OnePlus X のブートローダー解除とTWRP導入ガイド

このガイドは、OnePlus がカスタム化に比較的寛容に設計した機種である前提で、ブートローダーを解除して TWRP(Team Win Recovery Project)をフラッシュする手順を示します。手順は順序どおりに行い、コマンド入力時のスペルと空白に注意してください。
重要: ブートローダーを解除すると端末の全データが消去されます。必ず事前にバックアップを取得してください。作業に伴うリスクは自己責任です。
事前準備(チェックリスト)
- バッテリー残量 60%以上
- PC(Windows / macOS / Linux)と OnePlus X を接続する USB ケーブル
- ADB / fastboot ツール(後述)
- 端末のバックアップ(写真、連絡先、アプリデータなど)
- 必要なドライバのインストール権限(管理者権限)
用語(1行定義)
- ADB: Android Debug Bridge、PC と端末間の通信ツール。
- fastboot: ブートローダーと通信してイメージを書き込むツール。
- TWRP: カスタムリカバリ。バックアップやカスタムROM導入で使う。
ブートローダーの解除手順
ステップ
- ADB ドライバを PC にインストールします(約12MB の配布ファイルを使用する場合あり)。
- 端末側で「設定」>「端末情報」>「ビルド番号」を連続でタップし、開発者向けオプションを有効にします。開発者向けオプション内で「USB デバッグ」を有効化してください。
- OnePlus X の電源を切ります。
- Fastboot モードで起動します。電源ボタンと音量アップボタンを同時に押し、fastboot ロゴが表示されたら放します。
- USB ケーブルで PC に接続します。
- PC に Minimal ADB and Fastboot(約1MB)などのツールをインストールします。
- インストール後、Minimal ADB / Fastboot ツールを起動します。
- ツールのフォルダを開き、Shiftキーを押しながら空白部分を右クリックしてコマンドウィンドウ(または PowerShell)を開きます。
ADB コマンドウィンドウの例
- 以下のコマンドで fastboot が端末を認識しているか確認します。
fastboot devices
‘fastboot devices’ の実行例
- 次にブートローダー解除コマンドを実行します。
fastboot oem unlock
‘fastboot oem unlock’ の実行例
- 端末の画面に確認メッセージが表示されます。音量キーで「YES」を選び、電源キーで確定してください。
- 解除が完了すると端末が自動で再起動します。PC からケーブルを取り外してください。
おめでとうございます。ブートローダーが解除されました。
TWRP をフラッシュする手順
注意: ブートローダー解除後に TWRP をフラッシュします。ファイル名は使用するリカバリイメージに合わせてください。
ステップ
- TWRP のリカバリイメージ(例: oneplusx-recovery.img)をダウンロードし、Minimal ADB ツールがある同じフォルダに保存します。
- 端末の電源を切り、電源ボタンと音量アップボタンを同時に押して fastboot モードで起動します。
- USB デバッグを有効にし、端末を PC に接続します。
- Minimal ADB のウィンドウで次のコマンドを入力してリカバリを書き込みます。
fastboot flash recovery oneplusx-recovery.img
TWRP を fastboot でフラッシュしている例
- 書き込みが完了したら端末を再起動し、PC からケーブルを外します。
これで TWRP が導入されました。導入後は TWRP からバックアップ(Nandroid)を取得しておくと安全です。
トラブルシューティング(よくある問題と対処)
- fastboot が端末を認識しない
- USB ケーブルを交換、別の USB ポートに接続、ドライバを再インストールしてください。
- Windows の場合はドライバ署名の問題があることがあります。管理者権限でインストールし、必要なら端末のベンダーIDに対応したドライバを試してください。
- コマンドで “waiting for device” が表示される
- 端末が fastboot モードか確認し、デバイスが PC に正しく接続されているか確認します。
- unlock 後に再起動ループが発生する
- 端末を一度リカバリ(TWRP)で起動し、キャッシュをワイプしてみてください。最悪の場合は公式ファームウェアでの復元が必要です。
- TWRP が起動しない/すぐ消える
- リカバリイメージが機種に合っているか確認し、別ソースのイメージを試してください。
代替手段とツール
- Platform-tools(公式 ADB/fastboot バイナリ)を使う。Minimal ADB の代替で、最新の互換性が得られます。
- GUI ツール(例: XDA のツールや OEM 提供のツール。信頼できるソースのみ使用)を使い、コマンド入力を避ける。
- カスタムリカバリ導入後は Magisk などを使って root 化を行う方法もあるが、さらにリスクが増える。
いつこの方法が失敗するか(反例)
- 端末がアンロック禁止のファームウェアを搭載している場合
- ブートローダーが既にロックされたカスタム ROM を導入している場合
- ハードウェア故障(USB ポート不良など)がある場合
受け入れ基準
- 端末が fastboot コマンドで認識されること。
fastboot oem unlock
が成功し、端末が再起動すること。fastboot flash recovery oneplusx-recovery.img
実行後、TWRP が起動すること。- 端末の主要機能(通話、Wi-Fi、画面)が操作可能な状態であること。
リスクと緩和策(簡易マトリックス)
- データ消失: 事前バックアップで緩和。
- 起動不能(ブリック): 公式ファームウェアで復元可能性を確認してから実行。
- 保証無効化: メーカー保証が影響を受けるか確認。
役割別チェックリスト
- 開発者: ブートローダー解除→TWRP導入→Nandroid バックアップ→カスタムROM 書き込み
- 一般ユーザー: ブートローダー解除は慎重に。主要データのバックアップと復元手段を準備
ミニ方法論(短い手順要約)
- バックアップ取得。2. ADB/fastboot 準備。3. fastboot モードで
fastboot oem unlock
。4.fastboot flash recovery
。5. TWRP でバックアップ。
用語集(1行)
- Nandroid: リカバリで行う端末丸ごとバックアップのこと。
まとめ
このガイドでは、OnePlus X のブートローダー解除から TWRP の導入までを、準備、実行、トラブル対処を含めて説明しました。手順は慎重に実行し、必ず事前にバックアップを取ってください。問題が発生した場合はログやエラーメッセージを控えてから対処すると復旧が容易になります。
もしこの手順について質問があればコメント欄でどうぞ。YouTube の動画チュートリアルも参考になります。
注: このガイドの実行に伴う結果について、執筆者・配布元は責任を負いません。
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