Manjaro に ONLYOFFICE Desktop Editors v6.1 をインストールする方法

Manjaro に ONLYOFFICE Desktop Editors v6.1 を導入する最も簡単な方法は Pamac(Add/Remove software)からインストールすることです。snap と Flatpak の両方もサポートされており、用途やポリシーに応じて選べます。この記事では Pamac、snap、Flatpak の手順、注意点、トラブルシューティング、チェックリストをまとめています。
ONLYOFFICE Desktop Editors は、テキスト文書、スプレッドシート、プレゼンテーションのオフライン編集ができるオープンソースのオフィススイートです。クラウド(ONLYOFFICE、Nextcloud、ownCloud)と接続してオンラインで共同編集することも可能です。ソースコードは GitHub で AGPL v3.0 ライセンスの下に公開されています。
最新のアップデート(v6.1)では以下のような改善が含まれます:
- セクションや文書の末尾に参照を挿入する脚注(Endnotes)
- ドキュメント内の他の箇所(図、表、ブックマークなど)へのクロスリファレンス
- 特定の行を参照できる行番号カウント
- グラフデータの操作が容易に(系列の並べ替え、行と列の入れ替えなど)
- 数式の自動修正や関数認識の設定など、証明・入力補助の機能強化
準備
重要
- システムを最新にしてからインストールしてください。
- スナップ(snap)や Flatpak を利用する場合は、それぞれのランタイムが有効になっている必要があります。
まずはシステムを更新します(任意ですが推奨)。
sudo pacman -Syu
ファイル同期やクラウド接続を使う場合は、Nextcloud や ONLYOFFICE サーバーの情報を準備しておきます。
ソフトウェアセンターからのインストール
最も簡単で推奨される方法は Pamac(Add/Remove software)を使うことです。GUI 操作で簡単に導入できます。
- 「Add/Remove software」をクリックして Pamac を開きます。
- 検索欄に「ONLYOFFICE Desktop Editors」と入力して検索します。
- 「Install」をクリックし、次に「Apply」をクリックします。
- インストールを開始するためにパスワードを入力します。
完了後、アプリケーションメニューから ONLYOFFICE を起動できます。
メリット
- GUI で直感的に操作できる。
- 依存関係は Pamac が自動で処理する。
注意点
- リポジトリの状態によっては最新バージョンが反映されないことがあります。
snap からのインストール
snap を使うと sandbox 化されたパッケージとして手早く導入できます。snapd が未導入の場合は次のコマンドでインストールします:
sudo pacman -S snapd
systemd のユニットを有効にします:
sudo systemctl enable --now snapd.socket
/var/lib/snapd/snap と /snap を接続するシンボリックリンクを作成します:
sudo ln -s /var/lib/snapd/snap /snap
設定後、再ログインまたは再起動してから次のコマンドでインストールしてください:
sudo snap install onlyoffice-desktopeditors
メリット
- パッケージが分離されるためシステムに影響を与えにくい。
- 更新が自動で配布される。
制約
- 一部のファイルアクセスやテーマがホストと異なる場合があります。
Flatpak からのインストール
Flatpak はフラットパック方式でアプリを配布します。Manjaro リポジトリに flatpak パッケージがあるので Pamac から導入するか、コマンドでインストールします:
user $ pamac install flatpak
ONLYOFFICE を Flathub からインストールします:
flatpak install flathub org.onlyoffice.desktopeditors
アプリを起動するには:
flatpak run org.onlyoffice.desktopeditors
メリット
- サンドボックス化と依存分離に優れる。
- Flathub で管理されるためバージョン互換性が保たれやすい。
制約
- Flatpak の権限設定やテーマ統合に注意が必要です。
いつどの方法を選ぶか
意思決定のヒント
- シンプルで GUI 操作が良ければ Pamac。
- セキュリティや更新頻度を重視するなら snap。
- デスクトップ統合や Flathub の管理が好みなら Flatpak。
トラブルシューティングとヒント
よくある問題と対処法
- 「コマンドが見つからない」と表示される場合:snapd/flatpak がインストール・有効化されているか確認してください。
- 日本語フォントや UI が崩れる場合:フォントパッケージを追加またはテーマを調整します。
- クラウド接続で認証エラーが出る場合:サーバー URL、ポート、証明書、アカウント情報を再確認してください。
ログの確認
- snap の場合:journalctl -u snapd を確認します。
- Flatpak の場合:flatpak run の出力や ~/.var/log を確認します。
ロール別チェックリスト
エンドユーザー
- Pamac で ONLYOFFICE を検索してインストールする。
- ドキュメントを開き、基本編集・保存ができるか確認する。
- クラウド連携が必要なら接続情報を入力して共有機能をテストする。
システム管理者
- 対象端末で snapd または flatpak を一括導入する。
- 必要に応じて社内リポジトリやパッケージポリシーを設定する。
- バックアップとロールバック手順を用意する。
受け入れ基準
- ONLYOFFICE を起動して文書の作成・保存ができること。
- スプレッドシートとプレゼンテーションの基本機能が動作すること。
- (必要時)クラウドに接続して共同編集ができること。
まとめ
ONLYOFFICE Desktop Editors は Manjaro 上で Pamac、snap、Flatpak のいずれでも問題なく導入できます。GUI 中心なら Pamac、更新と分離を重視するなら snap/Flatpak を選び、システム要件や会社ポリシーに合わせて使い分けてください。
要点
- Pamac は最も簡単な導入方法。
- snap と Flatpak はサンドボックス化と更新管理の利点がある。
- インストール前にシステムを更新し、必要なランタイムを有効にすること。
短いチェックリスト
- システムを更新したか?
- Pamac / snapd / flatpak のいずれかが整っているか?
- インストール後にアプリを起動して基本操作を確認したか?