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Windowsで「A Device Which Does Not Exist Was Specified」エラーを解決する方法

3 min read トラブルシューティング 更新されました 04 Oct 2025
Windowsの「A Device Which Does Not Exist Was Specified」エラーを修正
Windowsの「A Device Which Does Not Exist Was Specified」エラーを修正

重要: 以下の手順は段階的に試してください。データが重要な場合、フォーマットやdiskpartの「clean」を実行する前に必ずバックアップを取るか、専門業者に相談してください。

概要

「A Device Which Does Not Exist Was Specified(指定されたデバイスは存在しません)」というエラーは、Windowsが物理的なドライブやパーティションを検出しているものの、アクセスや読み書きができないときに発生します。原因はソフトウェア(ファイルシステムの破損、ドライバー、ドライブ文字の割り当て、アクセス権など)かハードウェア(ケーブル不良、ポート故障、ディスク故障、マザーボード端子不良)です。

このガイドではWindows 10/11環境を想定し、ユーザーが自分で試せる修復手順を優先して紹介します。安全策、代替案、検証手順、管理者・技術者向けチェックリストも含めています。

主要な解決ステップ(目次)

  • 再起動とUSB接続の確認
  • システムファイルチェッカー(SFC)の実行
  • ドライブ文字の変更
  • チェックディスク(chkdsk)の実行
  • ディスクの再スキャン
  • アクセス権の付与
  • デバイスのアンインストールと再接続
  • マザーボードのチップセットドライバー更新
  • パーティションの再作成(最終手段)
  • ハードディスク交換
  • マザーボード端子の交換または修理

再起動とUSB接続の確認

最初に行うべきは電源の再起動と物理接続の確認です。多くの一時的エラーはここで解決します。

手順:

  1. 外付けドライブが接続されている場合は安全に取り外してPCをシャットダウンします。
  2. ケーブル、USBハブを取り外し、別のUSBポート(できれば背面の直接接続ポート)に差し替えます。
  3. 別のUSBケーブル、別のPCで接続確認できるか試します。
  4. PCを起動して問題が解消したか確認します。

チェックポイント:

  • ケーブルやコネクタに曲がりや断線がないか確認する。
  • USBハブ経由よりもPC本体直結が安定する。
  • 電源供給不足の外付けドライブはセルフパワーのUSBハブやACアダプタを利用する。

故障したハードディスクの写真


システムファイルチェッカー(SFC)の実行

説明: SFCはWindowsのシステムファイルをスキャンし、破損ファイルを修復するツールです。システム関連の問題でドライブが正しく動作しない場合に有効です。

手順:

  1. スタートメニューの検索で「cmd」を入力し、コマンドプロンプトを管理者権限で実行します。

SFCを管理者権限で実行する画面

  1. 次のコマンドを入力して実行します。
SFC /scannow
  1. 検査が完了すると状態メッセージが表示されます。
  • 正常: Windows Resource Protection did not find any integrity violations.
  • 修復済み: Windows Resource Protection found corrupt files and successfully repaired them.
  1. 修復後にPCを再起動して、問題のドライブにアクセスできるか確認します。

SFC実行後の結果

注意: SFCで修復できない場合、DISMコマンドを試すと役立つことがあります(管理者権限での実行が必要)。

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

実行後に再度 SFC /scannow を行ってください。


ドライブ文字の変更

説明: ドライブに割り当てられたドライブ文字が競合している、または割り当てられていない場合、エラーが発生します。ディスク管理で手動でドライブ文字を設定します。

手順:

  1. 外付けドライブを接続します。
  2. Windowsキー + X を押し、ディスクの管理を開きます。

ディスク管理の一覧

  1. 問題のパーティションを右クリックして「ドライブ文字とパスの変更」を選びます。

ドライブ文字とパスの変更の選択

  1. 「変更」をクリックし、利用可能な文字を割り当てて「OK」を押します。

ドライブ文字の変更メニュー

  1. 警告ダイアログが出たら内容を確認して進めます。

ドライブ文字変更の警告

効果: 多くの場合、ドライブ文字の変更だけでアクセスが復旧します。


チェックディスク(chkdsk)の実行

説明: 物理的・論理的に読み取り不可能なセクタがあるとアクセスできません。chkdskは不良セクタの検出と再配分、ファイルシステム修復を行います。

手順:

  1. 管理者権限のコマンドプロンプトを開きます。

管理者コマンドプロンプト

  1. 以下のコマンドを入力します(Xはドライブレターに置換)。
chkdsk X: /f /r
  1. ドライブのサイズや破損状況により数分〜数時間かかることがあります。処理中はPCの電源を切らないでください。

chkdsk実行画面

  1. 完了後、結果にエラーの修復が報告されていれば再度ドライブにアクセスして確認します。

注意: chkdskはデータの再配置を行いますが、重大な物理障害がある場合は完全復旧しないため、別途データ復旧の検討が必要です。


ディスクの再スキャン

説明: ディスク管理の「ディスクの再スキャン」は、OSが接続されたディスク情報を再取得する機能です。ホットプラグやパーティション変更後に有効です。

手順:

  1. Windowsキー + X でディスクの管理を起動します。
  2. メニューの「操作」から「ディスクの再スキャン」を選択します。

ディスクの再スキャン実行メニュー

  1. 再スキャン後、ドライブが正しく表示されアクセス可能か確認します。

アクセス権の付与

説明: Windowsのパーミッションが原因でファイルシステムにアクセスできない場合があります。特に外付けドライブや新規パーティションで発生しやすいです。

手順:

  1. エクスプローラーで「PC」を開き、対象ドライブを右クリックして「プロパティ」を選択します。

エクスプローラーのThis PC

  1. 「セキュリティ」タブを選び、「編集」をクリックします。

ドライブのプロパティ

  1. ユーザーに「フルコントロール」を許可して「適用」「OK」を押します。

セキュリティタブでフルコントロールを許可

  1. 必要に応じて「所有者の変更」を行ってください。

効果: アクセス権の修正で、Windowsが読み取り/書き込み操作を実行できるようになります。


デバイスのアンインストールと再接続

説明: Windowsがインストールしたドライバーが壊れている場合、デバイスをアンインストールして再接続することで自動的にドライバーを再インストールできます。

手順:

  1. Windowsキー + X で「デバイスマネージャー」を開きます。

デバイスマネージャー起動画面

  1. 「ディスクドライブ」カテゴリを展開し、対象デバイスを右クリックして「デバイスのアンインストール」を選びます。

ディスクドライブ一覧

  1. 確認ダイアログで「アンインストール」を選び、PCを再起動します。

  2. 再起動後、ドライブを接続するとWindowsが自動でドライバーを再インストールします。

成功の目安: デバイスマネージャーに黄色の警告が消え、ドライブがエクスプローラーで開けること。


マザーボードのチップセットドライバー更新

説明: チップセットドライバー(マザーボードドライバー)はUSBやSATAなどのコントローラを制御します。古い・不適合なドライバーが原因で接続問題が起きることがあります。

手順:

  1. 「システム情報」を起動します(Win + R を押して「msinfo32」と入力)。

システム情報の起動画面

  1. 「BaseBoard Manufacturer」と「BaseBoard Product」を確認して、マザーボードのメーカーと型式を特定します。

マザーボード情報の表示例

  1. メーカーの公式サイトから最新のチップセットドライバーをダウンロードし、インストールします。

注意: ベンダー提供のユーティリティ(例: Intel Driver & Support Assistant、AMD Auto-Detect)を利用すると安全に最新版を当てやすいです。


パーティションの再作成(最終手段)

警告: この操作はディスク上のデータを完全に消去します。データが必要な場合はこの手順の前に必ずバックアップかデータ復旧業者へ依頼してください。

説明: どうしてもソフトウェア的に修復できない場合、パーティションを消去して再作成します。diskpartを使用します。

手順:

  1. スタートで「diskpart」を検索し、管理者として実行します。

diskpart起動

  1. 次のコマンドを順に実行して対象ディスクを選択します。ディスク番号は環境により異なります。
list disk
select disk 3
clean
create partition primary
active
format fs=ntfs label=4USB quick
assign letter=Y

各コマンドの意味:

  • list disk: 接続ディスク一覧表示
  • select disk N: 操作対象ディスクを選択
  • clean: ディスクの全領域を初期化(パーティション情報を削除)
  • create partition primary: プライマリパーティション作成
  • active: ブート可能フラグを設定(OS起動ドライブのみ必要)
  • format: ファイルシステムでフォーマット
  • assign: ドライブ文字を割り当て

diskpart操作のスクリーンショット

注意: label=4USB は例です。任意の名前を指定してください。既存のドライブ文字と重複する場合は別の文字を指定します。


ハードディスク交換

説明: ディスク自体が物理故障(回転しない、異音、SMARTエラー、コード10 など)を起こしている場合は交換が必要です。別のPCに接続して同様の現象が出るか確認します。

対処:

  • 別PCでも同じエラーが出るならディスクの故障率が高い。
  • SMART情報を確認して、代替セクタ数や予備セクタの推移を確認する(CrystalDiskInfoなど)。
  • 保証期間内であればメーカー修理・交換を申請する。

マザーボード端子の交換または修理

説明: USBヘッダやSATAポートが故障している場合、同じポートに接続しても安定しないことがあります。基板のパターン破損、給電不良、内部コネクタの断線が原因です。

対処:

  • 別のポートで正常なら、該当ポートの故障を疑う。
  • 内蔵ポートの場合は内部配線やフロントパネル配線を確認する。
  • 保証期間内ならメーカーサービス、期間外ならPC修理店に相談する。

いつこの方法で直らないか(失敗例)

  • ディスクのヘッドやプラッタが物理的に損傷している場合。ソフト的な修復は無効です。
  • 接続中に電源が断続している、電源供給が不安定なケース。
  • マザーボード上のコントローラが深刻に壊れており、OS側で全く認識されない場合。

その場合はデータ復旧業者やハードウェア修理を検討します。


代替アプローチ

  • 別OSで検証: LinuxのライブUSB(Ubuntuなど)を使い、外付けドライブがマウントできるか確認。Windows固有の問題かどうか判別できる。
  • 専用ソフトで復旧試行: TestDisk、Recuva、R-Studioなどでパーティションテーブルやファイルを復旧できることがある。
  • イメージ化して解析: ddrescueでディスクイメージを作り、そこから復旧作業を行う(上級者向け)。

メンタルモデル(理解のための考え方)

  • レイヤー思考: ハードウェア層(物理、接続) → ファームウェア層(SATA/USBコントローラ) → デバイスドライバー層 → ファイルシステム層 → アクセス権層。下層に異常があると上層でエラーが出る。
  • まず下層(物理)の単純確認、次に中層(ドライバ)、最後に上層(ファイルシステム・権限)を順に調べる。

役割別チェックリスト

ユーザー向け(初心者):

  • PCとドライブを再起動する
  • 別のUSBポートとケーブルを試す
  • 別PCで動作確認する
  • データが重要なら専門業者へ相談する

システム管理者向け:

  • SFC /scannow と DISM を実行
  • chkdsk を実行しログを確認
  • デバイスマネージャーでエラーコードを確認
  • コントローラドライバーの更新

技術者/修理担当向け:

  • SMART情報を収集して故障傾向を判断
  • Linuxライブ環境でのマウント試行
  • ddrescueでイメージ化して解析
  • 必要ならヘッド交換や物理修理の提案

インシデント対応手順(簡易ランブック)

  1. 影響範囲の確認: どのユーザー・どのシステムが影響を受けているかを特定。
  2. 優先順位付け: 重要データがある場合はデータ保護を最優先。
  3. 簡易復旧手順の実行: 再接続、別ポート、別ケーブル、再起動。
  4. ソフト修復: SFC、chkdsk、ディスク再スキャン、ドライバー再インストール。
  5. 高度な復旧: パーティション再作成(バックアップ後)、ディスクイメージ取得、専門業者へエスカレーション。
  6. 完了報告と再発防止: 原因分析と手順書の更新。

テストケースと受入基準

テストケース1: 外付けUSBドライブを接続して認識できるか

  • 手順: 別のUSBポート、別ケーブルで接続
  • 期待結果: デバイスマネージャーにドライブが表示され、エクスプローラーで開ける

テストケース2: SFCで修復が行われるか

  • 手順: SFC /scannow 実行
  • 期待結果: 破損ファイルが検出され修復される、または問題なしの報告が出る

受入基準:

  • ユーザーが通常どおりファイルを読み書きできること
  • OSがディスクを一貫して認識し続けること

1行用語集

  • SFC: Windowsのシステムファイルを検査・修復するツール
  • chkdsk: ディスクの不良セクタやファイルシステムを修復するツール
  • diskpart: パーティション作成・削除を行うコマンドラインツール
  • SMART: ディスク自体が持つ自己診断情報

決定フローチャート

以下は初動での意思決定を助けるフローチャートです。

flowchart TD
  A[ドライブが認識されるか?] -->|いいえ| B[ケーブル、ポート、別PCで確認]
  A -->|はい| C[エクスプローラーで開けるか?]
  C -->|はい| Z[問題なし]
  C -->|いいえ| D[SFC実行]
  D --> E{修復されたか}
  E -->|はい| Z
  E -->|いいえ| F[chkdsk実行]
  F --> G{修復されたか}
  G -->|はい| Z
  G -->|いいえ| H[ディスク管理でドライブ文字/再スキャン/権限確認]
  H --> I{解決したか}
  I -->|はい| Z
  I -->|いいえ| J[バックアップ後にパーティション再作成またはディスク交換]

よくある質問

Q: 外付けドライブは認識するがフォルダが空に見える。復旧できますか?

A: ファイルテーブルの破損やアクセス権の問題が考えられます。まずはchkdskを実行し、それでもダメならTestDiskなどでパーティションテーブルの修復を試みます。重要データがある場合は先にイメージを取り、専門業者に相談してください。

Q: 別のPCでも同じエラーが出ます。どうすれば良い?

A: ディスク自体の故障確率が高いです。SMART情報確認、別途イメージ取得、データ復旧の相談を検討してください。


まとめ

  • まずは物理的な接続(ケーブル、USBポート)と電源を確認してください。
  • SFC、DISM、chkdsk、ディスク管理の操作を順に試すことで多くのケースが修復します。
  • データが重要な場合は上書きやフォーマットを避け、イメージ化や専門業者へ相談してください。
  • ソフトウェア修復で直らない場合はディスク交換やマザーボード修理を検討します。

行動チェックリスト:

  • ケーブル/ポートを替えて再起動
  • SFC /scannow を実行
  • chkdsk X: /f /r を実行
  • デバイスマネージャーでドライバー再インストール
  • diskpartでの最終処置はバックアップ後に実施

重要: データ損失リスクがある操作(clean, format, physical repair)は最終手段です。データ復旧のニーズによっては業者に依頼するほうが安全で早いことがあります。

SFC実行後のウィンドウ例


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