概要
PCエラー8790は、Windows(XP〜Windows 10の範囲で報告)で発生する比較的よくあるエラーです。一般的には、ドライバーまたはアプリに関連するファイルシステムの破損を示す仮想TMPファイルの問題として現れます。原因は多岐に渡り、代表的なものはマルウェア(アドウェア、トロイの木馬、スパイウェアなど)、誤って削除された重要ファイル、またはアプリ/ドライバーの破損です。
本記事は、初心者にも分かりやすい順序で、まず安全で簡単な対処(スキャン・クリーンアップ)を試し、効果がない場合により詳細な復元・再インストール手順へ進む流れで構成しています。
主要な解決手順(概要)
- ウイルス/マルウェアのフルスキャンを実行する
- 問題のあるアプリを特定して再インストールする
- Windowsの「ディスククリーンアップ」で一時ファイルを削除する
- システム復元で変更前の復元ポイントに戻す
重要: 重要ファイルは事前にバックアップを取ってください。復元や再インストールでデータが失われる可能性があります。
詳しい手順とヒント
1. ウイルス/マルウェアスキャンを実行する
原因の多くはマルウェアです。信頼できるアンチウイルスでフルスキャンを行ってください。クイックスキャンでは見落とすことがあるため、必ずフルスキャン(全ディスクスキャン)を推奨します。
手順例:
- ご利用のアンチウイルスを最新に更新する。
- フルスキャン(フルシステムスキャン)を選択して実行する。
- 検出された脅威を隔離または削除する。
- 削除後はPCを再起動して、エラーが改善するか確認する。
注意: 有効なファイアウォールやリアルタイム保護を常に有効にしてください。定期スキャンのスケジュールを設定すると予防に役立ちます。
代替アプローチ: Windows Defender(Microsoft Defender)を使う、あるいはブート可能なスキャンツール(救済ディスク)でオフラインスキャンを行う方法があります。ルートキット等の除去には専用ツールが必要な場合があります。
2. 問題のアプリを再インストールする
エラーが特定のアプリやドライバーに関連している場合は、そのソフトをアンインストールしてから再インストールします。破損したファイルを置き換えることで解決できることが多いです。
手順例:
- 問題のアプリを完全にアンインストールする(プログラムと機能、または設定→アプリ)。
- 関連する残存ファイルや一時フォルダを削除する(必要に応じてレジストリのクリーンアップは慎重に)。
- 公式サイトから最新版をダウンロードして再インストールする。
- 再起動してエラーが解消されたか確認する。
注意: ドライバーが原因の場合は、デバイスマネージャーからドライバーを更新またはロールバックしてください。
3. ディスククリーンアップを実行する(Windowsの内蔵ツール)
一時ファイルが問題を引き起こす場合があります。Windowsの「ディスククリーンアップ」を使って不要な一時ファイルを削除してください。
実行手順(Windows 10の例):
- スタートメニューで「ディスククリーンアップ」と入力してアプリを開く。
- 対象ドライブ(通常はC:)を選択する。
- 「一時ファイル」や「一時インターネットファイル」など、削除したい項目にチェックを入れる。
- 「OK」または「ファイルの削除」を押して実行する。
参考画像:
注意: 大きなファイルやダウンロードフォルダは誤って削除しないようにしてください。
4. システム復元で以前の状態に戻す
最近の変更(誤削除やインストール)が原因と考えられる場合、システム復元で復元ポイントに戻すと効果的です。復元はシステムファイルと設定を以前の状態に戻しますが、個人ファイルは通常影響を受けません(ただし、念のためバックアップ推奨)。
実行手順(Windows 10):
- スタートメニューを開き、「復元ポイントの作成」と入力して選択する。
- 「システムの保護」タブを確認する。
- 「システムの復元」ボタンをクリックする。
- 推奨の復元ポイントが利用可能ならその日付を確認して実行する。適切でなければ「別の復元ポイントを選択」して選ぶ。
- 復元後、PCを再起動してエラーが解消したか確認する。
参考画像:
注意: システム復元は完全なバックアップではありません。重要なファイルは別途保存してください。
いつこの手順が失敗するか(想定されるケース)
- ハードウェア故障(ストレージ不良やメモリエラー)が原因の場合、ソフト側の対処では改善しない。
- 深刻なブート破損やOS自体の損傷がある場合、クリーンインストールが必要になることがある。
- ルートキットや高度なマルウェアが潜伏している場合、通常のアンチウイルスでは検出・除去できないことがある。
対策: S.M.A.R.T.ツールでディスク状態をチェックする、メモリーテスト(Windowsのメモリ診断)を行う、必要なら専門の復旧サービスに相談してください。
代替的アプローチと診断のヒント
- セーフモードで起動して問題の切り分けを行う(セーフモードでエラーが出ない場合、常駐ソフトやドライバーが原因の可能性が高い)。
- クリーンブート(必要最小限のサービスで起動)で確認する。
- システムファイルチェッカー(SFC)とDISMコマンドでシステムファイルの整合性をチェックする。
コマンド例(管理者として実行):
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
これらはシステムファイルを検査・修復します。実行後は再起動して動作を確認してください。
役割別チェックリスト(ユーザー / 管理者)
一般ユーザー:
- 重要データをバックアップする
- フルアンチウイルススキャンを実行する
- 問題のあるアプリを再インストールする
- ディスククリーンアップを実行する
システム管理者 / IT担当:
- イベントビューワー(イベントログ)でエラー発生時刻のログを確認する
- デバイスマネージャーでドライバーの状態を確認・更新・ロールバックする
- SFC / DISM を実行する
- 必要に応じてイメージの復元やクリーンインストールの準備を行う
受け入れ基準(Kритерии приёмки)
- PCを起動してエラー8790が表示されないこと
- 問題のアプリケーションが正常に起動し、関連する機能が動作すること
- システムの安定性が回復し、同様のエラーが再発しないこと(少なくとも72時間の監視推奨)
簡易トラブルシューティングフローチャート
flowchart TD
A[エラー8790が表示] --> B{セーフモードで起動}
B -- 問題なし --> C[常駐ソフト/ドライバーが原因]
B -- 問題あり --> D[マルウェアスキャン]
D --> E{脅威検出}
E -- 検出あり --> F[隔離・削除→再起動]
E -- 検出なし --> G[アプリの再インストール]
G --> H{解決}
H -- はい --> I[動作確認完了]
H -- いいえ --> J[システム復元→それでもダメならクリーンインストール]
テストケース / 受け入れテスト(簡易)
- スキャン後に検出された脅威が隔離され、エラーが消えること
- 再インストール後、対象アプリがクラッシュせずに起動すること
- システム復元後、復元ポイント作成時点より後に導入した問題が解消されること
用語集(1行ずつ)
- SFC: Windowsのシステムファイルチェッカー。システムファイルの整合性を検査して修復する。
- DISM: Windowsのイメージ管理ツール。破損したコンポーネントを修復できる。
- セーフモード: 最小限のドライバーとサービスでWindowsを起動するモード。
追加のヒントと予防策
- 定期的にOSとドライバーを更新する。
- 信頼できるバックアップ戦略(外付けHDDやクラウド)を導入する。
- 不要なソフトはインストールしない。ダウンロード元は公式を使う。
まとめ
PCエラー8790は、主にドライバーやアプリに関連するファイル破損やマルウェアが原因で発生します。まずはフルアンチウイルススキャンとディスククリーンアップを行い、効果がない場合はアプリの再インストールやシステム復元を試してください。ハードウェア障害や高度なマルウェアが疑われる場合は、専門家に相談するか、必要に応じてクリーンインストールを検討してください。
重要: 操作前に必ず重要ファイルのバックアップを取り、安全に作業を行ってください。
関連記事:
- Gmailの添付ファイルエラーの修正方法
- Windows 10で「ウェブサイトにアクセスできません」エラーを修正する方法
- 『Error loading player: No playable sources found』の6つの修正方法