インターネットなしでドライバーをインストールする方法

概要
画像ALT: オフラインでドライバーをインストールするための概念図(ノートPCとUSB)
ほとんどのユーザーにとって、ドライバーの更新はWindows Updateを通じて行うのが最も簡単です。アップデートを確認するとき、ドライバーも自動でダウンロードされます。しかし、常時インターネットに接続できない状況では、ドライバー更新が難しくなることがあります。
ドライバーはPCのハードウェアとソフトウェアが正しくやり取りするために必須です。適切なドライバーがないと、動作不良やBSOD(ブルースクリーン)、パフォーマンス低下、最悪の場合ハードウェアの誤動作を引き起こすことがあります。幸い、インターネット接続がなくてもドライバーを更新・インストールする方法はいくつか存在します。本記事は、実用的な手順と運用上の注意点をまとめた完全ガイドです。
重要: 可能であれば公式メーカーの配布ファイル(メーカーサイトや付属ディスク)を使ってください。非公式のサードパーティ製ドライバーは互換性やセキュリティ上のリスクを伴います。
インターネットなしでドライバーをインストールできますか?
はい。自動更新が当たり前になったので想像しにくいですが、オフライン環境でもドライバーのインストールは可能です。必要なのはインストーラーやドライバー本体を別のインターネット接続可能な端末で入手し、それを対象PCへ転送する手順です。
要点: ドライバーは「翻訳者」のような役割を果たします。OSからの命令をハードウェアが理解できる形に変換するため、正確なドライバーが必要です。
なぜインターネットなしで更新するのか
インターネット接続がない以外にも、オフライン更新を選ぶ理由があります。
- プライバシー保護 — 機密データを含むPCはオフライン運用した方が安全です。オンライン更新時にはトラフィックが発生し、想定外のデータ送受信が起きる可能性があります。
- ウイルス/マルウェア回避 — 公共の不特定多数が管理するダウンロードソースは、悪意あるソフトを含むことがあります。信頼できる端末で検査した上で安全に移すとリスクを軽減できます。
- 古いハードウェア — 一部の古い機器はそもそもネットワーク機能を持たない、または最新のプロトコルに非対応です。
- クリーンインストール — OSの再インストール直後はネットワークアダプタのドライバーがない場合があり、先にドライバーを供給する必要があります。
準備(必要なもの)
- インターネットにアクセスできる別のPC、ノート、またはスマートフォン
- USBフラッシュドライブ、外付けHDD、またはCD/DVD(書き込み可能なもの)
- 対象PCの正しいモデル情報、OSバージョン(例: Windows 10/11)、ビット数(32-bit/64-bit)
- 可能ならウイルス対策ソフト(インターネットに接続した端末でダウンロードファイルをスキャンするため)
方法(ステップごと)
1) メーカー付属のCD/DVDを使う
多くのメーカーは購入時にドライバー収録ディスクを同梱します。ディスクがある場合はそれを挿入し、画面の指示に従えば基本的なドライバーはインストールされます。ただし、ディスクのドライバーは古い場合があるため、可能であれば後から更新版を用意してください。
2) セットアップファイルを別端末でダウンロードして転送する
- インターネットに接続できる別の端末で対象機種のメーカー公式サイトにアクセスします。
- モデル番号、OS、ビット数に合ったドライバーを選びダウンロードします。
- ダウンロードしたファイル(.exe/.msi/.zip/.infなど)をウイルススキャンします。
- USBメディアや外付けドライブにコピーして対象PCへ移動します。
- 対象PCでセットアップファイルを実行してインストールします。
注: ドライバーが.zipなど圧縮されている場合は解凍してからインストールしてください。
3) デバイス マネージャーを使った手動インストール
Windowsキーを押して「デバイス マネージャー」と入力し、開きます。
画像ALT: Windowsのデバイス マネージャーを示すスクリーンショット
対象のデバイスカテゴリを展開し、インストールしたいデバイスを右クリックして「ドライバーの更新」を選択します。
画像ALT: ドライバー更新のコンテキストメニューを示す画面
「コンピューターを参照してドライバーを検索します」または英語表記の Browse my computer for drivers を選びます。
画像ALT: コンピューター内を参照してドライバーを検索するオプションのスクリーンショット
「参照」ボタンを押して、先にコピーしたドライバーのフォルダを指定します。
画像ALT: 利用可能なドライバーのリストから選択する画面のスクリーンショット
「次へ」を押してインストールを完了させます。
補足: .infファイルを直接指定することで、手動でドライバーを導入できます。
代替アプローチ
- ドライバーのネットワーク共有: 信頼できる社内サーバにドライバーを集約し、ローカルネットワーク経由でインストール。
- ドライバーリポジトリを作る: IT運用では、よく使うモデルのドライバーを定期的に取得してオフラインで保管する(バージョン管理含む)。
- ドライバー抽出ツール: 他のPCからドライバーを抽出してバックアップし、必要時に復元する(商用ツール/フリーソフトあり、リスク考慮)。
いつオフライン手順が失敗するか(反例・注意点)
- ダウンロードしたドライバーが対象機種やOSと不一致の場合はインストールに失敗します。
- ネットワークアダプタ本体が壊れている場合は、そもそもドライバーを適用しても通信は復旧しません。
- 署名や互換性の問題でWindowsがドライバーをブロックすることがあります(特に古いドライバーや非公式ドライバー)。
- セキュリティポリシーでインストールが制限されている企業PCでは管理者権限が必要です。
重要: 可能であればメーカー提供の最新署名付きドライバーを使用し、自己署名や非署名ドライバーの導入は慎重に行ってください。
トラブルシューティング(インシデントランブック)
手順:
- インストール失敗時はまずイベントログ(イベント ビューアー)とデバイス マネージャーの表示(「不明なデバイス」「エラーコード」)を確認。
- 失敗したドライバーをアンインストールして、PCを再起動する。
- セーフモードで起動し、問題のドライバーを削除してから再インストールを試行。
- 署名エラーが出る場合は、テスト署名モードの利用やドライバー署名強制の一時的無効化を検討(ただしセキュリティリスクあり)。
- それでも解決しない場合はメーカーサポートへ問い合わせ。購入時のモデル番号、シリアル、OS情報、エラーコードを伝える。
ロールバック手順(万が一の対応):
- デバイス マネージャー > 該当デバイスのプロパティ > ドライバータブ > 「ドライバーのロールバック」を実行。
- システムの復元ポイントを事前に作成しておけば、復元で元の状態に戻せます。
ロール別チェックリスト
一般ユーザー:
- 別端末でメーカーサイトにアクセスできるか確認
- USBメモリにドライバーを保存し、ウイルススキャンを実行
- 管理者権限が必要な場合はシステム管理者に連絡
IT管理者:
- ドライバーの社内リポジトリを整備(バージョン管理、署名確認)
- 標準運用手順(SOP)を用意し、ユーザー向けに配布
- 重要機器のためのバックアップドライバーを用意
フィールド技術者:
- 持ち歩くメディアの整備(USB、外付けSSD、ドライバーパック)
- 機器のモデル/BIOSバージョン確認
- 重要な場合は事前に復元ポイント作成
簡易SOP(オフラインでの標準手順)
- 対象PCの機種・OS・ビット数を確認する。
- 別端末でメーカー公式サイトから該当ドライバーをダウンロード。
- ダウンロードファイルをウイルススキャンし、USBへ保存する。
- 対象PCへ移動し、セットアップファイルを実行またはデバイス マネージャーで手動指定する。
- インストール後、再起動して動作確認を行う。
- 問題があればロールバックまたはサポートへ連絡する。
ミニ・メソドロジー(決定プロセス)
目的: 安全かつ確実にドライバーを導入する
- 必要性判定: デバイスが動作していない、または機能が欠けているか?
- リスク評価: ドライバーの信頼性(公式かどうか)、署名の有無、導入による業務影響
- 手段選択: 付属メディア/メーカーサイト/社内リポジトリ
- 実行: ファイルの検査→インストール→検証→記録
意思決定フローチャート(Mermaid)
flowchart TD
A[問題の発見] --> B{ネット接続有無}
B -- 有 --> C[Windows Updateまたはメーカーサイトから直接ダウンロード]
B -- 無 --> D[別端末でドライバーを取得]
D --> E[USB/CDへコピー]
E --> F[対象PCでインストール]
F --> G{動作確認}
G -- 成功 --> H[完了]
G -- 失敗 --> I[トラブルシューティング]
テンプレート: ドライバー導入チェックシート(簡易)
- 対象PC モデル:
- OS / ビット数:
- ドライバー種類(例: ネットワーク、グラフィック):
- 取得元(URLまたはディスク):
- 取得日:
- ファイル名:
- ウイルススキャン済み: □はい □いいえ
- 管理者権限で実行: □はい □いいえ
- 動作確認(項目):
- ロールバック準備(復元ポイント作成): □はい □いいえ
- 備考:
1行用語集
- ドライバー: OSとハードウェアの「翻訳」をするソフトウェア。
- .inf: Windowsでドライバーをインストールするための情報ファイル。
- ロールバック: 問題が起きたときに前のドライバー状態へ戻す操作。
セキュリティとプライバシーの注意
- オフラインでも、ドライバーにマルウェアが混入するリスクはゼロではありません。入手したファイルは必ずウイルススキャンを行い、信頼できる配布元のみを利用してください。
- 企業環境では管理者・セキュリティチームの承認を得たドライバーのみを展開してください。
互換性・移行のヒント
- 32-bitと64-bitを間違えるとインストールできません。必ずOSのビット数を確認してください。
- 古いハードウェアのドライバーは、新しいOSで動作しない場合があります。メーカーのサポート情報を確認してください。
実例: Epson L380 の場合
Epson L380などのプリンターでは、メーカーサイトに機種別のドライバーが用意されています。別端末で該当ドライバーをダウンロード・USBに保存し、対象PCに転送してセットアップファイルを実行すればオフラインでの導入が可能です。
まとめ
重要なポイント:
- インターネットがなくても、ドライバーは別端末で取得してUSB/CD経由で導入できます。
- 公式ソースから取得し、ウイルススキャンと署名確認を行うことが最も重要です。
- 問題が発生したらログとエラーコードを確認し、ロールバックやセーフモードでの対応を行ってください。
ご不明点や対象機の具体的なモデルがあれば、機種名とOS情報をコメントいただければ、より具体的な手順を追加でご案内します。
追記: さらに詳しく知りたい方は下記トピックも参照してください。
- Windows 11 で DirectX 診断ツール (dxdiag) を開く方法
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- Bing クイズに勝つ方法:簡単なステップ
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