Windows 11でDevices and Printers(デバイスとプリンター)のショートカットを作成する方法

Important: レジストリ編集や管理者権限を必要とする操作があります。操作前に必ずバックアップを取り、会社環境ではITポリシーを確認してください。
概要 — Devices and Printersとは
Devices and Printers(日本語表示名: デバイスとプリンター)は、Windows 11のコントロールパネルにあるアプレットで、PCに接続されているまたはペアリングされたプリンター、スキャナー、Bluetoothデバイスなどを一覧・管理できます。ツールメニューからネットワークドライブのマッピングなども行えます。
短い定義: デバイスとプリンターは、接続周辺機器の状態確認と基本操作を行うControl Panelのアプレットです。
この記事で扱う主なショートカットの種類
- デスクトップショートカット
- タスクバーおよびスタートメニューへのピン留め
- キーボード(ホットキー)ショートカット
- デスクトップの右クリック(クラシック)コンテキストメニューへの追加
- File Explorer(This PC)への追加(Winaero Tweakerを使用)
重要な事前準備と用語
- 管理者権限が必要になることがあります(レジストリ編集、ソフトウェアのインストールなど)。
- GUID(グローバルユニーク識別子): Control Panelのアプレットを特定する一意のコード。Devices and PrintersのGUIDは文中に示します。
- UAC(ユーザーアカウント制御): 操作中に許可のダイアログが表示される場合があります。
デスクトップショートカットを作成する手順
デスクトップは最も標準的なショートカット設置場所です。作成は次の手順で行います。Windowsの表示や文言は英語/日本語環境で若干異なる場合がありますが、操作フローは同じです。
- 任意の場所でデスクトップ上の空白を右クリックします。
- コンテキストメニューの「新規作成(New)」にカーソルを合わせます。
- 「ショートカット(Shortcut)」を選択してウィザードを開きます。
- 「項目の場所を入力してください(Type the location of the item)」の入力欄に次のコマンドをそのまま貼り付けます。
explorer.exe shell:::{A8A91A66-3A7D-4424-8D24-04E180695C7A}
- 「次へ(Next)」をクリックします。
- 表示名の入力欄で「Devices and Printers」または「デバイスとプリンター」と入力します(英語名/日本語名どちらでも動作します)。
- 「完了(Finish)」をクリックしてショートカットを作成します。
作成されたショートカットは既定でフォルダライブラリのアイコンになります。見た目を分かりやすくするためにアイコンを変更する手順を以下に示します。
- ショートカットを右クリックして「プロパティ」を選択します。
- 「アイコンの変更(Change Icon)」をクリックします。
- 初期のexplorer.exeに用意されたアイコン群が表示されますが、より多くのアイコンを使いたい場合は次のパスを入力してEnterを押します。
%systemroot%\system32\imageres.dll
- リストからプリンターやデバイスに見合ったアイコンを選び、「OK」→「適用(Apply)」を押して変更を確定します。
注意: アイコンのキャッシュが残っていると即時反映されない場合があります。その場合はエクスプローラーを再起動するかサインアウト/サインインで反映されます。
タスクバーとスタートメニューへのピン留め
作成したデスクトップショートカットから簡単にタスクバーやスタートにピン留めできます。
- デスクトップのDevices and Printersショートカットを右クリックします。
- 表示されるメニューで「その他のオプションを表示(Show more options)」を選び、クラシックメニューを表示します。
- 「タスクバーにピン留め(Pin to taskbar)」を選択すればタスクバーに常駐します。
代替: 「スタートにピン留め(Pin to Start)」を選べばスタートメニューのピン領域に追加できます。ピンの位置を移動したい場合は、スタートのピン上で右クリックし「最上部へ移動(Move to top)」などの操作が可能です。
キーボードショートカットの設定
キーボードショートカット(ホットキー)を設定すると、どのアプリ上でも素早く開けます。デスクトップショートカットを介して設定します。
- 上述の手順でデスクトップショートカットを作成します。
- ショートカットを一度クリックして選択し、Alt + Enter を押すか右クリック→プロパティを選択してプロパティウィンドウを開きます。
- 「ショートカットキー(Shortcut key)」の欄にカーソルを置き、任意の文字キーを押します。たとえば D を押すと自動的に Ctrl + Alt + D のホットキーが設定されます。
- 「適用(Apply)」→「OK」を押して確定します。
注意点:
- Windowsのショートカット作成UIでは、Ctrl + Alt の組み合わせは自動的に付与されます。CtrlやAltを外して単独の修飾キーを変更することはできません。
- デスクトップショートカットを削除すると、そのキーボードショートカットも無効になります。
- 他のアプリとホットキーが競合している場合は動作しないことがあります。
代替アプローチ — AutoHotkeyを使ったグローバルホットキー
AutoHotkeyを使うと、任意のホットキーで直接GUIDのExplorerコマンドを呼び出せます。AutoHotkeyのスクリプト例:
; Ctrl+Alt+DでDevices and Printersを開く
^!d::
Run, explorer.exe shell:::{A8A91A66-3A7D-4424-8D24-04E180695C7A}
return
この方法の利点は、デスクトップショートカットに依存せず、より細かいキー割り当てが可能な点です。
コンテキストメニューに追加(レジストリ編集)
デスクトップの右クリックメニュー(クラシックな『Show more options』サブメニュー)に項目を追加するにはレジストリを編集します。以下の手順は慎重に行ってください。
Notes: レジストリの誤編集はシステム不安定やログイン不能の原因になります。編集前にレジストリのバックアップを取りましょう。
- レジストリエディタ(regedit.exe)を管理者権限で開きます。
- アドレスバーに以下を貼り付けてEnterキーを押します。
HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell
- Shellキーを右クリックして「新規」→「キー」を選択します。
- 新しいキーの名前を
DevicesAndPrinters
にします。 - その
DevicesAndPrinters
キーを選択し、右側ペインで右クリック→「新規」→「文字列値」を選び、名前をMUIVerb
にします。 MUIVerb
をダブルクリックして値にDevices and Printers
(または日本語でデバイスとプリンター
)を入力します。
- 次に
DevicesAndPrinters
キーの下に新しいキーcommand
を作成します。 command
の(既定)の文字列値を編集し、値に次を入力します。
explorer.exe shell:::{A8A91A66-3A7D-4424-8D24-04E180695C7A}
- レジストリエディタを閉じます。
デスクトップ上を右クリックして「その他のオプションを表示(Show more options)」→「Devices and Printers(デバイスとプリンター)」が表示されれば成功です。
ロールバック(削除)方法:
- レジストリエディタで
DevicesAndPrinters
キーを右クリックして「削除」を実行します。
代替: .regファイルで一括登録
以下をテキストファイルに保存して拡張子を .reg に変更し、管理者権限で実行すると同じ変更をインポートできます。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\DevicesAndPrinters]
"MUIVerb"="Devices and Printers"
[HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell\DevicesAndPrinters\command]
@="explorer.exe shell:::{A8A91A66-3A7D-4424-8D24-04E180695C7A}"
File Explorer(This PC)に追加する方法(Winaero Tweaker)
File ExplorerのThis PC領域にDevices and Printersを追加すると、エクスプローラーから直接アクセスできます。Winaero Tweakerというフリーウェアを使う方法を紹介します。
- Winaero Tweakerのダウンロードページをブラウザーで開きます。
- ページ中の「Download Winaero Tweaker」をクリックしてインストーラーを入手します。
- ZIPを解凍し、インストールを行います(インストーラーに沿って操作)。
- Winaero Tweakerを起動し、左側メニューで「File Explorer」カテゴリを選択します。
- 「Customize This PC Folders」項目を選びます。
- 「Add shell location」をクリックして、表示される一覧からDevices and Printersを選択し「Add」を押します。
- これでThis PCのサイドバーにDevices and Printersが追加されます。エクスプローラーを再起動すると反映されます。
注意: サードパーティーツールの使用は企業ポリシーに反する場合があります。IT管理者の承認を得てください。また、Winaero Tweaker自体のバージョンや互換性によってUIが変わることがあります。
よくあるトラブルと対処法
- ショートカットをダブルクリックしても開かない: pathやGUIDのタイプミスがないか確認。Explorerコマンドを別の場所(タスクバーの検索やWin+R)で試してみる。
- アイコンが変わらない: アイコンキャッシュの問題。explorer.exeの再起動、またはサインアウト/サインインで反映します。
- レジストリ変更が効かない: regeditで正しいキー(HKEY_CLASSES_ROOT\DesktopBackground\Shell)を編集したか確認。必要なら管理者で実行。
- ホットキーが反応しない: 同じホットキーを使っているアプリがないか、またはデスクトップショートカットが削除されていないか確認。AutoHotkeyを使う方法も検討。
- Winaeroで反映されない: エクスプローラーを再起動、またはPCを再起動する。WinaeroのバージョンがOSに合っているか確認。
役割別チェックリスト
目的に応じた最低限のチェック項目をまとめます。
エンドユーザー(個人):
- デスクトップにショートカットを作成して動作確認をする。
- ホットキーを設定して競合がないか確認する。
- アイコンを変更して視認性を上げる。
IT管理者:
- グループポリシーでの配布が必要か検討する。
- レジストリ編集やサードパーティーツール使用の承認を確認する。
- 配布用の .reg や PowerShell スクリプトをテストする。
パワーユーザー:
- AutoHotkeyでカスタムホットキーを作成する。
- Winaero Tweakerなどを用いてThis PCへ追加する。
- ショートカットの配色やアイコンを統一して運用する。
企業展開向けミニSOP(手順概要)
- 内部テスト: 自分のテストマシンで各手順(デスクトップ、レジストリ、AutoHotkey、Winaero)を検証。
- スクリプト化: .regファイルとPowerShellスクリプトでの自動配布用に変換。
- 小規模展開: まずは1〜2台の検証グループへ展開し問題を洗い出す。
- 全面展開: GPOやソフトウェア配布システム(SCCM, Intuneなど)でロールアウト。
- 監査・ロールバック計画: 問題発生時は即座にロールバックできる手順を用意。変更管理の記録を残す。
PowerShellでデスクトップショートカットを作成するスニペット例:
$WshShell = New-Object -ComObject WScript.Shell
$Desktop = [Environment]::GetFolderPath('Desktop')
$Shortcut = $WshShell.CreateShortcut($Desktop + '\Devices and Printers.lnk')
$Shortcut.TargetPath = 'explorer.exe'
$Shortcut.Arguments = 'shell:::{A8A91A66-3A7D-4424-8D24-04E180695C7A}'
$Shortcut.IconLocation = '%systemroot%\\system32\\imageres.dll, -27'
$Shortcut.Save()
このスクリプトはログオンスクリプトやソフト配布ツールで実行できます。
取り消し(ロールバック)手順
- デスクトップショートカット: ショートカットを削除するだけでOK。
- レジストリからの追加: regeditで
HKEY_CLASSES_ROOT\\DesktopBackground\\Shell\\DevicesAndPrinters
キーを削除。 - .regで追加した場合は逆向きの .reg を作成して削除するか、手動でキーを消す。
- Winaero Tweakerで追加した項目はWinaeroのUIから解除するか、Winaeroアンインストール後に手動でThis PCから項目を削除。
互換性と注意点
- Windowsの将来のアップデートでコントロールパネル周りの実装が変わる可能性があります。その場合はGUIDや起動方法が変わることを想定してください。
- Windows 10でも同様のGUIDが使えることが多いですが、環境差に注意してください。
- 企業環境での配布は必ずITポリシーに従って行ってください。
受け入れ基準(導入後の確認ポイント)
- 指定した方法でDevices and Printersが確実に開けること。
- 管理下の複数台で同一手順を再現できること(企業配布の場合)。
- ホットキーやコンテキストメニューが想定どおりに動作すること。
- 元に戻したいときにロールバック手順で復旧できること。
まとめ
Devices and Printersは周辺機器の管理に役立つコントロールパネルアプレットです。デスクトップショートカット、タスクバー・スタートへのピン留め、キーボードショートカット、コンテキストメニュー追加、This PCへの追加(Winaero Tweaker利用)など、用途に合わせて複数のショートカット作成方法があります。個人利用ではデスクトップとホットキーの組み合わせが手軽で便利です。企業利用ではスクリプト化やGPO配布、事前テストとロールバック計画を必ず用意してください。
要点の再確認:
- GUIDコマンド: explorer.exe shell:::{A8A91A66-3A7D-4424-8D24-04E180695C7A}
- レジストリ編集はバックアップを取ること
- サードパーティーツールは社内ルールを確認して使用すること
もし特定の展開方法(例: Intuneを使った配布、AutoHotkeyをポリシーでばら撒く等)について手順が必要なら、その環境情報(管理ツールの種類、配布対象のOSビルドなど)を教えてください。より具体的な手順を準備します。