と連携してログ確認やポリシーの見直しを行ってください。
共有: 同じ問題で困っている家族や友人がいれば、この手順をシェアしてください。
要約:ルーター再起動 → ipconfig でのリフレッシュ → DNS サーバーの変更、これらを試しても解決しない場合はホストファイル、VPN、ドライバー、ISP に順に確認するのが効率的です。