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Windows Terminal の設定をバックアップして復元する方法

2 min read ハウツー 更新されました 21 Oct 2025
Windows Terminal の設定をバックアップ・復元する方法
Windows Terminal の設定をバックアップ・復元する方法

ノートパソコンの画面でテキストエディタにコードを入力している様子

Windows をアップグレードしたりリセットしたりしたときに、カスタムした Windows Terminal の設定が失われるのは非常に困ります。settings.json をバックアップしておけば、再設定の手間を省き、別のマシンへ素早く移行できます。

この記事では、一般的なバックアップと復元の手順に加え、代替手段、実務で使えるプレイブック、テスト基準、よくある問題と解決方法、役割別チェックリストなど、実用的な情報を幅広く提供します。

目的と適用範囲

  • 目的: Windows Terminal のユーザー設定を安全にバックアップし、必要なときに確実に復元すること。
  • 適用範囲: Microsoft Store 版 Windows Terminal を対象。企業環境や個人利用の双方に応用できます。

準備知識(1行定義)

  • settings.json: Windows Terminal の外観やプロファイル設定を保持する JSON ファイルです。

すぐ使えるハイレベル手順

  1. 現在の settings.json を探す(%LocalAppData% 以下)。
  2. ファイルを安全な場所にコピーする(ローカル・クラウドどちらでも可)。
  3. 必要時に元の場所へ上書きして復元する。

Windows Terminal 設定をバックアップする方法

以下は代表的な方法です。用途や権限に合わせて選んでください。

ファイルエクスプローラーでバックアップする手順

  1. Win + E でファイルエクスプローラーを開きます。
  2. アドレスバーに次のパスを貼り付けて Enter を押します。
%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState
  1. 表示されたフォルダー内の settings.json を見つけます。
  2. settings.json を右クリックして「コピー」を選ぶか、Ctrl + C でコピーします。
  3. バックアップ先のフォルダー(例: D:\Backups\WindowsTerminal)に移動し、Ctrl + V で貼り付けます。必要に応じてフォルダー名に日付を付けて履歴管理してください。

ファイルエクスプローラーのコピーアイコン

ヒント: バックアップは複数世代残すと安心です。ファイル名に YYYYMMDD を付けておくと管理が容易になります。

管理者権限のコマンドプロンプトでバックアップする手順

  1. スタートメニューを開き、”Command Prompt” または「コマンドプロンプト」を検索します。
  2. 右クリックして「管理者として実行」を選びます。
  3. 次のコマンドを実行して settings.json を任意の場所へコピーします( を保存先に置き換えてください)。
copy /y /v "%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json" ""

例: C:\Program Files にバックアップする場合:

copy /y /v "%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json" "C:\Program Files"

コマンドプロンプトでのバックアップ例

注意: 保存先に書き込み権限が必要です。管理者権限で実行していることを確認してください。

PowerShell を使う方法(代替)

PowerShell が好みであれば、以下のコマンドで同様にコピーできます。

Copy-Item -Path "$env:LocalAppData\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json" -Destination "C:\バックアップ\WindowsTerminal\settings.json" -Force

PowerShell はスクリプト化やタスクスケジューリングと相性が良く、自動バックアップに向いています。

同期機能を使う代替アプローチ

Windows Terminal は設定同期(Settings sync)機能を持つことがあります。Microsoft アカウントや GitHub アカウントと連携して設定をクラウドに保存できる場合は、内蔵同期を有効にするだけで複数 PC 間の同期が可能です。企業ポリシーやプライバシー要件を確認してから有効化してください。

Windows Terminal 設定を復元する方法

ファイルエクスプローラーで復元する手順

  1. バックアップ先のフォルダーを開き、settings.json を選んで Ctrl + C でコピーします。
  2. 次のフォルダーへ移動します。
%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState
  1. Ctrl + V で貼り付けます。置換確認ダイアログが表示されたら「コピー先のファイルを置き換える」を選びます。
  2. Windows Terminal を再起動すると設定が反映されます。

コマンドプロンプトで復元する手順

  1. 管理者としてコマンドプロンプトを開きます。
  2. 次のコマンドを実行してバックアップから元の場所へコピーします( をバックアップ元に置き換えてください)。
copy /y /v "" "%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState"

例:

copy /y /v "C:\Program Files\settings.json" "%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState"

PowerShell で復元する方法

Copy-Item -Path "C:\バックアップ\WindowsTerminal\settings.json" -Destination "$env:LocalAppData\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json" -Force

復元後、Windows Terminal を再起動して設定が期待どおり反映されるか確認してください。

トラブルシューティング

  • 復元しても反映されない場合: Windows Terminal を完全に終了してから再起動する。タスク マネージャーでバックグラウンド プロセスが残っていないか確認。
  • アクセス拒否エラー: 保存先フォルダーへの書き込み権限を確認。管理者権限で操作するか、別のフォルダーへコピーする。
  • JSON 構文エラーで読み込めない場合: バックアップ前に手動編集していた場合は、JSON 検証ツールで構文を確認する。
  • 同期が有効で設定が上書きされる場合: 同期をオフにしてから復元する。

受け入れ基準

  • 復元後に Windows Terminal を起動したとき、以前の配色・フォント・プロファイルが元通りになっていること。
  • エラーメッセージが発生しないこと(アクセス権や JSON エラーなど)。
  • 復元操作はドキュメント化され、少なくとも 1 回は復元テストを実行していること。

テストケースと検証手順

  1. バックアップ作成テスト
    • 手順: settings.json をバックアップ先にコピーする。
    • 期待結果: バックアップ先に存在し、直前のタイムスタンプが保存されている。
  2. 復元テスト
    • 手順: settings.json を元の場所に置換し、Windows Terminal を再起動する。
    • 期待結果: 設定が正しく反映され、エラーが出ない。
  3. 同期競合テスト
    • 手順: 同期を有効にした状態でローカルファイルを復元する。
    • 期待結果: 同期の優先度を確認し、望まない上書きを防げること。

役割別チェックリスト

  • 開発者
    • settings.json をバージョン管理に直接入れない(個人情報やマシン依存の設定回避)。
    • 必要ならローカルで diff を取り、プロファイルの差分のみを共有する。
  • システム管理者
    • 管理対象マシンに対して復元手順をドキュメント化。
    • 定期バックアップを PowerShell スクリプトで自動化して運用する。
  • 一般ユーザー
    • バックアップファイルをクラウドに保管しておくと移行が容易。
    • 重要なカスタムテーマや拡張は別ファイルで保存。

プレイブック(SOP) — 端末移行時の手順

  1. 現行マシンで Windows Terminal を終了する。
  2. ファイルエクスプローラーまたはコマンドプロンプトで settings.json をバックアップ。
  3. バックアップファイルを外付けドライブまたはクラウドへ保存。
  4. 新しいマシンで Windows Terminal をインストールし、最初に起動して初期設定を完了する。
  5. settings.json を復元して Windows Terminal を再起動する。
  6. 差分がある場合は手動でマージし、動作を確認する。

小さな技(チートシート)

  • バックアップ元パス:
%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json
  • コマンドプロンプトでのコピー (バックアップ):
copy /y /v "%LocalAppData%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json" "C:\Backups"
  • PowerShell での自動バックアップ例:
$src = "$env:LocalAppData\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json"
$dst = "C:\Backups\WindowsTerminal\settings_$(Get-Date -Format yyyyMMdd_HHmmss).json"
Copy-Item -Path $src -Destination $dst -Force

判断のためのメンタルモデル

  • 設定 = 状態(state): settings.json は UI の状態を定義する“状態ファイル”と考える。状態を保存(バックアップ)→復元(状態を復帰)というモデルで管理すれば、障害発生時の対応がシンプルになる。

互換性と移行時の注意点

  • 大きなメジャーアップデートや別ビルド間で設定キー名が変更されることがあるため、復元後に一部設定が無効化される可能性があります。復元後は表示・機能を目視で確認してください。
  • 同期機能を有効にしている場合、クラウド側の設定がローカルを上書きすることがあります。復元前に同期の状態を確認してください。

セキュリティとプライバシーの注意

  • settings.json にパスやコマンドが含まれている場合、機密情報が含まれる可能性があります。共有やクラウド保存時には内容を確認し、不要な情報は削除してください。

よくある質問

settings.json を編集してカスタムテーマを入れたいが、安全な編集手順は?

編集前に必ずバックアップを取り、JSON 検証ツール(オンラインまたはエディタの拡張機能)で構文チェックを行ってから適用してください。

複数のマシンで同じ設定を使いたい場合の最良の方法は?

同期機能が利用可能ならそれが最も簡単です。企業ポリシーやセキュリティ要件で使えない場合は、バックアップファイルを安全なクラウドストレージに保存し、必要時に復元してください。

まとめ

  • settings.json のバックアップは最短でファイルコピーだけで済みますが、PowerShell スクリプト化や同期機能の活用で運用効率が上がります。
  • 復元後は必ず Windows Terminal を再起動して設定が適用されているか確認してください。
  • 役割別チェックリストやプレイブックを用意しておくと、移行や障害対応が安定します。

FAQ:

  • バックアップは定期的に行い、重要な設定は複数世代で保存することを推奨します。
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