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Windows 11 25H2 のブート可能USBを作成してインストールする方法

4 min read インストールガイド 更新されました 19 Oct 2025
Windows 11 25H2 のブートUSB作成とインストール手順
Windows 11 25H2 のブートUSB作成とインストール手順

Windows 11 USB

簡潔に言うと、Windows 11 バージョン 25H2 をクリーンインストールまたはアップグレードする最も確実な方法は、8GB 以上の USB ドライブを使ってブート可能なインストーラーを作ることです。この記事は公式ツール(Media Creation Tool)と Rufus を使った ISO ベースの両方の手順、互換性チェック、トラブルシューティング、実務向けのチェックリストとヒューリスティックを含む完全ガイドです。

このガイドは、Windows 11 バージョン 25H2 をインストールまたは再インストールするために必要な全手順を丁寧に説明します。初めての方でも安心して作業できるように、用語の簡単な定義、事前準備、ダウンロード、作成、インストール、よくある問題とその対処までカバーします。

重要な用語(1行定義)

  • ISO: 光学メディアの内容を丸ごと保存した単一ファイル。
  • ブート可能USB: 電源を入れたときにPCがUSBから起動できるように準備したUSBドライブ。
  • UEFI / GPT: 現代のファームウェアとパーティション方式。高速起動とセキュリティ機能を提供。
  • Legacy / MBR: 古いBIOSと従来型パーティション方式。古いPC向け。

なぜブート可能USBを使うのか

ブート可能USBは、クリーンインストールやトラブルシューティング、複数台への展開に便利です。インターネット経由のアップデートよりも確実で、ネットワークの状態に左右されません。USB は再利用可能で、作成したインストーラーは複数回使えます。

前提条件と準備リスト

  • 作業用の動作するPC(ダウンロード/USB作成用)
  • 安定したインターネット接続
  • USB フラッシュドライブ(8GB 以上)。作成時に完全に消去されます。重要データは必ずバックアップしてください。
  • Windows 11 25H2 の ISO ファイル、または Media Creation Tool
  • ツール: Microsoft の Media Creation Tool、または Rufus(Windows向け)
  • TPM 2.0 と Secure Boot が必要な場合があります(後述の互換性チェックを参照)

重要: 途中でドライブを初期化するとデータは消えます。必ずデータのバックアップを行ってください。

ステップ 1: Windows 11 25H2 をダウンロードする

Windows 11 をインストールするには、公式または信頼できる配布元からインストール用ファイルを入手します。ここでは2つの方法を紹介します。

方法 A — Microsoft 公式サイトから直接ダウンロード(推奨)

画像: How to Create Bootable Windows 11 25H2 USB

手順:

  1. ブラウザで Microsoft の公式ダウンロードページにアクセスします。
  2. URL: https://www.microsoft.com/software-download/windows11
  3. ページ上で「Create Windows 11 Installation Media(インストールメディアの作成)」か「Download Windows 11 Disk Image (ISO)(ディスクイメージのダウンロード)」が選べます。
  4. Media Creation Tool を使うなら最初のオプション、Rufus などでISOを使うなら「Download ISO」を選んで適切なエディションと言語を選択してダウンロードしてください。
  5. ISO のダウンロードリンクは通常24時間有効です。期限前に保存してください。

画像: Download Windows 11

注意: Microsoft 公式から入手することで改変されていないクリーンなファイルが手に入ります。

方法 B — msdl.tech-latest.com 経由でダウンロード(代替)

Microsoft の公式サイトが一時的に遅いまたはアクセスできない場合、msdl.tech-latest.com などのミラーサイトを使う方法があります。これらのサイトは Microsoft のサーバーから直接 ISO を提供していることが多いですが、必ずダウンロード後にファイルの整合性(サイズや署名)を確認してください。

手順:

  1. https://msdl.tech-latest.com にアクセスします。
  2. Windows 11 を選び、Version 25H2 を選択します。
  3. 言語を選んで 64-bit の ISO をダウンロードします(Windows 11 は 32-bit 非対応)。

画像: Download via msdl.tech-latest.com

画像: Download Windows 11 25H2

検証: ダウンロードした ISO のサイズが Microsoft の記載と概ね一致するかを確認し、可能であれば SHA256 等のハッシュ値で整合性をチェックしてください。

ステップ 2: ブート可能USBドライブを作成する

ISO またはインストールメディアが準備できたら、USB をブート可能にします。ここでは Media Creation Tool と Rufus の 2 通りを解説します。

方法 A — Media Creation Tool を使う(初心者向け)

画像: Download Windows 11 Installation Media

手順:

  1. Microsoft のダウンロードページで「Create Windows 11 Installation Media」セクションの「Download Now」をクリックして Media Creation Tool を入手します。
  2. ダウンロードした実行ファイルを開き、管理者権限で許可を与えます(「はい」を選択)。
  3. ライセンス条項に同意します。
  4. 言語とエディションが自動検出されますが、必要であれば変更できます。
  5. 「Create installation media (USB flash drive, DVD, or ISO file)」を選択して Next をクリックします。
  6. 「USB flash drive」を選び、接続した USB を選択します。注意: 選択した USB 上のデータは全て消えます。
  7. ツールが自動的に必要なファイルをダウンロードして USB を作成します。完了まで数十分かかる場合があります。

画像: Windows 11 Installation Media

Media Creation Tool は Microsoft が提供するため、基本的に最も安全で簡単な方法です。ただし、ツールは Windows 上で動作します。

画像: Windows 11 Installation Media

方法 B — Rufus を使う(上級者向け、柔軟性あり)

Rufus は小型のフリーソフトで、ISO からブート可能 USB を作る際に細かい設定が可能です。特に UEFI/GPT と Legacy/MBR の選択や、Windows To Go 形式など高度なオプションが必要な場合に有用です。

画像: Download Rufus

手順:

  1. Rufus の公式サイトから最新版をダウンロードします。インストール不要で実行ファイルを起動できます。
  2. USB を PC に挿入します。
  3. Rufus を起動すると自動的に接続した USB を検出して Device 欄に表示します。
  4. Boot selection で「Select」をクリックし、ダウンロードした Windows 11 25H2 の ISO ファイルを選択します。
  5. Image option は通常「Standard Windows installation」のままで OK です。
  6. Partition scheme は基本的に GPT を選びます(UEFI 対応のほとんどの新しいPC)。古い BIOS のみ対応の PC の場合は MBR を選びます。
  7. Target system は「UEFI (non-CSM)」が表示されることを確認してください。
  8. Volume label に任意の名前(例: Win11_25H2)を付けても構いません。
  9. その他はデフォルトのままで Start をクリックします。USB 内のデータは消去されます。
  10. 警告が出たら内容を確認の上、続行します。作業は 10〜30 分程度かかることがあります。

画像: Create Windows 11 Bootbale USB using Rufus

Rufus の主なオプション解説:

  • GPT vs MBR: GPT は UEFI 向け。MBR は古い BIOS 向け。ほとんどの近年のマシンは GPT を使ってください。
  • Target system: UEFI (non-CSM) は Secure Boot との互換性が高い設定です。
  • Image option: Windows の通常インストールか、Windows To Go などの別オプションが選べます。

ステップ 3: USB から Windows 11 をインストールする

インストール前の最終チェック:

  • 重要データのバックアップが完了しているか
  • インストール先のドライブ(例: Drive 0)が判別できるか
  • 必要なドライバーやライセンスキーが揃っているか(後で入力可)

手順:

  1. ブート可能 USB をインストール先の PC に差し込みます。
  2. PC を再起動します。
  3. 起動時にブートメニューキーを押して USB から起動します。製品別のキー例:
    • Dell: F12
    • HP: Esc または F9
    • Lenovo: F12
    • Asus: F8
    • Acer: F12
    • MSI: F11
  4. ブートメニューで USB を選択して Enter を押します。
  5. Windows セットアップが始まります。言語、時刻、キーボードレイアウトを選択して Next。

画像: Windows 11 ISO Clean Installation

  1. 「Install Now」をクリックします。

画像: Windows 11 ISO Clean Installation

  1. プロダクトキーがあれば入力。無ければスキップして後でアクティベートできます。

画像: Windows 11 ISO Clean Installation

  1. エディションを選択(表示された場合)。
  2. ライセンス条項に同意して Next。
  3. アップグレード(既存の Windows を保持)かカスタム(クリーンインストール)を選びます。クリーンを望むなら「Custom: Install Windows only」を選択します。
  4. インストール先のパーティションを選びます。通常は Drive 0。完全に消去したい場合は既存パーティションを削除して未割当領域を選択してください。

画像: Windows 11 ISO Clean Installation

セットアップはファイルのコピー、機能のインストール、数回の再起動を行います。完了するまでは USB を抜かないでください。完了画面は「Hi, we’re getting things ready for you」といった初期セットアップ画面になります。

画像: Download Windows 8.1 ISO

互換性と事前チェック: TPM、Secure Boot、PC Health Check

Windows 11 の要件には TPM 2.0、Secure Boot、対応 CPU などが含まれます。公式の PC Health Check アプリで互換性を確認してください。必要なら BIOS/UEFI 設定で TPM と Secure Boot を有効化します。古い PC では回避策や非サポートインストールが必要になる場合がありますが、セキュリティの観点からは推奨されません。

チェック項目:

  • TPM 2.0 が有効化されているか
  • Secure Boot が有効になっているか
  • ストレージが GPT(UEFI)かどうか
  • RAM とディスク容量が要件を満たしているか

よくある問題と対処法

問題: USB から起動できない 対処:

  • ブート順序を BIOS/UEFI で確認
  • USB が FAT32 でフォーマットされているか(UEFI 向け)
  • Rufus で作成時に GPT / UEFI を選んだか

問題: インストール時に TPM 要件で拒否される 対処:

  • BIOS/UEFI で TPM を有効にする
  • PC Health Check を再実行
  • どうしても対応できない古いハードでは、Microsoft のサポート外の回避策がありますがセキュリティリスクがあるため注意

問題: インストール途中で「このPCはWindows 11を実行できません」と出る 対処:

  • CPU が公式サポート対象か確認
  • TPM / Secure Boot の状態を確認
  • 最新の BIOS にアップデートすることを検討

問題: ネットワークに接続できない、ドライバーがない 対処:

  • ネットワークカードのドライバーを別USBに入れて読み込む
  • インターネット接続はセットアップ後に行い、Windows Update でドライバーを取得

代替ツール・方法

  • balenaEtcher: macOS / Linux / Windows で使えるシンプルなイメージ書き込みツール。ISO を USB に書き込むのに便利だが、UEFI/詳細設定には制限がある。
  • Ventoy: 複数の ISO を一つの USB に置いて選択して起動できるツール。複数環境を試す技術者向け。

セキュリティ上の注意

  • 公式以外の配布元からの ISO は危険が伴う。可能な限り Microsoft 公式または信頼できるミラーから取得してください。
  • インストール後は Windows Update を直ちに実行して最新のセキュリティパッチを適用してください。

展開・運用向けの実務チェックリスト(役割別)

ホームユーザー:

  • バックアップ済みか確認
  • 重要ソフトのインストーラーを用意
  • Microsoft アカウント情報を手元に

IT担当者(少人数運用):

  • 製品版プロダクトキーの一覧を準備
  • カスタムイメージ(ドライバーやソフトを統合)を検討
  • テストマシンで導入試験を実施

システムビルダー/ショップ:

  • 複数台展開用のイメージ管理
  • UEFI とドライバ互換性の検証
  • ドライバ、チップセット、ネットワークの標準化

検収基準(インストール成功の受け入れ条件)

  • USB から起動してインストーラーが立ち上がる
  • インストール先のディスクに OS が正しく書き込まれる
  • 初回起動後、Windows のセットアップ画面まで到達する
  • デバイスマネージャーに未認識の主要デバイスがない
  • Windows Update を実行し、主要な更新が取得できる

ミニメソドロジー:安全で確実なインストール手順(要約)

  1. バックアップを取る(イメージや重要ファイル)。
  2. 公式から ISO または Media Creation Tool をダウンロード。
  3. 適切なツールで USB を作成(Media Creation Tool または Rufus)。
  4. BIOS/UEFI の設定(TPM、Secure Boot、ブート順)を確認。
  5. USB から起動してインストール。
  6. ドライバーと Windows Update を適用。

決定支援フローチャート

flowchart TD
  A[開始] --> B{すでに ISO を持っているか}
  B -- はい --> C[Rufus で USB を作成]
  B -- いいえ --> D{Windows PC で作るか}
  D -- はい --> E[Media Creation Tool を使用]
  D -- いいえ --> F[別の PC か balenaEtcher を検討]
  C --> G[ブートテスト]
  E --> G
  F --> G
  G --> H{起動成功か}
  H -- はい --> I[インストールへ進む]
  H -- いいえ --> J[設定と互換性を再確認]

追加のヒューリスティック(現場のコツ)

  • USB は品質の良いものを使う(書き込み速度と信頼性が重要)。
  • 作成中にエラーが出たら別の USB で再試行する。
  • 企業展開ではイメージをカスタマイズし、ドライバーとポリシーを統合する。
  • 可能であればクリーンインストールを推奨。累積的不具合を抱えた環境より安定する場合が多い。

エッジケースギャラリー(短評)

  • 古いCPUや TPM 非搭載機: 非対応か回避策が必要だが、セキュリティリスクは増す。
  • Mac や Linux 上で USB 作成: balenaEtcher が使いやすい。Rufus は Windows 専用。
  • ARM ベースデバイス: x64 用 ISO は動作しない。必ず対応アーキテクチャを確認。

まとめ

Windows 11 25H2 のブート可能 USB 作成は、正しいツールと事前準備があれば難しくありません。公式の Media Creation Tool は手軽さが最大の利点で、Rufus は柔軟性と詳細設定が必要な場面で強力です。インストール前のバックアップと互換性チェックを怠らないでください。問題が発生した場合は、BIOS/UEFI 設定、USB の作成方法、ISO の整合性を順に確認すると多くは解決します。

重要: 公式以外の ISO を使う場合はセキュリティリスクを理解し、ファイルの整合性を確認すること。


要点の再掲(短いまとめ):

  • 公式サイトからのダウンロードと Media Creation Tool の使用が最も安全。
  • Rufus は詳細設定が必要な場合に有利。
  • USB 作成前にバックアップを必ず行う。
  • TPM と Secure Boot の互換性を確認する。

ご不明な点や実行中のエラーがあれば、使用している PC のメーカーとエラーのスクリーンショットを添えてご相談ください。

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