DISMとは: Windowsイメージの整合性を検査・修復するMicrosoftのコマンドラインツールです。
目的と関連キーワード
主な目的: DISMログ(dism.log)の場所を特定して開く方法を示す。関連の言い換え: DISMログを見る、DISM.log を開く、C:\Windows\Logs\Dism の確認、DISM エラー調査、DISM 修復履歴の確認。
1. Run(ファイル名を指定して実行)でDISMログを開く方法
Runダイアログを使うのが最速です。以下の手順でログを開けます。
- キーボードで Windowsキー + R を同時に押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 入力欄に次のパスを正確に入力して Enter を押します。
C:\windows\logs\dism\dism.log
- 既定のアプリ(通常はメモ帳)で dism.log が開きます。別のエディタで開きたい場合は、ファイルを右クリックして「プログラムから開く」を選びます。
注: 管理者権限は不要ですが、ファイルがロックされている・アクセス権が制限されている場合は管理者としてエディタを起動してください。
2. エクスプローラーからDISMログを開く方法
エクスプローラーのアドレスバーに直接パスを入力すると手早く移動できます。
- エクスプローラーを開きます(タスクバーのフォルダーアイコン、または Windowsキー + E)。
- 画面上部のアドレスバーをクリックして、次のパスを貼り付けて Enter を押します。
C:\Windows\Logs\Dism
- フォルダー内にある dism.log を右クリックし、「プログラムから開く」→「メモ帳」を選択して内容を表示します。
ヒント: エクスプローラーのアドレスバーにパスを入力する際、バックスラッシュ(\)を半角で入力することを確認してください。
3. 管理者権限のコマンドプロンプトまたはPowerShellで開く方法
管理者で実行しているコマンド環境から直接開くと、アクセス権の問題を回避できます。
- スタートメニューを開き、「コマンドプロンプト」または「Windows PowerShell」と入力します。
- 検索結果で「管理者として実行」を選び、UAC(ユーザーアカウント制御)が表示されたら「はい」をクリックします。
- 管理者特権のウィンドウで、次のコマンドを入力して Enter を押します。
C:\windows\logs\dism\dism.log
- 上記コマンドでメモ帳が起動してログが開きます。
PowerShell内でテキストとして内容を確認したい場合は、以下のコマンドを実行します。
Get-Content C:\windows\logs\dism\dism.log -Wait -Tail 200
このコマンドはファイルの末尾200行を表示し、更新があればリアルタイムで追跡できます。
DISMログが見つからない/開けないときの対処法
エラーメッセージ「DISM log file cannot be found(DISMログファイルが見つかりません)」が出る場合、原因は主に WinSxS フォルダーの破損やディスクエラー、アクセス許可の問題です。以下の手順で順に確認・修復してください。
1. WinSxS の破損をクリーンアップして修復する
WinSxS フォルダーは更新やコンポーネントストアの情報を保持します。破損や肥大化があると DISM が正しく機能しない場合があります。
- 管理者としてコマンドプロンプトを開きます。
- 以下のコマンドを順に実行し、各コマンドの実行後に完了するまで待ちます。
DISM /Online /Cleanup-Image /StartComponentCleanup
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /AnalyzeComponentStore
sfc /scannow
- PCを再起動します。
- 再び管理者としてコマンドプロンプトを開き、次を実行してシステムイメージの整合性を回復します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
説明: /RestoreHealth は Windows Update サービスや指定したソースから破損したファイルを復元します。完了まで時間がかかることがあります。
2. CHKDSK(ディスクチェック)を実行する
ディスクの不良セクタやファイルシステムの問題が原因でログが開けない場合があります。管理者コマンドプロンプトで次を実行してください。
chkdsk /offlinescanandfix
実行後に再起動を促されることがあります。完了まで時間がかかるため、作業時間に余裕を持ってください。
3. アクセス許可とファイルの場所を確認する
- エクスプローラーで C:\Windows\Logs\Dism を右クリックして「プロパティ」を選びます。
- 「セキュリティ」タブで自分のユーザーが読み取り権限を持っているか確認します。
- 必要に応じて管理者権限でメモ帳を開き、メモ帳側からファイルを開いてみます。
重要: システムファイルやフォルダーの権限を変更するとシステムに影響が出ることがあるため、変更前に現状の設定を記録してください。
追加の確認と実務上のヒント
- 最新のWindows Updateが適用されているか確認してください。DISMの復旧で外部ソースが必要な場合、Windows Updateから必要なコンポーネントを取得します。
- 企業環境では、ネットワーク経由で修復ソース(WIMやSXS)を指定することがあります。管理者に相談してください。
- ログは時系列で追うと原因特定が早まります。修復コマンド実行前後のタイムスタンプを比べましょう。
役割別チェックリスト
管理者向けチェックリスト
- 管理者権限のコマンドプロンプトまたはPowerShellを用意する
- DISM /RestoreHealth の実行ログを確認する
- WinSxS のクリーンアップを実行する
- 必要ならオフライン修復ソース(ISOやWIM)を準備する
一般ユーザー向けチェックリスト
- 管理者に障害内容を報告する(エラーメッセージと実行した手順を含める)
- 重要データは事前にバックアップする
- 指示があるまでシステム更新や再起動を控える
簡単な検証(テストケース/受け入れ条件)
- 手順: Runで C:\windows\logs\dism\dism.log を開く。期待結果: メモ帳が起動し、ファイルが表示される。
- 手順: 管理者コマンドプロンプトで DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth を実行。期待結果: 途中でエラーが出ず、最終ステータスが成功または問題を報告するメッセージが出る。
- 手順: CHKDSK を実行。期待結果: ファイルシステムに致命的なエラーがないこと。
これらが満たされれば、DISMログにアクセスして内容を確認できる状態と判断できます。
簡易フローチャート(トラブルシューティング)
flowchart TD
A[DISMログが開けない] --> B{ファイルは存在するか}
B -- はい --> C{アクセス許可はあるか}
B -- いいえ --> D[WinSxSの破損を疑う]
C -- はい --> E[エディタの問題やファイルロックを確認]
C -- いいえ --> F[権限を修正または管理者で実行]
D --> G[DISM /RestoreHealth と SFC を実行]
G --> H[再起動して再確認]
F --> H
E --> H
H --> I[ログを確認して原因分析完了]
一行用語集
- DISM: Windowsイメージの検査・修復ツール。
- WinSxS: Windowsのコンポーネントストア。更新やコンポーネント情報を保持するフォルダー。
- CHKDSK: ディスクチェックユーティリティ。
まとめ
- DISMのログファイルは常に C:\windows\logs\dism\dism.log にあります。
- 最速の開き方は Windowsキー + R でパスを入力する方法です。管理者権限が必要な場合は、コマンドプロンプト/PowerShellを管理者として実行してください。
- ログが見つからない場合は、WinSxS のクリーンアップ、DISM /RestoreHealth、SFC、CHKDSK の順に実行してトラブルシュートします。
重要: システムファイルの操作や権限変更は注意して行ってください。変更前に必要なバックアップと操作記録を残しましょう。