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Microsoft Store エラー 0x800704C6 を解決する完全ガイド

3 min read Windows トラブル 更新されました 13 Sep 2025
Microsoft Store エラー 0x800704C6 を解決する方法
Microsoft Store エラー 0x800704C6 を解決する方法

重要: 操作前に重要なデータのバックアップを取ってください。管理者権限が必要な手順があります。

概要

このガイドは、Windows で Microsoft Store を使ったアプリのダウンロード・インストール・更新時に発生するエラーコード「0x800704C6」を対象とします。エラーは以下の状況で発生することがあります:サーバー側の問題、PC の日時がずれている、ネットワーク接続が不安定、Microsoft Store のキャッシュやインストールが破損している、あるいはサードパーティ製ソフトが干渉している場合など。本記事は原因の切り分け、対処手順、検証方法、運用上の注意点を網羅します。

この記事で扱う主な内容

  • 原因と発生条件の整理
  • 具体的な対処手順(日時修正、WSReset、再インストール、トラブルシューティング、クリーンブート)
  • 代替手順といつ通用しないかの説明
  • ロール別チェックリスト(エンドユーザー/IT 管理者)
  • 確認用テストケースと受け入れ基準
  • 決定木(Mermaid)によるトラブルシュートの流れ
  • 1 行用語集

なぜ 0x800704C6 が発生するのか

一般的に、0x800704C6 の発生要因には下記のいずれか、または複合的な要素が関係します。

  • サーバー側の障害または一時的な停止
  • Windows の日時設定が正しく同期されていない(特にタイムゾーンをまたいだ移動後)
  • インターネット接続が不安定、プロキシや VPN の干渉
  • Microsoft Store キャッシュまたは関連システムファイルの破損
  • サードパーティ製セキュリティソフトや常駐アプリによる干渉

注意: サーバー側の問題はユーザー側では対処できないため、まずは原因の切り分けを行ってください。

事前チェックリスト(短縮)

  • インターネットに正常接続されているか
  • Windows 更新が保留になっていないか
  • システムの日時とタイムゾーンが正しいか
  • 管理者権限を持つアカウントで作業しているか

対処手順(ステップ別)

1. 日時設定を修正する

手順:

  1. タスクバー右端の日時を右クリックし、メニューから「日付と時刻の調整」を選びます。 タスクバーの日時メニュー
  2. 「時刻を自動的に設定する」のスイッチを一旦オフにします。
  3. 「日付と時刻を手動で設定する」に移り、「変更」ボタンをクリックして正しい日時を入力します。 日付と時刻の手動変更画面
  4. 正しい日時を選択して「変更」を押します。 日付と時刻の変更確認

補足: タイムゾーンをまたいで移動した直後にこのエラーが出ることがあるため、まず日時・タイムゾーンの確認を行ってください。 手動で時刻を設定する例

操作後は PC を再起動して効果を反映させ、Microsoft Store でのダウンロードや更新を再試行してください。

重要: ネットワークドメインや管理者ポリシーがある環境では、日時の自動同期を勝手にオフにできない場合があります。その場合は IT 管理者に相談してください。

2. Microsoft Store のキャッシュをリセットする(WSReset)

この手順は多くのキャッシュ関連の問題を解決します。

手順:

  1. Windows + R を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
  2. 次のコマンドを入力して Enter または「OK」を押します:

wsreset.exe

実行結果: コマンドを実行すると、コマンドプロンプトの黒いウィンドウが一瞬表示され、その後 Microsoft Store が自動的に起動します。これで Store のキャッシュが削除されます。 WSReset 実行画面の例

効果: キャッシュ破損が原因であれば、この操作で 0x800704C6 が解消されることが多いです。

3. Microsoft Store を再インストールする

Store のインストールが破損している場合、再登録で修復できます。管理者権限の PowerShell を使用します。

手順:

  1. タスクバーの Windows アイコンをクリックしてスタートメニューを開き、検索バーに「powershell」と入力します。表示された「Windows PowerShell」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。 管理者権限で PowerShell を起動する
  2. ユーザーアカウント制御(UAC)の確認が表示されたら「はい」を選びます。
  3. 以下のコマンドをコピーして PowerShell に貼り付け、Enter を押して実行します:

Get-AppXPackage Microsoft.WindowsStore | Foreach {Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml"}

  1. コマンドが完了したら PowerShell を閉じ、PC を再起動します。 PowerShell でのストア再登録

注意: コマンドを実行するには管理者権限が必要です。エラーが出る場合は、ログのメッセージを確認して追加対処を検討します。

4. Windows のストアアプリトラブルシューターを使う

Windows に標準で用意されているトラブルシューティングツールは、よくある設定の問題を自動検出して修正します。

手順:

  1. Windows + I を押して「設定」を開きます。
  2. 「システム」を選び、右側のメニューから「トラブルシューティング」を選択します。 設定のトラブルシューティング画面
  3. 「その他のトラブルシューティングツール」を選択します。
  4. リストから「Windows Store アプリ」を探し、「実行」ボタンを押します。 Windows Store アプリのトラブルシューティング実行

トラブルシューターは検出した問題に応じて修正を提案・実行します。完了後、Store を再起動して状況を確認してください。

5. クリーンブートで干渉するプロセスを切り分ける

サードパーティ製アプリや常駐サービスが Store の動作を妨げている可能性がある場合、クリーンブートで原因を切り分けます。

手順:

  1. Windows + R を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、次を入力して実行します:

msconfig

  1. 「システム構成」ウィンドウの「全般」タブで「スタートアップ項目を読み込む」のチェックを外し、「システム サービスを読み込む」にチェックを入れます。 システム構成の全般タブ
  2. 「サービス」タブに切り替え、左下の「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェックを入れてから「すべて無効にする」をクリックします。 システム構成のサービスタブ
  3. 「適用」を押し、「OK」で閉じたら PC を再起動します。 クリーンブート後の再起動

再起動後に Microsoft Store を起動してアプリのダウンロードを試します。問題が解消すれば、無効にしたサービス/スタートアップ項目のいずれかが原因です。徐々にサービスを戻して検証し、原因を特定してください。

注意: クリーンブート後は常駐セキュリティソフトも停止することがあり、ネットワークの挙動が変わる場合があります。作業中は安全なサイトのみを開いてください。


代替アプローチと補助策

  • プロキシや VPN をオフにして直接インターネットに接続してみる。
  • 一時的にサードパーティのセキュリティソフトを無効化して試す(推奨: 無効化前に復元ポイント作成)。
  • 別の Microsoft アカウントでサインインして挙動を確認する(アカウント関連の問題の切り分け)。
  • Windows Update を実行して、システムファイルや Store に関連する更新を適用する。

いつ効かないか(失敗例):

  • サーバー側の完全な障害やメンテナンス中は、ローカルの設定を修復してもダウンロードできない。
  • 組織ポリシー(グループポリシー)で Store が制限されている環境ではローカル側からの修復は制限される。

決定木:どの手順を先に試すか

flowchart TD
  A[エラー 0x800704C6 の発生] --> B{インターネット接続は安定か}
  B -- No --> C[ネットワークを修復する]
  B -- Yes --> D{日時は正しいか}
  D -- No --> E[日時を修正して再起動]
  D -- Yes --> F[WSReset を実行]
  F --> G{問題解決したか}
  G -- Yes --> H[完了]
  G -- No --> I[ストアを再インストール(PowerShell 管理者実行)]
  I --> J{解決したか}
  J -- Yes --> H
  J -- No --> K[トラブルシューター実行 → クリーンブートで切り分け]
  K --> L[原因特定 → 対処]

この流れに沿って進めると、効率よく原因の切り分けができます。


ロール別チェックリスト

エンドユーザー向け(短いチェックリスト):

  • PC を再起動してみる
  • 日時とタイムゾーンを確認する
  • wsreset.exe を実行する
  • Store を再起動して再試行する
  • ネットワーク(Wi-Fi/有線)を切り替えて試す

IT 管理者向け:

  • イベントビューワーで関連ログを確認する(Application / System)
  • グループポリシーで Microsoft Store 関連の制限を確認する
  • ネットワークレベルのプロキシやファイアウォールルールを確認する
  • 必要に応じて Microsoft Store の再登録手順(PowerShell)を実行する
  • 問題が広範なら Microsoft サービスの正常性ダッシュボードを確認する

標準運用手順(SOP): 迅速な復旧フロー

  1. ユーザーから報告を受けたら、まずネットワークと日時の確認を依頼する。
  2. wsreset.exe を管理者権限不要で実行してもらう。
  3. 改善しなければ、IT 管理者が PowerShell にて Store を再登録する。
  4. それでも改善しない場合、クリーンブートで干渉プロセスの切り分けを行い、原因となるソフトを特定して削除または更新する。
  5. 企業環境ではポリシー設定やプロキシ設定の見直しを行う。

復旧完了後: ユーザーに再発防止のための手順(日時自動同期の確認、Windows Update の適用)を案内する。


テストケースと受け入れ基準

目的: 修復手順が有効であることを確認するための最小限のテスト。各テストは管理者権限で実施可能なケースを想定しています。

テストケース:

  1. 日時が不正確な状態で Store を開き、アプリのダウンロードを試行してエラーが出るか確認する。日時を修正して再試行するとダウンロードが成功すること。
  2. wsreset.exe 実行後、Store が起動し、キャッシュがクリアされることを確認する。アプリのダウンロードが以前と異なるかを検証する。
  3. PowerShell による再登録を行い、エラーが解消されることを確認する。
  4. クリーンブートで同一環境下にてダウンロード成功/失敗を比較し、干渉プロセスを特定できること。

受け入れ基準:

  • 上記いずれかの手順実行後に Microsoft Store からアプリが正常にダウンロード・インストールできること。
  • 一時的に無効化したセキュリティソフトを再有効化しても問題が再発しないこと(根本原因の処置が必要)。

リスクと緩和策

  • リスク: PowerShell コマンドやシステム設定の変更で誤操作すると他のアプリに影響が出る。緩和策: 実行前に復元ポイント作成、実施は管理者間で合意の上で行う。
  • リスク: クリーンブート中にセキュリティソフトを停止するとセキュリティリスクが増す。緩和策: オフライン環境または信頼できるネットワーク下で検証する。

1 行用語集

  • WSReset: Microsoft Store のキャッシュをクリアする Windows 内蔵ユーティリティ。
  • PowerShell 再登録: ストアの AppX パッケージを再登録して破損を修復する手順。
  • クリーンブート: 最小限のドライバーとサービスのみで Windows を起動し、干渉要因を切り分ける方法。

よくある質問(FAQ)

Q: サーバー障害の場合、どうすればいいですか?

A: サーバー側の障害はユーザー側での修復はできません。しばらく待ってから再試行するか、Microsoft のサービス正常性ページや公式サポート情報を確認してください。

Q: 管理者権限がない場合はどうすればいいですか?

A: wsreset.exe の実行や日時の変更は通常ユーザーでも可能ですが、PowerShell による再登録やシステム構成の変更は管理者権限が必要です。組織内であれば IT 管理者に依頼してください。


参考リンク(追加情報)

  • Microsoft 公式サポート(Microsoft Store に関するトラブルシューティング)
  • 関連記事: Microsoft が発行した古い Store バグに対する修正推奨
  • 関連記事: iTunesMobileDevice.dll が見つからない場合の対処(別件参考)

まとめ

重要ポイント:

  • 最短の切り分け順は「ネットワーク → 日時 → キャッシュ(WSReset)→ ストア再登録 → トラブルシューター → クリーンブート」です。
  • サーバー側や組織ポリシーの制約はユーザー側での対処が難しいため、まずは原因の切り分けとログ収集を行ってください。
  • 管理者権限が必要な手順を含むため、企業環境では IT 部門と連携して作業してください。

最後に: 上記手順で多くの 0x800704C6 は解消しますが、継続的に発生する場合はシステムログやネットワークログを収集して専門家に調査を依頼してください。

もしこの記事について質問や追加の状況(エラーメッセージ全文、OS ビルド番号など)があれば、コメントで詳細を教えてください。適切な情報をいただければ、より具体的な助言を提供します。

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