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オーディオ出力デバイスがインストールされていません — Windowsでの修復手順

3 min read トラブルシューティング 更新されました 18 Oct 2025
オーディオ出力デバイスがインストールされていませんを修正
オーディオ出力デバイスがインストールされていませんを修正

目次

    1. トラブルシューティングツールを実行する
    1. オーディオドライバーを更新する
    1. オーディオ出力デバイスを手動で有効化する
    1. オーディオドライバーを再インストールする
    1. オーディオ関連サービスが実行中か確認する
    1. BIOS設定を確認する
  • 追加の確認項目と回避策
  • 役割別チェックリスト(エンドユーザー/IT管理者)
  • 早見表(チェック順)
  • 決定フローチャート
  • 1ライン用語集
  • まとめと推奨される予防策

Windows 11ノートPCで操作する人物

「No audio output device is installed(オーディオ出力デバイスがインストールされていません)」というエラーは、Windowsがシステムに接続されたオーディオ出力デバイス(内蔵スピーカー、ヘッドフォン、外部USBオーディオなど)を認識できないときに表示されます。以下の手順は段階的に確認・修復できるように設計しています。操作前に重要なデータは保存し、管理者権限で作業してください。

1. トラブルシューティングツールを実行する

Windowsには一般的な問題の診断と修復を自動で試みるトラブルシューティングツールが備わっています。まずはこれを実行してみましょう。多くの場合、手動での修正よりも早く原因を特定できます。

オーディオ再生のトラブルシューティング実行画面

手順:

  1. Win + I を押して「Settings」を開きます。
  2. 「System」→「Troubleshoot」→「Other troubleshooters」と進みます。
  3. 「Playing audio」の横にある「Run」ボタンをクリックします。
  4. ツールがシステムスキャンを実行し、見つかった問題に対する推奨修正を提示します。提案された修正は「Apply this fix」で適用できます。

注意: トラブルシューティングツールは必ずしもすべてのケースを解決できませんが、原因の切り分け(ドライバー、設定、ハードウェア)に役立ちます。

2. オーディオドライバーを更新する

オーディオドライバーが古い、破損している、あるいは互換性の問題を起こしていると、OSがデバイスを認識できないことがあります。自動更新が無効になっていると更新が行われないため、手動確認が必要です。

Windows Updateで更新を確認する画面

A. Windows Updateを使う(推奨)

  1. Win + I を押して「Settings」を開きます。
  2. 左ペインで「Windows Update」を選択し、「Check for updates」ボタンを押します。
  3. ドライバー更新が検出された場合は指示に従ってインストールします。

B. デバイスマネージャーを使う

  1. Win + S を押して「Device Manager」と入力し、開きます。
  2. 「Sound, video and game controllers(サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー)」を展開します。
  3. 該当するオーディオデバイスを右クリックし、「Update driver」→「Search automatically for drivers」を選択します。

C. 手動でメーカーサイトからドライバーを取得する

  1. オーディオチップセットのメーカー(例: Realtek、Intel、NVIDIA、Conexant など)を確認します。メーカー名はDevice Managerのデバイス名かPC/マザーボードの仕様で確認できます。
  2. メーカー公式サイトの「Support」または「Downloads」セクションから、機種(ノートPC型番、マザーボード型番)とWindowsのバージョンに合う最新ドライバーをダウンロードします。
  3. 取得したインストーラーを実行してPCを再起動します。

オーディオドライバー更新中の画面

補足: 一部のノートPCはメーカー提供のカスタムドライバーを必要とします。汎用ドライバーを入れると機能制限が起きる場合があるので、メーカー版を優先してください。

3. オーディオ出力デバイスを手動で有効化する

デバイスが単に無効になっているケースがあります。OS上で無効化されていれば、再度有効化することで復旧します。

手順:

  1. Win + R を押し、実行ダイアログに mmsys.cpl と入力して Enter を押します。
  2. 「Playback(再生)」タブを開きます。
  3. デバイスが表示されない場合は、タブ内の空白を右クリックして「Show Disabled Devices(無効なデバイスを表示)」にチェックを付けます。
  4. 該当の出力デバイスを右クリックして「Enable(有効化)」を選びます。
  5. 有効にしたら再度右クリックして「Set as Default Device(既定のデバイスとして設定)」を選択します。
  6. Soundダイアログを閉じ、PCを再起動して確認します。

再生デバイスの既定設定画面

重要: 有効化してもリストに出ない場合は、ドライバーやハードウェア障害の可能性が高く、次の「再インストール」ステップに進んでください。

4. オーディオドライバーを再インストールする

ドライバー破損や誤動作を疑う場合は一旦アンインストールしてから最新版をクリーンインストールします。

手順:

  1. Win + S で「Device Manager」を開きます。
  2. 「Sound, video and game controllers」を展開し、対象のデバイスを右クリックして「Uninstall device」を選びます。
  3. 表示される確認ダイアログのオプション(ドライバーソフトウェアを削除する等)が出たら状況に応じてチェックを付けてアンインストールします。
  4. PCを再起動します。
  5. 再起動後、Windows Update が自動でドライバーを再インストールすることがあります。されない場合は、メーカーサイトからドライバーを手動でインストールしてください。

代替案: Windowsの汎用ドライバーを手動で追加する

  1. デバイスマネージャー上で「Action」→「Add legacy hardware」→「Next」を選びます。
  2. 「Install the hardware that I manually select from a list (Advanced)」を選択し「Next」。
  3. 「Sound, video and game controllers」を選び、「Generic USB Audio」などの汎用ドライバーを選択して「Finish」。

汎用オーディオドライバーをインストールする画面

注: 汎用ドライバーは一時的な解決策として有効ですが、メーカー固有の機能(高音質コーデックやマイク増幅など)は提供されないことがあります。

5. オーディオ関連サービスが実行中か確認する

Windowsのオーディオ機能は複数のサービスに依存しています。これらが停止しているとデバイスが認識されないことがあります。

手順:

  1. Win + R を押して services.msc と入力し、Enter。
  2. リストから以下のサービスを探します(名称は英語のシステム表記か日本語表記のどちらかで表示されます)。
    • Windows Audio
    • Windows Audio Endpoint Builder
    • Plug and Play
  3. 各サービスを右クリックして「プロパティ」を開き、Startup type(起動の種類)を「Automatic(自動)」に設定します。
  4. サービスが停止している場合は「Start」をクリックして起動させます。
  5. 変更後、PCを再起動して音声を確認します。

オーディオサービスの有効化画面

ヒント: サービスがすぐに停止する場合は依存関係の問題やドライバーのクラッシュが原因です。イベントビューアー(eventvwr.msc)でエラーを確認してください。

6. BIOS設定を確認する

オンボードオーディオが BIOS(UEFI)で無効になっていると、OSからは存在しないものとして扱われます。BIOSでオンボードオーディオ(オンボードサウンド、Integrated Audio、Audio Controller等)が有効か確認します。

手順:

  1. Settings アプリ → System → Recovery から Advanced Startup の「Restart now」で再起動します。
  2. 再起動後の「Choose an option」画面で「Troubleshoot」→「Advanced Options」→「UEFI Firmware Settings」→「Restart」を選び、BIOS/UEFIに入ります。
  3. BIOSのメニューで「Integrated Peripherals」や「Advanced」「Onboard Devices」などのセクションを探します。
  4. Onboard Audio / Integrated Audio / Audio Controller の項目を探し、「Enabled(有効)」に設定します。
  5. 保存して終了(通常は F10)し、OSを再起動して確認します。

重要: BIOSの操作は機種によって大きく異なります。不安な場合はメーカーのマニュアルを参照してください。

再起動してBIOSに入る手順の画面

追加の確認項目と回避策

  • ハードウェア故障の切り分け: 別のヘッドフォンやスピーカー、もしくは外部USBオーディオアダプタで音が出るか確認します。外部デバイスで音が出る場合は本体のジャックやオンボード回路の故障の可能性が高いです。
  • システムの復元: 最近の更新やドライバー更新で問題が始まった場合、システムの復元ポイントに戻すことを検討します。
  • セーフモードでの確認: セーフモード起動でオーディオデバイスが認識されるかを確認することで、常駐ソフトやドライバー以外の要因を切り分けられます。
  • ウイルス・マルウェアスキャン: 稀にマルウェアがデバイス管理やサービスに悪影響を与えることがあります。最新の定義でフルスキャンを実施してください。

役割別チェックリスト

エンドユーザー(個人):

  • トラブルシューティングツールを実行したか
  • Windows Updateで更新を確認したか
  • Playbackタブでデバイスが無効になっていないか確認したか
  • 別のヘッドホンや外部USBオーディオを試したか
  • PCメーカー/マザーボードメーカーのドライバーを参照したか

IT管理者/サポート担当:

  • イベントビューアーでオーディオ関連のエラーを収集したか
  • ドライバーの配布ポリシー(Windows Updateを拒否していないか)を確認したか
  • 集中的に発生している場合はドライバーのロールバックやグループポリシーの影響を検討したか
  • 交換用ハードウェア(USBオーディオ、外付けサウンドカード)で動作確認を行ったか

早見表(推奨チェック順)

  1. トラブルシューティングツールの実行
  2. Playbackタブでデバイス表示/有効化確認
  3. Device Managerでドライバーの更新(自動)
  4. ドライバーをアンインストールして再インストール
  5. サービス(Windows Audio等)の確認と自動起動設定
  6. BIOSでオンボードオーディオが有効か確認
  7. ハードウェア切り分け(別デバイス/USBオーディオ)

決定フローチャート

次の簡易フローチャートは、問題解決の意思決定を補助します。

flowchart TD
  A[音が出ない/エラー表示] --> B{Playbackタブにデバイスが表示されるか}
  B -- はい --> C{有効になっているか}
  C -- いいえ --> D[有効化して既定に設定し再起動]
  C -- はい --> E[ドライバー更新・再インストール]
  B -- いいえ --> E
  E --> F{サービス(Windows Audio等)は実行中か}
  F -- いいえ --> G[サービスを開始し自動起動に設定]
  F -- はい --> H{BIOSでオンボードオーディオは有効か}
  H -- いいえ --> I[BIOSで有効化して再起動]
  H -- はい --> J[外部USBオーディオで動作するか確認]
  J -- はい --> K[オンボード故障の可能性。修理/交換を検討]
  J -- いいえ --> L[メーカーサポートへ連絡]

1ライン用語集

  • ドライバー: ハードウェアとOSをつなぐソフトウェア。
  • Playbackタブ: サウンドコントロールの再生デバイス一覧画面。
  • BIOS/UEFI: コンピュータ起動時に動作するファームウェア設定。
  • Windows Audio: Windowsのオーディオを管理するサービス名。

テストケース(確認項目)

  • 出力デバイスが表示されることを確認する。
  • 表示されているデバイスが有効かつ既定になっていることを確認する。
  • ドライバーを更新/再インストール後に再起動して音が出ることを確認する。
  • サービスが自動起動に設定され、かつ実行中であることを確認する。
  • BIOSでオンボードオーディオが有効になっていることを確認する。

代替アプローチと対応方針

  • 一時的にUSBオーディオアダプタやBluetoothスピーカーを使用し、作業継続を可能にする。
  • 企業環境では、グループポリシーや管理ツール(SCCM、Intune)でドライバー配布を行い、一括で問題を修正する。
  • ハードウェア故障が疑われる場合は、メーカー保証および修理窓口と連携する。

いつこの手法が失敗するか(想定されるケース)

  • オンボードチップ自体が物理的に故障している場合、ソフトウェア修復は効かない。
  • 非公式の古いドライバーや未対応のカスタムハードウェアが原因の場合、互換性の限界がある。
  • BIOSやUEFIの誤操作で他機能に影響を与えるリスク。

セキュリティとプライバシーの注意点

  • ドライバーをダウンロードするときは必ずメーカー公式サイトを使用してください。非公式サイトからのダウンロードはマルウェア感染やドライバーの不整合を招く恐れがあります。

まとめと推奨される予防策

  • まず自動トラブルシューティングとPlaybackタブの確認を行い、次にドライバー更新→再インストール→サービス確認→BIOSの順で切り分けるのが効率的です。
  • 定期的にWindows Updateを適用し、メーカー提供のドライバーを追跡しておくと再発予防につながります。
  • ハードウェア障害の疑いがある場合は早めに外部デバイスでの代替や修理手配を行ってください。

Image credits: Unsplash. All screenshots by Zainab Falak.

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