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BoltWire を Ubuntu 18.04 にインストールし設定する

2 min read インストール 更新されました 28 Sep 2025
BoltWire を Ubuntu 18.04 にインストールする方法
BoltWire を Ubuntu 18.04 にインストールする方法

BoltWire CMS のイントロスクリーンショット

概要

BoltWire は PHP で書かれたオープンソースの CMS で、データはファイルシステムに保存されます。WYSIWYG や SEO に配慮した出力、柔軟な CSS フレームワークを特徴に持ち、少人数や軽量サイトに向きます。データベースを使わないため、シンプルなホスティング環境でも動作しますが、ファイルパーミッションやバックアップの運用が重要です。

重要: 本手順は Ubuntu 18.04 を前提にしています。他バージョンではパッケージ名やコマンドが異なる場合があります。

目次

  • 要件
  • 事前準備
  • Apache と PHP のインストール
  • Apache の BoltWire 用設定
  • BoltWire のダウンロードと配置
  • 初回アクセスとサイト作成
  • よくある問題と対処
  • セキュリティとバックアップ
  • 導入チェックリスト
  • 受け入れ基準
  • まとめ

要件

  • Ubuntu 18.04 が稼働するサーバー
  • 固定 IP(サーバーに設定済み)
  • sudo 権限を持つ非 root ユーザー

事前準備

まずシステムを最新に更新します。端末で以下を実行してください。

sudo apt-get update -y  
sudo apt-get upgrade -y

この処理により既存パッケージが最新になり、以降のインストールが安定します。

Apache と PHP のインストール

BoltWire は PHP 上で動作し、通常 Apache をウェブサーバーとして使用します。以下のコマンドで必要なパッケージを一括インストールします。

sudo apt-get install apache2 php7.2 libapache2-mod-php7.2 php7.2-common php7.2-mbstring php7.2-xmlrpc php7.2-gd php7.2-xml php7.2-cli php7.2-tidy php7.2-intl php7.2-curl php7.2-zip unzip wget curl -y

インストール後、PHP の設定ファイルを編集します。

sudo nano /etc/php/7.2/apache2/php.ini

ファイル内で少なくとも次の設定を確認または変更してください(サンプルは元のチュートリアル例)。

file_uploads = On
allow_url_fopen = On
memory_limit = 256M
upload_max_filesize = 100M
max_execution_time = 360
date.timezone = Europe/Berlin

注意: date.timezone はサーバーの地域に合わせて変更してください(例: Asia/Tokyo)。

編集が終わったら保存してファイルを閉じ、Apache を起動して自動起動を有効にします。

sudo systemctl start apache2  
sudo systemctl enable apache2

Apache の BoltWire 用設定

Apache に仮想ホストファイルを作成してサイトをホストします。例:

sudo nano /etc/apache2/sites-available/boltwire.conf

以下を追加します(例)。DocumentRoot と ServerName は環境に合わせて変更してください。


     ServerAdmin [email protected]
     DocumentRoot /var/www/html/boltwire
     ServerName example.com

     
          Options FollowSymlinks
          AllowOverride All
          Require all granted
     

     ErrorLog ${APACHE_LOG_DIR}/seopanel_error.log
     CustomLog ${APACHE_LOG_DIR}/seopanel_access.log combined

ファイルを保存後、仮想ホストを有効にし、mod_rewrite を有効化して Apache を再起動します。

sudo a2ensite boltwire
sudo a2enmod rewrite  
sudo systemctl restart apache2

重要: ServerName は必ず自分のドメイン名に置き換えてください。ローカルや単純な IP でテストする場合は /etc/hosts を編集するか、直接 IP とパスでアクセスします。

BoltWire のダウンロードと配置

一時ディレクトリへ移動して、公式から ZIP を取得します。

cd /tmp
wget https://www.boltwire.com/files/6/boltwire6.02.zip

ダウンロード後に解凍し、Apache の DocumentRoot に配置します。

unzip boltwire6.02.zip
sudo mkdir /var/www/html/boltwire  
sudo cp -r boltwire /var/www/html/boltwire/

パーミッションを適切に設定します。

sudo chown -R www-data:www-data /var/www/html/boltwire  
sudo chmod -R 755 /var/www/html/boltwire

注意: ファイルベース CMS ではファイル書き込み権限が稼働に重要です。必要最小限の権限を付与してください。

初回アクセスとサイト作成

ブラウザでインストーラーにアクセスします。例: http://example.com/boltwire/start.php

BoltWire インストーラー画面

画面で管理パスワードを設定し、SUBMIT をクリックします。次にサイト用のパスワードとサイト ID(フォルダ名)が求められます。サイト ID は URL の一部になります。

BoltWire 管理者パスワード入力画面

サイト作成が完了すると成功画面が表示されます。

サイト作成成功の画面

サイトのフロントエンドにアクセスします(例: http://example.com/testsite/index.php)。

BoltWire サイトの初期表示

管理画面へは Register(登録)またはログインから進みます。

管理エリアへのログイン(Register をクリック)

初期管理者ユーザー名は ‘admin’ です。パスワードは作成時に設定した値を使用します。

管理者ログイン情報(ユーザー名 admin)

ログイン後、Admin ボタンから管理ダッシュボードへ移動し、Settings でサイト設定を進めます。

BoltWire 管理ダッシュボード

よくある問題と対処

  • 403 Forbidden やファイルアクセスエラー
    • DocumentRoot の所有者を www-data にする、または AllowOverride / mod_rewrite の設定を確認してください。
  • PHP エラーや致命的なメモリ不足
    • php.ini の memory_limit を増やすか、不要な PHP 拡張を調整してください。
  • ファイルが保存されない
    • ディレクトリの書き込み権限を確認してください(特に uploads や data フォルダ)。
  • インストーラーが進まない
    • 必要な PHP 拡張(mbstring, xml, gd など)がインストール済みか確認します。

代替アプローチと互換性

  • Nginx を使う場合: PHP-FPM と組み合わせる必要があります。DocumentRoot のパスと try_files、リライトルールを Nginx 用に書き換えてください。
  • Docker を使う場合: PHP-Apache の公式イメージに BoltWire をコピーしてコンテナ内で動かす方法が手軽です。永続ボリュームで data を保つこと。
  • 他の PHP ベース CMS(WordPress 等)と比較すると、BoltWire はデータベース不要で軽量ですが、プラグインエコシステムは限定的です。

ファイルベース CMS の考え方(メンタルモデル)

ファイルベース CMS は「データをファイルとして扱う」ことで単純性を得ます。長所はセットアップの容易さ、短所は同時編集やスケーラビリティ、アクセス制御の複雑さです。中小規模のサイトや個人プロジェクトに適しています。

セキュリティとバックアップ

  • ファイルバックアップ: 定期的に /var/www/html/boltwire のバックアップを取得してください。rsync や tar を用いた定期ジョブを推奨します。
  • パーミッション: 不要な書き込み権限を付与しない。www-data のみが必要なフォルダに書き込み可にする。
  • HTTPS: Let’s Encrypt で SSL を導入し、Apache に HTTPS を強制してください。
  • 強力な管理パスワードを使用し、管理パネルへのアクセスは IP 制限や VPN を併用すると安全です。

導入チェックリスト

  • Ubuntu 18.04 の最新化を実施
  • Apache と必要な PHP 拡張をインストール
  • php.ini の主要設定を確認(uploads, memory_limit, timezone)
  • Apache の仮想ホストを設定し mod_rewrite を有効化
  • BoltWire を /var/www/html/boltwire に配置
  • 所有者と権限を設定(www-data)
  • 初回インストーラーで管理パスワードとサイト ID を設定
  • HTTPS(Let’s Encrypt)を有効化
  • 定期バックアップの仕組みを構築

受け入れ基準

  • サイトのトップページがブラウザで正しく表示される(index.php が動作)
  • 管理者アカウントでログインできる
  • ファイルアップロードとページ編集が問題なく行える
  • Apache のエラーログに致命的なエラーが出ていない
  • 定期バックアップが実行され、復元手順が検証されている

トラブルシューティング用の簡易フロー

flowchart TD
  A[インストール後に問題発生] --> B{ブラウザで 403/500 エラー?}
  B -->|403| C[権限と AllowOverride を確認]
  B -->|500| D[Apache と PHP のエラーログを確認]
  C --> E[権限修正して再試行]
  D --> F[不足拡張をインストール/ php.ini を確認]
  E --> G[再度アクセス]
  F --> G

短い告知文(100–200 文字)

BoltWire を Ubuntu 18.04 にインストールする方法を公開しました。Apache と PHP の設定、初期サイト作成、運用上の注意点、トラブルシュート、バックアップ手順を含む実践ガイドです。軽量でデータベース不要な CMS を素早く導入したい方に向けた手順です。

まとめ

  • BoltWire はデータベース不要で導入が簡単なファイルベース CMS です。
  • Apache と PHP の適切な設定、ファイルパーミッション、バックアップ運用が鍵です。
  • 必要に応じて Nginx や Docker での運用も可能ですが、設定は環境に合わせて調整してください。

重要: 本手順は一般的なガイドです。実運用前にステージング環境で動作確認とバックアップ・復元テストを必ず行ってください。

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