テクノロジーガイド

Windows 10 の回復ドライブを作成する方法

2 min read トラブルシューティング 更新されました 01 Oct 2025
Windows 10 回復ドライブの作り方とチェックリスト
Windows 10 回復ドライブの作り方とチェックリスト

概要

回復ドライブとは、Windows の起動や修復に使うブータブルな USB ドライブです。OS がウイルス感染や更新失敗、ファイル破損などで起動しなくなった場合、このドライブを使って起動し、トラブルシューティングや再インストール、システムの復元を行えます。

定義: 回復ドライブ — Windows の修復ツールと必要なシステムファイルを格納したブータブル USB ドライブ。

重要: 回復ドライブを作ると USB 内の全データが消えます。必ず事前に必要なファイルをバックアップしてください。

必要なもの

  • 空の USB フラッシュドライブ(推奨容量: 16 GB 以上)。64 ビット版 Windows を含む場合は容量が多いほど安心です。
  • Windows 10 に正常にアクセスできる PC(作成時)。別の同一アーキテクチャ(32/64 ビット)の Windows PC を使って作成することも可能です。

画像: 回復ドライブ作成の説明画像

Windows 10 の回復ドライブの作成手順を示すイメージ

USB を事前にフォーマットする方法

  1. USB を PC に接続します。
  2. エクスプローラーで該当ドライブを右クリックし「フォーマット」を選びます。
  3. ファイルシステムで「NTFS」を選択し、開始します(大きなファイルやシステムバックアップに対応)。

USB を NTFS でフォーマットする画面のイメージ

フォーマットで NTFS を選ぶ画面のイメージ

いつ作るべきか

ベストなタイミングは「今」です。OS が正常に動作しているうちに作成しておくことで、将来の大きなトラブルからすばやく復旧できます。作成にデメリットはほとんどありません。

現在 PC は問題ないが

日常でのトラブル(更新の失敗、誤った設定、マルウェアなど)はいつ発生するかわかりません。平常時に回復ドライブを作成しておけば、最悪のケースでも迅速に対処できます。

トラブル発生時に備えるイメージ

他の手段はあるか

回復ドライブを作っていない場合でも、次の代替手段があります。

  • Microsoft の Media Creation Tool でインストールメディア(再インストール用 USB)を作成する。
  • 別の同じシステムタイプ(32/64 ビット)の Windows 10 マシンで回復ドライブを作成して利用する。
  • OEM(メーカー)提供のリカバリメディアやリカバリパーティションを利用する。

ただし、インストールメディアはクリーンインストールを行うため設定や個人ファイルが消える可能性があり、回復ドライブの「システムファイルをバックアップ」オプションほど元の環境に近い復元はできない場合があります。

回復ドライブの作り方(ステップバイステップ)

  1. スタートメニューを開き、「create a recovery drive」と入力します(このフレーズは Windows の検索に表示される UI ラベルです)。

検索で回復ドライブを探す画面のイメージ

  1. 表示された結果を選択すると、回復ドライブ作成ウィザードが起動します。

回復ドライブ作成ウィザードの開始画面のイメージ

  1. 「システムファイルを回復ドライブにバックアップする」というチェックボックスがあります。これをオンにすると、回復ドライブから Windows の再インストールが可能になり、より広範な復旧ができます。必要な容量は増えますが、可能ならオンにしましょう。

必要な容量を示す画面のイメージ

  1. Next(次へ)をクリックすると、Windows が必要容量を計算します。求められる容量に合わせて適切な USB を用意してください。
  2. 指示に従い進めると USB がフォーマットされ、回復ツールと必要ファイルがコピーされます。完了まで数分〜数十分かかることがあります。

注意: 作成中は PC の電源を切らないでください。

作成後にできること

  • 回復ドライブで起動し、スタートアップ修復、システムの復元、コマンドプロンプト、イメージの回復などのオプションにアクセスできます。
  • 「システムファイルをバックアップ」した回復ドライブからは、OS の再インストール(OEM イメージに依存せずに標準の Windows を復元)も可能です。

いつ回復ドライブで直せないか(失敗例)

  • ハードウェア故障(マザーボード、ストレージの物理的故障)では回復ドライブで起動はできても根本的な修理にはならない。
  • 暗号化されたドライブ(BitLocker 等)が有効で鍵がない場合、データ復旧や完全な復元ができない。
  • ブートローダー以外の深刻なファームウェア破損や互換性の問題があると回復が難しい。

代替アプローチと併用戦略

  • 定期的なイメージバックアップ(外付け HDD かネットワーク先)を組み合わせると、個人データや設定を完全に復元しやすくなる。
  • システムの復元ポイントの作成や、重要ファイルをクラウド同期(OneDrive など)しておく。
  • セキュリティ対策ソフトの定期スキャンと Windows Update の管理を行うことで、そもそもの破損リスクを下げる。

実務者向けチェックリスト(役割別)

  • ユーザー: 回復ドライブを 1 本作成し、安全な場所に保管する。重要ファイルは別でバックアップする。
  • IT 管理者: 部署ごとに回復ドライブ作成ポリシーを作成し、32/64 ビットの区別を文書化して配布する。
  • サポート担当: 回復ドライブ作成手順の簡易マニュアルと推奨 USB 容量を社内ポータルに掲載する。

ミニ受け入れ基準

  • 回復ドライブから PC を起動できること。
  • 回復ツール(スタートアップ修復、コマンドプロンプト等)にアクセスできること。
  • 「システムファイルをバックアップ」した場合は、OS の再インストールが開始できること。

意思決定フロー(Mermaid)

以下のフローで「回復ドライブを作成するか?」を判断できます。

flowchart TD
  A[今すぐ作る?] -->|はい| B[USBを準備]
  A -->|いいえ| C[リスクを許容]
  B --> D{既に回復ドライブはあるか}
  D -->|はい| E[更新または再作成を検討]
  D -->|いいえ| F[ウィザードで作成]
  C --> G[少なくともインストールメディアを用意]

テストケース(受入確認)

  • テスト1: 別 PC で回復ドライブから起動できるか検証する。
  • テスト2: スタートアップ修復を選び、修復オプションが表示されるか確認する。
  • テスト3: 「システムファイルをバックアップ」ありで作成した場合、OS 再インストールの準備が進むか確認する。

まとめ

回復ドライブは、Windows 10 のトラブル対処において最も手軽で有効な準備の一つです。推奨は空の USB(16 GB 以上)の用意と、「システムファイルを回復ドライブにバックアップする」オプションを有効にして作成すること。作っておけば、起動不能になったときに迅速に復旧作業を開始できます。

重要: 作成時に USB の中身は消えます。必ずバックアップを取ってから進めてください。

要点:

  • 今すぐ作るのが最良策。
  • 16 GB 以上の USB を推奨。
  • 「システムファイルをバックアップ」をオンにすると復元力が高まる。

お使いの環境で回復ドライブが役に立った経験や、別の復旧方法があればぜひ共有してください。


1行用語集: 回復ドライブ — Windows の修復ツールと必要ファイルを含むブータブル USB。

共有する: X/Twitter Facebook LinkedIn Telegram
著者
編集

類似の素材

Debian 11 に Podman をインストールして使う
コンテナ

Debian 11 に Podman をインストールして使う

Apt-pinning入門:Debianで複数リポジトリを管理
Linux

Apt-pinning入門:Debianで複数リポジトリを管理

OptiScalerでFSR 4を全対応ゲームに導入する方法
ゲーム

OptiScalerでFSR 4を全対応ゲームに導入する方法

Dansguardian と Squid(NTLM)を Debian Etch に導入する方法
ネットワーク

Dansguardian と Squid(NTLM)を Debian Etch に導入する方法

AndroidでSDカードのインストールエラーを修正する方法
トラブルシューティング

AndroidでSDカードのインストールエラーを修正する方法

KNetAttach と KDE の remote:/ でネットワークフォルダーを設定
Linux ネットワーク

KNetAttach と KDE の remote:/ でネットワークフォルダーを設定