なぜタグを整理するべきか
WordPress には投稿にタグを付ける機能があります。これは投稿を細かく分類するのに便利ですが、整理しないまま放置するとタグが膨れ上がり、データベースに不要なエントリが増えます。重複したタグ(例: windows7 と windows-7)や投稿がないタグが溜まると、検索・管理の効率が下がり、サイトの応答速度に影響する場合があります。
重要: 操作前に必ずサイトとデータベースのフルバックアップを取ってください。
準備
- 管理者アカウントで WordPress にログインする。
- 必要なプラグイン: Term Management Tools(この記事の手順で使用)。
- 管理画面の UI ラベルは原文と異なる場合がありますが、日本語版でも同様の手順で操作できます。
Term Management Tools を使ったタグのクリーンアップ手順
WordPress 管理画面で Term Management Tools プラグインをインストールし、有効化します。
「投稿」→「タグ」へ移動して投稿タグ一覧を表示します。
デフォルトでは 1 ページあたり 20 件表示されます。タグ数が多い場合はページ移動が煩雑になるため、画面上部の「Screen Options(画面オプション)」をクリックして、1 ページあたりの表示件数を増やします。最大値は 999 です。
- タグ一覧を確認し、投稿数が 0 のタグを探してチェックを入れます。ページ上部または下部の一括操作ドロップダウンで「Delete(削除)」を選び、適用をクリックします。未使用タグが削除されます。
- 次に、意味が重複しているタグ(例: windows7 と windows-7)をまとめます。該当タグにチェックを入れ、ドロップダウンから「Merge(マージ)」を選択します。統合先のタグ名を入力するフィールドが表示されるので、統合したいタグ名を入力して実行します。
タグ数が多い場合、全体の整理には時間がかかります。正確にタグを選んで統合・削除してください。作業完了後はプラグインを無効化して問題ありません。
最後にデータベースの最適化とフルバックアップを行います(WP-DBManager 等のツールを使用)。
完了です。
注意: マージ操作はタグの紐付けを変えるため、誤った統合は投稿の分類を失わせる可能性があります。必ずバックアップを取ってから行ってください。
代替手段
- WP-CLI を使える場合: wp term list / wp term delete / wp term meta を使った一括操作でより高速に処理できます。コマンドラインに慣れている場合は効率的です。
- 別のプラグイン: Bulk Delete や類似のタグ一括管理プラグインを検討できます。機能や互換性は事前に確認してください。
- 手動 SQL 編集: 高度な知識がある場合、直接データベースのタームテーブルを編集して整理することも可能ですが、リスクが高いので推奨しません。
失敗する場合と対策
誤って重要なタグを削除/マージしてしまった
- 対策: バックアップからのリストア。作業前のエクスポートを必須にする。
プラグインの互換性で操作が失敗する
- 対策: テスト環境で事前検証。プラグインを最新にする。
大量のタグを一度に処理してサイトが重くなる
- 対策: 少しずつ処理する、またはメンテナンスモードを使用する。
チェックリスト(SOP: 管理者向け短手順)
- サイト全体のフルバックアップを取得する。
- テスト環境があれば同手順を先に実行し、問題がないか確認する。
- Term Management Tools をインストールして有効化する。
- 投稿 → タグを開き、Screen Options で表示数を増やす。
- 投稿数 0 のタグを削除する。
- 類似タグを選んでマージする(統合先を慎重に決める)。
- プラグインを無効化する。
- データベースを最適化してフルバックアップを再取得する。
役割別チェックポイント:
- サイト管理者: バックアップ取得と最終承認。
- コンテンツ担当: マージ先のタグ命名ルールを決定。
- 開発者: 大量処理や WP-CLI スクリプトの実行、互換性チェック。
ミニ・メソドロジー(どのタグを残すかの判断基準)
- 残すべきタグ: 複数の投稿に関連し、今後も検索やフィルタで使うもの。
- 削除候補: 投稿数が 0、または単発で使われただけのタグ。
- 統合候補: 意味が同じ・近いが表記が異なるタグ(ハイフン、数字表記、スペル違いなど)。
ヒューリスティック: 「投稿数が少ない && 類似タグがある」なら統合候補。
データベース最適化とバックアップ
- 最適化: 不要なオーバーヘッドを減らすためにテーブルを最適化します。WP-DBManager や phpMyAdmin を使用できます。
- バックアップ: 作業前と作業後の 2 回は最低でも取得してください。バックアップはローカルとクラウドに保管するのが安全です。
重要: バックアップは復元手順を確認してから行ってください。
まとめ
タグの整理はサイトの可読性と管理効率を高めるだけでなく、データベースの無駄を減らしてパフォーマンス改善にも寄与します。Term Management Tools は手軽で安全にタグを削除・マージできる良い選択肢です。作業前後のバックアップとデータベース最適化を忘れずに行いましょう。
要点:
- まずバックアップとテスト環境で検証する。
- 未使用タグは削除、類似タグはマージする。
- 作業後にプラグイン無効化とデータベース最適化を行う。
外部リンクや追加の手法も検討すると、より効率的なタグ管理が可能です。