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Windows ServerでDNSを設定する方法

2 min read サーバー管理 更新されました 27 Sep 2025
Windows ServerでDNSを設定する方法
Windows ServerでDNSを設定する方法

Windows ServerのDNS管理コンソールスクリーンショット

Windows ServerでのDNS設定は、ドメイン名をIPアドレスに解決するために不可欠です。正しく設定することで、ネットワークとアプリケーションの接続性が安定します。ここではGUI(Server Manager)とPowerShellの両方に触れ、導入から運用までの実務的なポイントをまとめます。

準備: 何を決めるべきか

  • ドメイン名(ゾーン名): 例 example.local や example.com。
  • ゾーンの種類: プライマリ(Active Directory統合可)、セカンダリ、スタブなど。
  • 管理者アカウント: サーバーに管理者権限でサインインできること。
  • ネットワーク設定: 静的IPの推奨、DNSリスニングインターフェースの確認。

重要: Active Directoryを利用する場合は、DNSが正しく動作していることがADの健全性に直結します。

Windows ServerでDNSを設定する手順(GUI)

  1. 管理者権限でサーバーにログインします。
  2. スタートメニューから「Server Manager」を起動します。
  3. 右上の「Manage」をクリックし、「Add Roles and Features」を選択します。
  4. 「Role-based or feature-based installation」を選び「Next」を押します。
  5. サーバープールから設定するサーバーを選択し「Next」を押します。
  6. ロールの一覧で「DNS Server」にチェックを入れ、「Next」をクリックして指示に従いインストールします。
  7. インストール完了後、Server Managerの「Tools」メニューから「DNS」を開きます(DNS Managerコンソール)。
  8. 左ペインで「Forward Lookup Zones」を右クリックし「New Zone」を選択します。ウィザードに従ってプライマリゾーンを作成します。
  9. ゾーン名を入力(通常はドメイン名)、ゾーンタイプは「Primary Zone」を選択しウィザードを完了します。
  10. 作成したゾーンを右クリックし「New Host (A or AAAA)」でホスト名とIPアドレスを登録します。

PowerShellで素早く設定する例

PowerShellは自動化やスクリプト適用に便利です。以下は基本的な例です。

# DNS サーバーの役割をインストール
Install-WindowsFeature -Name DNS -IncludeManagementTools

# プライマリフォワードゾーンを作成
Add-DnsServerPrimaryZone -Name "example.local" -ZoneFile "example.local.dns" -DynamicUpdate Secure

# Aレコードを追加
Add-DnsServerResourceRecordA -Name "web" -ZoneName "example.local" -IPv4Address "192.0.2.10"

注: コマンドは環境に合わせて値を変更してください。

よくある構成パターンと代替案

  • 単一DCでのAD統合DNS: 小規模環境で簡便ですが、冗長性は低下します。
  • DNSフォワーダーを使用: 組織内DNSは内部名解決、外部は上位のフォワーダー(ISPや社内リゾルバ)に委任します。
  • BINDやCoreDNSなど別実装を使用: 既存Unix系インフラと統合したい場合の代替。

トラブルシューティングの手順(短いフロー)

  1. まずサーバーのネットワーク接続とIP設定を確認します。
  2. サービスの状態を確認: DNS Serverサービスが実行中か。
  3. nslookupやResolve-DnsNameで名前解決をテストします。
  4. イベントビューアーのDNSエラーを確認します。
  5. 転送設定やACLでクライアントのアクセスを制限していないか確認します。

最低限のコマンド例:

Resolve-DnsName example.local
Get-Service -Name "DNS"

セキュリティと運用上の注意点

  • DNSサーバーは通常のネットワークサービスより攻撃対象になりやすいので、OSの最新パッチを適用してください。
  • 不要なゾーン転送を無効にする(必要な先にのみ許可する)。
  • DNSキャッシュポイズニング対策としてDNSSECの導入を検討してください(内部運用では設計が必要)。
  • 管理系操作は監査ログを残す。PowerShellの実行履歴やセキュリティイベントを保存します。

重要: 公開DNSと内部DNSを分離し、内部ゾーンを社内ネットワーク内に限定するのが一般的です。

運用チェックリスト(役割別)

  • インフラ管理者:
    • サーバーパッチの適用スケジュールを管理
    • バックアップ(ゾーンファイル / AD統合の場合はADバックアップ)の確認
    • 冗長構成(複数DNSサーバー)を設計
  • ネットワーク管理者:
    • ファイアウォールでDNSポート(53/TCP,53/UDP)を適切に制御
    • フォワーダー設定の整合性を確認
  • セキュリティ担当:
    • 監査ログとアクセス制御をレビュー
    • DNSSEC, TSIGの採用検討

受け入れ基準(Критерии приёмки)

  • サーバーが管理者によってインストールされ、DNSサービスが起動している。
  • 指定したゾーンに対してA/AAAAレコードが正しく解決される。
  • クライアントから名前でリソースにアクセスできる。
  • イベントログに重大なエラーがない。

テストケース(例)

  • クライアントPCから Resolve-DnsName コマンドでゾーン名が解決されること。
  • ラウンドロビン等のレコードを追加し、複数の応答が返ることを確認する。
  • 不正なゾーン転送要求が拒否されることを確認する。

役に立つ短いテンプレート(導入計画)

  • 目的: 内部名前解決基盤の構築
  • 対象サーバー: サーバー名、IP、ロケーション
  • ゾーン設計: ゾーン名、動的更新の可否、AD統合の有無
  • 冗長性: 予備DNSサーバーの配置
  • ロールバック: 変更前スナップショットと復旧フロー

よくある失敗例と回避法

  • 問題: DHCPでDNSサーバーに動的に割り当ててしまい、IPが変わる。 回避: DNSサーバーは静的IPにする。
  • 問題: フォワーダー設定ミスで外部解決ができない。 回避: フォワーダーのアドレスをテストしてから運用へ移行する。

まとめ

DNSはネットワークの基盤です。Windows ServerではGUIとPowerShellの両方で設定可能で、導入後は冗長化、監査、セキュリティ対策が重要になります。Active Directoryを使用する場合は特にDNSの健全性を優先してください。

重要な次のステップ: 運用用チェックリストに基づき、バックアップ、監視、パッチ適用の運用プロセスを整備してください。

FAQ

Windows ServerのDNSとは何ですか?

DNS(Domain Name System)はドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みです。Windows Server上のDNSはWindowsのサービスとして動作し、社内外の名前解決を行います。

Windows ServerでDNSを構成するには?

Server ManagerでDNS Serverロールを追加し、DNS Managerでフォワード ルックアップ ゾーンとホストレコードを作成します。自動化にはPowerShellコマンドを利用できます。

DNSサーバーの主な種類は何ですか?

主な種類は、再帰リゾルバ(Recursive Resolver)、ルートネームサーバー(Root)、TLDサーバー、権威DNSサーバー(Authoritative Server)です。

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