FOUND.000フォルダーとは
- FOUND.000は、Windowsのディスクチェック機能であるchkdsk(チェックディスク)が作成するフォルダーの一つです。
- chkdskがファイルシステムの不整合や断片化したファイルを検出したとき、復旧処理の結果として「CHKxxxx」拡張子のファイルをこのフォルダーに保存することがあります。これにより、破損ファイルを隔離してシステムの整合性を保ちます。
短い定義: chkdsk — ディスクのエラーを検出・修復するWindowsのツール。FOUND.000 — chkdskが隔離したファイルを入れる隠しフォルダー。
これはウイルスですか
いいえ。FOUND.000は正当なWindowsフォルダーです。マルウェアとは関連しません。ただし、不安ならウイルス対策ソフトでフォルダーをスキャンして確認してください。
重要: フォルダー自体は安全でも、他のマルウェアが同名を使う可能性は理論上あるため、疑わしい場合はスキャンを実行してください。
なぜFOUND.000が見えないのか
このフォルダーは「システム / 隠し」属性が付いているため、通常はエクスプローラーに表示されません。表示するには次の操作を行います。
- chkdskを実行したドライブのルート(例: C:\)に移動します。
- エクスプローラーの「表示」をクリックし、隠し項目をチェックします。
- FOUND.000が表示されます。
FOUND.000からファイルを復元するには
復元は簡単ではありません。多くの場合、保存されたファイルは断片化されていたり破損しています。しかし、以下の手順で試行できます。
復元の基本手順:
- フォルダー内のCHKファイル(例: CHK0001.chk)を別の場所にコピーする。
- ファイルの種類を推測して拡張子を変更してみる(例: .jpg、.docx、.mp3など)。画像であれば画像ビューアで開けることがあります。
- 汎用的な復元ツールか、CHKファイルを扱う専用ツールを試す。代表的な方針は以下の通り。
推奨アプローチ:
- UnCHKのようにCHKファイルの解析に特化したツールを使う。これらはファイルヘッダーを探して元の形式を推定します。
- 一般的なデータ復元ソフト(例: Recuva、PhotoRec)を試す。完全復元は保証されません。
- 重要なファイルがある場合は、上書きやさらなる操作をする前にドライブ全体のイメージバックアップを取っておくと安全です。
注意: 解析ツールで「元ファイルを復元できた」と判断できたら、復元したファイルを別のドライブに保存してください。
復元が失敗しやすいケース(逆例)
- 元のデータが物理的に損傷している場合。ディスク自体が故障していると、CHKファイルに保存された断片から意味のあるデータが得られないことがあります。
- CHKファイルが極端に小さな断片で構成されている場合。ヘッダーや識別情報が欠落していて形式推定が不可能になります。
FOUND.000は削除してもいいか
削除して問題ないケース:
- フォルダーに重要なファイルが含まれていないと確信している。
- ディスク容量を確保したい。CHKファイルが大量に溜まると容量を消費します。
削除を控えるべきケース:
- 重要なファイルを失った可能性があり、まだ復元を試していない場合。
- システムやアプリの挙動に不安がある場合は、手順を確認したうえで削除してください。
重要: 削除前に一度バックアップを取り、可能であれば復元ツールで調査してから削除することを推奨します。
FOUND.000の削除手順
管理者権限が必要です。削除時に「アクセスが拒否されました」と表示される場合は、所有権の取得と権限付与を行ってください。
- 管理者としてPowerShellまたはコマンドプロンプトを開く(Windowsキー + X → 管理者として実行)。
- 必要なら所有権を取得する(ドライブレターを適宜変更してください)。
takeown /f C:\found.000 /r /d y
icacls C:\found.000 /grant administrators:F /t
- フォルダーを削除する。
rmdir C:\found.000 /s /q
- 削除後、必要ならごみ箱も空にしてください(rmdirはごみ箱を経由せず完全削除します)。
注意: 上記コマンドは管理者権限で実行する必要があります。システムフォルダーや重要ファイルを誤って削除しないよう、コマンドのパスは必ず確認してください。
役割別チェックリスト
管理者:
- chkdskのログと実行履歴を確認する。
- 重要データが失われていないかユーザーに確認する。
- 必要なら所有権取得と権限付与を行い、慎重に削除する。
一般ユーザー:
- まずアンチウイルスでスキャンする。
- 必要ならIT管理者に相談して復元を依頼する。
データ復旧担当者:
- まずドライブ全体のイメージを作成する。
- 専用ソフトでCHKファイルの解析を試みる。
簡単な判断フロー
flowchart TD
A[FOUND.000を発見] --> B{重要なファイルを失ったか}
B -- はい --> C[復元ツールでCHK解析]
B -- いいえ --> D[不要なら削除]
C --> E{復元に成功}
E -- はい --> F[復元データを別ドライブへ保存]
E -- いいえ --> D
用語集(1行)
- chkdsk: Windowsのディスク整合性検査ツール。
- CHKファイル: chkdskが生成した断片化/破損ファイルの一時ファイル。
まとめ
- FOUND.000はchkdskが隔離したファイルを保持する正当なフォルダーで、通常はウイルスではありません。
- 隠しフォルダーなので「表示」→「隠し項目」を有効にして確認します。
- 復元は可能性があるが難しいため、専用ツールとバックアップを用意してから試してください。
- 削除は問題ありませんが、重要なデータがないことを確認してから管理者権限で実行してください。
重要: 不明点がある場合は、操作前にバックアップを取り、必要なら専門家に相談してください。
このフォルダーに遭遇したことはありますか?コメントで教えてください。
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