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Nautilusで拡張子ごとにファイルを並べ替える方法

1 min read Linux 更新されました 18 Oct 2025
Nautilusで拡張子ごとにファイルを並べ替える方法
Nautilusで拡張子ごとにファイルを並べ替える方法

問題の概要

長年のUbuntuユーザーならお気づきかもしれませんが、Nautilusの「種類(Type)」での並べ替えが簡略化され、拡張子ごとに厳密にソートできなくなりました。見た目では同じ「Document」や「Text」グループにまとめられ、.pdf.docx.txt.csvが区別されません。

Nautilusのコンテキストメニューから「Arrange Items」が消えた画面

上図のように、ドキュメントフォルダの右クリックから「Arrange Items」が消えており、コンテキストメニューで簡単に並べ替えられません。

リスト表示で「Types」列をクリックして並べ替える画面

「種類」でのソートは一見解決しているように見えますが、実際は同種のファイルをグループ化してアルファベット順に並べるだけです。

ドキュメントが「Document」グループにまとめられる例

上の例では、.docx.pdfが「Document」に、.txt.csvが「Text」にまとめられます。拡張子単位での並べ替えが必要な場面ではこれが不便です。

解決策:Nautilusで拡張子(MIME)ごとに並べ替える手順

手順はシンプルです。Nautilusではファイルの拡張子自体ではなくMIMEタイプでの列表示が利用できます。MIMEタイプを有効にして並べ替えれば、拡張子に近い粒度でグループ化できます。

  1. Nautilusを開きます。
  2. メニューから「Edit -> Preferences」を選びます(英語UIの場合)。日本語UIでは「編集 -> 設定」です。
  3. 「List Columns」タブを開き、「MIME Type」のチェックボックスにチェックを入れます。設定ウィンドウを閉じます。

List ColumnsでMIME Typeを有効にする画面

  1. 並べ替えたいフォルダを一覧(List view)で開きます。
  2. 「MIME Type」列のヘッダーをクリックして並べ替えます。

MIME Type列で並べ替えた画面

これで、MIMEタイプ(多くの場合は拡張子に対応)で並べ替えられるため、.pdf.docxなどが個別にまとまります。完璧に拡張子だけを対象にするわけではありませんが、通常の用途では十分実用的です。

重要: すべての拡張子がファイルのMIMEに一対一でマッピングされるわけではありません。システムのMIMEデータベースやファイルヘッダ検出に依存します。

代替:Nemoを使う

NemoはCinnamonデスクトップ向けにフォークされたファイルマネージャーで、デフォルトでより細かな「Detailed Type」列を持っています。Nemoを使うとコンテキストメニューやアイコン表示でも「Detailed Type」による並べ替え・整列が可能です。

インストール方法(端末):

sudo apt-get install nemo

インストール後、Nemoを起動して列表示やアイコン表示で「Detailed Type」を選ぶと、拡張子単位での並べ替え/整列が容易になります。

NemoのDetailed Typeで並べ替えた画面

アイコンモードでは右クリックのコンテキストメニューから「Arrange Items -> Detailed Type」を選べます。

NemoのアイコンモードでDetailed Typeに並べ替える画面

NemoはNautilusに比べ設定可能な項目が多く、拡張子単位での整理を頻繁に行うユーザーには扱いやすい選択です。

いつこの方法が効かないか(反例)

  • ファイルのMIMEが正しく検出されていない場合(拡張子が非標準、あるいは拡張子が存在しないファイル)。
  • 同じMIMEに複数の拡張子が割り当てられている場合、拡張子別の完全な分離はできないことがある。
  • システムに特定のMIMEデータベースが無い・壊れている場合は手作業やスクリプトが必要。

代替アプローチまとめ

  • NautilusでMIME Type列を使う(最小の変更で済む)。
  • NemoをインストールしてDetailed Typeで並べ替える(UXが便利)。
  • コマンドラインで拡張子別に一覧を出して操作する(大量ファイルの自動処理向け)。例: lsやfindを使ったスクリプト。

小さなシェル例(カレントディレクトリで拡張子ごとにファイル名を一覧表示):

for ext in $(ls | sed -n 's/.*\.\([^.]*\)$/\1/p' | sort -u); do
  echo "== .$ext =="
  ls *.$ext 2>/dev/null
done

役割別チェックリスト

  • 一般ユーザー

    • Nautilusで一覧表示に切り替える
    • PreferencesのList ColumnsでMIME Typeを有効化
    • 列ヘッダーをクリックして並べ替え確認
  • パワーユーザー / 管理者

    • Nemoの導入を検討
    • スクリプトで拡張子別の自動分類を実装
    • システムのMIMEデータベース(/etc/mime.types等)を確認

判断フロー(簡易)

flowchart TD
  A[並べ替えたい?] --> B{GUIで済ませたいか}
  B -->|はい| C{Nautilusで良い粒度か}
  C -->|はい| D[一覧表示でMIME Typeを有効化]
  C -->|いいえ| E[NemoをインストールしてDetailed Typeを使う]
  B -->|いいえ| F[コマンドライン/スクリプトで処理]
  D --> G[完了]
  E --> G
  F --> G

実務上の小さなコツ

  • 頻繁に拡張子別に整理するフォルダがあるなら、Nemoを既定のファイルマネージャにするのも検討する。
  • MIMEタイプが期待どおりでないファイルは、fileコマンド(file –mime-type filename)で確認し、必要ならMIMEデータベースに追加/修正する。
  • GUIだけでなく自動化したい場合は、拡張子をキーにした簡単なスクリプトをcronやfile watcherで動かすと効率的。

互換性と移行の注意点

  • NemoとNautilusは共存できますが、デフォルトのファイルマネージャを切り替えるとデスクトップの挙動(アイコン、右クリックメニュー)に影響が出る場合があります。
  • システムアップデートでNautilusやNemoが更新されたとき、列表示のデフォルトが変わることがあるため、設定を確認してください。

まとめ

  • Nautilusの「Type」は拡張子単位の並べ替えには向きません。
  • Nautilusの「MIME Type」列を有効にすれば多くのケースで拡張子に近い並べ替えが可能です。
  • より直感的/柔軟に並べ替えたい場合はNemoを検討してください。

画像クレジット: 2071785

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