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Two Devices, Two Speeds, Two Options
AutoHotKey Script
多くのノートPCユーザーはトラックパッドと外付けマウスを併用します。ゲーム用に高感度、作業用に低感度と使い分けたいとき、いちいち設定を手動で切り替えるのは面倒です。ここでは2つのアプローチを紹介します:デバイスごとに感度を分離するツールを使う方法と、1台のデバイスで感度をホットキーで切り替える方法です。
Two Devices, Two Speeds, Two Options
デバイスごとに速度を分けるには代表的に次の2つのユーティリティがあります。それぞれ長所と短所があります。
Mouse Speed Switcher
- 概要: 複数の入力デバイスと複数の設定を扱えるシンプルなユーティリティです。
- 長所: ホットキー対応で即時切り替え可能。
- 短所: ナグウェア(一定間隔で登録を促す画面が出ます)。完全機能はあるが、登録料が必要で、記事執筆時点では€7.50です。
Autosensitivity
- 概要: .NETベースのユーティリティで、特にノートPC向けにトラックパッドと外付けマウスの感度を別々に管理できます。
- 長所: 無料でナグはありません。私の使用経験では普段は問題なく動作します。
- 短所: 開発中のため既知の問題(スリープ復帰時に外付けマウスを誤認識する等)が報告されています。
どちらを選ぶかは、ナグウェアを許容するか、開発中のソフトを使うかのトレードオフです。ゲームやクリエイティブ作業で頻繁に切り替えるならホットキーのあるツールが便利です。
AutoHotKey スクリプトで感度を切り替える
一方、デバイスが1台しかなくても、感度をホットキーで切り替えたい場合は AutoHotkey (AHK) が便利です。以下は代表的な簡単スクリプトです(WindowsのシステムAPIを直接呼び出します)。
#F1::DllCall("SystemParametersInfo", Int,113, Int,0, UInt,14, Int,2) ; normal sensitivity
#F2::DllCall("SystemParametersInfo", Int,113, Int,0, UInt,6, Int,2) ; low sensitivity
#F3::DllCall("SystemParametersInfo", Int,113, Int,0, UInt,20, Int,2) ; high sensitivity
この例では DllCall を使って Windows の SystemParametersInfo を呼び出しています。レジストリの直接編集より確実に即時反映されるため実用的です。
数値の意味(ポインター速度)
マウスのポインター速度は設定画面の目盛り(ノッチ)で表され、0 から 20 の範囲になります。Windowsの内部値はノッチごとに 2 ずつ増えます(最初の位置が 0、次が 2、…)。スクリーンショットでは私のトラックパッドが第8ノッチにあり、値は 14 です。
- Win+F1: 通常感度(例:14)
- Win+F2: 低感度(例:6、最小は0)
- Win+F3: 高感度(例:20)
必要に応じて UInt の数値を変更して自分に合った感度に調整してください。
テスト手順(クイック・メソッド)
- まず現在の感度を記録する(スクリーンショットやメモ)。
- AHK スクリプトを保存して実行(.ahk ファイル)。
- 各ホットキーでポインターの動きを実際に確認する(マウスカーソル移動距離、精度、ゲーム内の視点移動など)。
- 必要なら数値を微調整して再テスト。
簡単な受け入れ条件(Критерии приёмки):
- 各ホットキーで即時にポインターの速度が変わる
- スリープ復帰後も期待通りに動作する
- ゲームとデスクトップ操作の両方で操作感が改善される
ロール別チェックリスト
ゲーマー
- 低遅延モードで高精度が出るか確認
- ゲーム内の感度設定と整合させる
- 外付けレーザーマウスは低DPI時の沈み(smoothing)を確認
クリエイター(デザイン/編集)
- 低速で細かい作業がしやすいかチェック
- 画面解像度やパネルサイズとの相性確認
一般作業者
- ウィンドウ切り替えやスクロール時の快適さを確認
- トラックパッドと外付けマウスを切り替えたときの再現性を確認
トラブルシューティングと制限
- スリープ復帰後に外付けマウスを誤認識することがある(Autosensitivity の既知の問題)。回避策として、USBポートを再接続するかツールを再起動してください。
- 一部のメーカードライバー(特に専用ユーティリティを持つマウス)は、Windowsのグローバル設定よりも優先されることがあります。その場合はメーカーソフトの設定を確認してください。
- レジストリ変更より DllCall の方が即時反映されますが、管理者権限やシステム構成によっては制限される場合があります。
代替アプローチ
- マウス本体のDPIスイッチ:物理ボタンでDPIを切り替えられるゲーミングマウスを使う。
- メーカー純正ソフト:Logicool/G Hub、Razer Synapse 等でデバイスごとにプロファイルを作成する。
- OS別ユーティリティ:サードパーティのユーティリティやスクリプトランチャーを使い、より複雑な条件で切り替える。
簡易チェックリスト(導入手順)
- どの方法を使うか決める(ツール or AHK)。
- 必要なソフトをダウンロードしてバックアップを取る。
- 値を決めてスクリプト/プロファイルを作成。
- テスト手順を実行し、最終設定を固める。
1行用語集
- ポインター速度: マウスカーソルの移動速度(Windowsでは0〜20で表現)。
- DPI: マウスのハードウェア感度(Dots Per Inch)。
- DllCall: AutoHotkey から Windows API を呼び出す関数。
まとめ
トラックパッドと外付けマウスで異なる感度を使うには、専用ユーティリティ(Mouse Speed Switcher/Autosensitivity)か、AutoHotkey を利用したホットキーによる切り替えが実用的です。用途(ゲーム、デザイン、日常作業)に応じて数値を決定し、スリープやドライバー優先の問題をテストしておくと運用が安定します。
重要: ツールを導入する前に現在の設定を必ずバックアップしてください。
短い告知用文(配布・共有向け): このガイドは、トラックパッドと外付けマウスの感度を分離する具体的な方法と、AutoHotkey を使ったホットキー例、テスト手順、トラブルシュートをまとめた実用的なハウツーです。