テクノロジーガイド

Microsoft Outlookで添付ファイルが開けない問題を解決する方法

2 min read トラブルシューティング 更新されました 18 Oct 2025
Outlookで添付ファイルが開けない時の完全トラブルシュート
Outlookで添付ファイルが開けない時の完全トラブルシュート

問題の概要

Windows上のMicrosoft Outlookでメール添付ファイルが開けない原因は複数あります。代表的なものは次の通りです。

  • Outlookのアドインが原因で応答が停止する。
  • 添付ファイル自体が破損している。
  • アンチウイルスが誤検知してブロックしている。
  • Outlookの添付ファイルプレビュー設定が無効になっている。
  • OutlookまたはWindowsのバグや古いバージョン。
  • Outlookのローカルキャッシュ(RoamCache)に問題がある。

重要: 添付ファイルに不審な点がある場合は、送信元が信頼できるかどうかを必ず確認してください。不確かな添付は開かないでください。

目次

  • すぐに試す優先手順
  • 詳細手順(セーフモード、アドイン、破損ファイル、アンチウイルス、Windows更新、プレビュー設定、Outlook更新、データファイル修復、キャッシュ削除)
  • 判断フロー(Mermaid)
  • 役割別チェックリスト
  • 追加の対処法と注意点
  • プライバシーとセキュリティの注意
  • 用語集
  • 要点まとめ

すぐに試す優先手順

  1. Outlookをセーフモードで起動して添付を開けるか確認する。開けるならアドインが原因の可能性が高い。
  2. 添付ファイルを別のPCや別メールクライアント(Web版Outlookなど)で開けるか確認する。開ければローカル環境の問題。
  3. 送信者に再送を依頼してファイル破損を除外する。

詳細手順

セーフモードでOutlookを起動する

セーフモードではアドインが読み込まれません。まずはここを確認します。

  1. Outlookのアイコンを【Ctrl】キーを押しながらダブルクリックします。
  2. 確認ダイアログが出たら【はい】をクリックします。

セーフモードで添付ファイルが開ける場合はアドインが原因です。次はアドインの無効化で原因を特定します。

アドインの確認手順:

  1. Outlookで【ファイル】をクリックします。
  2. 【オプション】を選びます。
  3. 左ペインで【アドイン】を選択します。
  4. 画面下部の【管理】のドロップダウンで「COM アドイン」を選び、【設定】または【移動】(UIによって表記が異なる)をクリックします。
  5. すべてのチェックを外して一旦無効にし、Outlookを再起動します。
  6. 問題が解消したら、アドインを1つずつ有効にして原因のアドインを特定し、該当アドインをアンインストールまたは更新します。

重要: 企業環境ではアドインを無効にする前にIT管理者と調整してください。

添付ファイルが破損しているか確認する

  • 送信者にファイルを別名や別形式で再送してもらう。
  • 別のデバイス(別PC、スマホ、Outlook Web Access)で開けるか試す。

破損ファイルの場合の対処:

  • 送信者に元ファイルから再エクスポートして再送してもらう。
  • ZIPや別の圧縮形式で送るよう依頼する。

アンチウイルスを一時無効化してテストする

アンチウイルスソフトが添付をブロックすることがあります。一時的に無効化して添付が開けるか確認します。

注意: 無効化は一時的に行い、信頼できる送信元の添付にのみ適用してください。不明な添付は決して開かないでください。

Windowsを最新に更新する

OSのバグが原因の場合、最新の更新で改善されることがあります。

  1. 【Windows】+【I】で設定を開きます。
  2. 【Windows Update】をクリックします。

Windows Updateをクリックして更新を確認する

  1. 【更新プログラムのチェック】をクリックします。

最新のWindows更新を確認する画面

  1. 利用可能な更新があれば【今すぐダウンロード】または【ダウンロード】をクリックして適用します。

Windows 11の更新をダウンロードする画面

更新後にOutlookで添付が開けるか確認してください。

Outlookの添付プレビューを有効にする

添付ファイルプレビューが無効になっていると、プレビュー画面で開けなく見えることがあります。

  1. Outlookを開き、【ファイル】→【オプション】を開きます。
  2. 【トラスト センター】を選び、【トラスト センターの設定】をクリックします。
  3. 【添付ファイルの処理】タブで【添付ファイルのプレビューをオフにする】のチェックが外れていることを確認します。
  4. 【添付ファイルおよびドキュメント プレビュー】をクリックし、必要なプレビュープロバイダが有効になっているか確認します。

注: 特定のファイルタイプ(例えば古い形式の文書やマクロ付きファイル)はプレビューされない場合があります。

Outlookを最新バージョンに更新する

Outlook自体のバグ修正が含まれることがあります。更新手順:

  1. Outlookを起動します。
  2. 【ファイル】をクリックします。

Outlookのファイルメニュー

  1. 【Office アカウント】を選びます。

OutlookのOfficeアカウント画面

  1. 【更新オプション】のドロップダウンを開き、【今すぐ更新】を選びます。

Outlookの更新オプション

更新後、添付ファイルの挙動を確認してください。

Outlookのデータファイルを修復する(SCANPST)

ローカルのPST/OSTが壊れていると添付が正しく開けない場合があります。

  1. エクスプローラーで次のパスを開きます:
    C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16
  2. SCANPST.EXE を実行します。

Outlookのデータファイル修復ツールの位置

  1. 【開始】をクリックしてスキャンを実行します。

データファイルのスキャンを開始する画面

  1. エラーが見つかったら【修復】を実行します。

修復後にOutlookを再起動して添付を確認します。

Outlookのキャッシュ(RoamCache)をクリアする

RoamCacheの破損や不要ファイルが問題を起こすことがあります。

  1. 【Windows】+【R】を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
  2. 次のコマンドを入力してEnterを押します:
    %localappdata%\Microsoft\Outlook\RoamCache

RoamCacheフォルダにアクセスしてOutlookのキャッシュを確認する

  1. フォルダ内のすべてのファイルを選択します。
  2. 上部のゴミ箱アイコンをクリックして削除します。

Outlookのキャッシュファイルを削除する画面

  1. Outlookを再起動して添付が開けるか確認します。

注: キャッシュを削除してもメール本体やサーバ上のデータは消えませんが、オフラインの未同期データがある場合は注意してください。

判断フロー(問題切り分け)

以下は原因を素早く特定するための簡易フローです。

flowchart TD
  A[添付ファイルが開けない] --> B{別のPC/OWAで開けるか}
  B -- はい --> C[ローカル環境の問題(キャッシュ/Outlook)]
  B -- いいえ --> D{送信者に再送依頼}
  D -- 破損あり --> E[送信者に再生成して再送]
  D -- 破損なし --> F[アンチウイルス / サーバのブロック確認]
  C --> G[セーフモードで起動]
  G -- 直る --> H[アドインを一つずつ無効化]
  G -- 直らない --> I[SCANPST / キャッシュ削除 / 更新]

役割別チェックリスト

  • エンドユーザー:

    • セーフモードでOutlookを起動して添付を確認する。
    • 別デバイスで添付を試す。
    • 送信者に再送を依頼する。
  • ITサポート:

    • アドインの全無効化と逐次有効化で原因特定。
    • SCANPSTでデータファイルを修復。
    • RoamCacheの削除を案内。
    • セキュリティログとアンチウイルスの検出履歴を確認。
  • 管理者/セキュリティ担当:

    • メールゲートウェイの添付スキャン設定を確認。
    • 添付制限やポリシー(添付サイズ、許可拡張子)をチェック。

追加の対処法とヒント

  • Outlook Web(OWA)やスマホのメールアプリで開けるかを確認すると、ローカル問題かサーバ側問題かがわかる。
  • 添付が大きい場合、送信側でストレージ(OneDrive等)にアップし、共有リンクにしてもらう方法は回避策として有効。
  • 古いOffice形式(.doc、.xls)よりOffice Open XML(.docx、.xlsx)に変換してもらうと互換性が上がる。
  • 企業では受信メールに対するメールゲートウェイやDLPが添付をブロックしている場合がある。IT部門にログ確認を依頼する。

いつ効果が出ないか(反例)

  • 添付ファイル自体が暗号化されており、必要なパスワードや鍵がない場合は開けない。
  • 受信側のネットワークが強く制限(プロキシやファイアウォール)され、添付のダウンロードが途中でブロックされる場合。
  • サーバ側で添付がウイルスとして隔離されている場合、クライアント側だけでは解決できない。

プライバシーとセキュリティの注意

  • 添付ファイルを開く前に送信者が信頼できるか確認してください。
  • 企業環境ではアンチウイルスやメールゲートウェイのポリシー変更はIT管理者の承認が必要です。
  • 個人情報や機密データを含む添付は安全なチャネル(暗号化された共有ストレージやパスワード付きアーカイブ)でやり取りすることを推奨します。

1行用語集

  • RoamCache: Outlookが一時的に保存するキャッシュフォルダ。表示の高速化やプレビューに使用される。
  • SCANPST: OutlookのPST/OST修復ツール。ローカルのデータファイルの整合性をチェックして修復する。

受け入れ基準

  • 添付ファイルを正常に開けること(プレビューとダウンロード両方で確認)。
  • 問題が再現しないことを確認するために、同一送信者からの別添付で検証する。

トラブルシュートの優先順位(ミニ手順書)

  1. 別のクライアントで確認(OWA/別PC)。
  2. セーフモードで起動→アドインを切り分け。
  3. 添付ファイルの破損を疑い送信者に再送依頼。
  4. アンチウイルスの一時無効化で検証。
  5. SCANPSTでデータファイル修復。
  6. RoamCacheを削除。
  7. WindowsとOutlookの更新。
  8. IT/セキュリティログ調査。

最後に重要な注意

  • 不審な添付は決して開かないこと。疑わしい場合はITまたはセキュリティ担当に報告してください。

要点まとめ

  • セーフモードとアドインの切り分けが最も効果的な初動対応。
  • 添付ファイルの破損、アンチウイルス、プレビュー設定、キャッシュ、データファイルの順で切り分ける。
  • 企業ではメールゲートウェイやポリシーによるブロックも考慮する。

以上でOutlookの添付ファイルが開けない問題を診断・解決するための実践的な手順をまとめました。問題が解決しない場合は、組織のITサポートまたはMicrosoftサポートに詳細ログを添えて問い合わせてください。

共有する: X/Twitter Facebook LinkedIn Telegram
著者
編集

類似の素材

インドからYouTube TVをダウンロードして利用する方法
ガイド

インドからYouTube TVをダウンロードして利用する方法

WiKIDのプロトコル有効化とネットワーククライアント設定
認証

WiKIDのプロトコル有効化とネットワーククライアント設定

Windows更新後のディスプレイドライバークラッシュを修復
トラブルシューティング

Windows更新後のディスプレイドライバークラッシュを修復

CentOS 8にApache Cassandraをインストールする手順
データベース

CentOS 8にApache Cassandraをインストールする手順

イーサネットがWi‑Fiより遅い原因と対処法
ネットワーク

イーサネットがWi‑Fiより遅い原因と対処法

Google ドキュメントでテンプレートを作成する方法
チュートリアル

Google ドキュメントでテンプレートを作成する方法