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コマンドプロンプトでRAMのシリアル番号を確認する方法

1 min read ハードウェア 更新されました 05 Oct 2025
WindowsでコマンドプロンプトからRAMシリアル番号を確認する
WindowsでコマンドプロンプトからRAMシリアル番号を確認する

コンピューターのマザーボード上のRAMチップ

このガイドでは、Windowsのコマンドプロンプトだけを使ってRAM(メモリ)モジュールのシリアル番号を確認する手順と、補足情報、よくある落とし穴、代替手段、実務的チェックリストをまとめています。

重要: コマンド実行には管理者権限が必要な場合があります。管理者として実行してください。

なぜRAMのシリアル番号が必要か

RAMのシリアル番号を知ると次の作業が楽になります。

  • 既存モジュールと互換性のある製品を探すときに、正確な型番・仕様を特定できる。
  • 保証やメーカーサポートで問い合わせる際に証拠として使える。
  • 物理的にどのスロットにどのモジュールが刺さっているかを照合できる(デュアルチャネルやチャンネルペアの確認に役立つ)。

RAMは外見が似ていても、フォームファクタ(DIMM / SODIMM)、容量、クロック、動作電圧、レイテンシなど多くの違いがあります。正しい交換・増設のために、まずは正確な情報を収集しましょう。

注: 製造番号やシリアルはモジュールごとに個別です。2枚組のキットでも個別シリアルが振られています。

コマンドプロンプトでシリアル番号を確認する手順

以下は管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、RAM情報を取得する手順です。短い手順とコマンド例を示します。

  1. スタートメニューを開く。
  2. 検索に「コマンドプロンプト」と入力する。
  3. 検索結果上で右クリックし「管理者として実行」を選ぶ、またはアプリの詳細で「管理者として実行」をクリックする。

Windowsでコマンドプロンプトを検索する画面

管理者権限のコマンドプロンプトが開いたら、以下のコマンドを実行してRAMのシリアル番号を表示します。

wmic memorychip get devicelocator, serialnumber

このコマンドは各メモリスロット(DeviceLocator)に挿さったモジュールのシリアル番号を一覧表示します。スロット情報が分かるので、物理的な位置と番号を照合できます。

より短い形でもシリアルだけを一覧表示できます。

wmic memorychip get serialnumber

ただしこの短いコマンドはスロット情報を出力しません。複数モジュールがある場合はどのシリアルがどのスロットか判断しづらくなる点に注意してください。

コマンドプロンプトにコマンドを入力している画面

他に確認できるRAMの詳細情報

コマンドプロンプト(WMIC)を使えば、シリアル以外にも多くの情報を得られます。以下はよく使う属性と例です。

メーカー名

wmic memorychip get devicelocator, manufacturer

メーカー名はシリアル番号を製造元のデータベースで照合するときに便利です。メーカーが異なっていても動作する場合がありますが、混在することで期待通りの性能が出ないこともあります。

容量(バイト単位)

wmic memorychip get devicelocator, capacity

出力はバイト単位です。例えば8589934592は約8GBです。簡易変換:バイト ÷ 1024^3 = GB。

コマンドプロンプトでメモリ容量を表示した画面

動作クロック(速度)

wmic memorychip get devicelocator, speed

メモリ速度はモジュールの性能に直接影響します。異なる速度のモジュールを混在させると、全体が遅い方に合わせて動作することが多いです。

フォームファクタ

wmic memorychip get devicelocator, formfactor

デスクトップは通常DIMM、ノートはSODIMMです。数値で返される場合があるため、数値と対応表を参照してください(一般的なシステム情報ページに掲載されています)。

全詳細をまとめて見る

複数コマンドを打つのではなく、全部の属性を一覧表示するには次のコマンドを使います。

wmic memorychip list full

出力は冗長です。用語に馴染みがない場合は必要な属性(Manufacturer, Capacity, Speed, SerialNumber, DeviceLocator, FormFactor)だけを個別に取得すると読みやすくなります。

コマンドプロンプトで詳細コマンドを実行している画面

いつこの方法が失敗するか(制限・落とし穴)

重要: WMICは古いツールであり、将来的には廃止・非推奨の扱いになる可能性があります。以下のケースでは情報が得られない、または不完全な場合があります。

  • BIOSやファームウェアがモジュール情報を正しく露出していない場合。
  • 非標準・古いマザーボードやOEM機で情報が返らない場合。
  • 仮想マシン上では物理RAM情報は確認できない(ホスト側情報が返る)。
  • 一部のメーカーがシリアルをSPD上に保存しない、または暗号化している場合。

これらのケースでは代替手段が必要です。

代替アプローチ

  • PowerShellを使う: WMICの代わりにPowerShellでWMIクラスを直接問い合わせることができます。例:
Get-WmiObject Win32_PhysicalMemory | Select-Object DeviceLocator, Manufacturer, Capacity, Speed, SerialNumber
  • サードパーティ製ツール: CPU-Z、Speccy、HWiNFOなどはGUIで分かりやすく表示します。SPD情報やタイミングまで表示するものもあります。ただしインストールと利用規約を確認してください。

  • 物理確認: ケース内部を開けてモジュール上のラベルを直接読む方法。特にシリアルや型番がラベルに書かれている場合は確実です。静電気対策(アース)を行ってください。

  • BIOS/UEFI: 一部のマザーボードBIOS画面にメモリ情報を表示する項目があります。起動時にBIOSを開いて確認する方法もあります。

ミニ手順書(短い作業フロー)

  1. 事前準備: 変更履歴と現在の構成をメモする。
  2. 管理者としてコマンドプロンプトを起動。
  3. wmic または PowerShell コマンドを実行して情報を取得。
  4. 取得したシリアルをメーカーサイトで照合。
  5. 交換・増設する場合は同一または互換性のあるスペックを選定。
  6. 物理作業後、メモリテスト(MemTest86など)で安定性を確認。

役割別チェックリスト

  • エンドユーザー(アップグレード前)

    • 管理者権限で情報を取得したか。
    • モジュールの数と容量を把握したか。
    • 交換するRAMのフォームファクタが合っているか(DIMM / SODIMM)。
  • システム管理者

    • BIOSバージョンとチップセットドライバが最新か。
    • 既存モジュールの速度・電圧を記録しているか。
    • 互換性リスト(QVL)を参照したか。
  • テクニカル担当(現場作業)

    • 静電気対策を講じたか。
    • スロットとシリアルの照合を写真で残したか。
    • メモリテストツールで安定性を確認したか。

受入基準(テストケース)

  • 期待動作1: wmic memorychip get devicelocator, serialnumber を実行すると、インストール済みRAMの各スロット名とシリアルが表示される。
  • 期待動作2: 取得した容量合計がOSの表示(例: 設定→システム→バージョン情報)と整合する。
  • 期待動作3: 増設後にシステム起動し、MemTestやOSの安定動作が確認できる。

用語集(1行定義)

  • SPD: メモリモジュール上に格納された設定情報(Serial Presence Detect)。
  • DIMM: デスクトップ用メモリのフォームファクタ。
  • SODIMM: ノートPC向けの小型メモリモジュール。
  • WMIC: Windows Management Instrumentation Command-line。Windowsの管理情報を取得する古いコマンドラインツール。

意思決定フロー(簡易)

次は増設や交換の判断を助ける簡単なフローチャートです。

flowchart TD
  A[現在のRAM情報を取得] --> B{シリアルと仕様が明確か}
  B -- はい --> C{互換品が入手可能か}
  B -- いいえ --> D[PowerShellまたは物理確認]
  D --> B
  C -- はい --> E[購入・増設]
  C -- いいえ --> F[メーカーサポートに問い合わせ]
  F --> G[代替プラン検討]

いつ物理確認が最良か

  • WMICやPowerShellで情報が返らないとき。
  • ラベルの擦れや剥がれでシリアルが読み取りにくいときは写真で記録してメーカーに問い合わせる。

重要: ケースを開ける作業は保証対象外になる場合があります。保証規約を確認してください。

まとめ

  • 管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、wmic memorychip get devicelocator, serialnumber を実行することで、物理スロットと紐づいたRAMのシリアル番号を取得できます。
  • WMICは便利ですが環境によっては情報が得られないことがあります。その場合はPowerShell、BIOS、サードパーティツール、または物理確認を検討してください。
  • 増設や交換を行う前にメーカー、容量、速度、フォームファクタなどの情報を照らし合わせ、作業後は安定性テストを実行することを推奨します。

まとめの要点:

  • シリアル番号は交換・保証・照合で重要。
  • コマンドプロンプトだけで基本情報は取得可能。
  • 取得できない場合は代替手段を用いる。

SNS投稿用文(短縮版): コマンドプロンプトでRAMのシリアルや速度・容量を確認できます。管理者権限で wmic memorychip を実行するだけ。

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