ERROR_NO_SPOOL_SPACE(コード 62)を修正する方法

Important: まずはプリントジョブの喪失や業務への影響を最小化するため、作業前に重要なジョブや設定のスクリーンショットを取るか、管理者に通知してください。
概要
ERROR_NO_SPOOL_SPACE(0x3E、コード62)は、システムがプリントジョブの一時ファイルを格納するスプール領域に十分な空きがないことを示すエラーです。多くの場合はスプールフォルダ内の未処理ジョブやドライバーの不具合、システムのリソース不足が原因です。
用語(1行定義):
- スプール(Spool): プリンターへ送る前に一時的にデータを保存するディレクトリ。
目次
- よくある原因
- 手順:基本的な修復(スプールフォルダのクリーンアップ)
- ドライバーの更新/再インストール
- SFC スキャンの実行
- 仮想メモリの増加
- 代替アプローチと、失敗する場面(カウンター例)
- 管理者向けプレイブック(SOP)
- ヘルプデスク用チェックリスト
- テストケースと受け入れ基準
- トラブルシューティングの意思決定フローチャート(Mermaid)
- 1行用語集
- まとめ
よくある原因
- スプールディレクトリ(通常は
C:\Windows\System32\spool\PRINTER
)の空き不足 - プリンタードライバーの破損または互換性の問題
- ネットワークプリンターに対する複数クライアントからの同時ジョブ集中
- 一時的なシステムリソース(RAM/ページファイル)不足
手順:1. ディスク空き容量の確認とスプールフォルダのクリア
- システムドライブ(通常は C:)に十分な空き容量があるか確認します。エクスプローラー(Win + E)でドライブを右クリックし、プロパティ を選択します。
- Run(実行)を開く(Win + R)、
services.msc
と入力して Enter。 - サービス一覧で Print Spooler を探し、右クリックして「停止」を選択します。
- エクスプローラーで以下のフォルダに移動します:
C:\Windows\System32\spool\PRINTER
- 中身を全選択(Ctrl + A)して削除します。これは一時フォルダなので、内容を消しても通常は問題ありません。
- サービスウィンドウに戻り、Print Spooler を右クリックして「開始」を選択します。
短い注意: スプールフォルダを削除すると、保留中の印刷ジョブは失われます。重要なジョブがある場合はユーザーに知らせてください。
手順:2. プリンタードライバーを更新または再インストール
- Win + X を押して デバイス マネージャー を開きます。
- 「プリンター」セクションを展開し、対象のプリンターを右クリックして ドライバーの更新 を選択します。
- 「ドライバーを自動で検索」または、事前にメーカーサイトからダウンロードしたドライバーを選び「コンピューターを参照してドライバーを検索」します。
- 更新で解決しない場合は、ドライバーをアンインストールし、メーカーの最新パッケージから再インストールします。
Note: ネットワークプリンターで全クライアントから同じエラーが出る場合、プリンタ側(サーバー/共有側)のドライバーやファームウェアが原因なことが多いです。プリンタ本体のログやファームウェア更新も確認してください。
手順:3. システムファイルチェッカー(SFC)を実行
- スタートメニューで
cmd
を入力し、コマンドプロンプトを右クリックして 管理者として実行 を選択します。 - 次を入力して Enter:
sfc /scannow
このコマンドは破損したシステムファイルをスキャンし、可能なら修復します。まれにSPOOL関連ライブラリの破損が原因のことがあります。
手順:4. 仮想メモリを増加する(ページファイルの調整)
- Win + R を押して
sysdm.cpl
を入力して Enter。 - 「詳細設定」タブへ移動し、パフォーマンス欄の「設定」をクリック。
- パフォーマンスオプションで「詳細設定」タブを選び、「仮想メモリ」欄の「変更」をクリック。
- 「すべてのドライブのページング ファイルのサイズを自動的に管理する」のチェックを外し、システムドライブを選択、カスタムサイズを選びます。
- 初期サイズと最大サイズをWindowsの推奨以上に設定し、「設定」→「OK」を選択します。
注: 仮想メモリを増やすことで、メモリ不足に起因する印刷の失敗を回避できる場合がありますが、根本原因がディスク空き不足である場合はディスク容量の確保が先です。
代替アプローチと、失敗する場面(カウンター例)
- 代替: スプールを別ドライブ(空き容量の多いドライブ)に移動する。レジストリ編集が必要です(管理者のみ)。
- 失敗例: ネットワーク側のキューが溢れている場合、ローカルでスプールを空にしてもプリンタサーバー側のジョブが再送され続け、効果が一時的になることがあります。
- 失敗例: ドライバー非互換(64bit vs 32bit)ではSFCやスプールクリアだけでは解決しません。正しいアーキテクチャのドライバーを入手してください。
管理者向け SOP(プレイブック) — すぐに実行する手順(短縮版)
- インシデント受理: 影響範囲(ユーザー/サーバ)を確認。
- 重要ジョブの確認: 破棄して良いジョブか判断。
- Print Spooler 停止 (
services.msc
) → スプールフォルダを削除 → Print Spooler 起動。 - 解決しない場合はドライバー確認(アンインストール→再インストール)
- 必要なら仮想メモリとディスククリーンアップを実施。
- 再発防止: スプールの監視設定、アラート閾値を追加。
ロール別チェックリスト(管理者 / ヘルプデスク):
- 管理者:
- サーバーのディスク空き量を確認
- スプールディレクトリのアクセス権を確認
- ファームウェアとドライバーの互換性を確認
- ヘルプデスク:
- ユーザーからの影響範囲を記録
- 一時的な再起動とスプールクリアを実行(権限がある場合)
- 管理者にエスカレーション
トラブルシューティングの意思決定フローチャート
flowchart TD
A[エラー発生: ERROR_NO_SPOOL_SPACE] --> B{スプールフォルダの空きはあるか}
B -- はい --> C{ドライバーは最新か}
B -- いいえ --> D[Print Spooler停止 → スプールフォルダを空に → Print Spooler開始]
D --> E{解決したか}
C -- 古い/破損 --> F[ドライバー更新または再インストール]
C -- 最新 --> G[SFC実行と仮想メモリ確認]
F --> E
G --> E
E -- はい --> H[復旧済み: モニタリング設定]
E -- いいえ --> I[ハードウェア/ネットワークプリンタ調査またはベンダー問い合わせ]
テストケース / 受け入れ基準
- テスト1: スプールフォルダを空にした後、数個の印刷ジョブが正常に処理されること。
- テスト2: ドライバー再インストール後、複数端末からの印刷で同様のエラーが発生しないこと。
- 受け入れ基準: 30分間に同種のエラーが発生しなければ安定と判断(運用条件による)。
セキュリティ・プライバシー注意(簡略)
スプールフォルダには印刷データ(機密情報)を一時的に保持します。アクセス権を適切に設定し、不要なファイルは速やかに削除してください。GDPRなどの規制対象データを扱う場合は、ログとファイルの保持ポリシーを確認してください。
1行用語集
- Print Spooler: Windows の印刷ジョブ管理サービス。
- SFC: System File Checker(システムファイルの整合性チェックツール)。
まとめ
- まずはスプールフォルダのクリアとPrint Spoolerの再起動を行ってください。
- ドライバーの破損や互換性問題がある場合は、アンインストールしてメーカーの最新ドライバーをインストールします。
- SFC と仮想メモリ調整は追加のトラブルシューティング手段です。
- ネットワークプリンタやサーバー側のキューが原因のケースでは、プリンタ本体やプリントサーバーの調査が必要です。
問題が解決しない場合は、上記のSOPに沿ってログを収集し、プリンタメーカーか社内のシステム管理者へエスカレーションしてください。
Let us know in the comments below if our guide help you fix the ERROR_NO_SPOOL_SPACE bug check.