概要
WhatsAppは電話番号に紐づくため、通常は1つの電話番号につき1台のスマホで動作します。ただし、ブラウザ版の「WhatsApp Web」を使うことで、同じアカウントを別のスマホでも表示・操作できます。これは公式アプリの完全な代替ではありませんが、簡単な回避策として実用的です。
重要: この方法は「追加のスマホ1台」に対して現実的に有効です。既に他の端末で同時利用している場合はログアウトが必要になることがあります。
必要なもの
- メインでWhatsAppがインストールされ、ログイン済みのスマホ(QRコードをスキャンする端末)
- 2台目のスマホ(SIMなしでも可)
- 両端末でインターネット接続があること(Wi‑Fiやモバイル回線)
手順
- 2台目のスマホでブラウザを開き、アドレスバーに次を入力します: web.whatsapp.com
- ブラウザは自動的にモバイル版のWhatsAppホームにリダイレクトすることがあります。ブラウザのメニューから「デスクトップ用サイトを表示」や「PC版サイトを表示」を選択します。すると、QRコードを含むPC向けの画面が表示されます。
- メインのスマホでWhatsAppアプリを開きます。設定メニューから「リンク済みデバイス」(または「WhatsApp Web」)を選びます。既に別のブラウザでログイン中なら一度ログアウトしてから進めます。
- メインのスマホのQRコードスキャナーで、2台目のスマホの画面に表示されたQRコードをスキャンします。スキャンが成功すると、2台目のスマホでそのアカウントのチャットが表示され、メッセージ送受信が可能になります。
制約と注意点
- WhatsApp Webはインストール版アプリの完全な代替ではありません。すべての機能が使えるわけではなく、音声通話や一部の設定、エンドツーエンド暗号化に関するUIの違いが存在します。短いメッセージの確認や返信には有効ですが、長時間の運用や重要な通話には向きません。
- モバイル通知は制限されることがあります。ブラウザの通知設定やOS側の挙動により、通知が届かない場合があります。
- この方法で同時にログインできるのは実用上、メイン端末+追加端末1台までが安定します。複数の追加端末で順次ログイン・ログアウトを繰り返すとセッションの競合が起きることがあります。
- セキュリティ: 公共の端末や他人の端末で実施する場合は必ずログアウトしてください。リンク済みデバイスはメインアプリの「リンク済みデバイス」画面で確認・解除できます。
重要: QRコードはアカウントへのアクセスを与える鍵です。他人に見られる場所でスキャンしないでください。
いつこの方法は使えないか(失敗するケース)
- 2台目のブラウザがデスクトップ表示をサポートしていない、またはブラウザが古すぎる場合。
- いずれかの端末でインターネット接続が不安定な場合。特に2台目はブラウザを通じた通信に依存します。
- メイン端末のWhatsAppがアクティベーションや番号認証を求められているケース。
- WhatsApp側で仕様変更が行われた場合(仕様変更は時折発生します)。
代替アプローチ
- 公式のマルチデバイス機能を利用する: WhatsAppは複数端末をリンクする機能を提供しています(端末数の上限や手順はアプリ内の「リンク済みデバイス」から確認)。公式機能なら通知や一部の機能がより安定します。
- 別の電話番号を使い、2つのアカウントを端末ごとに運用する: 異なる番号を用いる運用は独立性が高いですが、連絡先管理や切り替えの手間が増えます。
簡易チェックリスト(実行前)
- メインスマホのWhatsAppにログイン済みか
- 両端末がインターネットに接続されているか
- 2台目のブラウザでデスクトップ表示が可能か
- 他人の端末で実行する場合は後で必ずログアウトすること
トラブルシューティング
- QRコードが読み取れない: 画面の明るさを上げ、ブラウザのズームを確認。メイン端末のカメラに汚れがないか確認する。
- ログイン直後にセッションが切れる: メイン端末側で別セッションが優先されている可能性があります。一度ログアウトして再リンクを試してください。
- 通知が来ない: ブラウザの通知許可とOSの通知設定を確認。必要ならブラウザをバックグラウンドで実行してください。
セキュリティとプライバシーの注意
- リンク済みデバイス一覧はメインアプリで常に確認できます。見覚えのない端末はすぐにログアウトしましょう。
- 公共端末でのログインは避けるか、使用後に確実にログアウトしてください。
- パスコードや端末ロックを設定して、端末自体の不正利用リスクを下げてください。
小さな用語集(1行ずつ)
- QRコード: カメラで読み取ることでウェブセッションをリンクする2次元バーコード。
- WhatsApp Web: ブラウザ上で動作するWhatsAppのクライアント表示。
- リンク済みデバイス: あなたのアカウントに接続された端末の一覧。
プレイブック: 新しい2台目をリンクする簡易手順
- 2台目で web.whatsapp.com を開きデスクトップ表示にする。
- メインのWhatsAppで「リンク済みデバイス」を開く。
- QRをスキャンして接続を確認。
- 使用後は2台目で明示的にログアウトするか、メイン側からセッションを解除する。
まとめ
ブラウザ版のWhatsApp Webを使えば、SIMがなくても2台目のスマホで同じWhatsAppアカウントを表示・操作できます。簡単な方法ですが、通知や一部機能に制約がある点、セキュリティ上の注意点を守る必要があります。より安定させたい場合は公式のマルチデバイス機能の利用を検討してください。
注意: WhatsAppの仕様は変更されることがあります。最新の挙動はアプリ内設定や公式ヘルプで確認してください。
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