Windows コンピューターがシャットダウンせず再起動する問題を修正する方法

重要: この記事は一般的なトラブルシューティング手順を示します。BIOS の操作やシステムファイルの修復はデータ損失のリスクがあるため、必要に応じて事前に重要ファイルのバックアップを取ってください。
はじめに
Windows をシャットダウンしようとすると再起動してしまう現象は、ソフトウェア設定、破損したシステムファイル、ドライバーや外部機器、マルウェア、あるいは BIOS/UEFI の設定に起因します。本ガイドでは段階的に確認すべき項目と実際の手順、失敗したときの代替方法、管理者と一般ユーザーそれぞれのチェックリストを提供します。
定義(1行):
- SFC: System File Checker。Windows のシステムファイル整合性をチェックするツール。
- DISM: Deployment Image Servicing and Management。Windows イメージの修復ツール。
対象読者と目的
- 家庭用 PC ユーザーが自分で直すための手順
- 社内 IT 管理者が原因切り分けを行うための実務チェックリスト
主な原因の概要
- 自動再起動(システム障害時に自動で再起動する設定)
- 高速スタートアップ(休止状態を利用するため完全なシャットダウンにならない)
- 破損したシステムファイル
- ドライバーや外部機器の誤動作
- マルウェアや不正なプロセス
- BIOS/UEFI の設定不具合
クイックチェックリスト(まずここから)
- すべての外付けデバイス(USB、外付け HDD、プリンターなど)を取り外す
- 高速スタートアップを無効化する
- 「自動再起動」をオフにする
- SFC / DISM を実行する
- フルウイルススキャンを実行する
トラブルシューティング手順(詳細)
1. 「自動再起動」をオフにする
Windows は致命的エラーが発生したときに自動で再起動する機能があります。誤って有効になっていると通常のシャットダウンで再起動されることがあります。
手順:
- Windows + S を押して検索を開く
- 「詳細なシステム設定の表示」と入力して検索結果で「開く」をクリック
- 「起動と回復」タブの下にある「設定」ボタンを押す
- 「システム障害」欄で「自動的に再起動する」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして保存
効果: システム障害が原因で再起動していた場合、有効です。
2. 破損したシステムファイルを修復する(SFC と DISM)
SFC と DISM を使うことで、Windows のコアファイルの欠損や破損を検出・修復できます。
手順(SFC):
- Windows + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「cmd」と入力して Enter を押し、管理者権限でコマンドプロンプトを開く(必要なら「管理者として実行」)
- 以下を実行してシステムファイルチェッカーを走らせる:
sfc /scannow
手順(DISM):
- 管理者権限のコマンドプロンプトを開く
- 下記コマンドを順に実行する(処理に時間がかかる場合があります)。
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
完了後、PC を再起動して挙動を確認してください。
3. 高速スタートアップを無効にする
高速スタートアップは Windows を高速化するために完全なシャットダウンを行わず休止状態に移行します。これがシャットダウン制御に干渉し再起動につながることがあります。
手順:
- Windows 検索(Win + S)で「コントロールパネル」を開く
- 「電源オプション」を選択
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外し、「変更の保存」をクリック
補足コマンド(休止状態を完全に無効にする場合):
powercfg -h off
注意: 休止状態を無効にすると一部の機能(高速起動や休止に関連する設定)に影響します。
4. マルウェアスキャンを実行する
マルウェアが不正な挙動を引き起こしている可能性があります。Windows Defender(または信頼できるアンチウイルス)でフルスキャンを行ってください。
手順:
- Windows キーを押して「ウイルスと脅威の防止」と入力
- 「開く」をクリック
- 「スキャン オプション」を開き、「フルスキャン」を選択して今すぐスキャン
- 検出された脅威を削除または隔離してから再起動/シャットダウンを試してください
5. 外付けハードウェアを全て取り外す
外付け機器(USB メモリ、外付け HDD、ドングル、プリンタ等)が接続されていると、ドライバーや電源イベントがシャットダウンプロセスを邪魔する場合があります。すべて外してからシャットダウンを試してください。
効果: 多くのホームユーザーではこれで問題が解決します。
6. Windows Update を適用する
OS のバグが原因である可能性があります。最新のアップデートで修正が提供されている場合があるため、Windows Update を確認して適用してください。
手順:
- Windows + I で設定を開く
- 「Windows Update」を選択
- 更新が見つかれば「ダウンロードしてインストール」を選択
インストール後にシャットダウンを再確認してください。
7. BIOS/UEFI を初期設定にリセットする
BIOS/UEFI のカスタム設定(電源関連の設定など)が原因で OS のシャットダウン動作に影響していることがあります。リセット手順:
- スタートメニューを開き、電源アイコンをクリック
- Shift キーを押しながら「再起動」を選ぶ
- トラブルシューティング > 詳細オプション > UEFI ファームウェア設定 > 再起動 を選択
- BIOS/UEFI 画面で「Load Defaults(デフォルトを読み込む)」や「Restore Defaults」を選択
- 設定を保存して終了
注意: BIOS の設定を誤るとシステムが起動しなくなる恐れがあります。操作に不安がある場合は管理者や専門家に依頼してください。
追加の診断手順と代替アプローチ
イベントビューアーでクラッシュログを確認する(上級者向け)
- Windows + X でメニューを開き「イベント ビューアー」を選択
- Windows ログ > システム を確認し、シャットダウン再起動に関連するエラー(Kernel-Power、BugCheck 等)を探す
ヒント: 再起動が発生した時刻の直前に記録されたエラーを重点的に確認します。
クリーンブートで常駐プロセスを切り分ける
- Windows + R で msconfig を開く
- サービス タブで「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れ、残りを無効化
- スタートアップをタスクマネージャーで無効化
- 再起動して挙動を確認
効果: サードパーティ製の常駐ソフトが原因かを判定できます。
セーフモードでのシャットダウンを試す
セーフモードで問題が起きなければ、通常モードのドライバーや常駐ソフトが原因と考えられます。
ドライバーのロールバックと更新
Device Manager(デバイス マネージャー)で最近更新したドライバーをロールバック、またはベンダーの公式サイトから最新版を取得してインストールします。
システムの復元またはリセット(最終手段)
重要なデータをバックアップした上で、システムの復元ポイントに戻すか、Windows のリセット(ファイルを保持するかどうかを選択)を行います。
追加価値セクション
ミニ手順法(優先順位付き)
- 外付けデバイスを外す → シャットダウン確認
- 自動再起動と高速スタートアップを無効化 → 再確認
- SFC / DISM 実行 → 再確認
- フルマルウェアスキャン → 再確認
- クリーンブート、イベントログで原因特定
- BIOS 初期化 → 再確認
- 必要ならシステムの復元または再インストール
ロール別チェックリスト
家庭ユーザー:
- 外付け機器を外す
- 高速スタートアップと自動再起動を無効化
- Windows Update とウイルススキャン
IT 管理者:
- イベントビューアーで Kernel-Power や BugCheck を確認
- ドライバーの配布履歴を確認し、最近の更新をロールバック
- グループポリシーやリモート管理ツールの設定を確認
テストケース / 受け入れ基準(Критерии приёмки)
- シャットダウン操作を行っても再起動が発生しない
- 24 時間以上、意図しない再起動が発生しない
- イベントログに再起動に関する新たなエラーが記録されない
失敗するケース(反例)
- ハードウェアの故障(電源ユニット、マザーボード、メモリ故障)が原因の場合、上記ソフトウェア対処だけでは解決しない
- 固有の OEM ファームウェアバグやサードパーティのファームウェアが原因の時はメーカー修理が必要
リスクマトリクス(簡易)
- 低: 高速スタートアップ無効化、SFC 実行(低リスク、推奨)
- 中: BIOS 初期化、ドライバーロールバック(操作ミスで起動問題発生の可能性あり)
- 高: Windows リセットやクリーンインストール(データ消失リスク)
1行用語集
- SFC: システムファイルの整合性をチェックする Windows の内蔵ツール。
- DISM: Windows イメージの整合性チェックと修復ができるツール。
- 高速スタートアップ: シャットダウンの代わりに一部を休止する機能。
まとめ
PC がシャットダウンの代わりに再起動する問題は、まず設定(自動再起動・高速スタートアップ)とシステムファイルの整合性チェックから着手するのが効率的です。マルウェア、外付け機器、ドライバー、BIOS 設定が原因である場合も多く、段階的に切り分けることで原因に近づけます。最終手段としてシステムの復元やクリーンインストールを検討してください。
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重要: 変更を加える前に必ず重要ファイルのバックアップを行ってください。