Windows 10 のエラー 0x8007025D を修正する方法

概要と原因の整理
0x8007025D エラーは「必要なファイルをインストールできない」ことを示します。原因は大きく分けて以下のカテゴリです。
- インストールメディア(USB/DVD/ISO)の読み書き不良や破損
- USB ポート/コントローラの互換性(USB 3.0 ドライバ等)
- メモリ(RAM)の誤動作
- 内蔵ストレージ(HDD/SSD)の不良や接続不良
- BIOS/UEFI 設定の不整合(UEFI/Legacy、Secure Boot、SATA モードなど)
定義(1行): 0x8007025D はインストーラーがファイルを読み込めない/書き込めないときに発生する I/O(入出力)関連のエラーです。
修正手順(優先順)
以下は実務で試しやすい順に並べた対処法です。まず簡単な操作から試し、改善しない場合は次へ進んでください。
1) インストールメディアを再作成する(まず最初に試す)
- 別のUSBメモリを使う。可能なら新しい信頼できるブランドのUSBで作り直す。容量は最低8GB以上。
- ISO ファイルを再ダウンロードする。ダウンロード中の破損を避けるため、公式の Microsoft ダウンロードページか Media Creation Tool を使う。
- Rufus を使う場合の推奨設定例:
- パーティションスキーム: MBR(旧BIOS/Legacy の場合)または GPT(UEFI の場合)を選択
- ファイルシステム: NTFS(大きなファイルがある場合)/FAT32(UEFIブートで必要な場合)
- チェックサムが合っているか確認(ISO のハッシュが公開されていれば照合する)
重要: 元のUSBが物理的に劣化していることが多いので、まず別のUSBで作り直すのが最も効果的です。
2) 別の接続方法を試す(USB 2.0 / DVD)
- USBポートを変える。具体的には、USB 3.0 ポート(青色)から USB 2.0 ポートへ差し替えて試す。
- マシンに USB 2.0 ポートがない場合は、USB 2.0 フラッシュドライブを用意するか、BIOS/UEFI 設定で USB 3.0 サポートを無効化してみる。
- DVD ドライブが利用可能なら、ISO を DVD に書き込み、DVD からインストールする(光学ドライブの読み取りが安定している場合のみ)。
3) BIOS/UEFI 設定の確認
- ブートモードを確認: UEFI と Legacy(レガシー)モードのどちらでインストールするかを統一する。
- セキュアブートを一時的に無効にする。
- SATA モードが IDE/RAID/AHCI のどれか確認し、通常は AHCI を推奨する。
- USB 3.0 の設定を「自動」や「無効」に切り替えて動作を試す。
※ BIOS の設定画面はマザーボードやメーカーで異なります。該当する項目が不明な場合は機種名で検索してください。
4) メモリ(RAM)の検査
- RAM の不良は 0x8007025D を引き起こす代表的原因です。手順:
- もし複数枚の RAM を搭載しているなら、1枚ずつ差してインストールを試す。問題が片方のスロットやモジュールに限定されるか確認する。
- MemTest86(ブート可能な検査ツール)でフルパスを実行する。複数パスでエラーが出るか確認。
- 代替の動作する RAM があれば交換して試す。
例: MemTest86 を使う場合は別PCでイメージを作成し、対象マシンで最低数時間(できれば3〜4パス)実行します。
5) ストレージ(HDD/SSD)のチェックと交換
- ディスクに不良セクタや接続不良があるとインストール時にファイル読み込みエラーになります。
- 別のディスクを用意して取り替え、インストールを試すのが最も確実です。
- 既存ディスクを使う場合は、以下のコマンドでチェックを行う(Windows の回復環境で実行):
chkdsk C: /f /r
- 新しい SSD/HDD を接続してインストールが成功するなら、旧ディスクの障害が疑われます。
6) インストールをレガシー(MBR)モードで試す
- 別のPCで Windows ISO をダウンロードし、Rufus などで「MBR(レガシーブート向け)」を選択してインストールメディアを作成する。
- BIOS を Legacy(レガシー)ブート優先にし、作成した USB から起動してインストールする。
手順のおさらい:
- 別PCで ISO を取得
- Rufus でパーティションスキーム「MBR」を選択して作成
- 対象PCで Legacy ブートを有効にして USB から起動
7) インストール時に 125GB パーティションを作る方法(対処テクニック)
この手順はインストールプロセス中にディスクをシンプルにすることで読み書きエラーを回避する方法です。手順:
- インストール開始後、「カスタム: Windows のみをインストール(詳細)」を選ぶ(英語表示では “Custom: Install Windows only (advanced)”)。
- 既存のパーティションをすべて削除してディスクを未割り当て状態にする。
- 「新規(New)」を選び、サイズを 120000 MB(120GB)に設定して単一のパーティションを作成する。
- 作成したパーティションを選んでインストールを続行する。
インストール成功後、ディスク管理や diskpart でパーティションを拡張できます。
例: diskpart を使って 120GB のパーティションを作る手順(インストーラーのコマンドプロンプトから):
diskpart
list disk
select disk 0
clean
create partition primary size=120000
format fs=ntfs quick
assign
exit
代替アプローチとよくある失敗例
- 別PCで作成したインストールメディアに問題がある場合:必ず作成元のPCで ISO の整合性を確認する。
- USB ハブを経由している場合は直接マシンのポートへ挿す。ハブ経由は電力不足や転送エラーを招く。
- セキュアブートやTPM によるブロックは、エラーメッセージと混同されやすい。まずはこれらを無効化して試す。
カウンター例(失敗パターン):
- 「USB を別ポートに差し替えたが直らない」→ メディア自体の破損か RAM/ストレージ不良の可能性。別のUSBを試し、RAMテストを行う。
実務者向けチェックリスト(役割別)
ホームユーザー:
- USB を別のスロット/別のUSBで作成し直す
- USB 2.0 ポートで試す
- 一時的に Secure Boot を無効化
テクニカルサポート/IT 管理者:
- Rufus の設定を MBR/GPT として両方でメディアを作成して試す
- MemTest86 を使って RAM を検証
- diskpart でディスクをクリーンにして再作成
修理技術者:
- ハードウェア診断ツールでストレージとメモリを検査
- ケーブル、スロット、コネクタの物理検査
- 必要であればストレージ交換
トラブルシューティングの短い手順(SOP)
- 別のUSBでインストールメディアを作り直す
- USB を別ポート(USB 2.0 優先)に差し替えて起動
- BIOS でセキュアブート無効化、SATA を AHCI、USB 3.0 を無効化してみる
- RAM を1枚ずつ試す/MemTest86 実行
- 別ストレージに差し替えてインストールを試行
重要な注意点
- 既存パーティションを削除するとデータは消えます。事前にバックアップを必ず取ってください。
- BIOS の設定変更や diskpart の操作は慎重に行ってください。分からない場合は専門家に依頼してください。
まとめ
0x8007025D は I/O に起因するエラーで、まずはインストールメディアの作り直しと別のUSBポート(できればUSB 2.0)での試行が有効です。改善しない場合は RAM・ストレージのハードウェア検査、BIOS 設定の見直し、またはレガシーブート(MBR)でのインストールを試してください。上のチェックリストに従えば、問題の切り分けが効率的にできます。
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この画像は USB ドライブのロゴ(Windows インストール用メディアのイメージ)です。
この画像はインストール中に表示されるエラー画面のイメージです。
この画像はインストール時のパーティション選択画面の例です。
この画像はパーティション削除後の未割り当て領域の例です。