Windows 10でMiracastを設定して使う方法

参考: コンピューターの仕様を確認する方法も読むと便利です。
目的と関連キーワード
主な目的: Windows 10でPC画面を外部ディスプレイにワイヤレスで表示する方法を手順で示す。 関連キーワードの例: Miracast 設定, Windows 10 画面ミラーリング, ワイヤレスディスプレイ 接続, Miracast 互換性確認
Miracastとは何か
MiracastはWi-Fi Allianceが2012年に策定したワイヤレス表示の規格です。簡単に言えば「HDMIを無線化したもの」で、ノートPCやタブレット、スマホの画面をテレビやプロジェクターに映します。技術的にはWi-Fi Directを用いるため、同一ネットワークでなくても直接接続できる機器もあります。
事実ボックス
- 最大出力: 1080p(H.264)
- 音声: 5.1chサラウンドをサポート(機器による)
- 初出: 2012年
重要: 一部の古いハードウェアやドライバはMiracastに対応していません。対応可否は次の手順で必ず確認してください。
Miracast対応を確認する方法
手順(短く):
- キーボードで Windows+R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「dxdiag」と入力して Enter。
- 「すべての情報を保存」(Save All Information)をクリックしてテキストファイルとして保存。
- 保存したテキストを開き、Ctrl+F で “Miracast” を検索。
表示例: 「Miracast: Available」または「Miracast: Available, with HDCP」とあれば対応しています。”Not Available” と出る場合は、ワイヤレスアダプタかドライバの更新が必要です。
追加チェック: Wi-Fiアダプタのドライバとグラフィックドライバを最新版に更新すると、対応になることがあります。
Windows 10でMiracastを設定する手順
前提: PCと外部ディスプレイ(Miracast対応ドングルやスマートTV)が同一のWi-Fiネットワークに接続されているか、またはWi-Fi Directで接続可能な状態であること。
手順:
- Windowsキー + I を押して「設定」を開きます。
- 「デバイス」を選択します。
- 左メニューで「Bluetooth とその他のデバイス」を選びます。
- 「デバイスを追加する」をクリックし、「ワイヤレスディスプレイまたはドック」を選択します。
- 表示された候補から目的のディスプレイを選べば接続が始まります。
接続モードの切替: Windowsキー + P で「複製」「拡張」「セカンドスクリーンのみ」などを切り替えられます。
重要: 初回接続時は外部ディスプレイ側で許可やPIN入力を求められる場合があります。表示に従って許可してください。
いつ失敗するか(代表的な事例)
- 古いWi-Fiアダプタや統合グラフィックがMiracastをサポートしていない。
- ドライバが古く、Miracastサポートを提供していない。
- TVやドングルがMiracast非対応である。
- 高負荷時(動画再生中やゲーム中)の遅延やフレーム落ち。
代替案: ChromecastやApple AirPlay、HDMIケーブル接続。後述の比較も参照してください。
トラブルシューティング短い手順(ランブック)
- PCとディスプレイを再起動。両方を一度オフにして数秒後にオンにする。
- Wi-Fiドライバとグラフィックドライバを更新する。
- Windowsのワイヤレスディスプレイ機能が有効か確認する(設定→アプリ→オプション機能で “Wireless Display” がインストールされているか)。
- セキュリティソフトやファイアウォールが接続を遮断していないか確認する。
- 別のデバイスから対象のディスプレイに接続して、ディスプレイ側の問題かPC側の問題か切り分ける。
この順で試すと問題原因を素早く絞れます。
互換性マトリクス(簡易)
機器 | Miracast対応の可能性 | 備考 |
---|---|---|
Windows 10 PC(最新ドライバ) | 高 | 多くは対応。ただしドライバ次第 |
Windows 7からアップグレードしたPC | 低〜中 | ドライバが古いと非対応 |
スマートTV(Miracast対応) | 高 | メーカーごとに名称が異なることがある |
HDMIドングル(Chromecast等) | Miracast非対応が多い | ChromecastはCastプロトコルを使用 |
代替アプローチと使い分けの目安
- Miracast: PCとTVを直接ワイヤレス接続する短距離向け。遅延が少ない場合もあるが機器依存。
- Chromecast: WebやAndroidアプリのキャストに強い。動画配信サービスとの親和性高め。
- AirPlay: Apple機器の環境で一貫した体験を提供。
- HDMIケーブル: 最も安定、遅延ゼロ。会議やゲーム用途で確実に使いたい場合に推奨。
選び方のヒューリスティック: 画質と安定性が最優先ならHDMI。利便性とワイヤレスを重視するならMiracastやChromecast。
役割別チェックリスト
ユーザー(個人):
- Miracast対応をdxdiagで確認した
- Wi-Fiとディスプレイの電源を入れた
- 必要ならドライバを更新した
IT管理者:
- 社内の接続ポリシーを確認(ファイアウォール/ポート)
- 対応デバイス一覧を作成
- 社内Wi-Fiのチャンネルおよび帯域幅を最適化
受け入れ基準(テストケース)
- PC画面が外部ディスプレイに1080pで表示される
- 音声が外部ディスプレイまたは接続機器から出る
- ミラーリング中もPCの通常操作が遅延なく行える(主観的基準)
1行用語集
Miracast: Wi‑Fiを使って画面を無線で転送する業界標準。
まとめ
Windows 10でMiracastを使うと、ケーブルなしでPC画面を大きなディスプレイへ簡単に映せます。まずdxdiagで対応を確認し、設定→デバイス→ワイヤレスディスプレイから接続してください。トラブルが出たらドライバ更新と再起動を試し、それでもダメならChromecastやHDMIなどの代替を検討しましょう。
重要: 新しいドライバやOS更新によってMiracastの動作が改善することがあります。問題が解決しない場合は、ディスプレイメーカーやPCメーカーのサポート情報を確認してください。
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