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初めてのPC自作で避けるべきミスと対処法

2 min read PC自作 更新されました 17 Sep 2025
初めてのPC自作で避けるべきミスと対処法
初めてのPC自作で避けるべきミスと対処法

Black PC with exposed front fans

電源で手を抜かない

電源ユニット(PSU)は想像以上に重要

Mount-PSU-On-Dock

私が犯した最大のミスは、安価な電源を選んだことでした。安い600Wユニットを買ってしばらく使っていましたが、数か月後にPCがランダムに落ちるようになり、原因はPSUの故障でした。

電源はシステムのすべての部品に電力を供給します。PSUが不安定だと、他のパーツに悪影響を及ぼします。回避方法はシンプルです:信頼できるブランド(例:Corsair、Seasonic、など)を選び、必要なワット数より少なくとも20%余裕を見ておきます。特にGPUを載せる場合はピーク電力を確認し、余裕を確保してください。

また、PSUの互換性(形状、ケーブル長、コネクタ種類)も確認しましょう。フルモジュラーやセミモジュラーか、ケーブルの長さがケースに合うかは重要です。

注意: 一部の古いPSUには115V/230V切替スイッチがあります。購入前に確認し、日本の100V環境での自動切替(オートスイッチ)かどうかをチェックしてください。

コアパーツはケース外で組み立てる

机の上で先に組むとミスが減る

基板(マザーボード)にCPU、RAM、M.2 SSD、クーラーのベースをケースに入れる前に取り付けておくと作業が格段に楽です。狭いケース内で手をねじ込む必要がなくなり、部品の着脱や確認も簡単にできます。

推奨作業順序(机上):

  1. CPU取り付け
  2. M.2スロットにNVMe SSD装着
  3. RAM差し込み
  4. CPUクーラーのバックプレートやベース取り付け(クーラーによって順序が異なる場合あり)

いくつかのCPUクーラーはバックプレートがM.2スロットをふさぐことがあります。先にM.2を固定しておくと、後でクーラーを外すという手間を省けます。

ケースに入れる前の準備

I/Oシールドは最初に入れる

Internal construction of the MSI MAG PANO 100L Case

I/Oシールドは見た目だけでなく、ポートの接地やホコリの侵入防止に重要です。ケースにマザーボードを入れる前に必ず取り付け、内側からしっかり押してタブがかちっとはまるのを確認してください。タブは鋭利なので手に注意を。

もう一つの重要点はスタンドオフ(スペーサー)です。マザーボードとケースが直接触れてショートするのを防ぎます。取り付け穴の数と位置を数えて、対応する場所にスタンドオフを正確に配置してください。

初心者向けにPCビルドキットが用意されている場合もありますが、手順を自分で踏むことで理解が深まります。

冷却とエアフローを最初に整える

ファンは開いている側から支柱側へ向かって風を送る

The three MSI MPG EZ120 ARGB fans

初めてのビルドでやりがちなミスは、ファン向きを間違えることです。ファンは支えのストラット(支柱)がある側へ風を送ります。前面と底面のファンは吸気、背面と上面のファンは排気にするのが基本です。

一般的な配置:

  • フロント / ボトム: 吸気
  • トップ / リア: 排気

正しい流れを作ることでケース内に正圧(吸気優勢)を作り、ホコリの侵入を抑えられます。ファンが少ない場合は、フロント吸気1、リア排気1でも問題ありません。

サーマルペーストは少量で十分

CPUグリスは中心にエンドウ豆大(または米粒1つ分)で十分です。クーラーの圧力ですべての面に広がります。塗りすぎると断熱層になってしまい、逆効果です。クーラーのベースに貼られた保護フィルムを取り忘れると大問題になるので、必ず剥がしてください。

コア部品は丁寧に扱う

金の三角マークを合わせればOK

Front of the Intel Core i5 Gen 14 CPU

CPUの取り付けは緊張しますが、手順自体は単純です。IntelもAMDも角に小さな金色の三角マークがあります。ソケット上の三角と合わせれば、力を入れずに差し込めます。押し込む必要はありません。押す必要があるなら配置が間違っています。

RAMは直下に強めに押し入れる必要があります。両端のラッチがカチッと掛かるまでまっすぐ押してください。片側だけしか止まらない場合は、一度外して再試行します。

デュアルチャネルを使う場合、通常はスロット2と4(色分けされていることが多い)に挿します。間違ったスロットに挿すと動作はしますが、性能が出ません。

接続とマニュアルを必ず確認する

マザーボードのマニュアルを参考にする

ProArt Display in Asus ProArt Z790 Custom Workstation

電源コネクタや前面パネルの配線は見た目が似ていても差し込み口が決まっています。PCIe用の電源とCPU補助電源はキーが違います。説明書には各コネクタの場所と役割が明記されています。ケースの説明書もケーブル配線に役立ちます。

閉じる前に以下をチェックしましょう:

  • モニターケーブルはGPU側に接続されているか
  • PSUの電源スイッチがONになっているか
  • RAMが確実に装着されているか
  • CPU補助電源(8ピンなど)が差し込まれているか

ここで2分間確認するだけで、後で数時間かけるトラブルシュートを避けられます。

よくあるトラブルとその対処(詳細)

起動しない/電源が入らない時の優先確認項目

  1. PSUの電源スイッチがONか
  2. メイン24ピンとCPU補助電源が確実に差し込まれているか
  3. RAMが正しいスロットに確実に刺さっているか(片側ラッチの確認)
  4. グラフィックカードを使用している場合、モニターはGPUへ接続しているか
  5. スピーカーやケースのLED(POSTコード)がエラーを示していないか
  6. I/Oシールドやスタンドオフでショートしていないか(ネジの締め忘れや余分な金属片)

上記を順に確認してもダメなら、最小構成での起動(CPU、1枚のRAM、電源、GPU無しなら内蔵グラフィックス)で試します。これでほとんどの原因を絞り込めます。

BIOS互換性の落とし穴

古いマザーボードに新しいCPUを載せると、BIOSが対応していないため起動しないことがあります。BIOSフラッシュバック機能があれば外部電源だけで更新できますが、ない場合は旧世代のCPUを借りるか、ショップで更新を依頼する必要があります。

購入前の対策:

  • マザーボードのメーカーサイトでCPUサポート一覧を確認
  • 「Boxed CPUを借りられるか」、「BIOS Flashback機能の有無」をチェック

チェックリスト: 組み立て前・初回起動用(印刷して使える)

  • パーツリストの確認(CPU、MB、RAM、GPU、PSU、SSD、ケース)
  • BIOS互換性確認(MBのCPUサポートリスト)
  • PSUの容量とケーブル長確認
  • I/Oシールドとスタンドオフが準備済み
  • 熱伝導グリスの確認(保護フィルムは剥がす)
  • ファンの向きと電源コネクタを確認
  • 最小構成での動作確認計画を作成

組み立て手順(簡易SOP)

  1. 作業スペースを確保し静電気対策(帯電防止リストバンドが望ましい)
  2. マザーボードを机に置き、CPU装着→ヒートスプレッダの確認
  3. M.2 SSDを先に差し込んで固定
  4. RAMを指示されたスロットに挿す
  5. CPUクーラーのベースとバックプレートを取り付け
  6. ケースにI/Oシールドとスタンドオフを取り付け
  7. マザーボードをケースに搭載してネジ止め
  8. PSUをケースに搭載して電源ケーブルを接続
  9. GPUやその他カード、ファンを接続
  10. 初回起動(最小構成)でBIOS画面が出るか確認

起動トラブルのフローチャート(Mermaid)

flowchart TD
  A[電源を入れても反応なし] --> B{PSUスイッチON?}
  B -- はい --> C{24ピン/CPU電源差込済?}
  B -- いいえ --> D[PSUスイッチをONにする]
  C -- いいえ --> E[電源コネクタを差し直す]
  C -- はい --> F{ビープ音/POST表示あり?}
  F -- はい --> G[BIOS設定を確認]
  F -- いいえ --> H[最小構成で再試行]
  H --> I{RAM or GPU が原因?}
  I -- RAM --> J[RAMを別スロットで再試行]
  I -- GPU --> K[GPUを外してオンボードで起動]
  G --> L[OSインストールへ]

追加の価値情報(選択的に役立つもの)

  • ミニ・メソドロジー(Build-Check-Boot-Validate): 組み立て→接続確認→最小構成で起動→BIOS/ドライバ/OSの順に検証します。
  • 受け入れ基準(Критерии приёмки 相当): BIOSでメモリ容量が正しく認識され、CPU温度がアイドルで合理的、ストレージがBIOSで見えること。
  • 役割別チェックリスト:
    • ビルダー: 部品の静電気対策、ネジの管理、ケーブルタイでの配線固定
    • チェッカー: BIOSでの周波数/電圧確認、ファン回転数、温度ログの初期取得
  • 小さな相違点(いつ失敗するか): 省電力モードや異常なBIOS設定により長時間の高負荷時にクラッシュすることがある。
  • ローカル注意(日本向け): 日本の電源事情(100V)でのPSU自動切替、国内保証の有無、国内での修理・BIOS更新サービスの活用を検討してください。

テストケース / 受け入れ試験(簡易)

  • 起動テスト: 電源投入でBIOSが表示される。
  • メモリテスト: MemTest86等で数パスエラー無し。
  • ストレージ認識: NVMe/SSDがBIOSで認識され、OSインストール可能。
  • 温度テスト: アイドル時のCPU温度が仕様範囲内。
  • 負荷テスト: 30分程度のストレステストで突然シャットダウンしない。

用語 1行集

  • PSU: 電源ユニット。全パーツに電力を供給する。
  • BIOS: マザーボードの基本ソフト。CPU互換性や起動順を制御する。
  • M.2: SSDの小型フォームファクタ。配置と熱に注意。
  • デュアルチャネル: 2本のメモリで帯域を増やす動作モード。

よくある質問(FAQ)

Q: 電源はどのくらい余裕を見れば良いですか? A: 最低でも必要とする合計ワット数の20%上を目安にしてください。GPUやオーバークロックをするならさらに余裕を見ます。

Q: BIOS更新は自分でできますか? A: Flashback機能があれば簡単です。無ければメーカーの手順をよく読み、リスクを理解して行ってください。自信がなければショップに依頼するのが安全です。

まとめ

初めてのPC自作で起こりがちなミスは、事前の確認で大部分が防げます。電源はケチらず、BIOS互換性を確認し、重要パーツはケース外で先に組み立ててください。初回起動では最小構成での動作確認を行い、挙動を段階的に検証することがトラブルを最短で解決するコツです。

重要: もし起動しない場合は焦らず、上のチェックリストとフローチャートに従って一つずつ検証してください。


この記事の要点: 電源選び・BIOS互換性・ケース内作業順序・ファン向き・熱伝導グリス量に注意し、必ずマニュアルとチェックリストを使って段階的に検証すること。

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