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「No boot device found」エラーの原因と対処法

2 min read トラブルシューティング 更新されました 20 Oct 2025
No boot device foundエラーの原因と対処法
No boot device foundエラーの原因と対処法

テーブルの上に置かれたノートパソコンの画面に「No Boot Device Found」エラー表示

概要

電源投入時に「no boot device found, press any key to reboot the machine」と表示されると、Windowsがインストールされているストレージ(HDD/SSD/NVMe)が見つからず起動できない状態です。原因は大きく分けて以下のとおりです。

  • ストレージの物理的な接続不良や故障
  • BIOS/UEFIでのブート順やブートモードの誤設定
  • セキュアブート/UEFIとMBR/GPTの不一致
  • その他(ケーブル断線、電源供給不良、コントローラ故障など)

この記事では、主にDell機での手順を例示しますが、他メーカーでも同様の考え方で対処できます。BIOSに入るためのキーや画面配置は機種により異なります。

何を確認するか(簡単な用語定義)

  • ブートデバイス: OSが入っているストレージ(HDD/SSD/NVMe)。
  • BIOS/UEFI: マザーボードの初期化・設定画面。起動順やストレージ認識を確認する場所。
  • ブートシーケンス: 起動時にどのデバイスを優先するかの順序。

重要: まずは「ストレージが検出されているか」を確認してください。ほとんどの原因はここで分かります。


1. ストレージが検出されているか、物理接続は正しいかを確認する

手順(Dellを例に):

  1. 電源を切るために数秒間電源ボタンを押します。
  2. 電源ボタンを押してPCを起動し、すぐに F2 を連打してBIOS/UEFIに入ります。(メーカーによっては Del, F10, Esc など)
  3. 左メニューから System Information を選びます。
  4. 右側の Device Information を確認し、OSが入っている主要ドライブが表示されているか確認します。

BIOSのデバイス情報画面でストレージを確認している様子

ポイント:

  • 複数ドライブがある場合、Windowsがインストールされたドライブが表示される必要があります。
  • 表示がなければ「検出されていない」状態です。デスクトップならケースを開けてSATA/電源ケーブルの差し直しを検討します。ノートPCなら分解が必要な場合があるため、自己流での分解は保証に影響するので注意してください。

重要: ドライブ自体が故障している可能性があります。BIOSで検出されない場合は次の診断手順へ進んでください。


2. 診断(Diagnostics)を実行する

診断ツールでハードウェアのエラーを特定します。DellのPCでは内蔵診断を利用できます。

手順(例):

  1. 電源を切ります。
  2. 電源ボタンで起動し、すぐに F12 を連打します。
  3. ブートメニューが出たら Diagnostics を選択してEnterを押します。
  4. 「Yes」を選び、診断を実行します。

BIOSでDiagnostics(診断)オプションを選択している画面

WindowsノートPCでBIOS診断テストを実行している画面

結果の読み方:

  • 診断が「ドライブ故障」を示した場合は、交換またはデータ復旧を検討します。
  • ケーブル接続の問題を示す場合は、接続を確認し再接続します。
  • 問題が特定できない場合、専門の修理サービスへ持ち込んでください。

注意: ノートPCで内部アクセスが難しい場合、自分で無理に開けない方が安全です。保証対象か確認しましょう。


3. ブートシーケンスを確認して修正する

ブートシーケンスが間違っていると、別のデバイスを優先してしまいOSが起動しません。正しいドライブを最上位にしてください。

手順(例):

  1. 電源を切ります。
  2. 電源ボタンで起動し、F2 を連打してBIOSに入ります。
  3. 左メニューで Boot Sequence を選びます。
  4. Boot List Option の下で Legacy を選択(既にLegacyならそのまま)。Legacyを選ぶとブートシーケンス設定が表示されます。

BIOSでブートモードをLegacyに変更する画面

  1. 表示されたリストで、OSが入ったドライブのチェックボックスをオンにして、リストの最上位に移動します(上矢印を使用)。

BIOSのブートシーケンスでOSが入ったドライブを最上位に移動している画面

  1. Apply を押してから Exit で再起動します。

注意点:

  • UEFI(通常の現代的PC)とLegacy(旧方式)の選択は、インストールされたWindowsの種類(UEFI+GPT または Legacy+MBR)に依存します。誤ったモードにするとOSが起動しなくなるため、元のモードを覚えておくか変更前にメモしてください。
  • 一部のBIOSではLegacyオプションがグレーアウトしている場合があります。次のセクションで説明します。

4. BIOS設定を初期化してみる

ブートオプションがグレーアウトしている、または設定が混乱している場合、BIOSをデフォルトに戻すことで問題が解決することがあります。変更した設定を失うので、必要な情報は控えてください。

手順(例):

  1. 電源を切ります。
  2. 電源を入れ、F2 を連打してBIOSに入ります。
  3. 左メニューで General を選択します。
  4. Load Defaults をクリックします。

BIOSのLoad Defaultsで設定を初期化する画面

  1. 警告ポップアップで OK を選び、最後に Exit して再起動します。

注意: BIOSの初期化により、パフォーマンスやセキュリティに関するカスタム設定(RAID設定や特殊な省電力設定など)も戻るため、事前にメモを取ってください。


追加の考え方と代替アプローチ

以下は、この問題を解決するときに役立つ補助的な視点と手順です。

代替アプローチ

  • 外付けUSBからWindows回復ドライブを起動し、ブート修復ツールを試す。
  • 別のPCにドライブを接続し、データが見えるかどうかでドライブ故障の確度を上げる。
  • BIOSのアップデート(特定の不具合修正がある場合のみ)。ただし失敗リスクがあるためメーカーの手順に従う。

いつこの手順が失敗するか(反事例)

  • ドライブのコントローラが完全に故障している場合、BIOSからもdiskは見えません。
  • マザーボード自体のSATA/NVMeスロットが壊れている場合、別スロットや外付けアダプタで検証が必要です。

メンタルモデル(起動の流れ)

  1. 電源ON → 2. BIOS/UEFI初期化 → 3. ブートデバイス探索(設定に従う)→ 4. ブートローダ読み込み → 5. OS起動

この誰が失敗しているか(検出/順序/ローダ)を順に絞り込めば早く解決できます。


チェックリスト(役割別)

ユーザー向け:

  • BIOSでストレージが見えているか確認する。
  • ブート順が正しいか確認する。
  • 簡単な再接続(デスクトップの場合)を試す。

技術者向け:

  • 内部診断/外部ツールでS.M.A.R.T.とセクタ検査を行う。
  • 別PCでドライブをマウントして読み書きを確認する。
  • 必要ならデータ復旧サービスと連携する。

サポート窓口向け:

  • 機種/サービスタグを確認し、公式診断手順を案内する。
  • 保証情報や過去の修理履歴を参照する。

SOP(実務手順)

  1. 電源OFF → BIOSへ入る(F2等)→ デバイス情報を確認。
  2. 検出されない場合は診断(F12等)を実行。
  3. 診断で問題が出たらログを保存し、交換/修理へ移行。
  4. 検出されるが起動しない場合はブート順を修正。
  5. それでもダメならBIOS初期化→再試行。
  6. 最終手段としてOS再インストールまたはハードウェア交換。

受け入れ基準:

  • PCがOSのログイン画面まで正常起動すること。
  • 起動できない要因が「ハードウェア」「設定」「ソフトウェア」のいずれかに特定され、次のアクションが定義されていること。

簡易リスクマトリクスと対策

  • リスク: ドライブ交換でデータが消失する → 対策: 可能な限りイメージバックアップを取得。
  • リスク: BIOS更新失敗で起動不能 → 対策: メーカー手順に従い、バッテリと電源を安定させて実行。
  • リスク: 自己分解で保証が無効化 → 対策: 保証期間とメーカーサポートを先に確認。

決定フローチャート

flowchart TD
  A[電源ONでエラー表示] --> B{BIOSでドライブを検出するか}
  B -- はい --> C{ブート順は正しいか}
  B -- いいえ --> D[診断を実行]
  D --> E{診断で故障と判定されるか}
  E -- はい --> F[ドライブ交換または修理]
  E -- いいえ --> G[接続再確認または専門家へ]
  C -- はい --> H[OS修復ツールを試す]
  C -- いいえ --> I[ブート順を修正して再起動]
  H --> Z[問題解決または再インストール]
  I --> Z
  G --> Z
  F --> Z

受け入れ基準

  • PCが起動してWindowsのログイン画面が表示される。
  • 起動不能の原因がドライブ故障なら、代替ドライブで正常起動できる。
  • 設定が原因なら、BIOSで正しい設定を適用して再起動できる。

小さな用語集(ワンライナー)

  • BIOS: ハードウェア初期化と設定を管理するファームウェア。
  • UEFI: BIOSの進化版。GPTと組み合わせて使われることが多い。
  • S.M.A.R.T.: ストレージの自己診断情報。

まとめと次のステップ

  • 最初にBIOSでストレージが検出されているかを確認してください。
  • 次に診断ツールでハードウェアの問題を特定します。
  • ブート順やブートモードの設定はよく確認し、必要なら初期化して再設定します。
  • ハードウェア故障が疑われる場合は、データ保全を優先して専門家に相談してください。

重要: 自己診断や分解を行う前に保証状況を確認し、データのバックアップを優先してください。


この手順で解決しない場合は、メーカーサポートまたは信頼できる修理業者に相談してください。専門家は物理診断やデータ復旧を安全に行えます。

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