Windows 10: 0x80070057・0xa0000400エラーと無効化されたCortanaを簡単に修正する方法

目次
- 問題の概要
- 迅速な対処(経験的手順)
- Cortana が無効になった場合のレジストリ修正手順
- 手順の詳細と注意点
- 代替アプローチ(Media Creation Tool とクリーンインストール)
- トラブルシューティングチェックリスト(ホームユーザー / 管理者別)
- 判断フロー(簡易フローチャート)
- 受け入れ基準
- 要点まとめ
問題の概要
Windows 10 Anniversary Update(周年アップデート)適用後、一部の環境で次の問題が報告されています。
- 更新途中や更新後にエラーコード 0x80070057、0xa0000400 を出す。
- Cortana(音声アシスタント)が動作しなくなり、検索しか機能しない/起動しない。
原因は環境依存で確定していませんが、更新プロセスと Windows Update ルーチンの競合、あるいはアップデート検証中のネットワーク通信に関連する問題が疑われています。
重要: この記事は、既知の回避策と手順をまとめた実用ガイドです。環境によって効果が異なるため、各手順を行う前にバックアップと復元ポイントの作成を強く推奨します。
迅速な対処(経験的手順 — 最短で試す方法)
背景となる経験的な解決策(読者 Alberto Berbacchi の報告):
- Anniversary Update ツールが “verifying download” フェーズの完了を知らせた直後に、LAN または WLAN(有線/無線ネットワーク)接続を即座に無効化する。
- ネットワークを切断した状態で更新を続行または完了させることで、エラーが回避できたという報告が複数あります。
手順(サマリ):
- 更新処理を開始する(Anniversary Update ツール/Windows Update)。
- ツールが “verifying download”(ダウンロード検証)完了を示したら、すぐにネットワークを切断する(LAN ケーブルを抜く、Wi‑Fi を無効にする)。
- 更新を続行し、完了させる。
- 成功したらネットワークを再接続して動作を確認する。
注意: この方法は経験的(empiric)解決策であり、すべての環境で成功する保証はありません。ただし、複数のユーザー報告で効果が確認されています。
重要: ネットワーク切断中にライセンス認証やオンラインサービスが必要な手順がある場合は失敗する可能性があるため、状況に応じて慎重に行ってください。
Cortana が無効になった場合のレジストリ修正手順
Cortana が「死んだ」ように見える(起動しない/検索のみになる)場合、レジストリのフラグを確認・変更することで復旧できる可能性があります。以下は基本的な手順です。
重要: レジストリ編集はシステムに重大な影響を与える可能性があります。レジストリのバックアップまたはシステム復元ポイントを必ず作成してください。
手順:
- スタートメニューで regedit.exe と入力して「レジストリエディター」を起動します。
- 次のレジストリパスに移動します(パスは正確に入力してください)。
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Search
- キー値を確認します。
- 値名: BingSearchEnabled
- 値を 1 に設定します(存在しない場合は DWORD(32ビット) で作成して 1 を設定)。
- 値名: CortanaEnabled
- 値を 1 に設定します(存在しない場合は同様に作成)。
- レジストリエディターを閉じ、必要なら再起動します。
- Cortana が復帰したかを確認します。
追加の注意:
- 企業環境や一部の地域では Cortana がポリシーやテナント設定で無効にされていることがあります。グループポリシーや Intune/管理ツールの設定も確認してください。
手順の詳細と注意点
- バックアップ: 事前に重要ファイルのバックアップとシステム復元ポイントの作成を行ってください。
- レジストリのバックアップ: レジストリエディターの「ファイル → エクスポート」で該当キーをエクスポートしておくと復元が容易です。
- 管理者権限: レジストリ編集は管理者アカウントで行ってください。
- セキュリティソフト: 一部のサードパーティ製セキュリティ製品が更新を妨げる場合があります。必要に応じて一時無効化して試してください。
重要: ネットワークをオフにするとライセンス確認や更新の一部が失敗する可能性があります。必ずデータのバックアップを行ってから実施してください。
代替アプローチ: Media Creation Tool とクリーンインストール
上記の回避策で問題が解決しない場合は、クリーンインストールを検討します。一般的な流れ:
- 重要データを外部ドライブやクラウドにバックアップ。
- Microsoft の Media Creation Tool をダウンロード。
- USB ドライブまたは DVD にブート可能なインストールメディアを作成。
- インストールメディアから起動してクリーンインストールを実行。
- ドライバー類と Windows Update を適用。
注意: クリーンインストールは最終手段です。時間と手間がかかり、アプリや設定が消えるため必ず事前にバックアップを取ってください。
トラブルシューティングチェックリスト
ホームユーザー向けチェックリスト:
- 重要データをバックアップしたか
- システム復元ポイントを作成したか
- レジストリの該当キーをエクスポートしたか
- ネットワーク切断で更新が完了するかを試したか
- Cortana のキー(BingSearchEnabled / CortanaEnabled)を確認したか
管理者(IT担当)向けチェックリスト:
- グループポリシーや管理テンプレートで Cortana を無効化していないか確認
- ネットワークセキュリティ機器が更新トラフィックを遮断していないか確認
- 複数台で同様の症状が出ているかをログで収集
- 端末復旧用のイメージ/スクリプトを準備
判断フロー(簡易フローチャート)
flowchart TD
A[更新でエラー発生] --> B{'verifying download' 完了を確認?}
B -- はい --> C[ネットワークを切断して更新を続行]
C --> D{更新成功?}
B -- いいえ --> E[レジストリ修正を試す]
E --> F{Cortana 復帰?}
D -- はい --> G[通常運用]
D -- いいえ --> H[Media Creation Tool でクリーンインストールを検討]
F -- いいえ --> H
F -- はい --> G
受け入れ基準
- 更新が正常に完了し、エラーコード 0x80070057 / 0xa0000400 が表示されない。
- Cortana を起動して音声入力・検索が期待通りに動作する。
- 主要アプリケーションが正常に起動し、ライセンスや設定が保持される。
リスクと軽減策
- レジストリ編集の誤操作: 必ずエクスポートしてから編集する。
- ネットワーク切断によるライセンスやダウンロード失敗: オフラインでの操作が必要な場面を把握してから実施する。
- クリーンインストールによるデータ消失: バックアップを複数箇所に保管する。
いつこの方法が失敗するか(反例)
- 企業ポリシーで Cortana が組織的に無効化されている場合、レジストリを変更しても復活しない。
- 更新プロセスが別のコンポーネント(ドライバーやファームウェア)に依存している場合、ネットワーク切断だけでは不十分。
簡易 SOP(ホームユーザー向け)
- 重要ファイルをバックアップする。
- システム復元ポイントを作る。
- Anniversary Update を開始する。
- “verifying download” 完了後すぐにネットワークを切断して更新を続行する。
- 更新完了後、Cortana の状態を確認。動作しなければレジストリを編集する。
- 回復しない場合は Media Creation Tool による復旧を検討する。
要点まとめ
- 更新中にネットワークを切断するという経験的手法が一部ユーザーで効果を上げています。
- Cortana の問題はレジストリの BingSearchEnabled / CortanaEnabled キーを 1 に設定することで改善することが多いです。
- どの手順を行う場合も、データのバックアップと復元ポイントの作成を最優先してください。
重要: この記事の手順は現時点で報告されている回避策と一般的な対処をまとめたものです。環境により挙動が異なるため、実施は慎重に行ってください。