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Windows 11でChromeが遅いときの原因と対処法

2 min read トラブルシューティング 更新されました 13 Sep 2025
Windows 11でChromeが遅いときの原因と対処法
Windows 11でChromeが遅いときの原因と対処法

概要と目的

このガイドは、Windows 11上でGoogle Chromeの動作が遅くなったときに、原因を診断し、段階的に改善するための実用的な手順を提供します。日常のユーザーからIT管理者まで使えるチェックリスト、診断フロー、代替アプローチや注意点まで含めています。

重要: ここで紹介する操作は主にユーザー側の設定変更や一時データの削除に関するものです。企業や共有環境では、ポリシーや管理者の許可を得て実行してください。

なぜChromeが突然遅くなるのか

Chromeが遅くなる代表的な原因を分かりやすくまとめます。

  • キャッシュと一時ファイルの蓄積: ブラウザはページの読み込みを早めるためにデータを保存しますが、量が増えると逆に読み込みや起動が重くなる場合があります。
  • 古いバージョン: セキュリティ修正やパフォーマンス改善が適用されていないと挙動が不安定になり得ます。
  • リソース使用量の集中: Chromeはプロセス分離を採用しており、タブや拡張機能ごとにプロセスが起動します。これがメモリやCPUを圧迫する原因になります。
  • 拡張機能やアドオン: 一部の拡張機能はバックグラウンドで処理を行い、リソースを消費します。
  • タブの大量投入: 多くのタブを開くと、ブラウザのメモリ使用量が増え、スワップやページングが発生して遅延が生じます。
  • ネットワーク問題: 回線品質が低いとページ読み込み全般が遅くなります。
  • ハードウェアアクセラレーション: ドライバやGPUとの相性問題で逆に遅くなることがあります。

画像: ブラウザの一般的な遅延要因を示すイメージ

Windows 11でGoogle Chromeが遅くなる代表的な原因を示す図

クイック診断(実行時間: 2〜10分)

まずは短時間でできる簡易チェックを実行して、原因を絞りますn

  1. Chromeを完全に閉じて再起動する(ファイル→終了 ではなくタスク終了を推奨)。
  2. 他のブラウザ(EdgeやFirefox)でも同様に遅いか確認する。全ブラウザで遅いならOS/ネットワークやマルウェアの可能性が高い。
  3. タスクマネージャでCPUやメモリ使用率が高いプロセスがないか確認する。

画像: タスクマネージャーでChromeプロセスを終了する手順のイメージ

WindowsのタスクマネージャーでGoogle Chromeのプロセスを選択しタスクを終了する画面

Windows 11でChromeを高速化する手順(推奨の順序)

以下は実行順に並べた推奨手順です。短い項目から順に試して、それでも改善しない場合は次の手順へ進んでください。

1 再起動する

操作:

  1. ブラウザ右上の「X」をクリックして閉じる。画像1を参照。
  2. タスクバーで右クリック→タスクマネージャーを選択。画像2を参照。
  3. 「Google Chrome」を選び、タスクの終了を実行して完全にプロセスを止める。画像3を参照。
  4. Chromeを再起動して改善を確認する。

ポイント: 再起動でメモリが解放され、多くの場合一時的にパフォーマンスが回復します。

2 ブラウジングデータを削除する

操作:

  1. 右上の縦に並んだ三つの点をクリック。
  2. 「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」を選択。
  3. 左の「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧データの削除」を選ぶ。
  4. 「期間」を「全期間」にして、削除したい項目(閲覧履歴、Cookie、キャッシュされた画像とファイルなど)を選択し「データを消去」。
  5. Chromeを再起動して速度を確認する。

注意: Cookieや自動ログイン情報を消すと再ログインが必要になる場合があります。必要な情報は事前に保存してください。

3 Chromeのタスクマネージャを使う

操作:

  1. 三点メニュー→「その他のツール」→「タスク マネージャ」。Shift+Escでも開けます。
  2. CPUやメモリの使用が高いプロセスを確認する。不要なプロセスを選択して「プロセスの終了」を実行。

解説: タブや拡張機能は個別にプロセスを持つため、一つのタブや拡張が原因で全体が重くなることがあります。タスクマネージャで特定できれば即時対処可能です。

4 事前読み込み(プリロード)を無効にする

操作:

  1. 三点メニュー→「設定」を開く。
  2. 左の「プライバシーとセキュリティ」→「Cookie とその他のサイトデータ」を選択。
  3. 「閲覧や検索の高速化のためにページを事前読み込みする」をオフにする。
  4. Chromeを再起動して効果を確認する。

解説: プリロードは予測に基づいてページを先読みする機能で、利便性と引き換えにリソースを消費します。リソース不足が疑われる場合は無効化で改善することが多いです。

5 拡張機能を整理する

操作:

  1. 三点メニュー→「その他のツール」→「拡張機能」を選ぶ。
  2. リストを確認し、不要な拡張は「削除」またはトグルで無効化する。

ポイント: 特に広告ブロッカーやセキュリティ系、ページ解析系の拡張はバックグラウンド処理が多いので注意してください。

6 Chromeを最新版に更新する

操作:

  1. 三点メニュー→「設定」→「Chromeについて」を開く。
  2. バージョン情報画面で更新がある場合は自動でダウンロード・インストールされます。手動で再起動して最新にします。

解説: 更新にはパフォーマンス最適化や脆弱性修正が含まれるため、定期的な更新が推奨されます。

7 Chromeをリセットする

操作:

  1. 三点メニュー→「設定」→「詳細設定」→「リセットとクリーンアップ」。
  2. 「設定を元の既定値に戻す」を選び「設定をリセット」を実行。

注意: リセットは拡張機能や一時データ、カスタム設定を初期化します。パスワードやブックマークは消えないことが多いですが、重要データは事前にバックアップしてください。

追加の診断と改善(管理者向け・高度向け)

  • ハードウェアアクセラレーションの切り替え: ドライバとの相性でGPU処理が逆に遅くなる場合があります。設定→詳細設定→システムで「ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」を切り替えてみてください。
  • ネットワークの品質確認: DNSやプロキシ設定、企業ネットワークの制限で遅延が発生することがあります。社内ネットワーク担当者に相談してください。
  • マルウェアスキャン: すべてのブラウザが遅い場合、マルウェアや不要な常駐プロセスが疑われます。信頼できるアンチウイルスでフルスキャンを推奨します。
  • ユーザープロファイルの問題: Chromeのユーザープロファイルが破損していると動作が不安定になります。新しいプロファイルを作成して挙動を確認してください。

代替アプローチとブラウザ選び

Chromeがどうしても改善しない場合は、別ブラウザを検討する選択肢もあります。代替ブラウザの例:

  • Microsoft Edge: Chromiumベースで互換性が高く、Windowsとの統合が進んでいる。
  • Firefox: プライバシー機能とメモリ管理のアプローチが異なる。
  • Opera One: 組み込みVPNや広告ブロッカーを搭載し、軽量化をうたうブラウザ。

選ぶ際の判断基準は「互換性」「拡張性」「プライバシー」「パフォーマンス」です。業務で特定機能が必要な場合は互換性を最優先にしてください。

いつこの手順で解決しないか

  • ハードウェア(ディスク、メモリ、古いCPU)が性能不足の場合はソフト側の最適化だけでは限界があります。
  • システム全体に影響するマルウェアやルートキットが存在する場合、ブラウザ単体での改善は難しいです。
  • 企業ポリシーやグループポリシーによりブラウザの動作が制限されている場合、管理者の介入が必要です。

診断フロー(短期トラブルシューティング)

以下は短時間で原因を切り分けるためのフローチャートです。

flowchart TD
  A[Chromeが遅いと感じる] --> B{他のブラウザも遅いか}
  B -- はい --> C[ネットワーク/OS/ハードウェアを調査]
  B -- いいえ --> D[Chromeを再起動]
  D --> E{改善したか}
  E -- はい --> F[経過観察]
  E -- いいえ --> G[キャッシュ削除と拡張機能の整理]
  G --> H{改善したか}
  H -- はい --> F
  H -- いいえ --> I[Chrome更新とハードウェアアクセラレーション切替]
  I --> J{改善したか}
  J -- はい --> F
  J -- いいえ --> K[Chromeをリセットまたはプロファイル新規作成]
  K --> L{改善したか}
  L -- はい --> F
  L -- いいえ --> C

このフローは迅速に原因を絞るための一般的な手順です。

役割別チェックリスト

エンドユーザー向けチェックリスト:

  • Chromeを完全に再起動した
  • 閲覧データ(キャッシュ、Cookie)を削除した
  • 不要なタブを閉じた
  • 拡張機能を無効化または削除した
  • Chromeを最新版に更新した
  • ハードウェアアクセラレーションのオン/オフを試した

IT管理者向けチェックリスト:

  • グループポリシーでブラウザ関連の制限がないか確認
  • ステーション全体のリソース監視(メモリ、ディスクI/O)を実施
  • ネットワーク(DNS、プロキシ)設定を確認
  • マルウェアスキャンを実行
  • 必要ならユーザーのChromeプロファイルを複製して再現テスト

ミニSOP(標準手順書):ユーザー向け1分〜30分の対処

  1. 1分: Chrome再起動
  2. 5分: タスクマネージャで異常プロセスを確認・終了
  3. 10分: 閲覧データの削除(全期間)と拡張機能整理
  4. 15分: Chrome更新、ハードウェアアクセラレーション切替
  5. 30分: 必要ならChromeをリセット、プロファイル作成

受け入れ基準

Chromeのパフォーマンス改善が成功したと判断する基準:

  • ページロード時間が目視で短縮される(同じサイトで比較)
  • ブラウザ起動時間が短縮される
  • CPUやメモリ使用率が異常に高くならない
  • 動作中のフリーズやクラッシュが発生しない

1行用語集

  • キャッシュ: 端末に保存した一時的なページデータ
  • 拡張機能: ブラウザに機能を追加する小さなアプリ
  • ハードウェアアクセラレーション: GPUで処理を行いCPU負荷を下げる機能
  • タスクマネージャ: プロセスとリソース使用状況を管理するツール

よくある質問

閲覧履歴を消すと本当に速くなるのか

場合によります。キャッシュが大量に溜まっている場合は起動や特定サイトの表示が速くなることが多いです。しかし、差はケースバイケースで、劇的に変わらないこともあります。

拡張機能を全部消しても良いか

必要な機能を失うため、まずは無効化で様子を見てください。問題が解消したら、本当に必要なものだけを残すのが安全です。

ハードウェアアクセラレーションは有効にすべきか

一般的には有効が推奨されますが、ドライバやGPUとの相性で不具合が出ることがあります。問題の切り分けとしてオン/オフを試してください。

すべてのブラウザが遅い場合はどうするか

OSやネットワーク、マルウェアの可能性があります。アンチウイルスでフルスキャンを実行し、ネットワーク設定やルーターの再起動、ディスクチェックを行ってください。

トラブル例と対処のヒント

  • 例: 特定のサイトだけ遅い → サイト側の問題、DNSキャッシュのクリアや別のDNSに変更してみる
  • 例: 起動後すぐにCPU使用率が高い → 拡張機能やバックグラウンドでの同期サービスを疑う
  • 例: 全ブラウザで遅い → OS全体の負荷、ディスク故障、ネットワーク障害を疑う

セキュリティとプライバシーに関する注意

閲覧データを削除するとログイン情報やセッションが失われる可能性があります。パスワードは事前に保存・バックアップしてください。業務環境では管理者の許可を得て操作してください。

まとめ

Windows 11でChromeが遅い問題は、まず再起動とキャッシュ削除、拡張機能の整理で改善するケースが多いです。これで改善しない場合はタスクマネージャでプロセスを調べ、プリロードやハードウェアアクセラレーションを切り替え、最終的にリセットやプロファイル作成を行ってください。すべてのブラウザで遅い場合はマルウェアやOS/ネットワーク問題を疑い、IT管理者やサポートに相談してください。

画像: キャッシュ削除の手順を示すスクリーンショット

Chromeの閲覧データを削除する手順を示すスクリーンショット

ご不明点があればコメントセクションで具体的な状況(Chromeのバージョン、メモリ容量、発生タイミング)を教えてください。状況に応じたより詳細な対処法を案内します。

短いお知らせ文(共有用、100〜200字)

Windows 11でChromeが遅いと感じたら、まずブラウザの再起動と閲覧データの削除を試してください。次にタスクマネージャでリソースをチェックし、拡張機能を整理します。改善しない場合は更新やリセット、マルウェアスキャンを実行してください。代替ブラウザの検討も選択肢です。

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