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Windows 10でタッチパッドが動かないときの完全ガイド

2 min read トラブルシューティング 更新されました 28 Sep 2025
Windows 10でタッチパッドが動かない時の修復手順
Windows 10でタッチパッドが動かない時の修復手順

概要

Windows 10は非常に洗練されたOSですが、タッチパッドが突然反応しなくなる報告は頻繁にあります。本記事は、ソフトウェア側で解決できる可能性が高い手順を中心に、優先度の高いトラブルシューティングを整理した実用ガイドです。初心者でも順を追って試せるように、簡単なチェックから技術的な操作まで網羅しています。

重要: 本ガイドはソフトウェアの診断・修復が中心です。物理的な破損や接続不良が疑われる場合は、無理に分解せずに修理専門店へ相談してください。

まず5分でできる簡単チェック

短時間でできる確認事項を先に試してください。多くの問題はここで解決します。

  • ノートPCの外付けマウスを接続していないか確認する。外付けマウスが接続されているとタッチパッドが無効になる設定の機種があります。
  • キーボードのFnキーやファンクションキー(例: Fn+F7)のタッチパッド無効ショートカットを押しているか確認する。
  • Windowsを再起動して一時的な不具合を解消する。
  • タッチパッドの物理的なスイッチ(モデルによる)やカバーが閉じていないか確認する。

タッチパッドの電源設定とオン/オフを確認する

  1. スタートメニューを開き、「タッチパッドの設定」を検索して開きます。
  2. 画面上部にあるタッチパッドのオン/オフスイッチが「オン」になっているか確認します。オフの場合はスイッチをオンに切り替えてください。

タッチパッド設定のオンオフを確認する

メモ: 一部のラップトップではメーカー固有の設定ソフト(例: Synaptics、ELAN、Precision Touchpad管理ツール)が独自のトグルを提供しています。そちらも確認してください。

ドライバーの再インストール(最も効果的な手順の一つ)

タッチパッドがソフト的に反応しない主原因の多くはドライバーの不整合です。安全に再インストールする手順を説明します。

  1. スタートボタンを右クリックして「デバイス マネージャー」を開きます。
  2. 「マウスとその他のポインティング デバイス」を展開し、表示されるタッチパッドのエントリを探します。通常、メーカー名(Synaptics、ELAN、Precision など)が含まれます。

デバイスマネージャーでマウスとその他のポインティングデバイスを開く

  1. 該当エントリを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選びます。
  2. 表示される確認ダイアログで「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除する」チェックボックスの有無を確認し、状況に応じて選択します。多くの場合、まずはドライバーを完全に削除して再インストールすることが有効です。
  3. アンインストールが完了したら、デバイス マネージャーの上部にある「ハードウェア変更のスキャン」アイコンをクリックします。これによりWindowsが自動で適切なドライバーを再検出して再インストールします。

注意: 自動でインストールされない場合は、メーカーサイトから最新のドライバーをダウンロードして手動でインストールしてください。

ドライバーの更新

ドライバーは単に再インストールするだけでなく、最新版へ更新する必要がある場合があります。互換性の問題で不具合が発生することがあるためです。

手順:

  1. デバイス マネージャーでタッチパッドのエントリを右クリックします。
  2. 「ドライバーの更新」を選択し、「ドライバー ソフトウェアの最新版を自動検索」を実行します。
  3. 検索で見つからない場合は、メーカーのサポートページから該当モデルのドライバーを直接ダウンロードしてインストールします。

ヒント: 製造元のユーティリティ(Dell SupportAssist、Lenovo Vantage、HP SupportAssistantなど)を使うと、推奨ドライバーを自動検出・提供してくれることがあります。

カーソル速度と感度の調整

タッチパッドが不自然に遅い/早い場合は感度やカーソルの速度が原因です。以下の手順で調整します。

  1. 「タッチパッドの設定」を開きます。
  2. 「カーソル速度を変更する」スライダーで速度を上げるか下げるか調整します。

カーソル速度のスライダーを調整する

追加オプション:

  • マルチジェスチャー(2本指スクロール、ピンチ)を有効/無効にして、個別に動作を確認する。
  • 「感度」や「クリックのしきい値」などのドライバー固有設定も見直す。

ショートカットキーとFnキーの確認

多くのラップトップは、タッチパッドを物理的に無効化するファンクションキーを持っています。誤って押しているとタッチパッドが動きません。

  • キーボードのFnキーとファンクションキー(例: Fn+F7、Fn+F5 など)を試してみてください。
  • ファンクションキーは機種ごとに異なります。製品マニュアルを参照してください。

Windowsの更新を確認する

OS側のバグや互換性問題が原因であることもあります。最新のWindows Updateを適用してください。

  1. スタートメニューで「更新プログラムのチェック」を検索して開きます。
  2. 更新が見つかったらインストールして再起動します。

更新プログラムの確認画面

メモ: 大きな機能アップデート後にドライバーの再インストールが必要になるケースがあります。

再起動とセーフモードの確認

一時的なソフトウェア競合を排除するため、再起動やセーフモードでの動作確認を行います。

  • 再起動: まず通常の再起動を試してください。簡単ですが効果が高いことが多いです。
  • セーフモード: セーフモードで起動してタッチパッドが認識されるか確認します。セーフモードで動作する場合は常駐アプリやサードパーティソフトが原因の可能性が高いです。

外付けデバイスとの干渉確認

外付けマウス、トラックボール、USBハブ、Bluetoothデバイスはタッチパッドに干渉することがあります。これらを一時的に取り外して確認してください。

ハードウェアの可能性と修理の判断基準

ソフトで直らない場合は物理故障の可能性があります。次の点を確認してください。

  • タッチパッド表面に亀裂や液体の痕跡があるか。
  • キーボード周辺に強い打撃や落下の痕跡があるか。
  • タッチパッドが全く認識されない(デバイスマネージャーにエントリすら表示されない)場合はコントローラ基板やフレキケーブルが断線している可能性があります。

重要: 内部確認や分解作業はメーカー保証を無効にすることがあります。保証期間内はメーカーサポートや正規サービスを利用してください。

トラブルシューティングのチェックリスト(印刷用)

  • タッチパッドがオンになっている
  • 外付けマウスを取り外した
  • Fnキーのトグルを確認した
  • Windowsを再起動した
  • デバイスマネージャーでドライバーを再インストールした
  • ドライバーを最新に更新した
  • Windows Updateを適用した
  • セーフモードで動作確認した
  • ハードウェアの物理的ダメージを確認した

テストケースと受け入れ基準

問題が解決したと判断できる条件:

  1. タッチパッドの左クリック、右クリック、スクロール、ドラッグが期待通りに動く。
  2. 再起動後も同じ症状が再現しない。
  3. デバイスマネージャーでエラーが表示されない。

合格条件を満たさない場合は次の段階として物理修理や交換を検討します。

役割別チェックリスト

エンドユーザー:

  • まず上の5分チェックを試す。
  • 不安ならスクリーンショットや写真を撮ってから操作する。

IT管理者/テクニカルサポート:

  • ドライバーのバージョンとWindowsビルドを記録する。
  • セーフモードでのログを確認する。
  • 必要に応じてリカバリ環境でハードウェア診断を実行する。

修理技術者:

  • フレキシブルケーブルとコネクタの接触不良を確認する。
  • タッチパッドコントローラの交換または基板診断を行う。

判定フロー(図で見る手順)

graph TD
  A[タッチパッドが反応しない] --> B{外付けマウス接続中?}
  B -- Yes --> C[外付けマウスを取り外す]
  B -- No --> D{設定で無効になっている?}
  D -- Yes --> E[タッチパッド設定をオンにする]
  D -- No --> F{Fnキーで無効化?}
  F -- Yes --> G[Fnキーを押す]
  F -- No --> H[デバイスマネージャーでドライバーを再インストール]
  H --> I{改善したか?}
  I -- Yes --> J[作業完了]
  I -- No --> K[Windows Update・セーフモード確認]
  K --> L{改善したか?}
  L -- Yes --> J
  L -- No --> M[ハードウェア診断または修理へ]

よくある原因と対処法の早見表

  • 原因: タッチパッドの設定がオフ -> 対処: タッチパッド設定でオンにする
  • 原因: ドライバー破損または不整合 -> 対処: ドライバー再インストール/更新
  • 原因: Fnキーで無効化 -> 対処: Fn+該当ファンクションキーを押す
  • 原因: 外付けマウスの影響 -> 対処: 外付けマウスを取り外すまたは設定を変更
  • 原因: ハードウェア故障 -> 対処: 修理店へ持ち込む

注意事項

重要: ドライバーをメーカー以外の不明なサイトからダウンロードしないでください。マルウェアや不正なソフトウェアが混入するリスクがあります。

まとめ

  • まずは設定とショートカット、再起動を試す。多くはここで直る。
  • ドライバーの再インストールや更新が特に有効。デバイス マネージャーを活用する。
  • 上記で直らない場合はハードウェア故障の可能性が高く、専門家へ相談する。

主要なチェックを順番に実行すれば、ソフトウェア起因の多くのトラブルは解決できます。無理に分解せず、判断に迷う場合はプロに任せてください。

FAQ

Q: タッチパッドのドライバーを削除しても大丈夫ですか A: 多くの場合、自動で再インストールされますが、念のため事前にメーカーのドライバーファイルをダウンロードしておくと安全です。

Q: セーフモードでタッチパッドが動くのに通常起動だと動かない場合は? A: 常駐ソフトやドライバーの競合が疑われます。最近インストールしたアプリをアンインストールするか、クリーンブートで原因を絞り込みます。

Q: タッチパッドが物理的に壊れているか判断する方法は? A: デバイスマネージャーに全く表示されない、または接続状態が不安定なら物理接続や基盤の故障が考えられます。分解せず修理店へ相談してください。


追記: 本記事の手順は一般的なWindows 10環境を対象としています。機種ごとの細かい手順は製造元のサポート情報を参照してください。

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