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Microsoft Store アプリの保存先を変更してCドライブを節約する方法

2 min read Windows 更新されました 17 Oct 2025
Microsoft Storeアプリの保存先を変更してCドライブを節約
Microsoft Storeアプリの保存先を変更してCドライブを節約

重要: C: ドライブには Windows OS と更新ファイル、仮想メモリ用の空き領域が必要です。常におおよそ10〜15%の空き容量を確保することを推奨します。

テーブル上のノートPCにMicrosoft Storeアプリが表示された画面

概要と用語定義

このガイドは以下の内容を扱います。用語を1行で定義します。

  • ローカルディスク C: — Windows がインストールされている既定のシステムドライブ。
  • Microsoft Store アプリ — Microsoft Store からインストールする UWP / MSIX 型アプリケーション。
  • WindowsApps フォルダー — 各ドライブに自動作成される、Store アプリが格納されるシステムフォルダー。
  • NTFS — Windows 推奨のファイルシステム。外付けドライブをアプリ保存先にする場合は NTFS にフォーマットする必要があります。

なぜすべてをCドライブに保存するべきでないのか

Windowsの設計上、OS本体と重要な更新ファイルは C: ドライブに配置されます。C: ドライブにデータやアプリが集中すると次の問題が起きます。

  • パフォーマンス低下: ディスク空き容量が少ないと仮想メモリ(ページファイル)や一時ファイルのための領域が不足し、システム全体が遅くなることがあります。
  • 更新失敗のリスク: 大きな Windows 更新を適用する際、空き容量不足で更新が途中失敗する場合があります。
  • データ管理の難化: OS とユーザーデータが同じパーティションにあると、システム再インストール時にデータ保護が難しくなります。

ベストプラクティスとして、新品のPCを使うときにディスクをパーティション分割する、もしくは複数ドライブを用意してOSとデータを分離すると管理が容易になります。既にC: に多くのデータがある場合は後述の対処法を参照してください。

WindowsノートPCで作業するデザイナー

新しいアプリを別のドライブに保存する方法(ステップバイステップ)

以下は Windows 10 / Windows 11 両対応の操作手順です。UI 表示は日本語版 Windows を想定しています。

  1. USBや外付けドライブを使う場合は事前に接続し、NTFSでフォーマットしておいてください(フォーマット方法は「ディスクの管理」を参照)。
  2. 設定を開きます(Win + I を押すか、タスクバーのスタートメニューから「設定」を選択)。
  3. 「システム」を選択します。
  4. 左側メニューから「ストレージ」を選びます。
  5. Windows 10 の場合は「その他のストレージ設定」→「新しいコンテンツの保存先を変更する」を選択します。Windows 11 の場合は「詳細ストレージ設定」→「新しいコンテンツの保存先」を選択します。
  6. 「新しいアプリの保存先:」という項目のドロップダウンを開くと、現在接続している内部ドライブと外付けドライブが一覧表示されます。
  7. 新しいアプリを保存したいドライブを選び、「適用」をクリックします。これで以後の新規インストールは選択したドライブに保存されます。

ストレージ設定で新しいコンテンツの保存先を変更するオプション

内部ドライブと外部ドライブの一覧が表示されたストレージ設定画面

新しいアプリを保存するドライブを選択した画面

ポイントと補足

  • 既存のアプリは自動的に移動されません。設定変更は「以後にインストールされる新しいアプリ」にのみ適用されます。
  • ドライブを選んだ際、Windows はそのドライブ上に自動的に WindowsApps フォルダーを作成します。フォルダーは隠し/保護されたシステムフォルダーです。
  • 外付けドライブにインストールしたアプリは、そのドライブが接続されている状態でのみ動作します。外すとアプリは起動できません。

外付けドライブに保存する場合の注意点

外出先へアプリを持っていく、別PCで使いたいなどの理由で外付けドライブにインストールする場合は以下を確認してください。

  • フォーマット: 外付けドライブは必ず NTFS でフォーマットしてください。FAT32 や exFAT ではアクセス許可や大きなファイルサイズの制限により不具合が出る場合があります。
  • 接続の安定性: USBハブやスリープで電源が落ちる環境ではアプリが突然アクセス不能になります。重要なプレゼン等で使う場合は直接PCに接続してください。
  • 複数PCで共有する際の互換性: 同じアカウントでサインインしていないPCでは、ライセンス認証や依存コンポーネントの違いで動作しない可能性があります。

接続された内部・外部ドライブの一覧

既にインストール済みのアプリを別ドライブに移す方法(概要)

既存アプリを移動することでC: の空き容量を確保できます。手順はアプリの種類によって異なります。

  1. Microsoft Store からインストールした UWP / MSIX アプリは、設定から直接移動できる場合があります。「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」で対象のアプリを選び、「移動」ボタンが表示されていれば別ドライブへ移動できます。
  2. 従来の Win32 インストーラー(.exe/.msi)でインストールしたアプリは、アプリ側のアンインストールと再インストールでインストール先を選択する必要があります。移動専用ツールで移動できるケースもありますが、依存関係やレジストリが壊れるリスクがあるため、公式手順を優先してください。
  3. 大容量ファイル(ドキュメント、ゲームのデータフォルダー、メディア)は手動で別ドライブへ移動し、アプリ側で保存先を再設定することも有効です。

移動前のチェックリスト

  • 重要データのバックアップを取る。
  • 管理者権限で作業する。
  • 外付けドライブならNTFSであることを再確認する。
  • アプリがネットワークライセンスやハードウェアロックを使っている場合は、ライセンスの再認証が必要か確認する。

トラブルシューティングとよくある質問

Q: 外付けにインストールしたアプリを外したらどうなる? A: アプリは起動しなくなり、新規の Microsoft Store インストールは自動的に C: に行われます。外付けを再接続しても、自動で移動はされないため、必要なら手動で移動してください。

Q: 選択したドライブに「適用」が表示されない/選べない場合は? A: ドライブが NTFS でない、または管理者権限がない可能性があります。エクスプローラーのドライブのプロパティでファイルシステムを確認し、必要なら管理者で操作してください。

Q: C: の空き容量が勝手に減る場合は? A: 一時ファイル、システムの復元ポイント、Windows Update のキャッシュ、クラッシュダンプなどが原因です。「ディスククリーンアップ」や「ストレージセンス」を使って不要ファイルを削除し、場合によっては更新の履歴を確認してください。

実務者向けチェックリスト(役割別)

管理者(IT 部門):

  • 新規PC導入時にディスクパーティション戦略を決める
  • 外付けドライブを配布する場合は NTFS にフォーマットして配布
  • 定期的にC: の空き容量を監視し、警告閾値を設ける

エンドユーザー:

  • Win + I から保存先を変更する手順を覚える
  • 外付けにアプリをインストールする場合は接続を外さない
  • 重要データは必ずバックアップする

サポート担当者:

  • 移動で発生しうるライセンス問題の手順を用意する
  • 移行前のバックアップと移行後の検証手順をチェックリスト化する

ミニ手順集(SOP の簡易版)

  1. 現状把握: C: の空き容量とアプリ構成を確認する。
  2. 優先順位付け: 頻繁に使うアプリはC: に残し、低頻度のアプリを別ドライブへ移動対象にする。
  3. バックアップ: 移動前にユーザーデータと設定をバックアップする。
  4. 移動/再インストール: Store アプリは「アプリと機能」で移動、Win32 はアンインストール→再インストール。
  5. 検証: アプリが正しく動作するか検証する。
  6. 監視: 数週間、空き容量と動作状況を監視する。

決定のための簡易フローチャート

以下は、どの保存先を選ぶべきかを決めるための簡易フローです。

flowchart TD
  A[アプリの容量と使用頻度を確認] --> B{使用頻度は高いか}
  B -- はい --> C[C: に残す]
  B -- いいえ --> D{外付けで持ち運ぶ必要があるか}
  D -- はい --> E[外付け'NTFS'にインストール]
  D -- いいえ --> F[内部の二次ドライブにインストール]
  E --> G[接続の安定性を確認]
  F --> G
  C --> G
  G --> H[完了: 動作確認]

失敗例とその回避方法

  • 失敗例: 外付けをFAT32でフォーマットしてアプリをインストール→アクセス許可やファイルサイズ制限でインストール失敗。回避: NTFS にフォーマット。
  • 失敗例: 移動ツールで Win32 アプリを無造作に移動→レジストリや依存ファイルが壊れ、アプリが起動しなくなる。回避: 公式のアンインストール→再インストール手順を使う。

ローカルでの運用とセキュリティ上の注意点

  • 外付けドライブにアプリを入れる場合、ドライブ自体の暗号化(BitLocker など)を検討してください。持ち運び中に紛失した場合の情報漏洩リスクを低減できます。
  • 外付けに保存されたアプリは、他のPCで使う場合にマルウェア対策ソフトの例外設定や権限が原因で起動しないことがあります。セキュリティ設定を事前に確認してください。

まとめ

  • Microsoft Store の既定は C: ドライブですが、設定から新しいアプリの保存先を変更できます。
  • 外付けを使う場合は必ず NTFS でフォーマットし、接続状態に注意してください。
  • 既存アプリの移動はアプリ種類によって方法が異なるため、移動前にバックアップと検証を実施してください。
  • C: ドライブは常に約10〜15%の空き容量を維持することをおすすめします。

重要: 大切なデータとアプリのライセンスは移動前に必ずバックアップと確認を行ってください。これにより、C: ドライブの空き容量を確保しつつ、Windows の安定性を維持できます。


要点まとめ:

  • 新規インストールは「設定」→「システム」→「ストレージ」から保存先変更可能。
  • 外付け保存は NTFS 推奨、接続が外れるとアプリは使えない。
  • 既存アプリはアプリの種類に応じて移動または再インストールが必要。

次に行うこと: 現在のC: 使用率を確認し、10〜15% 空きを確保するための移動計画を作成してください。

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