テクノロジーガイド

Chromeで「ERR_CONNECTION_CLOSED」が出るときの対処ガイド(Windows向け)

2 min read トラブルシューティング 更新されました 19 Oct 2025
ChromeのERR_CONNECTION_CLOSEDを修正する10手順
ChromeのERR_CONNECTION_CLOSEDを修正する10手順

黒い Windows ノートパソコンを操作する人物

このガイドは、Windows環境でGoogle Chromeがウェブサイトを読み込めずに「ERR_CONNECTION_CLOSED」エラーを返すときの、段階的なトラブルシューティング手順をまとめたものです。各手順は簡単に実行でき、原因特定と解決の効率を高めるために順序立てて整理しています。

重要: 操作前に開いているタブの内容をメモしておくと、後で戻すときに便利です。

1. ルーターを再起動する

概要: 一時的なネットワーク障害やルーター側の不具合で接続が閉じられる場合があります。まずは電源を切って数分待ち、再起動してください。

手順:

  1. ルーターの電源ケーブルを抜くか、電源ボタンでシャットダウンする。
  2. 30秒〜2分待つ(内部キャッシュやモデムの初期化を待つため)。
  3. 電源を入れ直し、インターネット接続が安定するまで2〜3分待つ。
  4. Chromeで問題のページを再読み込みする。

白黒のモデムルーター

メモ: モバイル回線や職場ネットワークではネットワーク管理者に問い合わせる必要があります。

2. 別のブラウザでサイトを開いてみる

目的: エラーがChrome独自の問題なのか、サイト側やネットワーク側の問題なのかを切り分けます。

手順:

  1. Microsoft Edge、Firefox、Safari(macOS)など別のブラウザを開く。
  2. 同じURLを入力して読み込みを試みる。

結果の見方:

  • 別ブラウザでも同じエラーが出る → サイトやネットワーク側の問題の可能性が高い。
  • 別ブラウザで正常に表示される → Chromeの設定や拡張機能、ローカルの問題を疑う。

3. DNSキャッシュをフラッシュする

説明: DNSキャッシュが破損すると、Chromeが正しくホスト名を解決できず接続が閉じられることがあります。Windowsでキャッシュをクリアする手順は次のとおりです。

手順(管理者権限のターミナルで実行):

  1. スタートボタンを右クリックするか、キーボードで Win + X を押して、パワーユーザーメニューを開く。
  2. 「Windows ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択する。
  3. ユーザーアカウント制御(UAC)の確認が出たら「はい」を選ぶ。
  4. 下記コマンドを順にコピー&ペーストして、各コマンド実行後に Enter を押す。
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns
ipconfig /registerdns
  1. コマンドが完了したらPCを再起動し、Chromeでサイトを再確認する。

注記: DHCPや企業ネットワークの設定によっては、管理者の介入が必要な場合があります。

4. DNSサーバーを変更する

説明: プロバイダのDNSが不安定な場合、パブリックDNS(例: Google、Cloudflare)に切り替えると改善することがあります。

手順:

  1. コントロールパネルを開く(スタートメニューで検索するか、Win + R で control と入力)。
  2. 表示方法を「大きいアイコン」に変更する。
  3. 「ネットワークと共有センター」を開く。
  4. 左側の「アダプターの設定の変更」をクリックする。
  5. 使用中のネットワークアダプター(Wi-Fiやイーサネット)を右クリックして「プロパティ」を選択する。
  6. 「ネットワーク」タブで「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」をダブルクリックする。
  7. 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択して、以下のようなパブリックDNSを入力する。

代表的なDNS例:

  • Google: 優先 DNS 8.8.8.8、代替 DNS 8.8.4.4
  • Cloudflare: 優先 DNS 1.1.1.1、代替 DNS 1.0.0.1
  • OpenDNS: 優先 DNS 208.67.222.222、代替 DNS 208.67.220.220
  1. 「設定を終了する前に確認する(Validate settings upon exit)」にチェックを入れ、「OK」をクリックする。

WindowsでDNSを変更する画面

注意: 企業ネットワークや専用DNSが必須の場合は、変更前に管理者に確認してください。

5. Chromeの拡張機能を無効にする

説明: サードパーティ製の拡張機能が通信をブロックしたりプロキシを介入させたりして、接続が切断されることがあります。

手順:

  1. Chromeを開き、右上の「︙(3点メニュー)」をクリックする。
  2. 「その他のツール」にマウスを合わせて「拡張機能」を選ぶ。
  3. 表示される拡張機能の一覧で全てのトグルをオフにして無効化する。
  4. 無効化後、問題のサイトを再読み込みする。

問題が解決した場合:

  • 拡張機能を1つずつ有効にして、どれが原因か特定する。

Chrome拡張機能を無効化する画面

重要: 拡張機能のなかにはセキュリティやパスワード管理など重要なものもあるため、無効化→特定→アンインストールの順で進めてください。

6. 一時的にアンチウイルスを無効化する

説明: 一部のアンチウイルスやインターネットセキュリティソフトがHTTPSやネットワーク接続をスキャンする際に、接続を切断してしまうことがあります。

手順:

  1. タスクバーのアンチウイルスアイコンを右クリックする。
  2. 「無効化」または「一時停止」オプションを選び、可能なら「次の再起動まで無効」など一時的な設定にする。
  3. Chromeでサイトを再読み込みして確認する。

対処:

  • 無効化で改善する場合は、アンチウイルスの設定でHTTPSスキャンやネットワーク保護の例外を設定する。
  • 設定変更が難しい場合は、別のアンチウイルス製品に切り替える検討をする。

注意: 常時無効にするのは危険です。検証後は必ず有効に戻してください。

7. Chromeのクリーンアップツールを実行する

説明: Windows上のサードパーティアプリがChromeの動作に介入している場合、Chromeに組み込まれたクリーンアップツールが検出と削除の手助けをします。

手順:

  1. Chromeの右上メニューから「設定」を開く。
  2. 左側のメニューで「リセットとクリーンアップ」を選ぶ。
  3. 「コンピュータのクリーンアップ」をクリックし、「検索」ボタンを押す。
  4. 検出された不要なソフトや問題が表示されたら、画面の指示に従って削除する。

Chromeのクリーンアップツールを実行する画面

備考: ツールで検出されない不審なプロセスが怪しい場合は、タスクマネージャーでプロセスを特定し、オンラインの評判を確認してください。

8. ブラウザのキャッシュをクリアする

説明: キャッシュされたファイルが破損していると、Chromeがページの読み込みで失敗することがあります。キャッシュを消去して再読み込みします。

手順:

  1. Chromeで Ctrl + Shift + Delete を押して「閲覧履歴データを消去」パネルを開く。
  2. 「期間」または「時間範囲」を「全期間」に設定する。
  3. 「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れる(必要に応じてクッキーも消す)。
  4. 「データを消去」ボタンをクリックする。
  5. Chromeを再起動してサイトを確認する。

Chromeのキャッシュをクリアする画面

注意: クッキーやサイトデータを削除すると一部ログイン情報が消えます。パスワードを控えてから実行してください。

9. VPNやプロキシを無効にする

説明: VPNやプロキシ経由の通信は中継点で接続が閉じられることがあります。一時的に無効にして直接接続で検証してください。

手順:

  1. 使用しているVPNクライアントを終了するか、一時停止する。
  2. Windowsの設定で「プロキシ」設定を開き、手動プロキシが有効になっていれば無効にする。
  3. Chromeで再度アクセスして挙動を確認する。

企業のプロキシを使っている場合は、管理者の指示に従ってください。

10. Chromeをリセットする

説明: 設定やエクステンションの組み合わせで問題が解決しない場合、Chromeの設定を初期状態に戻すと改善することがあります。これにより、拡張機能や一部設定がリセットされます。

手順:

  1. Chromeの「設定」を開く。
  2. 左側メニューから「リセットとクリーンアップ」を選ぶ。
  3. 「設定を元の既定値に戻す」を選択し、確認で「リセット」をクリックする。
  4. 必要に応じてChromeを再インストールする(アンインストール後に公式サイトから最新版をダウンロード)。

Google Chromeをリセットする画面

注意: リセット前にブックマークやパスワードを同期(Googleアカウント)しておくと復元が簡単です。

追加の対処と検討事項

ここからは上記の基本手順で改善しない場合に試す、あるいは知っておくべき追加の方法や判断基準です。

代替アプローチ

  • ネットワークのスイッチング: 別のWi-Fiやテザリング(スマホ回線)で接続して問題の切り分けを行う。
  • ルーターのファームウェア更新: 古いファームウェアは互換性やセキュリティの不具合を生みます。メーカーの説明を確認して更新する。
  • 一時的に別ユーザープロファイルでChromeを起動: ユーザー設定が原因かどうかの判定に有用。

いつこの手順は失敗するか(反例)

  • サーバー側がダウンしている、またはサイト自体に設定ミスがある場合(別ブラウザでも失敗する)。
  • ISP(インターネットサービスプロバイダ)側の経路障害やフィルタリングで接続がブロックされているケース。
  • 高度なネットワークポリシー(企業のSSL中間証明書やプロキシ)が原因でローカル側での修正が効かない場合。

専門家向けのチェックリスト(IT管理者)

  • ネットワークログとファイアウォールのログを確認し、RST/FINパケットや接続リセットの原因を特定する。
  • DNSログでNXDOMAINやタイムアウトの有無を調べる。
  • 中間プロキシやロードバランサの設定を確認する。
  • TLS証明書チェーンの不整合やSNI設定の問題を検証する。

1行用語集

  • DNS: ドメイン名とIPアドレスを対応付ける仕組み。
  • VPN: 仮想専用ネットワーク。経路を暗号化して別の出口IPで通信する。
  • プロキシ: クライアントとサーバーの間に入る中継点。
  • キャッシュ: 再利用のために保存された一時ファイル。
  • UAC: Windowsのユーザーアカウント制御。管理者権限の確認ダイアログ。

トラブル対応の簡易ランブック(インシデント時フロー)

  1. 影響範囲を確認(単一ユーザーか複数か)。
  2. 迅速な切り分け: 別ブラウザ、別端末、別ネットワークで再現するか確認。
  3. 端末側で上の1〜9を適用(ルーター再起動→DNSクリア→拡張無効化等)。
  4. ネットワーク側ログ(FW/Proxy/ISP)を確認。
  5. 原因が内製システム・証明書・ネットワーク設備にある場合は担当チームへエスカレーション。
  6. 復旧後、原因・対応・再発防止策をまとめて共有する。

テストケースと受け入れ基準

目的: 修正後に「ERR_CONNECTION_CLOSED」が再発しないことを確認するための簡易テスト。

テストケース:

  • TC1: 同じURLをChromeで3回連続ロードし、すべて成功すること。
  • TC2: 別ブラウザ(EdgeまたはFirefox)で同URLを読み込み、成功すること。
  • TC3: DNSを変更してから10分以内に同URLが読み込めること。
  • TC4: 拡張機能を全てオンに戻しても問題が再発しないこと(原因が拡張のときは除外)。

受け入れ基準:

  • 上記TC1〜TC3がすべてパスで、24時間以内に同エラーが再発しないこと。

セキュリティとプライバシーの注意

  • 公共のWi-Fiや不明なVPNを使うと中間者攻撃やトラフィックの解析リスクが高まります。個人情報を扱うページは安全な環境でのみ操作してください。
  • DNSを変更するとプロバイダのフィルタリングが効かなくなる場合があります。企業ポリシーやフィルタリング必要性に注意してください。

まとめ

  • 「ERR_CONNECTION_CLOSED」はネットワーク層・ブラウザ層・端末側設定のいずれかに原因があり得ます。
  • 最初はルーター再起動、別ブラウザ確認、DNSキャッシュのクリアを順に行い、拡張機能やアンチウイルス、VPN/プロキシを疑います。
  • 解決しない場合はChromeのリセットや再インストール、あるいは一時的なブラウザの切り替えを検討してください。

FAQ

Q1: Chromeのリセットで何が失われますか?

A1: 起動時のページ、ピン留めしたタブ、拡張機能、サイトの権限設定などが初期化されます。ブックマークやパスワードを同期していれば復元可能です。

Q2: 公衆Wi-Fiでだけこのエラーが出るのですが?

A2: 公衆Wi-Fiのネットワーク設定やフィルタリング、プロキシが原因のことが多いです。別ネットワーク(携帯回線)での確認をおすすめします。

Q3: DNSを戻すにはどうすればいいですか?

A3: 「インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」のプロパティで「自動的にDNSサーバーのアドレスを取得する」を選ぶと、ISPのDNSに戻ります。

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