概要
Xboxのゲームやアプリは頻繁にアップデートされます。アップデート中に現在プレイ中のゲームを終了できない状況でも、ダウンロード速度を改善する方法があります。この記事は、ゲームを中断(サスペンド)してダウンロードを優先する手順と、併せて行うと効果的なネットワーク最適化の実務的なヒントをまとめています。
重要な用語
- サスペンド: 実行中のゲームの状態を一時的に保存して凍結し、後でそのまま再開できる機能。Xbox Series X|SではQuick Resumeと併用できます。
Xboxで実行中のゲームを一時停止してダウンロードを優先する手順
この機能はXbox One、Xbox Series X、Xbox Series Sで利用できます(2021年3月のアップデートで導入)。以下は標準的な手順です。短い手順を守れば、現在のゲームを完全終了せずにダウンロードに帯域を割り当てられます。
- ダウンロードが走っている状態で、コントローラーの Xboxボタン を押してガイドを開きます。
- 「マイゲーム&アプリ」に移動し、「すべて表示 > 管理 > キュー」を選びます。ダウンロード中のタイトル一覧が表示されます。
代替: ダウンロード中のゲームがガイドのリストに表示されている場合は、そのゲームを選択して「完全なキューを表示」を選ぶと同じページに移動できます。
- 「実行中のゲームがあります。ダウンロード速度を改善するために中断します」といった案内文の下で ゲームを中断 を選びます。これによりゲームの実行状態が凍結され、ダウンロードが優先されます。
- ダウンロードが完了したら、リストからゲームを選ぶと中断した時点に戻ってプレイを再開できます。オンラインマルチプレイヤー中に中断するとサーバーから切断される可能性があるため注意が必要です。
注: 実行中のゲームがあるとXboxはそのゲームのネットワークアクティビティを優先します。背景ダウンロードは自動的に帯域を抑えられるため、従来の解決策はゲームを完全に終了することでした。サスペンドは、保存や進行状況を保ちながらダウンロード帯域を確保するためのスムーズな代替手段です。
制限: 実行中のゲームに対するパッチや更新を適用するには、そのゲーム自体を終了(完全に閉じる)する必要があります。したがって、この方法は別タイトルのインストールや更新に有効です。
ダウンロード速度をさらに改善するための追加のヒント
以下は「サスペンド」と併用すると効果が高い実践的な対策です。短いチェックリストとしても使えます。
1. コンソールを再起動する
時折フルシャットダウンと再起動を行うと、一時的な不具合やネットワーク関連プロセスの問題が解消されます。再起動はシステムをリフレッシュし、ダウンロードプロセスの最適化に繋がることがあります。
手順:
- コントローラーの Xboxボタン を長押し→「コンソールの再起動」を選択。
- フル再起動はスタンバイ(スリープ)とは異なり、すべてのアプリとプロセスを終了します。サスペンド中のゲームがある場合は事前に保存しておきましょう。
効果の期待値: 再起動自体でISPの最大速度を上げるわけではありませんが、コンソール側の問題を解消してダウンロードの挙動を改善する可能性があります。
2. 家庭内ネットワークの帯域使用状況を確認する
Xboxが使える帯域は家の他デバイスと共有です。同時に大きなダウンロードや高解像度ストリーミングが行われていれば、Xboxのダウンロードは遅くなります。
チェックポイント:
- 他のPCやスマホで大容量ファイルをダウンロードしていないか確認する。
- 家族が4Kストリーミングや大きなアップロードをしている場合は一時停止を依頼する。
- ルーターのQoS(Quality of Service)機能でXboxに優先度を設定できる場合は検討する。
補足: QoSは詳細設定が必要ですが、家庭用ルーターでも簡単な優先度設定が可能な機種が増えています。QoSの設定例は後述します。
3. 有線接続を使う
Wi‑Fiよりも有線(Ethernet)の方が安定しやすく、速度も出やすいです。大きなゲームや更新をダウンロードする際は可能であれば有線に切り替えましょう。
実用アドバイス:
- 一時的に長めのLANケーブルを使ってルーターに直結するだけでも効果は大きいです。
- ケーブルのカテゴリ(Cat5e、Cat6など)は家庭利用ではCat5eでも十分な場合が多いですが、長距離や将来を見越すならCat6を選ぶと安心です。
4. 回線速度自体を見直す
最終的に制約となるのはインターネット回線の契約速度です。ISPが提供するダウンロード速度が低ければ、どれだけ端末側を最適化しても上限を超えられません。
手順:
- Speedtestなどのサービスで実際の速度を測定する。
対策:
- ルーターとモデムを再起動して短期的な詰まりを改善する。
- 長期的に速度が必要ならISPのプランをアップグレードする。
- 複数デバイスが同時に使う環境では、より高い上り下り速度のプランが有効です。
ルーター側でできる実用設定
ここでは家庭向けに実行しやすい設定と、その留意点を示します。技術的な設定を触る前にルーターの管理画面のアクセス方法(IPアドレス、管理者パスワード)を確認してください。
- QoSでXboxのIPアドレスやMACアドレスに優先度を与える。
- ポート転送は通常のダウンロード速度には影響しませんが、マルチプレイヤーで接続性を改善することがある。
- ファームウェアを最新にする。古いファームウェアはパフォーマンス低下の原因になることがある。
注意点: ルーターの設定を変更すると家庭内の他のサービスに影響する場合があります。設定変更前に現在の設定をバックアップしておくことを推奨します。
いつこの方法が効かないか(反例)
- あなたのISP自体が大規模な障害を起こしている場合。ローカルに帯域があっても外部回線で詰まっていれば速度は改善しない。
- ダウンロード元のサーバー側が混雑している場合。Xboxのストアやコンテンツ配信サーバーがスローダウンしていれば端末側で優先しても限界がある。
- 実行中のゲームに対する更新適用が必要な場合。サスペンドではそのゲーム自身の更新はインストールされないため、最終的にゲームを終了する必要がある。
代替アプローチと運用のヒント
- ダウンロードは夜間に自動で行うようにスケジュールする(コンソールの電源設定やダウンロード設定を確認)。
- 大きな購入や更新は、遊ばない時間にまとめて実行するルールを家族で決める。
- 重要な対戦前には事前に必要な更新が完了しているか確認する。大会やマッチ前の急ぎ対応は避ける運用がベターです。
実践チェックリスト
ゲーマー向け短縮チェックリスト:
- ゲームをサスペンドしてダウンロードを優先したか
- 他デバイスの帯域使用を止めたか
- 可能なら有線接続を使ったか
- ルーターのQoSを確認したか
- 必要ならISPに速度プランを問い合わせたか
親向け簡易ガイド:
- 夜間に自動更新を許可するか確認する
- 家族に大容量ストリーミングやダウンロードの一時停止を依頼する
- 子供のプレイ時間を避けて更新スケジュールを組む
管理者向けワンポイント:
- 企業や大規模ネットワークでは、VLANや帯域管理ポリシーでゲーミング機器に優先度を与えることを検討する
簡単な決定フロー
次のフローで対応を判断できます。
flowchart TD
A[ダウンロードが遅い?] --> B{他の機器が帯域を使っているか}
B -- はい --> C[他デバイスの使用を一時停止]
B -- いいえ --> D{Wi-Fiか有線か}
D -- Wi-Fi --> E[有線へ切り替えを検討]
D -- 有線 --> F[ルーター再起動とQoS確認]
F --> G{改善したか}
E --> G
C --> G
G -- はい --> H[完了]
G -- いいえ --> I[ISPの速度とサーバー状況を確認]
I --> J[必要に応じてISPへ問い合わせ]
ミニ運用手順(SOP): 重要なアップデートを速く終わらせたいとき
- すぐにアップデートを適用する必要があるか判断する。可能なら深夜や空き時間に予約する。
- ガイドを開き、ダウンロード対象を表示して「ゲームを中断」を選択。
- 家のネットワークで帯域を多く使っているデバイスがないか確認して一時停止を依頼。
- 可能なら有線接続へ切替え、ルーターのQoS設定をXbox優先にする。
- ダウンロードが終わったらゲームを再開。オンラインゲームだった場合、再接続が必要なことを通知する。
セキュリティとプライバシーの注意点
- ルーター管理画面にログインする際は強力なパスワードを使用し、可能であれば管理アカウントに二要素認証を設定してください。
- 公共のWi‑Fiや共有ネットワークでは大容量ダウンロードやオンラインゲームを避けるのが安全です。
まとめ
Xboxの「ゲームを一時停止」機能は、現在のプレイを中断せずに別のダウンロードを優先したいときに非常に便利です。これに加えて、コンソールの再起動、有線接続、ネットワーク上の他デバイスの整理、ルーターのQoS設定、回線速度の見直しを組み合わせると、ダウンロード時間をさらに短縮できます。
重要: サスペンドは便利ですが、自分がプレイ中のゲームの更新は適用されないため、最終的にゲーム自体を更新したい場合は完全に終了する必要があります。
Image Credit: Miguel Lagoa/ Shutterstock
Критерии приёмки
- ダウンロード速度改善の手順が明確に記載されていること。
- サスペンド手順と注意点が含まれていること。
- 有線接続やQoSなど追加対策が提示されていること。
事後要約は下の「要点」にまとめます。
要点:
- サスペンドでダウンロードを優先
- 有線化とネットワーク負荷軽減で更に高速化
- ISPや配信サーバー側の問題は端末側で解決できない