No Man’s Sky の FPS低下とパケットロスを解消する方法

No Man’s Sky はほぼ無限に近い宇宙を探索できる素晴らしいゲームです。ゲーム内の世界はプロシージャル生成され、完全に発見するのにおよそ5850億年(585 billion years)かかるとされます。プレイヤーは惑星を探索し、名前を付け、異星人から単語を学び、宇宙海賊と戦い、交易で腕を磨くことができます。
リリース当初の物議を醸した状況から大きく改善されてきたタイトルですが、依然としてプレイ体験を損なう問題が残っています。中でもプレイヤーが定期的に遭遇するのが「FPSの急落」と「パケットロス」です。本記事では、それらが何によって引き起こされるのか、そして具体的にどのように対処できるのかを詳しく解説します。
重要: この記事の対象読者と前提
- 対象: No Man’s Sky をPCでプレイしているプレイヤー、または家庭内のネットワークを管理する人。
- 前提: 基本的なWindows操作(管理者権限でのコマンド実行、ネットワーク設定の変更)ができること。
2025年8月おすすめVPN(参考情報)
- 編集者のおすすめ: Private Internet Access(PIA)— 2年プランで良好なサポート(24/7)
- ExpressVPN — 高速接続と2年プランの割引オプション
- CyberGhost — セキュリティプロトコルに優れる
注: これらは参考情報です。契約前に各サービスの最新条件を確認してください。
なぜFPS低下とパケットロスが起きるのか
以下は主な原因とそれぞれの仕組みの要点です。
ネットワーク関連の原因
- パケットロス: あるデータパケットが送信元から目的地に到達できない現象です。原因は経路上の混雑、破損した機器、非適切なルーティングなど。ゲームの挙動では「ラグ」「テレポート」「同期落ち」として顕在化します。
- 遅延(レイテンシ): パケットが往復するのにかかる時間。高い遅延は操作の反応遅れとして現れます。
- ジッター: パケット間の到着時間のばらつき。リアルタイム性が重要なゲームでは影響が大きいです。
- ISPによる帯域制限や経路の問題: 特定の時間帯や経路で経路品質が悪化することがあります。
ローカル(PC/機器)側の原因
- CPU/GPUのボトルネックや温度サーマルスロットリング
- メモリ不足やディスクアクセスの遅さ(HDDよりSSD推奨)
- ドライバやWindows設定(電源プラン、ゲームモード)
- 背景アプリ(トレント、クラウド同期、VoIP)が帯域やリソースを使用
- ルーターやLANケーブルの物理故障
- 無線接続(Wi‑Fi)の干渉や信号劣化
ゲーム側の要因
- サーバー側の混雑や同期処理の問題
- 大量オブジェクトの読み込みで発生する一時的なフレーム低下(ストリーミング負荷)
- モッドやカスタム設定の不整合
具体的な対処法(優先度付き)
以下は試す順序と理由付きの具体策です。まず簡単で影響の大きいものから試してください。
優先度高 — すぐに試す
1) 有線接続に切り替える
Wi‑Fiは便利ですが、パケットロスやジッターの主要な原因です。可能ならPCを直接ルーターにLANケーブルで接続してください。ケーブルはCAT5よりCAT6を推奨します。
2) ルーターとPCを再起動する
単純ですが非常に効果的なことが多いです。ルーター、モデム、PCを順に電源OFF→30秒後ONで再起動します。
3) バックグラウンドのプロセスを停止する
タスクマネージャーで帯域やCPUを大量に使うアプリ(トレント、クラウド同期、ストリーミング)を終了してください。
優先度中 — ネットワーク診断と設定
4) DNS のフラッシュ(Windows の例)
管理者権限のコマンドプロンプトで DNS キャッシュをクリアします。これにより古いキャッシュが原因の接続不良を解消できることがあります。
- 管理者権限の CMD を起動します。
- 以下のコマンドを順に実行します(正確な順序で):
ipconfig /flushdns ipconfig /registerdns ipconfig /release ipconfig /renew netsh winsock reset
実行後はPCを再起動してゲームを起動し、改善があるかを確認してください。
補足: パブリックDNS(例: Cloudflare 1.1.1.1、Google 8.8.8.8)に切り替えることで一部の名前解決遅延が改善する場合があります。
5) Ping / Tracert / Pathping で経路を確認する
- ping [ゲームサーバーIPまたは既知の安定したサーバー] -t でレイテンシと断続的なパケットロスを観察します。
- tracert [ホスト] でルーティング経路を確認し、途中で応答が遅いノードがないかを探します。
- pathping [ホスト] はパケットロスの発生場所を追跡するのに便利です(数分かかります)。
問題が途中のルーターやISPの境界で起きている場合は、ISPにログと結果を見せて対応を依頼できます。
6) ルーターの QoS(品質設定)を有効化する
ルーターが対応している場合、QoS を設定してゲームの通信を優先度高にすることで改善することがあります。プロバイダのルーターは機能が限定される場合があるため、必要なら市販のゲーミングルーターを検討してください。
優先度中〜低 — ソフトウェアと設定調整
7) GPU/ネットワークドライバとWindowsアップデートを実行する
最新のドライバはフレームレート安定化やネットワーク関連バグ修正を含むことがあります。メーカーの公式サイトからドライバを入手してください。
8) グラフィック設定を下げる
最適化の簡単な一手として、解像度やテクスチャ品質、視距離、アンチエイリアスなどを下げてみてください。CPUやストリーミングI/Oが原因のフレームドロップなら効果が出ます。
9) Windows の電源プランを高パフォーマンスにする
電源プランが省電力寄りだとCPUやGPUが抑制され、FPSが不安定になります。
優先度高(条件付き) — VPN の利用
10) VPN で経路を迂回する
VPN を用いると、ISP のルーティングや混雑しているノードを回避できる場合があります。以下を参考にしてください。
- どのときに有効か: ISP 側の経路や特定ノードでパケットロスが発生している場合。帯域制限や不自然なルーティングが疑われる場合に効果的。
- どのときに効果がないか: サーバー側(ゲームホスト)やローカル機器の物理故障、PCの性能不足が根本原因の場合。VPNはレイテンシを増やすことがあるので要注意。
- 推奨プロトコル: WireGuard(低遅延で多くのVPNプロバイダが採用)や高速サーバーのあるサービスを選ぶ。
- 手順: VPNにサインアップ→クライアントをインストール→地理的に近いか安定したサーバーに接続→ゲーム起動→挙動を確認
注意: VPN は転送遅延を増やす場合があるため、必ず複数のサーバーで比較してください。
高度な診断(必要に応じて)
11) パケットキャプチャ(Wireshark 等)
プロに報告する前に、短時間のキャプチャを行ってパケットロスや再送(TCP Retransmission)、大量のICMPエラーなどを確認します。解析にはネットワーク知識が必要なので、ISPやサポートに提出するためのログ収集という位置付けが現実的です。
12) ルーターやモデムのログ確認
機器のログにエラーやリンク落ちの記録があれば、機器故障や回線の不安定さを示します。交換や修理の判断材料になります。
テストと受け入れ基準
下記は問題解決のための簡単なテスト手順と、達成すべき基準(目安)です。
- テスト1: 10分間の ping テスト → 平均 RTT が 100 ms 未満、かつパケットロス 1% 未満
- テスト2: pathping を 3 分実行 → 中間ノードにおける 5% 以上のパケットロスがないこと
- テスト3: ゲームプレイで 15 分継続 → 重大なフレームドロップ(0.5 秒以上のスタッター)が3回未満
これらはあくまで一般的な目安です。競合プレイや用途により基準は厳しくなります。
役割別チェックリスト
プレイヤー:
- LANケーブル接続を試す
- グラフィック設定を下げる
- 不要なバックグラウンドアプリを終了
- GPU/ネットワークドライバを更新
家庭内ネットワーク管理者:
- ルーターのQoSを設定
- ルーター/モデムのログ確認と再起動
- ケーブル(CAT6 以上)とポートの物理検査
ISP サポートへの連絡時に用意する情報:
- ping/tracert/pathping のログ
- ルーターのエラーログ
- 発生頻度・時間帯・影響範囲(常時か時間帯限定か)
代替アプローチと「失敗例」
- VPN が常に効くわけではありません。サーバー側の問題やローカルハード故障の場合、VPN を使っても改善しないことがあります。
- VPN は暗号化により若干の遅延を招くため、既に遅延が大きい経路では逆効果になることがあります。
- ルーターのQoS設定を誤ると、逆に帯域が偏って他の重要なサービスに悪影響を及ぼす可能性があります。
便利なコマンド集(チートシート)
- DNSフラッシュ(管理者CMD): see 上記のコードブロック
- ping(継続監視): ping example.com -t
- tracert: tracert example.com
- pathping: pathping example.com
- ネットワーク構成確認: ipconfig /all
ファクトボックス — 主要な目安
- ゲーム世界の規模: 約5850億年で完全探索相当(ゲーム内の表現)
- 目安レイテンシ: <100 ms(快適)
- 目安パケットロス: <1%(許容範囲)
- 推奨接続: 有線LAN(CAT6推奨)
促進用テンプレート(ISP連絡用)
件名: No Man’s Sky プレイ時のパケットロス/遅延について
本文例:
- 発生日時と頻度(例: 毎日 20:00-22:00 に発生)
- 実施済み対処(ルーター再起動、DNSフラッシュ、ケーブル交換、VPN 試行)
- 添付: ping/tracert/pathping のログ
- 希望: 経路調査または機器交換の確認
最後に:まとめと推奨フロー
- まずは有線化とルーター/PCの再起動、バックグラウンド停止を試す。
- DNSフラッシュとドライバ更新を行う。
- ping/tracert/pathping で経路問題がないか確認する。
- ISP 側の問題や経路の混雑が疑われる場合は VPN を試し、改善しない場合はISPへログを提出する。
重要: 根本原因が「ゲームサーバー側」や「PCの性能不足」である場合、ネットワーク側の対処だけでは完全に解決しません。段階的に切り分けを行い、結果に応じて次の手を打ってください。
まとめ: 多くのケースでは、シンプルな再起動・ケーブル交換・DNSフラッシュで改善します。改善しない場合は経路診断 → VPN → ISP へのエスカレーションという順序で進めましょう。