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Dropboxのconflicted copyを解消する方法

2 min read トラブルシューティング 更新されました 14 Sep 2025
Dropboxのconflicted copyを解消する方法
Dropboxのconflicted copyを解消する方法

重要: 「conflicted copy」は同じファイルを複数ユーザーが同時に編集したときにDropboxが自動で作る別バージョンです。元のデータが失われるわけではありませんが、統合作業が必要です。

概要 — conflicted copyとは何か

Dropboxの「conflicted copy」は、同じファイルが複数のユーザーやデバイスで同時に編集されたときに生成される別バージョンです。Dropboxは安全側に倒して両方(または複数)の編集結果を保持しますが、そのままではどれが正しいか分かりません。ここでは原因、予防策、手動での解決手順、運用ルール(SOP)とチェックリスト、トラブル時の意思決定フローを説明します。

目次

  • 予防の基本原則
  • 手順1: 編集するファイルをDropbox外へ移動する
  • 手順2: 閲覧のみで共有する
  • 手順3: Google Docsで差分を比較する
  • 手順4: Conflicted Copy Resolverで整理する
  • 追加の代替手段と運用ルール
  • いつうまくいかないか(反例)
  • ロール別チェックリスト
  • 決定フロー(図)
  • 短い用語集
  • まとめ

予防の基本原則

  • 先にロック(編集専用にする)か、ファイルをオフラインへ移す。これが最も確実な予防策です。
  • 共有時は初めから役割を決める(編集者と閲覧者を分ける)。
  • 大きな文書や重要ファイルはバージョン管理のポリシーを定めておく。

手順1: 編集するファイルをDropbox外へ移動する

説明: 編集開始前にファイルを一時的にDropboxフォルダから自分のローカルフォルダへ移動します。これにより他の共有相手が編集できなくなり、競合発生を回避できます。

手順:

  1. Dropboxアプリがインストールされている場合は、エクスプローラー(Windows)やFinder(Mac)でファイルを選択します。
  2. ファイルをDropboxフォルダの外の任意のローカルディレクトリへドラッグ&ドロップします。
  3. 編集が終わったらファイルをDropboxフォルダへ戻します。

画像:

編集前にファイルをDropboxフォルダから移動する画面のスクリーンショット

ノート: オフラインで作業するときは、最新版を必ず先にダウンロードしてください。ネットワーク同期が原因で古いコピーで上書きされるリスクを避けます。


手順2: 閲覧のみで共有する

説明: 共有相手の権限を「Can view(閲覧のみ)」に変更します。これで自分が編集している間、他の人が編集できなくなります。

手順:

  1. ブラウザでDropboxを開きます。
  2. 編集するファイルの上にカーソルを合わせます。
  3. そのファイルの「Share」ボタンをクリックします。

共有設定の「Can edit」を「Can view」に切り替えるボタンのスクリーンショット

  1. 「Can edit」をクリックして、代わりに「Can view」を選びます。
  2. 共有する相手のメールアドレスを入力します。
  3. 「Share」ボタンを押します。

ノート: 企業やチームでDropbox Businessを使っている場合は、管理者がデフォルト共有権限を設定できます。運用ルールとして、重要ファイルは編集時に必ず閲覧専用にすることを推奨します。


手順3: Google Docsで差分を比較する

説明: 既に複数のconflicted copyが存在する場合、Google Docsの「Compare documents」機能を使って差分を可視化し、どの変更を保持するかを判断できます。

前提: Googleアカウントが必要です。比較対象のファイルをGoogle Driveにアップロードできること。

手順:

  1. Googleアカウントを作成(未所持の場合)。
  2. ブラウザでGoogle Docsを開きます。
  3. Docsで「File」>「Open」をクリックします。
  4. 「Upload」タブを選択して「Select a file from your device」でDropboxのconflicted copyを選びます。
  5. 「Open with Google Docs」を選択してファイルをDocsで開きます。
  6. 元の形式でない場合は「File」>「Save as Google Docs」で保存します。
  7. 「Tools」>「Compare documents」を選択して比較ツールを開きます。

画像:

Google DocsのCompare documents機能で差分が赤線で示されているスクリーンショット

  1. 「My Drive」をクリックして比較対象のconflicted copyを選びます(Driveにない場合は先にアップロード)。
  2. 「Open」を押すと差分が表示されます。差分は赤い取り消し線や置換候補として表示され、右側に置換ノートが出ます。

画像:

Compare documentsの結果、差分が赤い取り消し線で表示され、右側に置換ノートがあるスクリーンショット

運用ヒント: 大きなドキュメントでは章ごとに比較してマージする方が安全です。


手順4: Conflicted Copy Resolverで整理する

説明: Conflicted Copy Resolver(CCR)はDropboxの競合ファイルを検出して整理できるウェブアプリです。自動で整理するか手動で詳細表示して個別に処理できます。

手順:

  1. Conflicted Copy Resolverのページをブラウザで開きます。

Conflicted Copy Resolverの画面キャプチャ(競合ファイルの一覧)

  1. 「Tidy Up My Dropbox」ボタンをクリックします。
  2. 表示される許可画面で「Allow」を押します(Dropboxアカウントへのアクセスを許可します)。
  3. CCRが競合ファイルを検出すると、3つの選択肢を提示します。
    • Keep Original(元を維持): 新しい競合コピーを削除します。
    • Keep Newest(最新を維持): 古いオリジナルを削除します。
    • Detail View(詳細表示): 個別に比較・確認して手動で解決します。

注意: 自動で削除を選ぶとファイルが消えるため、必ずバックアップまたはDriveへのコピーを取ってから実行してください。


追加の代替手段

  • バージョン管理ツールを使う: Gitや専用のドキュメント管理システムを導入して、複数人編集を前提としたワークフローに切り替える。
  • 共同編集対応のオンラインエディタを使う: Google DocsやOffice 365のように同時編集の競合を最小化するツールに移行する。
  • ファイルロック機能を利用する: いくつかのサービスや企業向けDropboxプランではファイルロックやチェックアウト機能があります。これを運用で活用します。

いつうまくいかないか(反例)

  • オフラインで古いコピーを編集して再びDropboxに戻したとき、ネットワーク同期が古いバージョンで上書きされると元データが欠落する場合があります。
  • 大容量ファイル(数百MB以上)ではCCRや比較ツールが正常に動作しないことがあります。別途ローカルでの比較ツールを使ってください。
  • 権限設定が複雑なチーム環境では、権限変更だけでは誤操作を完全に防げないことがあります。

ロール別チェックリスト

編集者(個人):

  • 編集前にDropboxから移動するか、共有を閲覧のみへ変更する。
  • 編集後、必ず最新をDropboxへアップロードする。
  • 重大な変更はPull Requestやレビューで確認する。

チーム管理者:

  • 共有ポリシーを文書化する(編集者/閲覧者の定義)。
  • Conflicted Copyの定期チェックをスケジュール化する。
  • 自動整理ツール(CCRなど)をテストしてから運用に組み込む。

IT管理者:

  • 企業向けのファイルロックやチェックアウト機能の有無を確認する。
  • バックアップと復元の手順を整備する。

決定フロー

以下は、conflicted copyを見つけたときの簡易意思決定フローです。

flowchart TD
  A[conflicted copyを検出] --> B{ファイルが重要か?}
  B -- はい --> C[バックアップを作成]
  B -- いいえ --> D[CCRで自動整理を検討]
  C --> E{複数の編集者がいるか}
  E -- はい --> F[Google Docsで差分比較]
  E -- いいえ --> D
  F --> G[マージして最終版を保存]
  D --> H[自動でKeep Original/Keep Newestを選択]
  H --> I[完了]
  G --> I

運用SOP(簡易プレイブック)

  1. 共有前: 重要ファイルは最初に編集者を1人に決めるか、オンライン共同編集ツールを使用する。
  2. 編集中: 編集者はファイルをDropboxの外へ移動するか、共有を閲覧のみへ設定する。
  3. 編集後: 編集者はレビューを得たうえでDropboxへ戻す。
  4. 定期メンテ: 週次でConflicted Copyを検索し、CCRで整理または手動でマージする。

セキュリティとプライバシーの注意

  • Conflicted Copy ResolverやサードパーティーツールにDropboxへのアクセスを許可する前に、ツールの権限範囲とプライバシーポリシーを必ず確認してください。
  • 機密データを含むファイルは、外部ツールへアップロードしない運用にするか、組織の承認ポリシーに従ってください。

用語集(1行ずつ)

  • conflicted copy: 同時編集でDropboxが作成する別バージョン。元のファイルと競合するコピー。
  • CCR: Conflicted Copy Resolverの略。競合ファイルを検出・整理するWebアプリ。
  • Compare documents: Google Docsの文書比較機能。

よくある質問

Q: Conflicted Copy Resolverはファイルを完全に削除しますか?

A: 自動オプションで削除を選べばファイルは削除されます。操作前にバックアップを必ず取り、詳細表示で個別確認することを推奨します。

Q: Google Docsで比較した後の最終版はどの形式で保存すべきですか?

A: チームで利用するツールに合わせて保存してください。共同編集を続けるならGoogle Docs形式、最終納品物ならWordやPDFとしてエクスポートします。


まとめ

Dropboxのconflicted copyは予防が最も簡単かつ安全です。編集時はファイルを一時的にDropbox外へ移動するか、共有を閲覧のみへ変更して競合を防ぎましょう。既に発生している場合は、Google Docsで差分を見比べるか、Conflicted Copy Resolverで整理する方法が実用的です。運用ルールと定期的なチェックを組み合わせれば、競合発生とそれに伴う作業コストを大幅に減らせます。


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