One UI 8 ベータ:参加方法、機能、チェックリスト
One UI 8 ベータは現在 Galaxy S25 シリーズ向けに開始され、ドイツ・韓国・英国・米国から参加できます。参加前に必ずデータのバックアップを取り、Samsung Members アプリ経由で申請してください。本記事は対応端末、参加手順、主要機能の詳細、ベータテスターの役割、トラブル時のロールバック手順やテストチェックリストまで網羅しています。
重要: ベータは試験的配布のため不具合が含まれる可能性があります。業務用端末やメイン機にインストールする前にリスクを確認してください。
One UI 8 ベータの対象端末と対象国
One UI 8 ベータは Android 16 をベースにした更新で、リリース直後は最新の Galaxy S25 シリーズのみが対象です。対象端末は以下のとおりです。
- Samsung Galaxy S25
- Samsung Galaxy S25+
- Samsung Galaxy S25 Ultra
注記: 最薄設計の新機種 Galaxy S25 Edge は初期ベータの対象外です。
対象となる国(初回リージョン)は次の通りです。
- ドイツ
- 大韓民国(韓国)
- イギリス
- アメリカ合衆国
Samsung は初期波の後に参加国と対応端末を拡大すると発表しています。さらに、今夏(おそらく7月)に発売予定の Galaxy Z Fold7 / Z Flip7 は、One UI 8(Android 16 ベース)の安定版を搭載して出荷される予定です。

画像説明: One UI 8 ベータのダウンロード画面が表示された Galaxy スマートフォンの写真
参加前の準備(必須)
完全なデータバックアップ
- Google Drive、Samsung Cloud、あるいは外付け HDD/SSD に重要データを保存してください。ベータ更新で不具合が発生した場合、ダウングレードやリセットが必要になることがあります。
バッテリーとストレージの確保
- 更新中の電源断を防ぐためバッテリーは最低50%以上、理想は充電器接続状態にしてください。空きストレージは少なくとも更新サイズの2倍を確保すると安全です。
Samsung アカウントの確認
- Samsung Members アプリでログイン済みであることを確認してください。
重要アプリの認証情報メモ
- VPN、メール、銀行アプリなど再ログインが必要になる可能性があるため、パスワードや二段階認証の手順をあらかじめ準備してください。
重要: 業務用端末や日常的に必要な唯一の端末ではベータを避けることを推奨します。
One UI 8 ベータへの参加方法(詳細手順)
Samsung Members アプリを Google Play ストアまたは Galaxy Store からダウンロードします。
Samsung アカウントで端末にログインします(アカウントが無ければ作成してください)。
Samsung Members アプリを起動します。
アプリ内で「ベータプログラム」または「Beta Program」セクションを探し、参加申請(Join)をタップします。ベータ枠は埋まりやすいため、参加希望なら早めに申請してください。

画像説明: Samsung Members アプリ内のベータプログラム参加ボタンを示すスクリーンショット
画面の案内に従って申請を完了させます。登録が承認されると、ベータアップデートがダウンロード可能になります。
ソフトウェアのダウンロードとインストールを行います。ダウンロード後に再起動が数回行われることがあります。

画像説明: One UI 8 ベータのダウンロード中の進行状況が表示された画面
補足: 以前は「設定 > ソフトウェア更新」から別途ダウンロードする必要がありましたが、現在は Samsung Members アプリから一連の手続きが完了します。
ベータの変更点と主要機能(詳細解説)
以下は Samsung が公開した One UI 8 ベータの主な変更点を日本語で整理し、実際の利用シナリオや注意点を付け加えた解説です。
Quick Share をクイック設定から利用
簡単説明: クイック設定パネルから直接ファイルの送受信を開始できます。
利点: 共有操作のステップが減り、近距離でのファイル送受信がより迅速にできます。会議で資料を素早く配布したい場合に便利です。
注意点: 共有先のデバイスが Auracast や Quick Share をサポートしていないと機能しません。
ダウンロードをアプリ別に検索
簡単説明: どのアプリがファイルを保存したかでダウンロード履歴を絞り込めます(例: WhatsApp、Chrome)。
利点: ファイル名を覚えていない場合でも、発信元アプリを手がかりに見つけられます。
Samsung Internet の再設計
簡単説明: メニューが整理され、レイアウトをカスタマイズ可能に。
利点: 使用頻度の高い機能を優先表示でき、片手操作の効率が上がります。
AI による高速テキスト選択
簡単説明: 画面上のテキストをAIが即座に認識して選択可能。翻訳や検索に直結します。
ユースケース: スクリーンショットから重要な文章を抜き出して翻訳する、ウェブページ内の引用を素早くシェアする。
プライバシー注意: AI処理時にテキストの一時送信が発生する仕様がある場合、データ扱いに注意してください。後述のプライバシー章参照。
Samsung DeX の改善
簡単説明: 外部ディスプレイ接続時に回転や WQHD 解像度の選択が可能になり、より大画面で高精細表示が可能です。
利点: プレゼンや簡易デスクトップ用途での操作性が向上します。
分割画面(Split-screen)改善
簡単説明: 2つのアプリ使用中に片方を小さなポップアップに切り替え、ツールバーで素早く切り替えられるようになりました。
利点: マルチタスクの流れが良くなり、例えばチャットを表示しながら別のアプリで資料を参照できます。
リマインダーの刷新
簡単説明: カテゴリ表示が見やすくなり、テンプレートやスマート作成支援が追加されました。カレンダー内でリマインダー作成が可能になります。
利点: タスク作成の手間が減り、日常のルーチン管理が容易になります。位置情報や画像、チェックリストの添付が可能です。
ルーティン(自動化)の拡張
簡単説明: 気象情報などをトリガーにしたプリセットが増え、リマインダーやアラームをトリガーに組み込めるようになりました。
ユースケース: 雨天時に自動で通知を出す、旅行モードに合わせて通知音量を変更する、運動目標を達成したら友人とチャレンジ結果を共有する。
その他の注目点
- 通話履歴に録音を表示
- カメラ内でスワイプ操作によるモード切替の強化
- Secure Folder の可視化制御(ロック中は通知やアプリを隠せる)
- アシスタントメニューやキーボードでのズーム操作の追加
- ヘルスケアの食事ログリマインダーやランニングチャレンジ機能
- Auracast による同時オーディオブロードキャストと QR 招待
- アラームをグループ化して一括管理
- サービスセンターでの迅速サポート用 QR コード共有
- 天気アプリのアニメーションやビジュアルの強化
- Now Bar/Now Brief によるカスタマイズされたインサイト提供
各機能は利用者のワークフローに合わせてカスタマイズ可能ですが、ベータ段階では一部挙動が不安定な場合があります。

画像説明: One UI 8 の新しいホーム画面デザインを示すスクリーンショット
ベータテスターとしての具体的な役割
ベータに参加する目的は新機能の先取りだけでなく、実運用における問題点を見つけて報告することです。Samsung へのフィードバックは製品品質を左右します。以下は実務的なガイドです。
日常利用シナリオでの検証
- 通話、メッセージ、メール、カメラ、モバイルデータ、Wi-Fi、Bluetooth、NFC、位置情報などの基本機能が正常に動作するかを確認してください。
再現性の高い不具合を特定
- 発生手順を短く明確にし、スクリーンショットや録画を添えて報告します。Samsung は発見から3分以内の即報告を推奨していますが、これは可能な限りリアルタイムでの提出が望ましいという意味です。
パフォーマンスとバッテリーの監視
- アイドル時および操作中のバッテリー消費、発熱、メモリ使用量の異常をチェックします。
サードパーティアプリ互換性の確認
- よく使うアプリ(SNS、銀行、業務アプリ等)が正しく動くかを試験します。重大な互換性問題を見つけたら、アプリ開発元にも報告してください。
フィードバックの提出方法
- Samsung Members アプリ内の「ベータフィードバック > 送信」から、発生日時、発生手順、期待される挙動、実際の挙動、添付ファイル(スクショ、録画)を添えて送信します。

画像説明: Samsung Members アプリ内でフィードバックを送信する画面の例
トラブルシューティングとロールバック手順(プレイブック)
重要: ベータにより重大な問題が発生した場合の最短復旧策を示します。
即時対応
- 重要な業務に支障が出る場合、まず電源の再起動を試みます。常時発生するフリーズや再起動ループの場合はセーフモードで起動してサードパーティアプリの影響を確認します。
データのバックアップから復元
- ベータ導入前にバックアップがあれば、まずそのバックアップから復元を試みます。
ダウングレード(必要ならサービスセンターへ)
- Samsung が提供する公式のダウングレード手順を参照してください。公開されていない場合や手順が複雑な場合は、認定サービスセンターでの対応を依頼することを推奨します。
ログ収集と提出
- 問題再現時のログを収集し、Samsung Members を通じて提出すると対応が早くなります。ログに含まれる情報はプライバシーに関わる可能性があるため、必要な部分だけ共有するか、同意の上で送信してください。
テストケースと受け入れ基準(ベータ報告用テンプレート)
以下は報告時に使える簡易テンプレート(チェックリスト)です。コピーして Samsung Members のフィードバックに貼ると整理しやすくなります。
- 端末モデル:
- ビルド番号(設定 > デバイス情報で確認):
- 発生日時:
- 発生場所(アプリ名、画面):
- 再現手順(ステップバイステップ):
- 期待される挙動:
- 実際の挙動:
- スクリーンショット/録画の有無:
- 再現性(常時/時々/一度きり):
- 付随するログや警告メッセージ:
受け入れ基準の例
- 起動に30秒以上かからない
- 主要アプリ(電話、メッセージ、カメラ)が正常に動作する
- バッテリー消費がベースラインより著しく増加しない
セキュリティとプライバシーの注意点
- AI 機能やテキスト処理では、一時的にデータがクラウドに送信される可能性があります。処理フローは各機能の説明で確認し、センシティブな情報の扱いは慎重にしてください。
- ベータ版のログは問題解決のために収集されることがあります。ログ送信時には含まれる情報の範囲を確認し、不要な個人情報が含まれないよう注意してください。
- GDPR 等の規制に基づく個人データの扱いは、使用国の法令に従います。業務端末で特定のデータを扱う場合は、社内情報セキュリティ担当と事前に相談してください。
リスクマトリクスと軽減策
- 高リスク: メイン業務アプリの互換性障害 -> 軽減策: メイン端末ではベータを回避、業務用は承認制で限定端末にのみ導入
- 中リスク: バッテリー消費増加 -> 軽減策: バッテリー使用状況をモニタリング、異常時はフィードバック提出
- 低リスク: UI 表示のズレやアニメーションの欠落 -> 軽減策: 設定でアニメーションを調整、スクリーンショットを添えて報告
ベータから安定版への期待スケジュール
現時点では安定版の正確な配信時期は未定ですが、Galaxy Z Fold7 / Z Flip7 の発売に合わせて初期の安定配布が行われ、その後 2025 年末にかけて他機種にも順次展開される見込みです。具体的な配信時期は地域やキャリアによって前後します。
役割別チェックリスト(短縮版)
- 一般ユーザー
- バックアップ完了、不要アプリの削除、Samsung Members で申請
- パワーユーザー
- サードパーティアプリの互換性テスト、ログ収集ツールの準備
- IT 管理者
- 社内端末の承認方針、影響範囲の事前評価、従業員向けガイド作成
- 開発者
- API/サービスの互換性テスト、例外ログの収集と報告
よくある質問
Q: ベータ版から安定版への戻し方は簡単ですか?
A: ダウングレード手順は公開されている場合とそうでない場合があります。重要データは必ずバックアップし、不安がある場合は Samsung サービスセンターに相談してください。
Q: ベータ参加で保証は失われますか?
A: 通常、公式ベータプログラムへの参加はメーカーのサポート対象ですが、保証条件に変更があるかは地域・国により異なります。詳細は Samsung サポートの案内をご確認ください。
Q: 参加枠が一杯になったらどうなりますか?
A: 参加枠が満了すると申請ができなくなります。Samsung は後続の波で枠を増やす場合があるため、公式アナウンスや Samsung Members を定期的に確認してください。
まとめ
One UI 8 ベータは Galaxy S25 シリーズ向けに限定的に開始され、数多くの利便性向上や AI 支援機能、DeX の強化、リマインダーとルーティンの拡張などが導入されます。ベータ参加は新機能をいち早く体験できる反面、互換性や安定性のリスクを伴います。参加する場合は必ずバックアップを取り、Samsung Members を通じて問題を報告し、安定版のリリースに貢献してください。
重要: 本記事の内容はベータ配布開始時点の情報に基づきます。正式なアップデートや配布スケジュール、対応デバイスは Samsung の公式発表を優先してください。
One UI 8 ベータの主な更新情報(技術情報)
- One UI バージョン: 8.0
- Android バージョン: 16
- ダウンロードサイズ: 3413.45 MB
- セキュリティパッチレベル: 2025年5月1日(注: 一部ユーザーはその後 2025年6月のパッチに更新される追加配信を受けています)

画像説明: One UI 8 ベータの詳細変更ログのスクリーンショット(複数ページ)

画像説明: One UI 8 ベータの変更ログ別ページの表示例

画像説明: チェンジログ内の機能一覧部分の拡大

画像説明: チェンジログの続き、ユーザーインターフェース関連の修正点

画像説明: 設定画面やリマインダー関連の新機能スクリーンショット

画像説明: ルーチンやDeXなど上級ユーザー向け機能の詳細表示
記事終了