概要と利点
Firefoxのアドレスバーは単なるURL入力欄ではありません。ここにカスタム検索を登録すると、普段行っている「site:」検索やサイト内検索を短縮できます。入力は短く、正確に。たとえば「yt orange cats」と入力すればYouTube検索に直行します。頻繁に同じサイトを検索する人ほど時間短縮の効果が大きくなります。
重要: この機能はそのサイトが検索機能を公開していることが前提です。検索フォームが存在しなかったりJavaScriptでのみ動作する特殊な検索だと作成・動作しないことがあります。
Firefoxショートカットとは
定義: Firefoxショートカットは、アドレスバーから特定サイトの検索クエリを直接呼び出すための「キーワード」と「検索URL」の組み合わせです。
通常の流れ:
- サイト内検索を使う。
- あるいはGoogleの「site:」検索で絞り込む。
問題点: 毎回「site:」を打つのは面倒です。そこでキーワード登録を行うと、短い語(例: yt, rd, wiki)をアドレスバーに打つだけでそのサイト検索が呼び出せます。
シンプルな作成手順(ステップバイステップ)
- そのサイトで検索を実行し、結果ページのURLを観察する。
- 検索語がURLのどこに入るかを確認する(多くは「q=」や「search_query=」など)。
- 検索語の場所を「%s」に置き換えたURLを作る。
- Firefoxの「設定」>「検索」へ移動する(または about:preferences#search を開く)。
- 「検索ショートカット」セクションで「追加」をクリック。
- 名前とキーワード、先ほど作ったURLを貼り付けて「エンジンを追加」。
例(そのまま使えるテンプレート):
https://www.youtube.com/results?search_query=%s
https://www.reddit.com/search/?q=%s
https://www.howtogeek.com/search/?q=%s
実際の設定画面と操作のコツ
- キーワードは短めに。重複や一般語を避けるため、先頭に
@
を付けて区別するのも便利です(例: @yt)。 - キーワードが短いと誤トリガーの可能性が上がるので、自分のタイピング習慣に合わせて決めてください。
- URLに含まれるスラッシュやクエリ文字列はそのまま使います。検索語だけ
%s
に置換します。
右クリックから一発で追加する方法(ショートカット作成ショートカット)
一部のサイトでは、検索入力欄を右クリックするとコンテキストメニューに「検索エンジンを追加」が出ます。これを選ぶと、先の手順が自動化されます。表に出ていないが実装されているサイトでは有効です。
スターターキット(よく使うテンプレート)
ここに著者がよく使うキーワードとテンプレートURLを示します。コピーして「%s」を置換した形で追加してください。
- Pinterest — キーワード: pin
https://www.pinterest.com/search/pins/?q=%s
- Gmail — キーワード: gm
https://mail.google.com/mail/u/0/#search/%s
- Google Drive — キーワード: gdrive
https://drive.google.com/drive/search?q=%s
- Amazon — キーワード: amz
https://www.amazon.com/s?k=%s
- Wikipedia — キーワード: wiki
https://en.wikipedia.org/w/index.php?search=%s
- Reddit — キーワード: rd
https://www.reddit.com/search/?q=%s
- Twitter / X — キーワード: tw
https://twitter.com/search?q=%s
ヒント: @history
、@tabs
、@bookmarks
、@actions
のような組み込みトリガーも使えます。@actions
はスクリーンショットなど便利なアクションを呼び出します。
代替アプローチと比較
- ブックマークフォルダを使う: ブックマークに検索クエリを入れたテンプレートを作る方法。視覚的で分かりやすいが、クイック呼び出しには向かない。
- ブラウザ拡張を使う: より複雑な検索ルールやフィルタを作るなら拡張が有力。拡張は権限が増える点に注意。
- 外部ランチャーを使う: AlfredやRaycastのようなランチャーからブラウザ検索を行う方法。複数ブラウザ横断で使える。
選び方の目安: シンプルで速さを重視するならFirefoxのキーワードショートカット。高度なパースや事前フィルタが必要なら拡張や外部ツール。
よくある失敗とトラブルシューティング
- ショートカットが動かない
- URLに
%s
が正しく入っているか確認する。 - サイトが検索結果をJavaScriptで生成していると、静的URLが使えない場合がある。
- URLに
- 意図しない検索が呼ばれる
- キーワードが短すぎると通常の単語と衝突する。
@
を先頭につけるか長めのキーワードに変更。
- キーワードが短すぎると通常の単語と衝突する。
- モバイル版Firefoxで使えない
- 一部の機能はデスクトップ版専用です。モバイルでは挙動が異なるので検証が必要。
トラブル解決の順序:
- まずブラウザの設定画面で該当ショートカットを編集、プレビュー用に短い検索語でテスト。
- ブラウザを再起動。
- 必要ならキーワードを別のものに変更して再試行。
きれいに管理するためのミニSOP(運用手順)
- 目的別フォルダを作る(仕事/個人/リサーチ)。
- キーワードはプロジェクトごとに一貫性を持たせる(例: 仕事は
w-
プレフィックス)。 - 定期的に使われていないショートカットを削除する(半年〜1年)。
- 共有が必要なら使い方を短いreadmeにまとめてチームに配布する。
プライバシーと互換性の注意点
- プライバシー: 登録するURLは自分のマシンから送信される検索語を含みます。仕事用アカウントや機密情報を含むクエリは扱いに注意してください。
- 互換性: デスクトップ版Firefoxで最も安定。Firefox for Android/iOSでは設定箇所や機能が異なる場合があります。
いつ使うべきではないか(カウンターモデル)
- サイト側の検索が信頼できない(結果が不安定)なら、公式のAPIやサイト内ツールを使う方が良い。
- 機密情報を含む検索を普段から行う場合は、ブラウザ拡張やサーバー側でアクセス制御された検索を検討。
管理テンプレート(コピーして使えるチェックリスト)
- サイトで検索を実行して結果URLを確認した。
- [ ] 検索語を
%s
に置き換えたURLを作成した。 - Firefoxの検索設定で名前・キーワード・URLを登録した。
- 実際にキーワードで検索をテストした。
- 衝突や誤トリガーがないか数日間観察した。
まとめ
カスタム検索ショートカットは、定型的なサイト内検索を圧倒的に短縮します。設定は簡単で効果は即時。作成時はURL中のクエリ位置を %s
に置換する点と、キーワードの命名で誤トリガーを避ける点に気を付けてください。
重要: すべてのサイトで動作するわけではありません。JavaScript生成の検索結果や閉鎖的なサービスではうまくいかない場合があります。
さらに読みたい場合や特定サイトのURL解析を手伝ってほしい場合は、対象のサイト名と検索結果URLを教えてください。短時間で %s
に変換したテンプレートを提示します。