何が変わったかと理由の簡単説明
Googleはユーザー体験の向上のために、約1年前からGmailの「作成」画面を小型のポップアップ(画面右下)に変更しました。メリットは素早く簡単にメールを書くことができる点、デメリットは編集領域が狭く感じることや、旧来の全画面(または大きめウィンドウ)での作業を好むユーザーには使いづらい点です。
用語1行定義:
- 拡張機能(extension): ブラウザの機能を追加・変更する小さなソフトウェア。
重要: Google公式に戻す設定は提供されていませんが、サードパーティ拡張で見た目を元に近づけることが可能です。
対応ブラウザと拡張機能の概略
現在(執筆時点)、主要な対応はGoogle ChromeとMozilla Firefox向けの拡張機能で提供されています。どちらのブラウザでも拡張機能をインストールすると、Gmailを開いた際に「作成」ボタンを押したときに従来の大きな作成ウィンドウが表示されるようになります。
注意点:
- 拡張機能はGmailの表示を「見た目上」変更するもので、Googleのサーバー側の挙動自体を変更するわけではありません。
- 拡張機能の更新やGmailの仕様変更で動作が変わる可能性があります。
Chromeで古い作成ウィンドウを復活させる手順
- Chrome Web StoreのOld Composeページへ移動します。
- 画面右上にある「FREE」ボタンをクリックします。
- 拡張機能を追加するか確認するポップアップが出たら「Add」(追加)ボタンをクリックします。
- インストールが完了すると成功メッセージが表示され、拡張機能アイコンが拡張バーに表示されます。
- Gmailを開き、「Compose(作成)」ボタンを押すと、従来の大きな作成ウィンドウが表示されます。
元に戻したい場合は、Chromeの拡張機能ページから当該拡張をアンインストールすれば再び小さいウィンドウになります。
Firefoxで古い作成ウィンドウを復活させる手順
この手順はFirefoxブラウザを使用していることが前提です。
- Firefoxアドオン(Add-ons)サイトのOld Compose拡張ページへ移動します。
- 「Add to Firefox」(Firefoxに追加)ボタンをクリックすると、拡張機能のダウンロードが始まります。
- ダウンロード後、インストール許可を求められたら「Install Now」(今すぐインストール)をクリックしてインストールします。
- インストールが成功した旨の確認メッセージが表示されます。
- Gmailを開き、作成ボタンを押して従来のウィンドウが表示されるか確認します。
トラブルシューティングとよくある問題
- 拡張機能を入れたのに変化がない場合:
- ブラウザを再起動してみてください。
- Gmailのページをリロードし、キャッシュをクリアしてから再度確認してください。
- 他の拡張機能(特にGmailに影響するテーマ系やスクリプト系)が競合している可能性があります。一時的に他を無効化して確認してください。
- 拡張機能が警告を出す/動作が不安定な場合:
- 拡張機能のレビューや公開ページで既知の不具合情報を確認してください。
- 公式ではないため、更新が途絶えるとGmailのUI更新で動作しなくなるリスクがあります。
セキュリティ・プライバシー上の注意点
- 拡張機能はブラウザに権限を要求します。インストール前に要求する権限(アクセスできるサイト、読み書きの可否など)を必ず確認してください。
- 信頼できる公開元(Chrome Web StoreやFirefox Add-onsの公式ページ)から入手し、レビューや公開履歴を確認することを推奨します。
- 機密性の高いメールを扱う場合は、拡張機能がデータを外部に送信しないかを注意深く確認してください。可能であればソースコードが公開されている拡張機能の方が安心です。
重要: 企業で支給された端末や管理されたアカウントを使っている場合、管理者ポリシーで拡張機能のインストールが制限されていることがあります。職場のポリシーを確認してください。
いつこの方法が向いていないか(反例)
- 高いセキュリティ要件がある環境では、サードパーティ拡張の導入は避けるべきです。
- ブラウザが古くて拡張機能に対応していない場合。
- 組織側で拡張機能のインストールを禁止している場合。
代替アプローチ
- ブラウザのデベロッパーツールでCSSを上書きして無理やり表示を戻す(推奨されない、保守性が低い)。
- Gmailの代替クライアント(デスクトップアプリやIMAP対応のメールクライアント)を使う。
- キーボードショートカットを活用して素早くメール作成に入る(Shift+C など、Gmailのショートカットを確認)。
導入前チェックリスト(役割別)
- 一般ユーザー:
- 拡張機能のレビューを確認したか
- 必要なブラウザ権限を確認したか
- ブラウザを最新にしているか
- 管理者/IT担当者:
- 組織ポリシーで拡張機能が許可されているか
- セキュリティ観点で問題ないか評価したか
まとめ
この方法を使えば、Gmailで従来の作成ウィンドウを復活させ、より広い編集領域でメールを作成できます。一方で、拡張機能はサードパーティ製であり、権限や更新状況に注意する必要があります。導入前に権限の確認、レビューの確認、職場ポリシーの確認を行ってください。
FAQ
Q: この拡張機能は公式ですか?
A: いいえ。Chrome Web StoreやFirefox Add-onsで配布されていますが、Google公式の機能ではありません。
Q: 拡張機能を入れてもGmailの機能が失われたりしますか?
A: 基本的には表示を変更するだけですが、拡張機能の質によっては競合や表示崩れが発生する可能性があります。問題があれば拡張機能を無効化してください。
Q: モバイル版Gmailでも有効ですか?
A: いいえ。この記事で紹介する拡張機能はデスクトップ用ブラウザ向けです。モバイルアプリでは適用されません。
Q: 元に戻したい場合はどうすればいいですか?
A: ブラウザの拡張機能管理画面から当該拡張機能をアンインストールまたは無効化すれば、Gmailは元の小さな作成ポップアップに戻ります。
作業後メモ: 拡張機能の挙動はブラウザの更新やGmail自体のUI変更で変わることがあります。長期的に使う場合は、定期的に動作チェックと拡張の更新履歴を確認してください。