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Google ドキュメントでテンプレートを自分で作る方法

2 min read チュートリアル 更新されました 19 Oct 2025
Google ドキュメントでテンプレートを作成する方法
Google ドキュメントでテンプレートを作成する方法

概要

Google ドキュメントを日常的に使うと、同じレイアウトや書式を繰り返し使いたくなります。手作業でフォーマットをコピーする代わりに、テンプレートを1つ作っておけば、新しい文書を作るたびにレイアウトの微調整をする必要がありません。かつては Google Docs にユーザーがテンプレートを提出できるギャラリー機能がありましたが、その後有料の Google Workspace に移行され、個人ユーザーは独自テンプレートをアップロードできなくなりました。

この記事では、無料ユーザーでも手作業でテンプレートを作成して管理し、チームや個人のワークフローに取り入れるための方法と実践的な運用ルール、代替手段やチェックリストをまとめます。

重要: 本稿では Google Workspace の有料テンプレート機能を利用しない「手動テンプレート」の作り方に焦点を当てます。

なぜテンプレートが重要か

  • 時間を節約できます。毎回書式を整える必要がありません。
  • 品質を均一化できます。ドキュメントの体裁や法的表記を統一できます。
  • ミスを減らします。必須項目をプレースホルダで明示すれば、記入漏れを防げます。

定義(1行): テンプレート = 新しい文書を作るときの「雛形」として使う、書式と空欄(プレースホルダ)だけのドキュメント。

テンプレートの作り方(ステップバイステップ)

1) 新規テンプレート用ドキュメントを作る

Google ドキュメントのトップから「新しいドキュメント」を作成します。既に使いたいレイアウトがある既存ドキュメントがあれば、コピーしてテンプレートのベースにして構いません。

Google ドキュメントで新しいドキュメントを作成する画面

ヒント: 元文書を直接編集せず、必ずコピーを作ってからテンプレートにすることでオリジナルを保護できます。コピーは「ファイル」→「コピーを作成」で作成します。

2) 書式を整え、プレースホルダを入れる

  • 見出しスタイル、フォント、段落間隔、余白、ヘッダー/フッター、ページ番号などを決めます。これらはテンプレートの骨格です。
  • 記入が必要な部分には分かりやすいプレースホルダを入れます(例: [氏名を入力], [日付を入力], [会社名を入力])。プレースホルダは色付きテキストやコメントで目立たせると便利です。

テンプレート用フォームの例(個人情報フィールドを空にした状態)

プレースホルダの書式(推奨):

  • 角括弧や大文字で囲む: [氏名]
  • 色は薄いハイライト(黄色など)で背景を付ける
  • 必須項目には★印や必須ラベルを付ける

3) テンプレート名を付ける

テンプレートは忘れにくく検索しやすい名前を付けます。命名規則をルール化すると複数テンプレートを管理しやすくなります(例: “TEMPLATE契約書雛形_v1”)。

4) 保存と初期バージョン管理

バージョンが重要なテンプレートは、テンプレート自身のコピーを作ってバージョン番号を付けておきます。Google ドライブの「バージョン履歴」機能も活用できますが、明示的にファイル名でバージョン管理すると運用が分かりやすくなります。

テンプレートを見つけやすくする方法

テンプレートを作っても Google ドライブ内で埋もれてしまうと意味がありません。見つけやすくするための実践的方法を紹介します。

フォルダを作る

「Templates」や「テンプレート」など専用フォルダを作り、テンプレートファイルをその中に移動します。フォルダを上位に置いておけば、ドキュメントが増えても視認性が保てます。

Google ドライブで新しいフォルダを作成する画面

フォルダ名の例:

  • テンプレート(個人用)
  • テンプレート(チーム名)
  • 契約書テンプレート

テンプレート用フォルダに名前を付ける画面

スター(お気に入り)を付ける

重要なテンプレートはスターを付けます。Google ドライブの左側メニューの「スター付き」からすぐにアクセスできます。

ドキュメントにスターを付ける方法

スターは個人単位で有効です。チームで使うテンプレートはフォルダ共有+フォルダ分けで管理し、個人がよく使うテンプレートにはスターを付ける運用が便利です。

共有リンクと権限の設定

チームで使う場合、テンプレートフォルダをチームと共有します。閲覧のみ(編集不可)に設定しておくと、オリジナルを誤って編集されるリスクを下げられます。必要に応じてオーナーを固定するルールも決めましょう。

テンプレートから新しい文書を作る

テンプレートを利用する最も簡単な方法は「コピーを作る」ことです。Google ドライブでテンプレートを右クリックし「コピーを作成」を選びます。Google ドキュメント内でも「ファイル」→「コピーを作成」で同様の操作が可能です。

テンプレートをコピーして新しい文書を作る画面

コピーしたファイルに分かりやすい名前を付け、必要な情報を埋めてください。

テンプレートをコピーした後に名前を変更する画面

応用: プレースホルダをスマートに扱うテクニック

  • コメントを使って入力ガイドを残す(例: 「ここに担当者名を入力」)
  • テキストボックスや表を活用して入力位置を固定する
  • フィールド一覧を先頭ページに作り、必須項目のチェックリストにする

トリッキーなテンプレート(よくある課題と対策)

  • 課題: テンプレートが多数になり、どれが最新か分からなくなる。対策: 命名規則とバージョン表をテンプレートフォルダに置く。
  • 課題: チームが誤ってテンプレートを編集する。対策: フォルダの権限を “表示のみ” にするか、オーナー以外の編集を禁止する。
  • 課題: フォーマットが崩れる。対策: 固定フォントやスタイルガイドをテンプレートに埋め込み、必要な書式をスタイルとして保存する。

代替アプローチ(テンプレート運用の選択肢)

  1. Google Workspace(旧 GSuite)で公式テンプレート管理を使う(有料)

    • メリット: 管理が中央集約され、ギャラリーから簡単に配布できる
    • デメリット: コストがかかる
  2. サードパーティのテンプレート管理ツールやアドオンを使う

    • メリット: 検索や配布機能が強化される場合がある
    • デメリット: 外部サービスとの連携やセキュリティ評価が必要
  3. Google ドキュメント API やスクリプトで自動生成する

    • メリット: データベースやフォームと連携しテンプレートから自動で文書を生成できる
    • デメリット: 技術的な実装が必要

どの方法を選ぶかは、チームの規模、セキュリティ要件、予算に依存します。

運用ルール(SOP / プレイブック)

簡略 SOP:

  1. テンプレート作成者がテンプレートを準備し、命名規則に基づいたファイル名を付ける。
  2. テンプレートを “テンプレート” フォルダに保存し、フォルダの権限を閲覧のみ(必要に応じ編集は限定)に設定する。
  3. バージョンを上げるときは “_v2” のようにファイル名にバージョンを付け、旧バージョンは archive サブフォルダへ移動する。
  4. チームメンバーはテンプレートから「コピーを作成」して使用し、コピーの編集は自由に行う。
  5. 四半期ごとにテンプレートを見直し、古い表記やリンクを更新する責任者を決める。

役割別チェックリスト

  • テンプレート作成者:

    • 書式とプレースホルダを定義
    • 命名規則に従って保存
    • 変更ログを残す
  • チームリーダー:

    • テンプレートフォルダの権限を管理
    • 必須テンプレートの可視化を検討
  • 一般ユーザー:

    • テンプレートから必ずコピーを作成して使用
    • フォーマットを勝手に変更しない(必要な改定は管理者へ依頼)

受け入れ基準

テンプレートが実際に「使える」と判断する基準:

  • 指定されたプレースホルダがすべて存在すること
  • 見出し、フォント、マージンなど主要なスタイルが統一されていること
  • オリジナルテンプレートに対して「表示のみ」またはオーナーの編集権限が設定されていること
  • テンプレート一覧に説明(1〜2行)が付いていること

決定木(テンプレートを作るべきかの簡易フロー)

flowchart TD
  A[この文書を何度も作りますか?] -->|はい| B[テンプレートを作る]
  A -->|いいえ| C[テンプレート不要]
  B --> D{チームで共有するか?}
  D -->|はい| E[テンプレートフォルダに保存して共有設定]
  D -->|いいえ| F[個人用フォルダに保存・スター付け]

よくある失敗例と回避策

  • 失敗: テンプレートにダミーデータを残して配布してしまう。
    • 回避策: 配布前に “テストデータ削除” チェックリストを実行する。
  • 失敗: 名前が曖昧で古いテンプレートが使われる。
    • 回避策: バージョン付き命名規則を導入する。
  • 失敗: 共有設定が緩くてテンプレートが改変される。
    • 回避策: フォルダを表示のみで共有し、編集はテンプレート管理者に限定する。

ミニ用語集(1行ずつ)

  • テンプレート: 再利用可能な雛形ドキュメント。
  • プレースホルダ: ユーザーが入力すべき場所を示す記号や文章。
  • スター: Google ドライブでお気に入り登録する機能。

メンテナンスの推奨スケジュール

  • 四半期ごと: テンプレートの内容確認(用語・法的表記・リンク)
  • 年次: 大規模なフォーマット更新の検討

セキュリティと共有に関する注意点

  • 機密情報を含むテンプレートは共有しない。テンプレート自体が個人情報や機密を含まないことを確認する。
  • 外部サービスを使う場合はデータ取り扱いポリシーを確認する。

FAQ

テンプレートを編集されたくない場合はどうすればいいですか?

テンプレートフォルダを “閲覧のみ” で共有し、オーナーだけが編集できるように権限を設定してください。

テンプレートの最新版をチーム全体に周知するには?

テンプレートフォルダ内に “変更履歴” 文書を置き、更新日と変更点を記載します。重要更新はチームチャットやメールで通知してください。

Google Workspace を利用すべきタイミングは?

テンプレートの数が多く、中央管理や承認ワークフローが必要で、コストを負担できるときは Workspace の導入を検討してください。

まとめ

自分でテンプレートを持つことは、作業の効率化と品質維持に直結します。無料ユーザーでも、テンプレート用ドキュメントを一つ用意し、専用フォルダやスターで整理し、命名規則とバージョン管理を決めておけば十分に効果を発揮します。チームで使う場合は共有権限や更新ルールも合わせて定めることをおすすめします。

重要: テンプレート運用は作ることよりも、使い続けられるルール作りが重要です。


短い告知文(社内向け、100〜200字):

Google ドキュメント用の公式テンプレート準備しました。テンプレートは「テンプレート」フォルダに保存してあります。利用時は必ず「コピーを作成」して使用してください。フィードバックや改善提案はテンプレート管理者までお願いします。

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