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Android画面をPC(Windows/Mac)にミラーリングする完全ガイド

2 min read ガイド 更新されました 19 Oct 2025
AndroidをPCにミラーリングする完全ガイド
AndroidをPCにミラーリングする完全ガイド

重要: 画像はそのままのファイルパスを使用しています。ALTテキストは日本語で説明しています。

この記事の目的と対象

このガイドは、次のような人向けです。

  • Androidスマートフォンやタブレットの画面を大きなディスプレイで見たい人
  • プレゼン、デモ、録画、ゲーム配信、リモート操作を行いたい人
  • 有線(USB)/無線(Wi‑Fi)いずれの接続を検討している人

主要な注力点は「使いやすさ」「互換性」「遅延の少なさ」です。技術用語は必要に応じて1行で定義します。

用語: Mirroring(ミラーリング)= スマートフォン画面を別のディスプレイに映すこと。


まず準備:一般的な事前チェック

  • Android側でシステムを最新に近い状態に保つ(可能なら最新のセキュリティパッチ)。
  • PCとAndroidが同じWi‑Fiに接続されているか確認(Wi‑Fi接続方式を使う場合)。
  • USB接続を使う場合は、良質なデータ転送対応ケーブルを使用する。充電専用ケーブルでは動作しないことがあります。
  • 必要ならUSBデバッグを有効にする(下記参照)。

USBデバッグを有効にする手順

USBデバッグはPCとAndroidをADBで直接やり取りする際に必要です。

  1. 設定を開く
  2. 「端末情報」または「About phone」を探す
  3. 「ビルド番号」を7〜8回タップして「開発者向けオプション」を有効化する
  4. 設定に戻り「開発者向けオプション」を開く
  5. 「USBデバッグ」をオンにする。許可画面が出たら「常に許可」や「OK」を選択

注: メニュー名は端末メーカーやAndroidバージョンで若干異なります。


ミラーリングの主な方法一覧

  • AirDroid(Wi‑Fi経由、ブラウザベース)
  • LetsView(Wi‑Fi、Windows/Mac対応、複数プロトコル)
  • AllCast + Chrome拡張(ホットスポット経由)
  • Vysor(USBまたは無線、Chrome拡張)
  • TeamViewer(リモートアクセス、インターネット経由)
  • Windows 10 内蔵機能(PCをMiracast受信機にする)

以下、それぞれの手順、利点、制限、トラブル対処を詳述します。


1. AirDroid(Windows, Mac, Linux, Chromebook)

Android画面をコンピュータにキャストするスクリーン

AirDroidは、同一Wi‑Fiネットワーク上でブラウザ経由で画面を表示できる汎用ツールです。ファイル転送や通知表示などの追加機能もあります。

長所: ブラウザだけで済むことが多く、クロスプラットフォームで使える。 短所: 高解像度・高フレームレートの動画再生では遅延や圧縮アーティファクトが出ることがある。

手順:

  1. AndroidでGoogle PlayからAirDroidアプリをインストール
  2. 必要なら無料アカウントを作成(任意)
  3. AndroidとPCを同じWi‑Fiネットワークに接続
  4. AndroidでAirDroidを開くと「AirDroid Web」のWeb IPアドレスが表示される

AirDroidスクリーンミラー

  1. PCのブラウザにそのIPアドレスを入力して接続
  2. スマホ側で接続確認を許可
  3. ブラウザ内の「Screenshot」や「Screen mirroring」を選ぶと画面が表示されます

トラブル: PCがIPにアクセスできない場合は、同一サブネットか、ファイアウォールでブロックされていないかを確認してください。


2. LetsView(Windows / Mac)

LetsViewでAndroidをPCにキャストする例

LetsViewはMiracastやAirPlayプロトコルをサポートし、音声付きミラーリングが可能なツールです。画面録画や注釈ツールも内蔵しています。

手順:

  1. AndroidとPCを同じWi‑Fiネットワークに接続
  2. 両方にLetsViewをインストール
  3. LetsViewを開き、表示されるデバイス名(”LetsView + デバイス名”)を選択
  4. 検出されない場合は、画面右上のアイコンからPINコードやQRコード接続を試す

利点: 音声転送が可能で、動画やアプリの表示にも向く。設定は比較的シンプル。 短所: ネットワーク品質に依存するため、映像遅延が発生する場合がある。


3. AllCast Chrome拡張(Android 5.0以上)

AllCast レシーバー画面

AllCast + Chrome拡張の組合せは、PCをホットスポットにしてそこへ接続する方式で動作します。

手順概要:

  1. ChromeにAllCast Receiver拡張をインストール
  2. AndroidにScreen Recording & Mirrorアプリをインストール
  3. PCでモバイルホットスポットを有効にしてAndroidを接続
  4. Chromeのchrome://appsからAllCast Receiverを起動し、MirrorアプリからPCを選択

注意: ホットスポット方式なので、インターネット接続の共有やファイアウォールの設定に注意してください。


4. Vysor(Chromeアプリ/スタンドアロン)

VysorはUSBや無線で画面をキャストし、PCから直接操作も可能なツールです。無料版は画質や機能が制限されますが、基本的なキャストと操作は可能です。

手順:

  1. ChromeにVysorをインストール(またはVysorのスタンドアロンアプリを使用)
  2. Windows用ADBドライバが必要な場合は指示に従ってインストール
  3. AndroidをUSBでPCに接続
  4. AndroidでUSBデバッグを有効にする
  5. Vysorがデバイスを検出したら「View」や「Connect」を選択

利点: 低レイテンシで操作性が良い。リモート操作が目的なら有力な選択肢。 短所: USBケーブルが必要な場合が多い。無料版の画質制限あり。


5. TeamViewer(リモートアクセス)

TeamViewerはリモートデスクトップと画面共有に強みがあります。インターネット経由で接続するため、ローカルネットワークがなくても可。

主な特徴:

  • 画面共有と完全なリモートコントロール
  • 双方向のファイル転送
  • 音声・ビデオのリアルタイム伝送
  • エンタープライズレベルのセキュリティ設計

手順概要:

  1. AndroidにTeamViewer Hostをインストール
  2. PC側で同じTeamViewerアカウントにログイン(login.teamviewer.com など)
  3. Androidがアカウントに表示されるので、接続を開始

注意: インターネット経由なので、遅延はネットワーク品質に依存します。プライバシーや企業ポリシーにより利用制限がある場合があります。


6. Windows 10の内蔵ミラーリング受信機能

Windows 10以降にはPCをMiracast受信機にする「Connect」アプリがあり、対応するAndroidから直接キャストできます。MiracastはWi‑Fi Directを使うため、ルーター経由でない接続も可能です。

手順:

  1. Windowsのスタートメニューから「接続」アプリを開く(英語表記は “Connect”)
  2. Androidで「設定 → ディスプレイ → キャスト」へ移動
  3. 追加オプションから「ワイヤレスディスプレイを有効にする」にチェック
  4. PC名が表示されたら選択して接続を許可

互換性: すべてのAndroidがMiracastをサポートするわけではありません。端末の「キャスト」設定にMiracastまたは「ワイヤレスディスプレイ」オプションが表示されるか確認してください。

ワイヤレス表示のチェックボックスを有効にする画面


よくあるトラブルと対処法

  • 映像が途切れる/カクつく: Wi‑Fiの混雑か、ルーターとの距離。5GHz帯や有線接続(PC側)への切替を検討。
  • 音声だけ出ない: ミラーリング方式で音声転送に対応していない場合があります。LetsViewやAirPlay互換のソリューションを使うか、別途オーディオケーブルを使用。
  • デバイスが検出されない: ファイアウォールやプライベートネットワーク設定、同一サブネットの確認。USB接続時はデバッグ許可を見落としていないか。
  • 認証/許可ダイアログが出ない: Androidの画面ロック解除や、該当アプリの通知・権限を確認。

トラブルシューティング手順(簡易):

  1. 接続方式を確認(Wi‑Fi or USB or Internet)
  2. 両デバイスを再起動
  3. 同一ネットワーク、同一サブネットか確認
  4. ファイアウォール/アンチウイルスの一時無効化(企業環境ではIT管理者に確認)
  5. 別のアプリや別のPCで試す

いつこの方法は向かないか(反例)

  • 低遅延のゲーム配信を本格的に行いたい場合:プロ仕様のキャプチャカードや有線接続が必要になることがあります。
  • 高セキュリティ環境:外部クラウド経由やパブリックネットワークを使うソリューションはポリシー違反になる可能性があります。
  • 非対応デバイス:古いAndroidやメーカー独自UIの一部はキャスト機能が限定されることがあります。

短い決定フロー(Mermaid)

以下は「どの方法を選ぶか」を簡易化したフローです。

flowchart TD
  A[用途は?] --> B{リモート操作が必要?}
  B -- はい --> C[TeamViewerやVysor]
  B -- いいえ --> D{ネットワーク環境は?}
  D -- 同一Wi‑Fi --> E[AirDroid / LetsView]
  D -- ホットスポットのみ --> F[AllCast + Chrome]
  D -- ケーブル可 --> G[Vysor(USB)]
  C --> H[セキュリティ要件を確認]
  E --> H
  F --> H
  G --> H

導入前のチェックリスト(管理者・利用者別)

管理者向けチェックリスト:

  • ミラーリング利用のセキュリティポリシー確認
  • 該当ポートやプロトコルがファイアウォールで許可されているか
  • 社内ネットワーク負荷への影響評価

利用者向けチェックリスト:

  • AndroidのUSBデバッグ設定を確認
  • 必要なアプリをインストールしてログイン準備
  • ケーブルやアダプターの準備
  • 録画や配信が必要ならストレージの空き容量を確認

導入後の運用SOP(簡易プレイブック)

  1. 目的に応じてミラーリング方法を選択
  2. 必要アプリを事前にインストール・テスト接続
  3. 接続前に端末のバッテリーを十分に確保
  4. ミラーリング中は通知や個人情報が表示されないように画面を整理
  5. セッション終了後は接続を切断しアプリの権限を確認

互換性・移行メモ

  • Windows 10の「接続」機能はMiracast対応のハードウェアが必要です。古いPCや一部の内蔵GPUでは非対応の場合があります。
  • MacはAirPlayを中心にサポート。AndroidからのAirPlay互換はアプリに依存します。
  • 企業で統制された環境では、管理者の承認を得てからツールを導入してください。

1行用語集

  • Miracast: Wi‑Fi Directを使った画面ミラーリング規格
  • AirPlay: Appleのワイヤレスストリーミング技術(MacやApple TV向け)
  • ADB: Android Debug Bridge。開発者向けのデバッグ通信ツール

まとめ

  • すぐ試すならAirDroidやLetsViewが手軽で汎用性が高い
  • 低遅延で操作したいならVysor(USB)や専用キャプチャを検討
  • ネットワークやセキュリティの制約を確認してから導入すること

この記事を参考に、目的と環境に合ったミラーリング方式を選び、手順に従って安全に運用してください。問題があれば端末のモデル名やOSバージョンを添えて質問してください。


まとめの要点:

  • 導入前にネットワークと権限を確認する
  • 目的(録画・配信・遠隔操作)で最適な方法が変わる
  • トラブルは接続方式の切替やファイアウォール確認で多くが解決する

ご不明な点があればコメントでお知らせください。YouTubeのチュートリアル動画を参照すると視覚的に分かりやすい場合があります。Cheers!

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