Battlefield 2042 の起動に必要な Secure Boot を Windows 11/10 で有効化する方法

目次
- Secure Boot が既に有効か確認する方法
- Battlefield 用に Secure Boot を有効にする(手順)
- 有効化の前提条件(UEFI、GPT、TPM、BitLocker)
- 最終チェック — Secure Boot が有効かどうか確認する
- トラブルシューティング(よくある失敗例と対処)
- 事前チェックリスト(ゲーマー / IT 管理者向け)
- ミニ・メソドロジー:安全に切り替える手順
- FAQ(よくある質問)
- まとめと次のステップ
Secure Boot が既に有効か確認する方法
まずは Windows 側で現在の状態を確認します。BIOS に入る前にこちらをチェックすると手順がスムーズです。
手順:
Windows + R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開く。msinfo32
と入力して Enter。- 「システム情報」画面で以下を確認する:
- BIOS Mode(BIOS モード)が
UEFI
になっていること。 - Secure Boot State(Secure Boot の状態)が
On
になっていること。
- BIOS Mode(BIOS モード)が
もし BIOS Mode が Legacy
や Secure Boot State が Off
の場合、以降の手順で有効化を試みます。Secure Boot が On
なのにゲームが起動しない場合は、後述する「Secure Boot が有効だが動作していない場合」のセクションを参照してください。
Battlefield 用に Secure Boot を有効にする(手順)
ここでは一般的な手順を、分かりやすく短いステップで記します。BIOS / UEFI の画面や用語はメーカーごとに異なるため、画面名やオプション名が厳密に一致しない場合があります。代表的な BIOS キーは DEL
, F2
, F10
, F12
, ESC
などです。PC 起動時に画面に表示されるキーを確認してください。
所要時間: 約 6 分(前提条件が整っている場合)
BIOS/UEFI に入る
- PC を再起動し、メーカーのロゴが表示されたら BIOS キーを繰り返し押す(通常は
DEL
、F2
、F10
等)。
- PC を再起動し、メーカーのロゴが表示されたら BIOS キーを繰り返し押す(通常は
ブートモードを UEFI に切り替える
- 「Boot Mode」「Boot Option」や「CSM」などの項目を探し、
UEFI
に設定する。 - 一部の機種では「Windows UEFI Mode」「UEFI Only」と表記されることがあります。
- 「Boot Mode」「Boot Option」や「CSM」などの項目を探し、
Legacy/CSM を無効化する
- 「CSM (Compatibility Support Module)」「Legacy Boot」などを
Disabled
にします。
- 「CSM (Compatibility Support Module)」「Legacy Boot」などを
Secure Boot を有効化する
- 「Security」や「Boot」タブ内の「Secure Boot Control」または「Secure Boot」を
Enabled
にする。
- 「Security」や「Boot」タブ内の「Secure Boot Control」または「Secure Boot」を
工場用キー(Factory Keys)を読み込む(必要な場合)
- Secure Boot が選択不可(グレーアウト)になっているときは「Restore Factory Keys」「Enroll All Factory Keys」「Install Default Keys」などの項目を実行し、Setup Mode から Standard/User Mode に戻します。
設定を保存して再起動
F10
を押すか「Exit」→「Save Changes and Exit」を選択して再起動します。
注意: 一部のメーカー(HP、Lenovo、Dell、ASUS、MSI、Gigabyte など)では、Secure Boot を有効にする前に特定の順序(例えば CSM を先に無効化)が必要です。画面の指示をよく読んでから操作してください。
有効化の前提条件(UEFI、GPT、TPM、BitLocker)
Secure Boot を正しく有効にするには、システムが以下の条件を満たしている必要があります。ここで手順を誤るとデータ消失や BitLocker の回復モード誘発になる可能性があるため、必ず事前にバックアップを取ってください。
1) UEFI モードでの起動
- BIOS Mode が
UEFI
である必要があります。Legacy(BIOS)モードでは Secure Boot を使えません。 - ディスクのパーティション方式が
GPT
であることが求められます。MBR
の場合は変換が必要です。
MBR を GPT に変換する方法(Windows 組み込みツール):
- Windows がインストールされているドライブに対しては
mbr2gpt.exe
を使用できます(OS は起動したままでも使用可)。基本例:
# 管理者コマンドプロンプトで
mbr2gpt /validate /disk:0 /allowFullOS
mbr2gpt /convert /disk:0 /allowFullOS
- コマンドを実行する前に、必ずドライブのバックアップを取ってください。失敗すると起動不能になるリスクがあります。
代替方法: クリーンインストールで Windows を UEFI モードに再インストールする方法があります。データを移す手間はありますが確実です。
2) TPM(推奨: TPM 2.0)
tpm.msc
を実行して TPM の状態を確認します(Windows + R
→tpm.msc
)。- TPM が無効の場合は、BIOS の「Security」設定で
fTPM
(AMD)またはPTT
(Intel)を有効にします。 - TPM が物理的に搭載されていない古いマザーボードでは、Secure Boot を利用できない場合があります。
3) BitLocker を一時停止する(必要に応じて)
- BIOS 設定の変更は BitLocker の回復を招くことがあります。事前に回復キーを手元に用意してください。
- BitLocker を一時停止(保護を無効化)するコマンド例(管理者権限の PowerShell):
# C: ドライブの保護を一時的に無効化
manage-bde -protectors -disable C:
# 変更後に再度有効にする
manage-bde -protectors -enable C:
- GUI: コントロールパネル → BitLocker ドライブ暗号化 から保護を一時停止できます。
最終チェック — Secure Boot が有効かどうか確認する
再起動後、再度システム情報で状態を確認します。
Windows + R
→msinfo32
- 下記が満たされていることを確認:
- BIOS Mode = UEFI
- Secure Boot State = On
両方が UEFI
/On
になっていれば、Battlefield 2042 の Secure Boot 要件は満たされています。
トラブルシューティング(よくある失敗例と対処)
ここでは具体的な失敗パターンとそれぞれの対処法を示します。
Secure Boot がグレーアウトして変更できない
- まず CSM(Legacy Boot)を
Disabled
にする。多くの場合、CSM が有効だと Secure Boot は編集できません。 - 「Restore Factory Keys」「Enroll All Factory Keys」を試す(BIOS により名称が異なる)。
- BIOS のアップデートが必要なケースもあるため、メーカーのサポートページを確認する。
- まず CSM(Legacy Boot)を
Disk が MBR のままで GPT に変換できない/失敗する
mbr2gpt /validate
で検証してから変換を行う。- 失敗時はデータをバックアップして、クリーンインストールを検討する。
BitLocker の回復キーを要求される
- 事前に回復キーのバックアップ(Microsoft アカウント、USB、紙媒体等)を用意する。
- 変更前に
manage-bde -protectors -disable C:
を実行して保護を一時停止する。
TPM がない、または TPM バージョンが古い
- 古いハードでは TPM 2.0 をサポートしていない可能性がある。BIOS 設定を確認のうえ、サポートされていない場合はマザーボード交換や新しい機種の検討が必要。
ゲームを起動してもまだエラーが出る
- セキュリティソフトやサードパーティのドライバーが原因で Secure Boot の検出が妨げられることがある。ドライバーの署名状態を確認し、不要なドライバを無効化してみる。
重要: BIOS 操作やパーティションの変換はリスクを伴います。手順に不安がある場合は、メーカーのサポートや経験ある友人、IT 管理者に相談してください。
事前チェックリスト(役割別)
ゲーマー向け簡潔チェックリスト:
- [ ]
msinfo32
で Secure Boot State を確認 - BIOS に入るキーを確認(起動画面)
- データのバックアップを取得
- BitLocker 回復キーを手元に用意
- BIOS で CSM を無効、UEFI を有効化、Secure Boot を有効化
IT 管理者向けチェックリスト:
- 既存のイメージ/ドライブで MBR2GPT の検証を実施
- 企業ポリシーに基づく証明書・キーの管理を確認
- 展開前にテスト環境で Secure Boot + アプリ互換性テストを実施
- BitLocker の回復キー管理(AD/Intune 連携)を確認
ミニ・メソドロジー:安全に切り替える手順(推奨順)
- 重要データをバックアップ
- BitLocker の保護を一時停止、回復キーを保存
msinfo32
で現在の状態を確認- MBR なら
mbr2gpt
で GPT に変換(検証モードを必ず実行) - BIOS で CSM を無効化、UEFI を有効にする
- Secure Boot を有効化(必要であれば Factory Keys を読み込む)
- 再起動後に
msinfo32
で最終確認 - BitLocker を再有効化
よくある質問(FAQ)
Q: Windows を再インストールする必要はありますか?
A: 既に Windows が UEFI + GPT でインストールされている場合は不要です。Legacy(MBR)でインストールされている場合は、mbr2gpt
による変換かクリーンインストールが必要です。
Q: Secure Boot はゲームの性能に影響しますか?
A: いいえ。Secure Boot は起動時の検証に関係する機能であり、ゲームプレイ中の FPS やアプリの動作には影響しません。
Q: 後から Secure Boot をオフにできますか?
A: できますが、Battlefield 2042 のように Secure Boot を必須にしているソフトは再び起動できなくなります。オフにする場合は、その影響を理解してから行ってください。
Q: 私の PC が Secure Boot をサポートしていない場合は?
A: 古いマザーボードや BIOS しか持たない PC では UEFI/TPM をサポートしていない可能性があります。BIOS のアップデートで対応する場合もありますが、対応しない場合は新しい PC の利用を検討してください。
用語集(1行定義)
- UEFI: BIOS の進化版で、モダンな起動方式。
- GPT: UEFI に必要なディスクパーティション形式。
- MBR: 古いディスク形式。UEFI では通常不適。
- TPM: ハードウェアベースのセキュリティモジュール(推奨: 2.0)。
- CSM: 互換性サポートモジュール、Legacy ブートを可能にする機能。
追加のヒントとベンダー別の注意点
- ASUS / MSI / Gigabyte: CSM 表記や Secure Boot のオプション名が分かりにくい場合があるため、マザーボードのマニュアルを参照してください。
- Dell / HP / Lenovo: ビジネス向け機種ではセキュリティ関連のオプションが管理者ロックされていることがあります。企業配布機の場合は IT 部門へ相談してください。
- ノート PC: スパナマークや「Advanced」タブが必要な場合があります。モデルによっては F2 / F10 以外のキーが必要です。
まとめと次のステップ
Battlefield 2042 の最新のアンチチート要件により、Secure Boot の有効化は必須になりました。手順は概ね簡単ですが、UEFI/GPT や TPM、BitLocker といった関連事項を正しく扱うことが重要です。まずは msinfo32
で状態を確認し、必要ならバックアップを取りつつ BIOS 設定や GPT 変換を実施してください。不安がある場合はメーカーサポートか経験者に相談するのが安全です。
重要: どの手順でもデータ損失のリスクがあるため、必ず事前にバックアップを行ってください。