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Microsoft Intune のエラーコード 80192EE7 を解決する方法

3 min read IT管理 更新されました 27 Sep 2025
Intune エラー 80192EE7 の原因と対処法
Intune エラー 80192EE7 の原因と対処法

Intune でエラーコード 80192EE7 を修正する手順の概略図

重要: 画像は手順の概略を示しています。実際の操作は環境によって異なる場合があります。

目次

  • 何が起きているか(概要)
  • どのように 80192EE7 を直すか
      1. Windows エディションとライセンスを確認する
      1. Windows Information Protection (WIP) の設定を調整する
      1. ネットワークと DNS の問題を解決する
      1. デバイスを切断して再登録する
  • トラブルシューティングの優先順(SOP)
  • 管理者向けチェックリスト
  • エンドユーザー向けチェックリスト
  • 失敗するケースと代替アプローチ
  • マインドセットと判別のための短い指針
  • FAQ(よくある質問)
  • まとめ

何が起きているか(概要)

エラー 80192EE7 は、主に「デバイスが組織のデバイス管理(MDM)に登録できない」ことを示します。表示されるメッセージは通常「このデバイスにアカウントを設定できませんでした。デバイス管理を有効にできませんでした。」のような内容です。

原因の大半は次のどれかです:

  • WIP(Windows Information Protection)ポリシーがデバイスの登録を阻止している
  • アカウントに適切な Intune ライセンスが割り当てられていない
  • ネットワークや DNS による Microsoft 登録サービスへの接続障害
  • デバイス側が Windows Home のようにサポート外のエディションである
  • 古い登録情報が残っている

どのように 80192EE7 を直すか

以下は優先度が高い順に並べた手順です。まずは「1 → 2 → 3 → 4」の順で確認してください。

1. Windows エディションとライセンスを確認する

  • 確認方法: [設定] > [システム] > [バージョン情報] でエディションを確認します。
  • 要点: Intune は Windows Home をサポートしません。Windows 10/11 の Pro、Enterprise、Education が必要です。
  • ライセンス: IT 管理者にユーザーに対して Intune(Microsoft Intune)ライセンスが割り当てられているか確認してもらってください。ライセンスがないと登録できません。

重要: 自分でライセンスを追加する権限がない場合は、組織の IT 管理者に依頼する必要があります。

2. Windows Information Protection (WIP) の設定を調整する

これは最もよく効く対処法の一つです。

手順(Azure ポータル):

  1. Azure ポータルにサインインします。
  2. [Microsoft Entra ID](以前の Azure AD)を開きます。
  3. [Mobility (MDM and WIP)] を選択し、[Microsoft Intune] を開きます。
  4. 「Windows Information Protection (WIP) user scope」を探します。
  5. 値を「None」(または該当する無効化する設定)に変更します。
  6. 保存してから、デバイスで再度登録を試みます。

注: 組織のセキュリティ要件により WIP を無効化できない場合は、IT ポリシーを調整する別の方法(例: 特定デバイスの例外ルール)を検討してください。

代替手順: Intune コンソール側で WIP を調整することも可能です。ポリシー名や割り当てを見直して、対象デバイスに不要な制限がかかっていないか確認してください。

3. ネットワークと DNS の問題を解決する

接続障害が原因で登録エンドポイントに到達できないケースはよくあります。

基本チェック:

  • インターネット接続が安定しているか確認する(有線が望ましい)。
  • 一時的にファイアウォールやウイルス対策ソフトを無効にして試す(終了後は必ず再有効化)。
  • 可能なら別のネットワーク(モバイルホットスポットや別の Wi-Fi)で試す。

コマンド(管理者権限のコマンドプロンプト):

ipconfig /flushdns
netsh winsock reset
ipconfig /release
ipconfig /renew

追加チェック:

  • nslookup で Intune の登録エンドポイント(例: enterpriseregistration.windows.net や login.microsoftonline.com)に名前解決できるか検証します。
  • プロキシや VPN がある場合はそれが障害になっていないか確認します。

注意: 特に企業ネットワークでは、セキュリティ機器が特定のエンドポイントやポートをブロックしている場合があります。管理者に確認してください。

4. デバイスを切断して再登録する

古い登録データや破損したトークンが残っていると再登録が失敗します。

エンドユーザー手順:

  1. [設定] > [アカウント] > [職場または学校にアクセスする] を開きます。
  2. 問題のアカウントを選び、[切断] を実行します。
  3. デバイスを再起動します。
  4. 再度 [職場または学校にアクセスする] からアカウントを追加します。

高度なリセット(管理者または電源ユーザー向け):

dsregcmd /leave

コマンド実行後、再起動してから登録を再試行します。

追加: Company Portal アプリを利用している場合は、アプリからサインアウトしてアプリデータをクリア([設定] > [アプリ] > Company Portal > ストレージのクリア)し、再インストールしてから再登録する方法も有効です。

トラブルシューティングの優先順(SOP)

  1. Windows エディションとライセンスを確認
  2. Azure ポータルで WIP ユーザースコープを None に設定
  3. ネットワーク(DNS、プロキシ、ファイアウォール)を確認
  4. デバイスを切断して dsregcmd /leave → 再起動 → 再登録
  5. ログ調査(イベント ビューア: Microsoft-Windows-DeviceManagement-Enterprise-Diagnostics-Provider の Operational ログ)
  6. IT にトラブルチケットを提出(エラーメッセージ、時間、試した手順を添えて)

管理者向けチェックリスト

  • ユーザーに Intune ライセンスが割り当てられている
  • Azure AD の MDM 登録設定が正しい(Scope が期待通り)
  • WIP ポリシーが過度に制限していないか確認
  • ネットワーク機器で必要な Microsoft エンドポイントが許可されている
  • デバイスの OS エディションとバージョンがサポート対象
  • ユーザーからのスクリーンショット、日時、ログを収集

エンドユーザー向けチェックリスト

  • デバイスが Pro/Enterprise/Education であるか確認
  • ネットワークを切り替えて再試行
  • Company Portal からサインアウト、アプリの再インストール
  • 設定 → 職場または学校からアカウントを切断 → 再起動 → 再登録
  • 上記で解決しない場合はスクリーンショットを取り IT に報告

失敗するケースと代替アプローチ

  • もし組織がセキュリティ上の理由で WIP を変更できない場合: 対象デバイスの例外を設けるか、別の登録方式(AUTOPILOT や Co-management)を検討します。
  • ネットワーク側でブロックが解除できない場合: 一時的に異なるネットワーク(家庭用の有線回線や携帯テザリング)で登録を行い、その後企業ネットワークに戻す運用を採ることがあります。
  • ライセンスが原因であれば、ライセンスを付与するまで待つしかありません。管理者に問い合わせてください。

マインドセット:どこから着手するかの判断基準

  • 端末が Home なら最初にエディション確認
  • WIP による阻害が疑われるときは Azure の設定確認を最優先
  • ネットワークの疑いがあるなら、まず別ネットワークで試す(原因切り分けが速い)

トラブルシューティング・フローチャート

flowchart TD
  A[開始: エラー 80192EE7 発生] --> B{Windows エディションは?}
  B -->|Home| C[Pro/Enterprise/Education へアップグレード]
  B -->|Pro/Ent/Edu| D[次へ: ライセンス確認]
  D --> E{Intune ライセンスあり?}
  E -->|いいえ| F[管理者にライセンス付与を依頼]
  E -->|はい| G[Azure ポータルで WIP 設定確認]
  G --> H{WIP user scope が制限中?}
  H -->|はい| I[WIP を None に変更して再試行]
  H -->|いいえ| J[ネットワーク/DNS を確認]
  J --> K{解決した?}
  K -->|はい| L[登録成功]
  K -->|いいえ| M[dsregcmd /leave → 再起動 → 再登録]
  M --> N{解決した?}
  N -->|はい| L
  N -->|いいえ| O[管理者にログと情報を提供して支援要請]

短い用語集(1行定義)

  • Intune: Microsoft のクラウド型モバイル/デバイス管理サービス。
  • WIP: Windows Information Protection。企業データ保護のための機能で、設定によって登録を阻害することがある。
  • dsregcmd: Azure AD のデバイス登録コマンドラインツール(/leave でデバイスを登録解除)。

FAQ(よくある質問)

Intune でエラー 80192EE7 は何を意味しますか? デバイスが Intune に登録できなかったことを示します。登録のための通信、ライセンス、あるいはポリシーが原因です。

「このデバイスにアカウントを設定できませんでした」と表示されるのはなぜ? 多くはポリシー設定(WIP など)、ライセンス不足、ネットワーク障害のいずれかです。

「問題が発生しました」エラーの一般的な対処法は? Azure ポータルで WIP のユーザースコープを None にすることが最も一般的な解決策です。その他、ライセンスやネットワークの確認、デバイスの再登録も有効です。

Windows Home を Intune に登録できますか? いいえ。Windows Home は Intune 登録に必要な企業機能を提供していません。Pro、Enterprise、または Education が必要です。

まとめ

  • エラー 80192EE7 は登録失敗を示すエラーで、WIP 設定、ライセンス、ネットワーク、デバイスエディション、残存データのいずれかが原因です。
  • 優先的に行うこと:エディション確認 → ライセンス確認 → WIP を None に設定 → ネットワーク検査 → dsregcmd /leave で再登録。
  • 解決しない場合は、ログ情報と試した手順を添えて管理者に連絡してください。

重要: 変更を加える前に、組織の IT ポリシーやセキュリティ要件を確認してください。不明点があれば管理者に相談してください。

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