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Macで削除したメモを完全復元する方法

2 min read データ復旧 更新されました 23 Sep 2025
Macで削除したメモを完全復元する方法
Macで削除したメモを完全復元する方法

誤って削除したメモは、消去直後なら内蔵の「最近削除した項目」やiCloud、Time Machine、テンポラリファイル、あるいは信頼できるサードパーティ製のデータ復旧ソフトで復元できます。SSDやAPFSの挙動により復元が難しくなる場合があるため、発見後はすぐに操作を止め、上書きや同期を避けてから復元手順を実行してください。

要点とこの記事の狙い

この記事は次の人向けです。

  • Macで重要なメモを誤って削除してしまった人
  • メモの保存場所や復元手順を体系的に知りたい人
  • どの方法を優先すべきか判断したいIT管理者

この記事で扱う内容

  • メモが保存される場所の説明
  • 削除後の挙動と復元可能性の要点
  • 実用的な復元手順(内蔵機能・iCloud・Time Machine・テンポラリ・サードパーティ)
  • 優先順位、チェックリスト、失敗時の対策、再発防止

重要

削除を発見したら、できるだけ早く作業を止めてください。新しいデータの書き込みが進むほど復元確率は下がります。

メモはどこに保存されるか

Macの『メモ』アプリは、基本的に2つの保存領域を使います。

  • ローカル保存: あなたのMac上のライブラリ内にファイルとして保存されます。
  • iCloud保存: iCloud同期を有効にしていると、Appleのサーバにノートが保存され、他のデバイスと同期されます。

ローカル保存の主要パス(Finderの「移動」→「フォルダへ移動」からコピーして貼り付けて開けます):

~/Library/Group Containers/group.com.apple.notes/

または

~/Library/Containers/com.apple.notes/Data/Library/Notes/

iCloud同期を有効にしている場合は、メモはAppleのサーバ上にも保持されます。同期が有効なときは、復元の方法が増えますが、誤った操作でローカルとiCloudの同期が進んでしまうと、削除が同期されてしまう点に注意してください。

メモの保存場所と復元方法を示す図

画像説明: メモの保存先がローカルとiCloudに分かれているイメージ図

削除後の挙動と復元可能性の基礎知識

ファイルシステムの基本動作

ファイルを削除しても、OSはすぐにデータ領域を上書きしません。代わりにその領域を「利用可能」とマークします。新しいデータがその領域に書き込まれるまで、理論上は復元が可能です。

SSDやAPFSの影響

  • SSDではTRIMやガーベジコレクションによって、削除直後でもデータが消去されやすく、復元が難しくなることがあります。
  • APFSや暗号化されたボリュームでは、挙動が異なり復元がさらに困難になる場合があります。

実務的なアドバイス

  • 発見後はすぐにMacの使用を最小限にしてください。
  • ネットワーク接続やiCloud同期を無効にして、上書きや同期での消去を避けます。
  • 復元はリスクを伴うため、重要なメモはまずディスクのイメージを取得できる環境で作業するのが安全です(IT管理者や復旧業者向け)。

復元方法の一覧と優先順位

一般的な優先順位(推奨順)

  1. 「最近削除した項目」から復元する(即時)
  2. iCloud.comで確認して復元する(同期利用者)
  3. Time Machineで該当時点に戻す(バックアップがある場合)
  4. テンポラリファイルやメモのデータフォルダを手動で探す
  5. 信頼できるサードパーティ製データ復旧ソフトを使う
  6. それでも無理なら専門のデータ復旧業者へ相談する

重要な原則

  • まず簡単で安全な方法(内蔵機能やバックアップ)を試してください。
  • サードパーティ製を使う場合は、信頼性とレビューを確認し、公式サイトからダウンロードしてください。

復元手順の詳細

Option A: サードパーティ製データ復旧ソフトを使う

概要

サードパーティ製の復旧ソフトは、削除済みファイルのスキャンと復元を自動化します。代表的な使い方は次の通りです。ここでは例としてTenorshare 4DDiGの利用イメージを示しますが、操作の流れは他の多くの復旧ソフトでも類似しています。

注意

復旧ソフトは万能ではありません。SSDや暗号化、上書きが進んだ場合は成功しないことがあります。

利用手順(一般的な流れ)

  1. 復旧ソフトを公式サイトからダウンロードしてインストールする。インストール先は別のドライブが望ましい。
  2. アプリを起動し、メモを誤って削除したドライブを選ぶ。
  3. スキャンを実行する。クイックスキャンとディープスキャンがある場合はディープスキャンを試す。
  4. スキャン結果から復元したいメモをプレビューする。
  5. 復元ボタンで別ドライブへ書き出す。

スクリーンショット例

4DDiGのスキャン開始画面

画像説明: 4DDiGのドライブ選択とスキャン開始ボタンが表示された画面

スキャン後の発見ファイル一覧

画像説明: スキャン結果の一覧とプレビュー機能の例

実務上のヒント

  • 復元先は必ず別の物理ドライブにすること。元のドライブへ復元すると上書きで状態が悪化します。
  • スキャンで見つからない場合は、より深いスキャンやドライブイメージからの解析を試みる。

Option B: メモの「最近削除した項目」から復元する

この方法は最も安全かつ簡単です。削除後30日以内であれば、まずここを確認してください。

手順

  1. Command + Space でSpotlightを呼び出し、メモと入力して『メモ』アプリを開く。
  2. サイドバーの『最近削除した項目』を選択する。
  3. 復元したいメモを選び、ドラッグして他のフォルダへ移動するか、復元操作を行う。

スクリーンショット例

メモの最近削除した項目画面

画像説明: メモアプリのサイドバーにある最近削除した項目の表示例

注意

  • 最近削除した項目は通常30日で完全に削除されます。早めに復元してください。

Option C: iCloudから復元する

iCloud同期を使っている場合、ブラウザでiCloud.comから直接メモを確認・コピーできます。iCloudのバックアップやファイル復元機能が利用できるケースもあります。

手順

  1. システム環境設定(またはシステム設定)→インターネットアカウントを開く。
  2. 左側でiCloudを選び、『メモ』のチェックを外して同期を停止する(ローカルと同期して間違えて上書きしないため)。
  3. SafariなどでiCloud.comにログインし、『メモ』を開く。
  4. Web上に残っているメモを別の場所にコピーペーストするか、復元操作を行う。

スクリーンショット例

システム環境設定でiCloudを調整する画面

画像説明: システム環境設定のインターネットアカウントでiCloudの同期オプションを表示している画面

実務上の注意

  • iCloudは便利ですが、同期を誤ると削除操作が他のデバイスへ反映されます。操作前に同期を切るのが安全です。

Option D: Time Machineで復元する

Time Machineのバックアップがあれば、過去のスナップショットから該当ファイルを取り戻せます。

手順

  1. Time Machine用のバックアップドライブを接続する。
  2. メモアプリを閉じ、iCloud同期をオフにする。
  3. Finderでメニューから『移動』→『フォルダへ移動』を選ぶ。
  4. 次のパスを入力して移動する: ~/Library/Containers/com.apple.notes/Data/Library/Notes/
  5. メニューのTime Machineアイコンから『Time Machineに入る』を選択する。
  6. 右側のタイムラインを移動して、メモが存在していた過去の時点を探す。
  7. 該当ファイルを選び、『復元』を実行する。

スクリーンショット例

FinderでTime Machineに入る手順の例

画像説明: Finderの『フォルダへ移動』とTime Machineを使ってファイルを復元する手順を示す画面

注意

  • Time Machineは定期的なバックアップが前提です。バックアップポリシーを見直しておくとよいでしょう。

Option E: テンポラリファイルや.storedataから探す

メモアプリは作業中のテンポラリデータをライブラリ内に残すことがあります。これらを手動で確認してHTML化するなどして内容を確認できる場合があります。

手順

  1. Finderの『移動』→『フォルダへ移動』で次のパスを開く: ~/Library/Containers/com.apple.Notes/Data/Library/Notes/
  2. フォルダ内のファイルを別フォルダへコピーする。
  3. 拡張子を.htmlに変更してブラウザで開き、メモ本文が含まれていないか確認する。

注意

  • 手動でファイルを触ると状態が変わる可能性があるため、操作は慎重に行ってください。

いつどの方法を選ぶか — 判断フロー

以下は迅速な判断を助ける簡易フローです。

flowchart TD
  A[メモが見つからない
 削除を確認] --> B{30日未満か}
  B -- はい --> C[メモアプリの
 最近削除した項目を確認]
  B -- いいえ --> D{iCloud同期は有効か}
  C --> E{見つかったか}
  E -- はい --> F[復元して完了]
  E -- いいえ --> D
  D -- はい --> G[iCloud.comで確認]
  D -- いいえ --> H{Time Machineの
 バックアップはあるか}
  G --> I{見つかったか}
  I -- はい --> F
  I -- いいえ --> H
  H -- はい --> J[Time Machineで復元]
  H -- いいえ --> K[サードパーティ製
 復旧ソフトを試す]
  K --> L{成功したか}
  L -- はい --> F
  L -- いいえ --> M[専門の復旧業者へ相談]

復元作業のSOP(短縮版)

  1. 発見したら即時行動: Macの使用を中断して、ネットワークとiCloud同期をオフにする。
  2. 優先順位に従う: 最近削除→iCloud→Time Machine→テンポラリ→復旧ソフト。
  3. 作業前に現状のバックアップを作成する(可能ならディスクイメージを作る)。
  4. 復元を試みる際は、必ず復元先を別ドライブにする。上書きを避ける。
  5. 復元成功後は、復元ファイルの整合性をチェックし、必要なら再エクスポートして安全な場所に保管する。

役割別チェックリスト

エンドユーザー

  • 作業をすぐ止める
  • 『最近削除した項目』を確認する
  • iCloud.comを確認する
  • Time Machineがあるか確認する
  • 自分でソフトを使うなら、まず無料のトライアルを検討する

IT管理者

  • ユーザーのアカウントでiCloudやTime Machineの現在の状態を確認する
  • 必要ならディスクの読み取り専用イメージを取得する
  • 復旧に必要な権限やネットワーク設定を準備する

データ復旧業者

  • ドライブの物理状態を確認する
  • 可能ならクローンを作成してクローン上で解析する
  • 復旧可能性の評価と見積もりを提示する

失敗しやすいケースと代替案

失敗例

  • SSDでTRIMが有効かつ削除から時間が経過している場合は復元が困難
  • メモが暗号化されたボリュームにのみ存在していた場合、鍵がなければ復元できない
  • ローカルファイルを消した後に大量の書き込みを行った場合は上書きにより復元不可能になる

代替案

  • 可能であれば専門の復旧業者による物理レベルの検査を検討する
  • 重要な内容を覚えている場合は、新しいメモとして再作成し、将来のために複数のバックアップを取る

よくあるトラブルと対処法

メモが見つからないが、iCloudにログインできない

  • Apple IDのパスワードを確認する
  • 2段階認証や追加デバイスの承認が必要な場合は、それらの手順を完了する

Time Machineのバックアップにメモが見つからない

  • バックアップがメモの保存先ディレクトリを含む時点を保存しているか確認する
  • バックアップの整合性に問題がないかを点検する

復旧ソフトでファイルが壊れている

  • 別の復旧ソフトやディープスキャンモードを試す
  • 最終手段として専門業者に相談する

リスク評価と軽減策(定性的)

  • 発見遅延リスク: 高い。対策は定期バックアップと即時停止の周知。
  • 上書きリスク: 高い。対策は使用停止と別ドライブへの復元。
  • 同期リスク: 中。対策はiCloud同期の一時停止と復元前の確認。

再発防止とベストプラクティス

  • 定期的にTime Machineでフルバックアップを取る。
  • 重要なメモはPDFやテキストとして別フォルダにエクスポートしておく。
  • iCloudの設定を確認し、不要な自動同期や削除の伝播を把握する。
  • 企業利用ではバージョン管理やMDMでバックアップポリシーを導入する。

まとめ

  • まずは『最近削除した項目』とiCloud.comを確認してください。
  • Time Machineがあれば過去の状態へ戻すのが確実です。
  • 自力で復元できない場合は、信頼できる復旧ソフトを試すか、専門業者に相談してください。
  • 再発防止として、バックアップとエクスポート運用を整備しましょう。

よくある質問

Q1: バックアップがない場合、メモは復元できますか

A1: ケースバイケースです。削除直後で上書きが少なければ、復旧ソフトで見つかる可能性があります。ただしSSDやAPFSの条件によっては難しい場合があります。

Q2: メモは完全に削除されますか

A2: 多くの場合、まずは『最近削除した項目』に移動し、一定期間後に完全削除されます。手動で『最近削除した項目』を空にすると完全削除されます。

Q3: どの方法が最も安全ですか

A3: 安全度の高い順に、1) 最近削除した項目 2) iCloud.com 3) Time Machine 4) テンポラリファイル確認 5) 復旧ソフト、となります。常に上書きを避けることが重要です。

Q4: 復旧ソフトを使う際の注意点は何ですか

A4: 公式サイトからダウンロードし、レビューやサポートを確認してください。復元先は必ず別ドライブにし、重要データは上書きしないでください。

Q5: 重要なメモを失わないためにできる簡単な習慣はありますか

A5: 重要なメモは定期的にPDFやテキストでエクスポートし、iCloudや外付けドライブに複数保存しておくことです。また、Time Machineを有効にしておくと安心です。


短い告知文(100〜200語)

誤って削除したメモを復元するなら、まずは『最近削除した項目』とiCloud.comを確認してください。Time Machineがあれば過去に遡って復元できます。自力で復元できない場合は、信頼できる復旧ソフトを試すか専門業者に相談するのが安全です。再発防止として、重要メモの定期バックアップと外部保存を習慣化しましょう。

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