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Windows 11でRSATツールをインストールする方法

2 min read IT 管理 更新されました 20 Oct 2025
Windows 11でRSATツールをインストールする方法
Windows 11でRSATツールをインストールする方法

Windows 11 に RSAT ツールをインストールする画面

このガイドでは、Windows 11にRSATツールをインストールする手順を詳しく説明します。RSAT(Remote Server Administration Tools)は、管理者が別のPCからWindows Serverの管理機能を操作できる一連のツール群です。代表的なツールにはMicrosoft Management Console、Server Manager、Windows PowerShellのコマンドレット、各種コマンドラインツールなどが含まれます。

定義(1行): RSATは、リモートでWindows Serverの役割と機能を管理するためのMicrosoft公式ツールセットです。

重要: RSATはWindows 11ではデフォルトでインストールされていませんが、OS側で追加機能として簡単に導入できます。以下ではGUI(設定)とPowerShellの両方の方法を紹介し、それぞれの長所・短所、運用向けのチェックリストやトラブルシュートも加えます。

前提条件

  • Windows 11の管理者権限を持つアカウントが必要です。\n- ネットワーク接続があること。ネットワーク経由で機能パッケージを取得します。\n- エディションによっては一部機能が利用できない場合があります(例: 特定のEnterprise向け機能など)。

注意: 企業のイメージ管理ポリシーや更新サーバー(WSUS)を使っている場合、追加機能の取得方法が異なることがあります。管理者と調整してください。

インストール方法

主な方法は2つあります。GUI(設定)を使う方法と、PowerShellを使う方法です。それぞれの手順、メリットと留意点を説明します。

方法 1: 設定メニューからインストール

  1. Windowsキー + I で「設定」を開きます。
  2. 左メニューから「アプリ」を選び、「オプション機能」に移動します。

設定のアプリ - オプション機能画面

  1. 「オプション機能を追加」の横にある「機能の表示」ボタンをクリックします。

オプション機能の「機能の表示」ボタン

  1. 一覧からインストールしたいRSATツールを選択して「次へ」を押します。

RSAT一覧からツールを選択してインストールする画面

  1. 選択した機能がPCにインストールされます。

長所: GUIなので初心者にわかりやすい。短所: 一度に多くの端末へ展開するには手作業が多く、スクリプト化しにくい点があります。

方法 2: PowerShellからインストール

PowerShellは自動化とスクリプト管理に向きます。管理者権限でPowerShellを起動してください。

  1. スタートメニューからPowerShellを検索し、管理者として実行します。
  2. 全てのRSATパッケージを一括でインストールする場合、以下のコマンドを実行します。
Get-WindowsCapability -Name RSAT* -Online | Add-WindowsCapability -Online

PowerShellでRSAT全パッケージをインストールする画面

  1. インストール処理は数分かかることがあります。終了するまで待ちます。
  2. 個別のパッケージを指定してインストールする場合は、以下の構文を使います。
Add-WindowsCapability -Online -Name "ToolName"

PowerShellで個別RSATパッケージをインストールする例

  1. “ToolName” をインストールしたいRSATパッケージ名(下表参照)に置き換えて実行してください。名前は必ず二重引用符で囲みます。

長所: スクリプト化、リモート展開、ログ取得が可能。短所: コマンドに慣れていないと操作ミスが起きる可能性があります。

RSATパッケージ名一覧

リモート サーバー管理ツールのパッケージツール名(PowerShellで使用するName)
Active Directory Domain Services and Lightweight Directory Services ToolsRsat.ActiveDirectory.DS-LDS.Tools
BitLocker Drive Encryption Administration UtilitiesRsat.BitLocker.Recovery.Tools
Active Directory Certificate ServicesRsat.CertificateServices.Tools
DHCP Server ToolsRsat.DHCP.Tools
DNS Server ToolsRsat.Dns.Tools
Failover Clustering ToolsRsat.Failover.Cluster.Management.Tools
File Services ToolsRsat.FileServices.Tools
Group Policy Management ToolsRsat.GroupPolicy.Management.Tools
IP Address Management (IPAM) ClientRsat.IPAM.Client.Tools
Data Center Bridging LLDP ToolsRsat.LLDP.Tools
Network Controller Management ToolsRsat.NetworkController.Tools

例: DNSサーバーツール(ツール名: Rsat.Dns.Tools)をインストールする場合、コマンドは以下の通りです。

Add-WindowsCapability -Online -Name "Rsat.Dns.Tools"

インストール済みパッケージの確認方法

インストール済みのRSATパッケージを確認するには、管理者権限のPowerShellで以下を実行します。

Get-WindowsCapability -Name RSAT* -Online | Select-Object -Property DisplayName, State

インストール済みRSATパッケージの一覧表示例

State列が “Present” のものがインストール済みです。”NotPresent” は未インストールを示します。

RSATツールの起動方法

  1. スタートメニューを開き、「Windows ツール」を検索して管理者として開きます。

スタートメニューから Windows ツールを開く画面

  1. 表示された一覧から目的のツールをダブルクリックして起動します。

Windows ツールに一覧表示されたRSATツール

トラブルシューティング(よくある問題と対処)

  • インストールが失敗する・進行しない

    • Windows Updateサービスが動作しているか確認してください(RSATはオンラインで機能を取得します)。
    • 企業ネットワークでWSUSやプロキシを利用している場合、管理者に問い合わせて配布方針を確認します。
  • 特定のパッケージが見つからない

    • パッケージ名を正確に指定しているか確認してください(例: Rsat.Dns.Tools)。
    • Windowsのバージョンやエディション制限で利用できない場合があります。
  • オフライン環境での導入

    • オフライン環境では、企業イメージやWindowsの機能パッケージ(CABやMSU)を事前に用意してイメージに統合する手順が必要になる場合があります。展開イメージに関するポリシーは社内のシステム管理者と相談してください。
  • 権限エラー

    • インストールや一部ツールは管理者権限が必要です。管理者としてPowerShellを実行してください。

注意: ログやエラーメッセージを控え、再現手順をメモしておくとサポートがスムーズになります。

運用向けの追加情報とベストプラクティス

自動展開(運用フロー)

  • 1 台へ手動導入で検証→ 企業イメージに組み込んで検証→ 配布スクリプト(PowerShell)で各端末へ展開。
  • インベントリ管理ツール(SCCM、Intuneなど)を使ってパッケージ配布と導入確認を行う。

ロール別チェックリスト

  • システム管理者
    • 必要なRSATモジュールを選定、導入スクリプトを用意する。
    • インベントリで展開状況を確認し、ログを収集する。
  • デスクトップ運用担当
    • エンドユーザーの端末にRSATを導入するときは権限と用途を最小化する。
  • ヘルプデスク
    • 基本的なチェック手順(PowerShellコマンドで状態確認、Windowsツールの起動確認)を準備する。

SOP(簡易プレイブック)

  1. 変更管理を登録する(いつ、誰が、何を)。
  2. テスト端末でインストールを実行し、主要機能を確認する。\n3. スクリプトで本番展開を実施(段階的ロールアウト)。\n4. 展開後にインベントリを確認し、問題があればロールバック手順を実行する。

受け入れ基準

  • 指定したRSATパッケージが全て “Present” と表示されること。
  • 対応する管理ツールが「Windows ツール」から起動できること。
  • 管理者による基本操作(例: DNSレコードの確認)が正常に行えること。

セキュリティとプライバシーの注意点

  • RSATはサーバー管理機能を含むため、最小権限の原則を適用してください。管理者権限を限定的に付与し、ログ監査を有効にします。
  • 管理ツールからアクセスする情報は機密情報を含む可能性があります。アクセス制御とネットワーク境界の管理を徹底してください。
  • GDPR等の規制が関係する環境では、管理操作が個人データに関わる場合の記録・通知ポリシーを遵守してください。

決定ツリー(簡易フロー)

flowchart TD
  A[RSATを導入する必要があるか?] -->|はい| B{エンドポイントが多数か?}
  B -->|はい| C[PowerShellスクリプトで自動展開]
  B -->|いいえ| D[設定メニューで手動インストール]
  C --> E[検証端末で動作確認]
  D --> E
  E --> F{問題発生?}
  F -->|はい| G[トラブルシューティング]
  F -->|いいえ| H[運用ドキュメントを更新]

(上は導入の意思決定を可視化する簡易フローです。)

テストケース(導入後の受け入れ検証例)

  • テスト1: 指定パッケージをPowerShellで導入し、StateがPresentであることを確認する。
  • テスト2: Windows ツールから該当管理コンソールを起動し、基本的な操作(例: DNSレコード一覧の表示)が行えること。
  • テスト3: ログオンユーザーが最小権限でも必要な操作が行えるか、権限制御を検証する。

1行用語集

  • RSAT: Remote Server Administration Toolsの略。リモートでサーバー管理を行うためのツール群。
  • PowerShell: Windowsの自動化用シェル/スクリプト環境。

まとめ

Windows 11へのRSAT導入はGUIとPowerShellの2通りの方法があります。単発であれば設定メニュー、組織的に多数台へ展開するならPowerShellでスクリプト化してから配布するのがおすすめです。導入後はインベントリ確認と権限管理、ログ監査を忘れずに行ってください。

ご質問があればコメント欄に残してください。導入手順のPowerShellスクリプト化や企業イメージへの組み込みについても支援できます。チュートリアル動画を好む場合は配信元のチャンネル(DigitBin等)を参照してください。

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