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Windows 11でMicrosoft Storeエラーコード 0x00000194 を修正する方法

3 min read トラブルシューティング 更新されました 16 Oct 2025
Windows 11でMicrosoft Storeエラー0x00000194を修正する
Windows 11でMicrosoft Storeエラー0x00000194を修正する

重要な用語: Microsoft Store — Windowsに標準で搭載されるアプリ配信・管理ストア。0x00000194 — Microsoft Store がページを読み込めない際に表示されうるエラーコード。


Microsoft Storeアプリが表示されたWindows 11デバイスの画面

Microsoft Store のエラーコード 0x00000194 は、Microsoft のサポートフォーラムやユーザー報告で広く確認されている問題です。ストア起動時または特定のアプリ/ゲームのプロファイルページを開こうとした際に「ページを読み込めません」や 0x00000194 が表示され、ストアが使えない、あるいは特定ページにアクセスできないという症状が出ます。

この記事は、Windows 11 で 0x00000194 を解消するための実践的で順序立てられた手順を解説します。各セクションには、目的、手順、確認項目、失敗した場合の代替策や注意点を含めています。

何を期待できるか

  • 多くのユーザー報告で有効とされる一般的な修正手順を網羅しています。
  • 手順はリスクの小さい順に並べています(サインイン→設定→システム変更→PowerShell実行)。
  • 管理者向けの追加手順や、組織環境での特有の注意点も補足しています。

Important: PowerShell コマンドを実行する際は、管理者特権で実行してください。誤ったコマンドはシステムに影響を与える可能性があります。

目次

  • サインアウトして再サインイン
  • Microsoft アカウントの名前の変更
  • Microsoft Store アプリ用トラブルシューティングの実行
  • Windows の日時設定を確認する
  • Microsoft Store の修復とリセット
  • Windows アプリの再登録(Reregister)
  • プロキシの無効化
  • Microsoft Store の再インストール
  • 代替のアプローチと検証手順
  • 役割別チェックリスト(一般ユーザー / 管理者 / IT 担当)
  • 決定フロー(トラブルシューティングの流れ)
  • 受け入れ条件とテストケース
  • まとめ

1. サインアウトして再サインイン

目的: アカウントセッションや一時的な認証トークンの不整合を解消する

多くの一時的なストアエラーは、サインアウトして再サインインするだけで解決する場合があります。手順は簡単です。

手順:

  1. Microsoft Store アプリを開きます。
  2. 画面右上のプロフィールボタンをクリックします。
  3. 「サインアウト」を選択します。
  4. ストアを閉じ、再度起動してプロフィールメニューを開きます。
  5. 「サインイン」をクリックします.

サインインオプションの表示

  1. 使用する Microsoft アカウントを選び、画面の指示でログインを完了します。

注意:

  • 組織アカウント (Azure AD) を使用している場合、管理者ポリシーが影響することがあります。社内のIT部門に問い合わせてください。
  • サインインに失敗する場合はネットワーク接続やプロキシの設定も確認してください(後述)。

2. Microsoft アカウント名を変更する

目的: アカウント情報のメタデータ(氏名など)に関わる不整合を修正する

稀に、Microsoft アカウントの表示名に関連した不具合がストアの読み込みに影響することが報告されています。対処は以下の通りです。

手順:

  1. Microsoft Store からログアウトします。
  2. ブラウザで Microsoft アカウント管理ページ(account.microsoft.com)にログインします。
  3. 「情報」タブ(Your Info)を開きます。
  4. 「名前を編集」または「Edit name」を選択します。

名前編集オプション

  1. 姓や名を短縮して変更してみます(例: 姓を最初の一文字にするなど)。

名前編集の入力欄

  1. 保存し、Microsoft Store に戻って再サインインします。

注意:

  • この手順は全員に必要ではありませんが、一部のユーザー報告で有効だったため、簡単に試せるオプションとして載せています。
  • 変更が反映されるまで時間がかかる場合があります。

3. Microsoft Store アプリ用トラブルシューティングを実行する

目的: Windows の組み込みトラブルシューティングツールで自動検出・修復を試みる

Windows 11 には「Windows Store Apps」トラブルシューターがあり、これが 0x00000194 の原因を特定・修復することがあります。

手順:

  1. スタートを右クリックして「設定」を開く、または Win + I を押します。
  2. 「システム」タブを開き、「トラブルシューティング」を選択します。
  3. 「その他のトラブルシューティング」をクリックして一覧を表示します。

その他のトラブルシューティングのオプション

  1. 「Windows Store Apps(またはWindows ストア アプリ)」の「実行」ボタンを押します。

Windows Store Appsの実行ボタン

  1. 指示に従い、提示された修復案を適用します。

注意:

  • トラブルシューターは万能ではありませんが、問題のある構成や権限不整合、ファイル破損の検出に役立つことが多いです。

4. Windows の日時設定を確認する

目的: システム時刻がずれていると認証やTLS接続に失敗し、ストアの読み込みエラーにつながることがある

手順:

  1. 設定を開きます(Win + I)。
  2. 左側メニューで「時刻と言語」を選び、「日付と時刻」に進みます。

日付と時刻のナビゲーション

  1. 「時刻を自動的に設定する」をオンにします。

時刻を自動的に設定するオプション

  1. 「タイムゾーンを自動的に設定する」もオンにして、設定を保存した後にシステムを再起動します。

注意:

  • 手動で時刻を調整している場合、NTP(ネットワーク時刻プロトコル)で同期するように戻すと問題が解消することがあります。

5. Microsoft Store の修復とリセット

目的: アプリレベルの壊れたキャッシュや破損したデータを修復する

修復はアプリデータに影響を与えないため、まず「修復」を試してください。効果がない場合は「リセット」を実行します(リセットはアプリデータを消去します)。

手順:

  1. 設定 > アプリ > アプリと機能 を開きます。
  2. Microsoft Store の右側にある三点メニューをクリックし、「詳細オプション」を選択します。

詳細オプションのメニュー

  1. 「修復」ボタンを押し、問題が解消するか確認します。
  2. 解消しない場合は「リセット」を押し、確認ダイアログで再度「リセット」を実行します。

修復とリセットのオプション

注意:

  • リセット後は再サインインが必要になる場合があります。
  • 組織管理下の端末は、ポリシーでリセットが制限されていることがあります。

6. Windows アプリを再登録する(Reregister)

目的: 組み込みアプリケーションの登録情報が不整合な場合に再登録で修復する

PowerShell を管理者として実行し、組み込みアプリを再登録します。以下のコマンドはシステムにインストール済みのストア関連パッケージを再登録します。

手順:

  1. Win + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
  2. 「PowerShell」と入力し、Ctrl + Shift + Enter で管理者権限の PowerShell を起動します。
  3. 以下のコマンドをコピーして貼り付け、Enter を押します:
Set-ExecutionPolicy Unrestricted -Scope Process -Force
Get-AppXPackage -AllUsers | Foreach { Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml" }

アプリ再登録コマンドの表示

  1. 実行後、システムを再起動して Microsoft Store を確認します。

注意:

  • コマンドは全ユーザーのアプリを対象に再登録を行います。実行に時間がかかる場合があります。
  • エラーが表示された場合は、そのエラーメッセージをコピーして検索するか、管理者へ報告してください。

7. 有効なプロキシを無効化する

目的: プロキシや中間プロキシがネットワーク接続を阻害し、ストアとの通信が失敗する場合に対応する

プロキシは社内環境や専用ソフトで自動的に設定されていることがあります。個人用の端末でプロキシが有効になっているのに心当たりがない場合は、マルウェアの可能性もあるため注意してください。

手順(設定経由):

  1. Win + I で設定を開きます。

  2. 「ネットワークとインターネット」を選び、「プロキシ」をクリックします。

  3. 「手動プロキシ設定」または「プロキシのセットアップ」を探し、「プロキシサーバーを使う」をオフにします。

プロキシのセットアップボタン

プロキシサーバーを使う設定

  1. 「保存」をクリックし、必要ならシステムを再起動します。

手順(インターネット オプション経由):

  1. 検索で inetcpl.cpl を検索して開きます。
  2. 「接続」タブを開き、「LAN の設定」をクリックします。
  3. 「LAN にプロキシ サーバーを使用する」のチェックを外し、「OK」を押します。

LAN のプロキシ設定

注意:

  • 企業ネットワークではプロキシが必須の場合があります。無効化する前にネットワーク管理者に確認してください。
  • 不審なプロキシ設定があった場合は、Windows セキュリティや Malwarebytes 等でマルウェアスキャンを行ってください。

8. Microsoft Store を再インストールする

目的: インストールされている Microsoft Store の構成やファイルが破損している場合に、再インストールで修復する

Settings にはストアのアンインストールオプションが表示されないため、PowerShell を用いて再登録/再インストールします。

手順:

  1. 管理者として PowerShell を起動します(手順は再登録と同じ)。
  2. 以下のコマンドを実行します:
Get-AppxPackage -AllUsers Microsoft.WindowsStore | Foreach { Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml" }

Microsoft Store の再インストールコマンド

  1. コマンドが成功したら、PC を再起動してストアを確認します。

注意:

  • 企業ポリシーで一部のコマンドが制限されている場合があります。
  • コマンド実行中にアクセス拒否やファイル見つからない等のエラーが出た場合、ログを保存して管理者に提供してください。

代替のアプローチと検討事項

  • ネットワーク診断: プロキシだけでなく、DNS の問題(例: カスタム DNS、ISP 側の問題)やファイアウォールが原因であることがあります。別のネットワーク(モバイルホットスポット)に接続して同現象が再現するか試してください。
  • 別ユーザーでテスト: 新しいローカルユーザーまたは別の Microsoft アカウントでログインして問題が再現するか確認します。再現しない場合はユーザーアカウント固有の問題です。
  • システムの復元: 最近の更新やソフトウェアインストール後に発生した場合、システムの復元ポイントが有効なら復元を検討します。
  • セーフモードでのチェック: セーフモードやクリーンブートでストアが正常に動作すれば、スタートアップ項目やサードパーティ製ソフトが原因です。

当てはまらない/失敗するケースの例(カウンタ―エグザンプル):

  • 企業で管理された端末で、グループポリシーによってストア接続がブロックされている場合、上記手順では解決しません。管理者にポリシーの確認を依頼してください。
  • ストアのサービス側(Microsoft 側)の障害である場合、ローカルでできる対処は限られます。公式のサービス障害情報や DownDetector を参照してください。

役割別チェックリスト

ユーザー(個人):

  • サインアウト/サインインを試す
  • 日時を自動設定にして再起動
  • プロキシを無効化して再試行
  • ストアの修復→リセット
  • PowerShell は管理者権限で実行(必要時)

IT 管理者/サポート:

  • グループポリシーで Microsoft Store の設定を確認
  • ネットワーク ACL、プロキシ、ファイアウォールログを精査
  • Endpoint 管理(Intune 等)でアプリケーションの配布設定を確認
  • 必要ならログ収集(イベントビューア、PowerShell 実行ログ)を指示

エンタープライズ ネットワーク担当:

  • プロキシや中間SSLインスペクションがストア通信を中断していないか確認
  • TLS/SSL 証明書のチェーンやミドル証明書の導入に問題がないか検査

トラブルシューティングの決定フロー(簡易フローチャート)

flowchart TD
  A[問題発生: 0x00000194 表示] --> B{まずは基本対応}
  B --> C[サインアウト→サインイン]
  C --> D{直ったか?}
  D -- はい --> Z[完了]
  D -- いいえ --> E[日時設定を確認]
  E --> F[ストア修復→リセット]
  F --> G{直ったか?}
  G -- はい --> Z
  G -- いいえ --> H[プロキシ/ネットワーク確認]
  H --> I[PowerShell で再登録]
  I --> J{直ったか?}
  J -- はい --> Z
  J -- いいえ --> K[再インストールまたはシステム復元]
  K --> L{直ったか?}
  L -- はい --> Z
  L -- いいえ --> M[IT/管理者へ報告]
  M --> Z

受け入れ条件とテストケース

受け入れ条件(Критерии приёмки の日本語版):

  • Microsoft Store を起動し、任意のアプリ/ゲームのページが「Page could not be loaded」や 0x00000194 エラーを発生させず正常に表示されること。
  • サインイン状態でストアのダウンロードや更新が問題なく実行できること。

テストケース:

  1. サインアウト→サインイン後に特定アプリページを開く(期待: 正常表示)
  2. 日時設定を自動化してからストアを起動(期待: 正常表示)
  3. 修復実行後、ストアの更新を試行(期待: 更新が進行)
  4. プロキシをオフにしてからストアを起動(期待: 接続が改善)
  5. PowerShell で再登録後、ストアを起動(期待: エラー消失)

ロールバック手順(SOP の一部)

PowerShell などで変更を加えた後、問題が悪化した場合の簡易ロールバック:

  1. 変更前に作成したシステム復元ポイントがあれば復元する。
  2. 作業で変更した設定(プロキシ、日時、アカウント名)を元に戻す。
  3. 管理者が行った変更はログを確認し、必要に応じて元の構成に戻す。

注: 直接的に “unregister” する標準的な一括コマンドはないため、重大な変更を行う前に必ずバックアップや復元ポイントを作成してください。


小さな事実ボックス

  • 発生源: 主にクライアント側の認証・ネットワーク・アプリ構成の不整合に起因することが多い。
  • 影響範囲: 個別端末で再現するケースが多いが、企業ネットワークではグループポリシーが関与する場合がある。

1行用語集

  • Microsoft Store: Windows に搭載されるアプリストア。
  • PowerShell: Windows の高度なコマンドラインシェル/スクリプト環境。
  • プロキシ: ネットワーク通信を中継するサーバー。

まとめ

本記事で紹介した手順は、サインイン関連の不整合、日時同期の問題、アプリデータの破損、プロキシ設定、アプリの登録情報不整合など、Microsoft Store の 0x00000194 エラーに対する主要な原因を順番に検査・修復するものです。まずはリスクの小さい操作(サインアウト/日時設定/トラブルシューター)から試し、効果が無ければ修復→リセット→PowerShell を使った再登録や再インストールへと進めてください。企業環境ではポリシーやネットワーク構成が原因のことが多いため、管理者と連携して対処してください。


サインイン画面の例: アカウントを選択して続行する

重要: 上記の手順のいくつかは管理者権限や組織の許可が必要です。変更を行う前に必ずバックアップや復元ポイントを作成し、IT 管理者と相談してください。

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