「Windows がこのテーマのファイルの1つを見つけられません」エラーを解決する方法

要点
- Windows のテーマ適用時に表示される「ファイルが見つかりません」エラーはテーマ自体の破損、同期の不一致、スライドショーやスクリーンセーバーなどの関連機能が原因で起きることが多いです。
- 本稿では簡単な切替からシステム修復コマンド、チェックリスト、運用手順までを網羅して、再発を防ぐ方法を提示します。
Windows 10 と Windows 11 には Microsoft 提供のテーマが標準で複数用意されています。Microsoft Store から追加でテーマを取得することも可能です。テーマを適用すると見た目を統一できますが、まれにテーマ関連で問題が発生することがあります。代表的な問題が「Windows がこのテーマのファイルの1つを見つけられません」というエラーです。
以下では、このエラーを解決するための手順を順序立てて説明します。各手順は段階的に試せるように設計しており、管理者と一般ユーザー双方に向けた補助情報と、再発防止のための運用チェックリストも含みます。
目次
- 別のテーマを使う
- 問題のテーマを削除して再インストールする
- テーマ同期を無効にする
- カスタムスクリーンセーバーを無効にする
- 壁紙スライドショーを無効にする
- SFC と DISM スキャンを実行する
- Windows Update を確認する
- トラブルシューティング用チェックリスト
- 管理者向け運用手順(SOP)
- 受け入れ基準
- よくあるケースと失敗例
- 各ロール別チェックリスト
- 用語集
1. 別のテーマを使う
最も簡単な対処は別のテーマへ切り替えることです。現在使用中のテーマに問題があるだけであれば、別テーマにすることでエラーが収まることが多いです。
手順(Windows 10 / 11 共通):
- スタートメニューを開き、歯車アイコンから設定を起動する。
- 設定で 個人用設定 を選ぶ。
- 左側メニューで テーマ を選択する。
- 別のテーマを選んで適用する。
適用後、エラーが発生しないか確認してください。解決した場合は、元のテーマに戻す前に少し時間を置いて再発の有無を確認することをお勧めします。
2. 問題のテーマを削除して再インストールする
テーマが破損している場合は、問題のテーマを削除して再インストールすることで解決する可能性があります。Windows はアクティブなテーマを直接削除できないため、別のテーマへ切り替える必要があります。
手順:
- タスクバーの検索アイコンをクリックするか Win + S を押して検索を開く。
- 検索ボックスに テーマ と入力し、表示された結果からテーマ設定を選択する。
- 現在のアクティブテーマが問題のテーマであれば、まず別のテーマを適用してアクティブ状態を解除する。
- 問題のテーマを右クリックして 削除 を選ぶ。
- Microsoft Store から同じテーマを再ダウンロードしたい場合は テーマの参照 ボタンをクリックしてダウンロードする。
削除と再インストールで問題が消えるか確認します。
注記: 自作テーマやサードパーティ製テーマを使用している場合は、配布元の指示に従ってアンインストールと再インストールを行ってください。配布パッケージに破損があれば別バージョンを試すのも一案です。
3. テーマ同期を無効にする
複数のデバイスで設定を同期していると、同期の不一致が原因でテーマ関連のエラーが出ることがあります。同期を一時的に停止して様子を見てください。
手順:
- Win + I で設定を開く。
- アカウント を選択する。
- 左側の 同期の設定 をクリックする。
- テーマ の切り替えをオフにする。
- PC を再起動してエラーが再現するか確認する。
同期を切ってエラーが出なくなれば、クラウド側の設定差分や同期中の一時ファイルが原因だったと考えられます。同期を再度有効にする前に、各デバイスで問題のテーマを削除してから同期をオンにするのが安全です。
4. カスタムスクリーンセーバーを無効にする
エラーが一定時間の放置後に発生する場合、スクリーンセーバーがテーマに関連するファイルにアクセスする際に問題を起こしている可能性があります。スクリーンセーバーを一時的に無効にして再現するか確認してください。
手順:
- デスクトップ上で右クリックし 個人用設定 を選ぶ。
- 左側で ロック画面 を選択する。
- 関連設定 の中にある スクリーンセーバー をクリックする。
- スクリーンセーバーのドロップダウンで なし を選択して 適用 をクリックする。
- PC を再起動して様子を見る。
5. 壁紙スライドショーを無効にする
壁紙をスライドショーにしている場合、参照している画像ファイルやフォルダーが移動・削除されるとテーマ関連のエラーにつながる場合があります。背景を単一画像に切り替えて確認してください。
手順:
- スタートを右クリックするか Win + X を押してクイックメニューを開く。
- 設定 を選択する。
- 個人用設定 → 背景 を選ぶ。
- 背景を カスタマイズ するドロップダウンから 画像 を選択する。
- 必要なら背景画像を再設定する。
スライドショー用フォルダーがネットワークドライブや外付けドライブにある場合、接続が切れることでファイル参照が失敗することがあります。可能ならローカルのフォルダーを使用してください。
6. SFC と DISM スキャンを実行する
システムファイルの破損が原因でテーマの機能が正常に動作しないケースがあります。Windows にはシステムファイルチェック(SFC)とイメージ修復(DISM)のツールが組み込まれているため、これらを順に実行して修復します。
手順:
- スタートメニューで コマンドプロンプト と入力し、管理者として実行 を選ぶ。
- ユーザーアカウント制御の確認では はい を選ぶ。
- 以下のコマンドを実行して SFC を走らせる。
sfc /scannow
- スキャンが終了したら PC を再起動する。
- 問題が続く場合は DISM を実行する。管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行する。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
- DISM は必要に応じて Windows Update に接続して破損ファイルを置き換えるため、インターネット接続が必要です。処理中はターミナルを閉じないでください。
- 完了後に再度 PC を再起動し、問題の再現を確認する。
7. Windows Update を確認する
稀に Windows の特定ビルドにバグがあり、そのバグがテーマ関連の問題を引き起こすことがあります。最新の更新プログラムを適用することで問題が解消する可能性があります。
手順:
- 設定 を開く。
- 左メニューから Windows Update を選ぶ。
- 更新プログラムの確認 をクリックする。
- 利用可能な更新があればダウンロードしてインストールする。
更新後はテーマ関連の設定を再確認してください。
トラブルシューティング用チェックリスト
短時間で状況を把握し、適切な対処を選ぶためのチェックリストです。
- 発生条件の確認
- いつエラーが出るか(起動直後、ログオン時、一定時間後など)
- 特定のテーマだけで起きるか
- ネットワークドライブや外付けストレージにある画像を参照しているか
- 基本切り分け
- 別テーマに変更してエラーが消えるか
- スクリーンセーバーとスライドショーを無効にして解決するか
- テーマ同期を切っても発生するか
- システム確認
- SFC /scannow を実行したか
- DISM /Restorehealth を実行したか
- Windows Update を適用済みか
管理者向け運用手順(SOP)
復旧と再発防止のためのシンプルな運用手順を示します。
- インシデント受信時の初期対応
- 影響範囲を確認(該当ユーザー数、発生タイミング)
- 一時対応として別テーマを適用し業務継続を図る
- 詳細調査
- ユーザー環境の同期設定、スライドショー設定、スクリーンセーバー設定を確認
- ローカルとクラウドのテーマ設定を比較
- 修復作業
- 問題テーマを削除し再インストール
- SFC と DISM を順に実行
- 必要ならイベントログの Application/System を確認し関連エントリを特定
- 再発防止
- 管理用テンプレートでテーマの配布方法を標準化(グループポリシーや Intune を活用)
- ネットワーク上の画像参照を避ける方針を文書化
- クローズと報告
- 影響と対応を簡潔に記録し、発生原因と改善策をまとめる
受け入れ基準
運用上この問題の解決と判断するための基準です。
- 代替テーマ適用でエラーが発生しない
- 削除→再インストール後に同じアクションでエラーが再現しない
- SFC と DISM 実行後にシステムファイルの破損が解消され、テーマ操作が正常に行える
- Windows Update 適用後にエラーが解消する
よくあるケースと失敗例
- ネットワークや外付けドライブの切断によりスライドショー用画像が見つからずエラーになる。
- テーマファイルを直接編集した際に参照パスを誤り、起動時にファイルが見つからなくなる。
- テーマを配布する際にユーザーごとに存在しないローカルパスを含めてしまい、特定ユーザーでしか発生しない。
反例(有効でない対処法)
- テーマ関連のエラー対処をしていないまま Windows のロールバックを行うことは推奨されません。まずは上記の簡単な切り分けと修復を行ってください。
各ロール別チェックリスト
エンドユーザー
- 別テーマへの切替を試す
- スライドショーとスクリーンセーバーを一時停止する
- 問題発生時のスクリーンショットを管理者に提供する
IT サポート
- テーマ削除と再インストールを実行する
- SFC、DISM を実行してログを保存する
- イベントログに関連エラーがないか確認する
システム管理者
- テーマ配布のガイドラインを更新する
- グループポリシーや Intune でテーマ参照パスを管理する
- 影響範囲が大きい場合は更新スケジュールを調整する
テストケースと受入基準
以下は実運用に組み込むべき簡単なテストケースです。
- TC-01: 別テーマを適用してエラーが出ないこと
- TC-02: 問題テーマを削除して再インストール後にエラーが出ないこと
- TC-03: SFC、DISM 実行後にシステムファイルのエラーが報告されないこと
- TC-04: スライドショーとスクリーンセーバーを無効にした状態でも再現しないこと
受入基準は上記 TC-01〜TC-04 がすべて成功することです。
代替アプローチとヒューリスティック
- サードパーティ製のテーマ管理ツールを使う代わりに、まずは OS 標準の手順で原因を切り分けること。サードパーティ製ツールは追加の依存や互換性問題を生む可能性があります。
- 根本原因が不明な場合はエラーの出るテーマを一旦閉鎖的に扱い、ログの収集と段階的復元を行う。まずは最小構成(デフォルトテーマ)で安定を確保してから機能を戻す。
ミニ手順集(SOP 抜粋)
- ユーザー報告受領 → 影響範囲をログする
- 別テーマに切替 → 解決するか確認
- 解決しない場合はスクリーンセーバー・スライドショーを無効化
- 解決しない場合はテーマ削除→再インストール
- 最後に SFC → DISM を順に実行
用語集(1行ずつ)
- テーマ: デスクトップ、ウィンドウの色、壁紙などのセット
- スライドショー: 複数画像を順に背景に表示する機能
- スクリーンセーバー: 長時間操作がないときに動作する表示機能
- SFC: システムファイルチェッカー。破損したファイルを検出・修復する
- DISM: イメージ修復ツール。Windows イメージの整合性を回復する
再発防止のヒント
- 壁紙やスライドショーの画像はローカルの安定したフォルダーに保存する
- テーマ配布は検証済みのパッケージのみを使用する
- テーマ同期は必要な場合のみ有効にし、複数デバイスの差分を定期的に確認する
- 大規模展開ではグループポリシーや Intune による中央管理を行う
まとめ
テーマ関連のエラーは見た目の問題に見えても、背景にはファイル参照の不一致やシステムファイルの破損など複数の原因があり得ます。まずは別テーマに切り替える簡単な切り分けから始め、削除→再インストール、同期の無効化、スクリーンセーバーやスライドショーの確認、さらに SFC / DISM の実行と順に進めることで多くのケースは解消できます。運用側は配布と同期のルールを明確化して再発を防いでください。
短い宣伝文(会社内告知向け)
社内向け:Windows テーマ関連のエラーが発生した場合は、まずこの手順に従って切り分けを実施してください。問題が解決しない場合は IT サポートにログと実行済み手順を添えて連絡してください。